里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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各所で始まる戦闘。

近づく砂の忍達。

戦況は佳境に差し掛かる。


第49話 サスケ回収任務その5

サイ、気をつけろ、近くまで来てるぞ」

 

キバと赤丸の鼻に近づいてくる忍の匂いがする。

 

 

「口寄せ 羅生門!」

 

キバたちの下からいきなり出てくる門。それに突き上げられ2人と1匹は体勢を崩す。

 

そこに近づく影がある。左近だ。

 

「多連拳!」

 

キバの体に同時に4発の拳が叩き込まれそのまま飛ばされる。

 

「キバ!」

 

「よそ見してる余裕ねーだろ!」

 

サイが一瞬の隙を突かれる。

 

「多連脚!」

 

サイの腹に2発の蹴りが同時に叩き込まれる。

 

そのまま木の枝を足場にし、左近は際に突っ込む。

 

 

「終わりだ、死ねー!」

 

クナイをかまえそのまま突っ込んでくる左近に対し、サイはとっさにクナイを構えるが

 

『間に合わない』

 

キィン!

 

サイと左近の間にキバが身を入れクナイでクナイを受け止める。

 

だが左近の攻撃は止まらない。

 

「多連脚!」

 

キバのクナイを持つ手を掴み上げ無防備になった腹部めがけて右の回し蹴りが2発炸裂するが、左近はそのまま腕を離さない。そのまま着地と同時に左足がキバに迫る。

 

「ぐうっ」

 

そこにサイが横入りし、両腕でガードし左近の蹴りを受け止めるが蹴りの重さに飛ばされてしまう。

 

「邪魔すんなよ。お前は後だぜ?」

 

そう呟くと左近はキバの顔を掴みそのまま振り回す。

 

キバはダメージを負い息をすることができずなすがままとなっていた。

 

 

「キャン!キャン!」

 

赤丸が左近の腕に噛み付くと左近はたまらずキバを離す。

 

支えを失ったキバは勢いそのままに飛ばされる。

 

受け身を取ることもままならずそのまま滑るようにして地面に叩きつけられた。

 

「このいぬっころがぁ!」

 

左近は赤丸の首を掴むと思い切り地面に叩きつけその上から足を振りかざした。

 

「ケダモノのくせに調子にのるからだ!」

 

足が振り下ろされる瞬間

 

 

「鳥獣戯画!」

 

左近に虎が襲いかかった。その瞬間にサイの描いた鷲が赤丸を救出し、キバの横へと連れて行く。

 

ようやく息の整ったキバだったが立ち上がろうとすると違和感を感じる。

 

『肋骨が何本かいったか?ヤベェこれじゃぁまともに戦えねぇ』

 

唇を噛み締め赤丸を抱き上げる。

 

「キバ、赤丸を連れて逃げろ!そして誰か救援を呼べ!」

 

サイの言葉にキバが反論する。

 

「何言ってやがる!お前一人置いて俺に逃げろってのかよ!」

 

その言葉にサイがいう。

 

「これは中忍としての命令だ。今のお前をかばいながら戦う余裕は僕にはない!だから早く行け!」

 

そのことばにキバは唇を噛み締め返事を返すと赤丸を抱えて歩き出す。

 

仲間を助けるために仲間を見捨てることになる。

 

『サイ、俺が誰か呼んでくるまで持ち堪えろよ』

 

 

「お前一人になっていいのか?まぁ今のあいつがいたところで何も変わりはしないがな」

 

左近はあざ笑うかのように言い放つ。その言葉にサイは切れた。静かに怒りを燃やしていた。

 

「君は僕が倒すよ。今からね。」

 

そして描くものは龍、それも今まで描いていた龍とは違う巨大な龍だった。

 

「鳥獣戯画、神獣青龍!」

 

左近に向けて巨大な龍が唸りながらその牙を左近に向ける。ものすごい速度で飛びかかり左近の右腕を噛み砕く。

 

 

「ぐぁぁぉ、このクソ野郎が!俺の右腕をー!おのれ、許さねぇ、ゆるさねぇぞ!」

 

左近の顔が呪印に侵食されていき、もはや人とは言えない形になる。言うなれば鬼のようだった。

 

「そしてその瞬間噛み砕かれたはずの右腕が元に戻る。

 

「右近すまねぇ、少し休ませてくれ」

 

「しょうがねぇなぁ、俺が片付けちまうぞ」

 

ひとつの体から2つの首がはえておれ、それが会話をしていたのである。だがサイはやはり表情一つ変えない。

 

「さぁ、左近の代わりに俺がやってやるぜ。覚悟しとけよクソ野郎が」

 

次に描くは天から雷を携えて降臨する神獣。

 

「鳥獣戯画・神獣麒麟!」

 

 

描かれた麒麟は天高く飛び上がると雷雲をまとい右近めがけて落ちてくる。それをウコンは左腕に持ったクナイで薙ぎはらうとそのままサイに向けてクナイを投げる。

 

その投げられたクナイは大きな手によって掴まれる。

 

「風神雷神!」

 

彼が描いたものは風邪を巻き起こし、天から雷を降らせた。

右近の体が風で飛ばされるが雷は寸でのところでかわされた。

 

右近は笑う。

 

「当たらなければ意味ねーんだよ!」

 

「その通りじゃん」

 

後ろで声が聞こえ振り向いたが最後だった。

 

カンクロウの傀儡人形黒蟻が右近を捉える。

 

そこにカラスが分裂し、剣となるとそこに一気にすべての剣が突き刺さり、中の右近を貫いた。

 

「黒秘技危機一髪!!」

 

黒蟻の中から叫び声が聞こえ、そこからは大量の鮮血が溢れ出た。

 

そしてサイはその後ろにいるキバに気がつき駆け寄る。

 

「キバ!大丈夫か?それになぜ砂の彼らが?」

 

その言葉にはカンクロウが答える。

 

「5代目火影から要請があった。そして俺らが派遣された。そこにこいつがちょうど通りかかり俺をここに連れてきた。それだけじゃん?」

 

その言葉にサイは礼を言う。

 

「ありがとう、助かったよ」

 

その言葉にカンクロウは言う。

 

「俺はお前達に期待してるじゃん?木の葉を変えるんだろ?そのための助力は惜しまないぜ」

 

その言葉にサイは笑う。

 

キバは悔しそうに2人を見つめながら誓う。

 

『もっと強くならねぇと、あいつらに追いつけやしねー!帰ったら修行だ!』

 

その瞬間凄まじい爆発音が鳴り響く。

 

ドーーン!

 

 

3人は音のなる方へ目を向けた。

 

そこには巨大な蛇と蛙がいた。

 

 

 

 

 




キバは若干役立たず感が否めないキャラと考えてますので、こんな感じになりました。

文句は受け付けます(笑)

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