里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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第41話 許せない心

木の葉の里にたどり着いた4人。

 

すぐさま火影の執務室へ急いだ。

 

「失礼します」

 

テマリを先頭に入るとテマリが挨拶をする。

 

「お初にお目にかかります。砂隠れの里から使者としてまいりました。テマリと申します、そしてこいつらは、我愛羅、カンクロウ、陽光です。以後お見知りおきを」

 

テマリとともに4人が頭を下げる。

 

「うむ、私は5代目火影の綱手だ。よろしく頼む。それで今回の用件というのは?」

 

テマリは綱手に書状を渡すとそれを綱手は読み進める。

 

「これは、うちはサスケの情報か!これをどうして」

 

 

綱手の問いにテマリが答える。

 

「3日前にうちの諜報部員を滝隠れの里から救い出しました。その諜報部員は諸国を渡り歩き各地の情報を砂にもたらしてくれていました。その中に木の葉の忍の名があったためこちらにお持ちさせていただきました」

 

そう告げると、テマリは続ける。

 

「私の把握していることをお話しますとうちはサスケは今里に帰りたいという気持ちは持っておらず、自ら進んで大蛇丸と同行して各地の基地を渡り歩き修行を積んでいるようです。大蛇丸のうわさは聞いていますが、そいつと一緒に修行をしているということはもはや並みの忍ではかなわないところまで来ているかもしれません」

 

 

テマリの言葉に綱手は頭を悩ませた。

 

『たしかに大蛇丸の力によって格段に強くはなっているはずだ。だが今のうちにサスケを木の葉で確保できなければもう手のつけようがなくなってしまう。だが木の葉で信用できる忍達には重要な任務を与えてしまっている。残る忍は例の事件に関与していたものたちだ。そんなやつらが大蛇丸を出し抜くなんてできるわけないしサスケに勝てる確証すらない』

 

そんなことを考えているとテマリは口にする。

 

「もしも砂隠れの手助けが必要ならいつでもいってほしいと風影様から言付かっております。ただしナルトをナルトと認めたものがかかわっていることを前提にということです。

ですので5代目火影様の話は聞かせてもらっておりますので、私達も助力させていただきますので。それでは今日は私達はこれで。失礼します」

 

テマリが頭を下げると4人は部屋を出て行く。

 

そして砂の里に帰るため門に向かい歩いていくと門の前には人だかりが。

 

そこには武器を持ち、綱手に不満を持ち、今でもナルトに憎悪を持つものたちだった。その人数は40人ほどであった。

 

「よぉ化け狐、お前何この里に戻ってきてんだ?」

 

リーダー格であろう者が前に出た。

 

「お前のおかげでこの里の秩序が乱されてんだよ、その責任は取ってもらうぞ」

 

この男の言うことは理不尽であるが、男は続ける。

 

「お前のせいで俺達の家族は死んだんだ。なのにお前がのうのうと生きている。それが俺達は許せねぇ」

 

そう言うといっせいに襲い掛かる。

 

がなぜか一歩も動けない。

 

「!?」

 

驚く男達の後ろから声がかかる。

 

「お前らまだそんなこといってんのか!そいつは何も悪くねぇ。そいつは俺達のせいで、俺たちに力が無かったから里の犠牲になるしかなかったんだろうが!」

 

その声を発したのは奈良シカクであった。そしてその隣には奈良シカマル。

 

「大人ってのはめんどくせぇなぁ。こうでもしないと自分達の強さを誇示できねぇとは」

 

 

テマリ達は構えていたクナイをしまいその横を歩いていく。

 

「感謝する。無駄な殺しをせずにすんだ。家族を馬鹿にされて黙っていられるほど人間ができていないからな」

 

そう言うと我愛羅は振り返ることも無く歩いていく。

 

 

「やっぱあんたは見込みがある。がんばんなよ、奈良シカマル。あたしはあんたを認めてるからさ」

 

そう言うとシカマルの肩をたたきカンクロウとともに歩き出す。

 

そして陽光は殺意を隠すことなく近寄るとこういう。

 

「お前ら覚悟しとけ。いつかお前ら全員に俺が裁きを下す。そして後悔してももう遅い。俺はもうお前らなんて怖くもなんとも無い」

 

それだけ言うとシカマルとシカクの前まで行き礼を言う。

 

「ありがとうございます。俺なんかをかばってくれて。嬉しかったってばよ」

 

その笑顔に二人も笑顔を向けて話す。

 

「すまねぇなぇ、昔のお前を救ってやれずに。今こんなことしても意味ねぇかもしれねぇけどよ。この里を救ってくれてありがとな」

 

「俺も、アカデミーのときはお前を助けてやれなかった。すまない。でもこれから俺は木の葉の忍としてこの腐った里を変えていく。いつか砂と木の葉がお互いに笑い合えるようにがんばるからよ、それまで待っててくれ」

 

2人の言葉にナルトは返事をして去っていく。

 

「さてシカマル、問題だ。こいつらをどうするべきだ」

 

シカクはシカマルに問う。

 

「俺に任せてもらおうか?」

 

二人の前に現れたのはカカシ。

 

「なぁに、全員気絶させるだけにしておくさ」

 

そういうや否や2秒で全員を気絶させてしまった。

 

「まったく、いいとこもっていきやがるぜ」

 

「え~、ホントは俺が最初からやる予定だったのに出てきたのはそっちでしょ」

 

「めんどくせぇ、どっちでもいいよそんなの。早くこいつらどうにかしようぜ」

 

3人は言いながらそのすべての後始末をするのであった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

4人は風影に報告し家路に着く。

 

そしてまた4人はまた修行と任務に身をおくのである。立派な忍びとなるために。

 

 

 


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