里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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第40話 風と炎の饗・砂の守護神

「準備はいいね、あんた達、行くよ!」

 

テマリは陽光と地図の上で最も潰しておかないといけない1階を、そして我愛羅とカンクロウは捕虜が幽閉されている地下に潜入する。

 

「敵襲だ、みなのもの、やつらを取り押さえろ!」

 

怒号飛び交う中2人はまったく臆することなく術を繰り出す

 

「陽光、行くよ!!風遁・烈風斬」

 

「おう!火遁・百火繚乱!」

 

無数の風の刃と8本の炎の筋が吹き荒れる。さらに風により炎の強さは増し、敵の体を焼いていく。

 

「おのれ、くらえ、水遁・大瀑布の術」

 

炎をかき消さんと大量の水が押し寄せる。

 

「テマねぇ」「おう」

 

陽光の合図にテマリが反応する。

 

「風遁・大突破」「口寄せ・斬り斬り舞い!」

 

陽光の口から吹き荒れる風が水を押し戻し術者を襲う。

 

そこへすさまじい切れ味の刃が振るわれ、建物の2,3階部分が粉みじんに吹き飛ばされる。

 

そして水から抜け出した敵たちはいっせいに仕掛けてくる。

 

「テマねぇ、ここは俺が」

 

そう言うとテマリの一歩前に立つ陽光。体術ならよう呼応のほうが圧倒的に強いためテマリは陽光に任せることにする。

 

「へ、1対10だぜ勝てっこねぇだろおらぁ!」

 

全員が一斉にかかってくる。

 

クナイをよけ、そのクナイを持つ腕を叩き落すと下がった顔にチャクラを練った右拳が炸裂する。

 

そしてそこに左右から同時に襲い掛かってくる。それをしゃがんでかわし右の相手の腕を掴み1本背負いの要領で投げ飛ばす。

 

その瞬間後ろから掴まれ動きを封じようとする敵が来るがつかまれた瞬間飛び上がりそのまま一瞬で腕から抜け影舞踊で背後に回るとそのまま回転踵落としを決める。その間に残っていた8人はテマリにも襲い掛かる。

 

「孔雀旋風陣」

 

テマリの周りに風の防御が出来上がる。

 

「陽光!」「了解!」

 

「風遁・神風、火遁・火龍炎弾」

 

神風に乗り流が何倍にも膨れ上がる。その龍はすべてを飲み込み焼き尽くす神龍の豪炎。

 

その炎がテマリもろとも敵に直撃したかに見える。

 

その瞬間テマリは飛び上がり炎を風に乗せてまとったまま飛び出してくる。

 

「風遁・掛け網」

 

その炎をまとった風を大鉄扇で逃げた敵のほうへと送り込む。

 

その炎は正確に敵を捉えて焼き尽くした。

 

「ま、こんなところか。陽光、あんたは階段のところまでの火を消しておいてくれるかい?もうそろそろ我愛羅たちも出てくるはずだ」

 

そう言うとテマリは敵の生き残りがいないか確かめに戻る。陽光は言われたとおりに出口の確保をし、そこで待つことになる。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

「やけに敵が少ないじゃん。さっきまでであったのたったの3人だぜ?こんなザルでいいのかよ」

 

カンクロウの言葉に我愛羅も口を開く。

 

「確かに捕虜を捕まえて尋問をしている施設にしては敵の数が少なすぎる。何かわけがあるのかもしれないな」

 

その考えは正しかった。ここには番人と呼ばれるものがいることをまだ彼らは知らなかった。

 

「お、上で騒ぎがあると思ってはいたが、やっとここにも敵が来たな。よし、かかって来い」

 

階段我終わり牢屋の前に1人の男が立っていた。

 

「カンクロウ、ここは俺に任せろ。あいつの後ろの牢に写真で見た諜報員がいる。あいつを連れて逃げろ」

 

我愛羅の言葉にカンクロウが反応する。

 

「わかったじゃん、でもあいつからは何かいやな感じがする。気をつけるじゃん」

 

そう告げると一歩下がる。そしてサンショウウオを準備する。

 

「お前1人で俺の相手をするのか?笑わせてくれる」

 

そう言うと男はじっくりと時間を掛けて構えに入った。

 

「いくぞ」

 

そういった瞬間男が消えた。

 

「!?」

 

我愛羅は驚いた瞬間右に吹き飛ばされる。砂でガードはしたもののそのガードを突き破って拳が我愛羅に炸裂したのである。

 

「なかなかやるな、今のを一応ガードできるとは。でもそんなもんじゃぁ俺をとめることはできない・・・ぜ!」

 

次は上部からの蹴り。我愛羅の砂のガードを突き破ってくるが寸でのところで我愛羅はかわしたが次の一撃が襲い掛かる。

 

「おらぁ」

 

しゃがんだところに蹴りが来る。それを我愛羅は砂でガードしながら右に転がりかわした。

 

 

 

「こっちだと思ったぜ」

 

男の蹴りにガードが間に合わず、モロに顔面にもらい壁に激突させられる。

 

 

「我愛羅!!」

 

「よそ見してちゃダメでしょう」

 

その瞬間カンクロウの目の前には拳が迫る。

 

『やべぇ、やられる』

 

そう思い歯を食いしばった瞬間男の拳が止まる。

 

目の前にあるのは輝く砂の塊。そしてそれを動かしているのは我愛羅。

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

肩で息をしているが我愛羅はまだ一度も攻撃を仕掛けていなかった。

 

そしてこの瞬間から攻撃に転じていくことになる。

 

「ヒュゥ、やるじゃんあんた。俺の体術を食らってまだこんなことができるなんてな」

 

男はにやりと笑う。

 

「じゃぁこっからは俺も全力だ!もうお前にゃぁ一度もガードさせねぇからなぁ」

 

そう言うと男のチャクラが増幅する。

 

そして先ほどよりも早く動き出し攻撃も早くなる。

 

「ヒャッハー」

 

右の拳と左の拳を連打する。

 

「オラオラオラオラオラー、どうした、手も足もでねぇってか?それじゃぁもうそろそろ、飛んでけやぁ」

 

男の拳がうなりをあげて迫り来る。そしてその拳が何かに当たった瞬間、男のほうが弾き飛ばされる。

 

「ぐぁぁぁ、くふっ」

 

男の腕が見たことも無いような角度に何度も折れ曲がっている。

 

煙が晴れたそこにいたのは今までの砂とは違い、少し鈍く光っているように見える我愛羅がいた。

 

「砂の鎧、覇塵」

 

男は立ち上がる。

 

「へっへへへ、右腕が壊れたってまだ3本ある、お前を倒すための武器はなぁ!」

 

そう言うと我愛羅に向けて風を切る蹴りを繰り出すが我愛羅はよけようともしない。

 

そしてその蹴りは当たった瞬間男を弾き飛ばし、牢が壊れるほどの威力だった。

 

「カンクロウ!」

 

「わかってるじゃん、黒蟻」

 

カンクロウはクロアリを操り捕虜の回収をすると、それを操り手元に入れる。

 

「カンクロウ先に行け。外の音が止まったということは外の敵は片付いている。俺はコイツに止めを刺す。砂漠大葬!」

 

印を結ぶと地面がすべて砂となり、砂にすべてが埋め尽くされる。

 

「おわったな、我愛羅。行くじゃん」

 

階段のところでカンクロウは待っていた。

 

少しダメージを受けた我愛羅だったがカンクロウとともに地上に戻る。

 

 

地上で合流した4人は、任務完了したことを確認すると一目散に砂の里に向けて帰っていった。

 

そしてこの日から2日後、諜報員の持ってきた情報は木の葉の里にも関係する事柄。うちはサスケについてのこともあったため陽光たちはそのまま木の葉の里へ向かうことになる。


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