里を捨てた少年   作:落ち葉崩し

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第39話 修行と任務の日々

我愛羅とナルトはここ最近毎日修行に明け暮れていた。

 

我愛羅は砂漠の砂を使いさまざまな術を駆使してナルトに襲い掛かる。

 

ナルトはそれを火遁、水遁、風遁、それにオリジナルの流遁と爆遁、さらには九尾化の術で応戦する。

 

2人ともお互いの力を認めているため、お互い8割以上の力で戦っている。

 

2人が戦う砂漠は里からかなり離れた開けた土地にて行われている。なぜなら里に被害を出さないためである。

 

我愛羅は最近以前の鎧の強化をしているようで、今もその鎧をまとっている。

 

 

そして修行が終わるとナルトは我愛羅に話しかけた。

 

「その鎧前のよりかなり硬くなってるな!螺旋手裏剣がはじき飛ばされるとは思ってなかったからちょっとあせったってばよ!」

 

我愛羅はその言葉に返す。

 

「だがまだお前の螺旋爆斬だと簡単にぶった切られてしまう。もう少し硬度を上げておきたいんだが」

 

そう言うと我愛羅は考え始める。

 

 

「まぁでももうあの大蛇丸ってやつの草薙の剣は通用しないと思うってばよ」

 

そういうとナルトは水を飲み干しじべたに寝転がる。

 

「いや、まだまだだ。お前の九尾化を受けきれるようになるまでは修行しておかなければな」

 

我愛羅のやる気になるとは嬉しくなって答える。

 

「おう、いくらでも付き合うってばよ」

 

 

その言葉に我愛羅はうなずき立ち上がる。

 

「続きをはじめよう、強くなって俺達はこの里を守れるように、そして大切なものを守れるようにならなければならない。そのためには修行あるのみだ」

 

その言葉にナルトはうなずき先ほどまで同様我愛羅と鍛錬を続ける。

周りが見せなくなるくらいに暗くなるまで続いた。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「陽光、我愛羅、あたし、カンクロウ、この4マンセルで任務を受けることになったわ。ランクの任務で、滝隠れの里から幽閉された捕虜の諜報部員を救出すること。その際にそこの監視、警備をしている人間と戦闘になる可能性が非常に高く、滝隠れの里の尋問は相当厳しいということで、その諜報部員はほとんど歩けない可能性も考慮すると、この任務はかなり難易度は高い」

 

テマリの言葉にしっかり耳を向ける3人。

 

「そこで今回はカンクロウと我愛羅は救出班、あたしと陽光は監視や警備員の撹乱が主な役目だ。そして諜報部員はカンクロウの傀儡の中に隠して動いてもらうため、我愛羅はカンクロウを守りながらの戦闘になることもあるからそのつもりで。そして陽光は思い切り暴れてもいいけど怪我はしないように。それと今回陽光も、我愛羅も尾獣化はなしだ。滝隠れの人柱力にフウというくのいちがいる。彼女は外の世界に出たことが無い。もしも何らかの問題が起こり接触してしまった場合に陽光や我愛羅の力に魅かれた場合取り返しのつかないことになりかねない。最悪の場合国家抗争にまで発展する。肝に銘じておけ」

 

そう告げると二人のうなずきをみて話を続ける。

 

「カンクロウは、カラス、サンショウウオ、クロアリを持っていっておいてくれ、そしてクロアリに保護するように」

 

カンクロウはうなずき立ち上がる。

 

「今から準備してくるじゃん、出発は?」

 

その問いに明日の朝日が昇るとともに出発、2日後に到着し次第作戦開始と伝えた。

 

「じゃぁ俺ってば今からちょっと修行の一環で瞑想してくるってばよ」

 

立ち上がり部屋に戻るナルト。

 

我愛羅も無言で立ち上がるとそのまま部屋に戻ろうとしたところ呼び止められて巻物を渡された。

 

「それは諜報部員の捕まっている建物の大まかな見取り図だ。それを頭に入れておいてくれ」

 

我愛羅はうなずき部屋に戻る。

 

テマリは風影から渡された建物の見取り図を頭に叩き込むべくテーブルにそれを広げ目を通していった。

 

おのおの任務の準備を怠ることなく次の日の朝を迎えた。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

1日半後・・・滝隠れの里に入ったところ。

 

「今日はここで宿を取るよ。そして明日の朝日が昇ると同時に出発、そしてその1時間後には任務を開始する。それでは今日は休もう」

 

そういうと4人は荷物を置き、ご飯を食べに行くことに。

 

ナルトたっての希望でその町で一番人気というラーメン屋に入ると広い店内にはたくさんの客がごった返していた。

 

「ほぇぇ~、さすがは滝隠れのおすすめラーメン店だってばよ!」

 

空いている席に座るとすぐに店員さんが来て注文をとりにきた。

 

「おすすめの大滝ラーメンを4「5つお願いするっす!」??」

 

その声に皆が振り返ると椅子の端っこには青い髪の少女が座っていた。

 

テマリは驚愕する。

 

『何でコイツがここにいる!?一番会いたくなかったやつだぞ』

 

手ミリは顔をヒクヒクさせていた。

 

その顔を見た我愛羅とカンクロウはこの少女が誰だか検討がついた。

 

「ん?お前誰だってばよ?」

 

ナルトの問い笑顔で答える。

 

「あっしはフウって言うっす!席が空いてなかったから相席させてもらったっす!」

 

あっけらかんと答えるフウにテマリは頭が痛くなるのを感じた。

 

「まぁべつにいいってばよ!で、ここのラーメンはうまいのか!?」

 

ナルトは気づいているのかいないのか、ラーメンの話をフウに振った。

 

「ここのラーメンはぜっぴんっすよ!これでもかって言うくらいの背油、こってりとした濃厚なとんこつスープ、そしてそのスープとマッチングした細麺に最後は脂の乗った豚バラチャーシュー!満足できること間違いしっす!」

 

フウの言葉にナルトの顔がほころぶ。

 

「そっかそっかぁ、そんなにおいしいのか!楽しみになってきたってばよ!」

 

「そういえば皆さんの名前を聞いてなかったっす」

 

フウは水を飲んだあとに机に乗り出しながら目をきらきらさせる。

 

「俺は陽光ってんだ、よろしくな、フウ」

 

ナルトが右手を差し出すとそれを掴みぶんぶん振り回すフウ。そのときナルトだけが異質なチャクラを感じ取っていた。

 

「よろしくっすぅ!他の方々は?」

 

向かいに座る3人を見ながらフウがたずねる。

 

「私はテマリ、その横が我愛羅、そしてカンクロウだ」

 

テマリは手短に紹介を終わらせた。

 

「よろしくっす、皆さん!」

 

自己紹介が終わるとすぐラーメンが運ばれてきた。

 

「うんまそ~~!いっただっきま~す!」

 

ナルトが麺をすすり飲み込むと声を出す。

 

「うんめぇ!なんだこれ!皆も早く食べるってばよ!」

 

そういうとみんなも食べ始めた。フウはマイペースにずるずると麺をすすっていた。

 

「確かにうまいじゃん、こんなの里の店ではくえねぇレベルだぜ」

 

カンクロウの言葉に我愛羅もうなずく。

 

テマリは無言で麺を食べながら考える。

 

『あのフウって子、ホントに人柱力なのか?それにしては里の皆が笑顔で見守っている。この里の人間は人柱力を本当の仲間のように思っているのか...よい里だ」

 

テマリは周りを見渡しながら考えていた。

 

周りの人間は皆フウを見張っているわけではなく、ただただ見守っているのだ。優しい瞳で仲間としてみているのだった。

 

「フウ、うまいな!」「はいっす!」

 

ナルトとフウはもう昔からの友達のようになっていた。

 

食べ終わり皆が一緒に店を出たところでフウが振り返り寂しそうな笑顔で言う。

 

「今日はたのしかったっす、また、また会えるっすかね?」

 

フウは続ける。

 

「皆さんは砂の里の忍っすよね?あっしはこの里から出られないから・・・」

 

そういうと泣きそうな顔のまま笑う。

 

「何言ってんだよ、もう俺とフウは友達だろ?」

 

陽光の言葉にうつむき加減だったフウの顔が上を向く。

 

「だからさ、俺達もまたここに来るってばよ。でもってフウもさ、忍になって砂の里に遊びに来いよ!歓迎するってばよ!」

 

そう言うとフウは陽光に飛びつく。

 

「陽光、約束っすよ!あっしが砂の里に行ったときは案内おろしくっす!」

 

そういうとフウは体を離して走り去る。

 

「ぜったいっすよぉ!」

 

離れたところで立ち止まり振り替えると手を振り叫ぶ。それにナルトも応じる。

 

「おう、またな!」

 

そしてフウは去って行った。

 

「おい陽光、あの子は」

 

「人柱力だろ?握手したときに気づいたってばよ、でも多分フウは気づいてないと思う」

 

そう言うと歩き出した。

 

「フウからはあったかいチャクラを感じた。多分あいつも人柱力と心を通わせてるんだと思う。それに、町の人たちもフウにやさしくしてるんだと思うってばよ」

 

笑顔でそう言うと歩き始める。3人も後に続き、歩く陽光の後姿を眺める。

 

そして夜はふけていった。




ついに3人目の人柱力が登場

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