大蛇丸は我愛羅に近づいていく。
「その子を渡しなさい」
そう呟き手を出すが我愛羅は応じない。
「俺はこいつを始末する。邪魔をするな」
我愛羅は睨みつけるがまったく動じない。
大蛇丸はしょうがないと息をつくと、印を結び指を噛み血を腕に塗る。
「口寄せの術!」
途端に大蛇が現れ我愛羅に襲いかかる。
我愛羅は攻撃を避けつつ反撃の手を考えるが、その瞬間に砂の鎧の腕が飛ぶ。
そしてそれと同時に砂の鎧は再生するが、サスケはいない。
大蛇丸を探すと、観客席の壁の上に立っている。
「あなたの腕も切ったつもりだったんだけど、以外に切れないものね。さすがは人柱力ってところかしら?ただ草薙の剣に切れないものはないわ」
腰に刺す鞘に刀剣を収める。そしてサスケを担ぐと蛇の口の中へ飛び込む。
「また会いましょう、次はサスケくんに敵わないかもね」
その言葉を最後に大蛇は消え去り会場から2人は消えた。
火影であるヒルゼンは叫ぶ。
皆の者、現時点を持って中忍選抜試験は終了とする、合格者は後に自里の影より令が出る。それに従ってくれ!」
そう言うと火影装束を脱ぎ捨て、忍装束に早変わりする。
「ただいまより木の葉の里の中忍、上忍達は門の前に集合するのじゃ、そして下忍からは奈良シカマル、お主もこれに該当するとして、門に集合せよ、散!」
言葉が終わると上忍中忍は皆が走り出す。そしてシカマルもだ。
1人取り残された我愛羅は歯噛みして、屈辱に震える。
そこにユカタとサリから声がかかる。
「我愛羅様!一旦テマリ様達と合流しましょう!」
「今は木の葉は混乱に陥っています。長居するのは危険かと思われます」
2人の言葉に我愛羅は静かに頷くと砂の鎧を解き、ユカタとサリを連れてこのは病院に急ぐ。
3人が到着すると木の葉病院の看護婦が部屋に通してくれた。そして7人が集まった。
「我愛羅、大丈夫かい?怪我はないかい!?」
テマリが心配そうに駆け寄ってくるが大丈夫だと伝えて腰掛ける。
「我愛羅にぃ最後決着つけらんなかったな、あいつと」
ナルトは我愛羅に話しかけるが我愛羅は頷くだけだった。
「まぁ、この今の状況の木の葉にこれ以上厄介になってるわけにはいかないじゃん、俺のチャクラもほとんど回復したし、砂の里に帰るか?」
カンクロウの言葉に我愛羅が待ったをかける。
「その前に、陽光。お前はもういいのか?最後にあの男に会いに行かなくてもいいのか?」
ナルトは頷き答える。
「俺ってばもう砂の忍だ!木の葉に未練はないってばよ!」
そう笑うとテマリが手を叩く。
「じゃぁ砂の国に帰るけど、我愛羅を先頭に2列縦隊でいく。先頭に我愛羅とあたし、2列目にカンクロウとユカタ、3列目は変則で、右にナルト左はマツリ真ん中にサリで行くよ。もしてかすると今木の葉に攻め入ろうとしている忍に会うかもしれないからね、いつでも撃退できるように準備は怠るな!それじゃぁ行くよ!」
そう言うとテマリ達は病院をあとにする。
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その頃音隠れの里
「ふふふ、ようやく手に入れたわ、うちはの血を」
ここは里の中にある隠し研究所。そこにサスケを幽閉してある。
あの子は私の次の器。この前転生したばっかりだから3年は待たないといけない。その間にあの子を鍛え上げるわ。
そうすればと転生時には確実に写輪眼と、それに見合った力を手に入れることができる。あぁ、待ち遠しい。
大蛇丸は自分を火影に選ばなかった木の葉の里を憎み嫌っている。
木の葉の里を潰し、5大国の力関係を崩し、自らの勢力を作り上げる。それが大蛇丸の希望であり野望である。
だが今のままでは無理である。そのための最強の器がうちは一族。イタチにはかなわなかったけど、サスケくん、私は君を手に入れてみせる、はーっはっはっは!