るーちゃん無双   作:るーちゃんLv255

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るーちゃん風鎮守府ライフをエンジョイしてました。本当に申し訳ない。
いや、川内は初期で選べるからいいんですが最初の建造で響が出るまでリセマラしてたらもの凄く時間を食いまして・・・。

ようやくみーくんが本編に出てきます。あと消えてた鳥とか。


第30話 えんそく しんじん編

太郎丸を探しに外に出た私だったが、探索は想定していたよりも遥かに楽なものになった。当然あの恐ろしい人達(人という扱いで合っているのかはわからないけど)もモールを徘徊しているし、私も何度か遭遇してしまっていた。けど・・・

「トリキック!」

どこからか飛んできた変な鳥が全部撃退してくれるのだ。スプラッタな状況さえ気にしなければ中々に快適な道中である。

でも、この鳥どこからきたんだろう・・・?モールにもともといたってことはないだろうし・・・。

「ホラ、サッサトアルケ、ソトニデラレナイダローガ」

そもそもこんなにべらべら喋る鳥っているんだろうか。新手のかれらじゃないよね?

「ハヤクコイ。タローマルニオイテイカレエルゾ?」

「え、太郎丸を知ってるの?」

「シタデイッショダッタ。トイウカアイツガウエニイケッテイッタカラワザワザキタンダゾ」

太郎丸に言われてわざわざ迎えに来てくれていたらしい。そうとなれば急いで下に降りて太郎丸と合流しなくっちゃ。

「よし・・・急ごう、鳥さん!」

「ダカラハヤクシロトイッテタダローガ!」

待ってて、太郎丸っ!

つい早足になってしまう。でも、ペースを落とそうとは思わない。

私は、圭が出て行くのを止めることができなかった。あの子を引き留めることも、あの子と一緒に動き出すこともできなかった。そして、あの子は戻ってこなかった。おそらく、もう会うことはできないだろう。あのとき一緒に出て行けば、何か変わったのだろうかと思い悩んだことも一度や二度ではない。

だから、同じことは繰り返さない。早く、早く太郎丸のところへ・・・・・・ッ!

停止したエスカレーターを駆け下りようとしたところ、前方にはかれらがぎっしり。ちょうど上ってきているところに駆け込んでいってしまったらしい。急いで上に戻ろうにも後方からもかれら。鳥さんは、ちょっと後方・・・丁寧にかれらを始末してくれていたらしい。しまった、突出しすぎた・・・。

どうすれば、と悩みながら周囲を見渡す私。下になにかあればそこに飛び降りようと思ったんだけど、丁度よさそうなピアノがあったはずの場所にはよくわからない残骸が転がっているだけだった。あの日の騒動で破壊されてしまったんだろうか、それにしては派手に壊されすぎているような・・・、なんて考えてる場合じゃない。こんなところで終わりたくないっ・・・。少しずつあいつらは迫ってきて、必死に周囲を見回して、視界に小さな女の子が飛び込んできたのは、こんなタイミングだった。

 

 

とりあえず休憩組(というか遠足組+太郎丸、るーちゃん以外の全員である)と荷物を車に放り込んだるーちゃん。るーちゃんカー二号の中は安全圏なので留守番をみんなに任せて一人モールへと戻っていきます。どうせりーねーはダウンしてるから余計なことはしないでしょうし、きーさんはその面倒見てるでしょうし、ゆきは太郎丸と遊ぶのに夢中だから多分放っておいても問題ないでしょう。一人であちこち見てくるには丁度よさそうです。どうせどこかに行った鳥を探さなければいけませんし、多少遊び歩いてもきっと怒られはしないでしょう。

一人で徘徊している分には植木鉢をあいつらに投げて遊んでてもガスコンロ持ってきてカップ麺食べてても店内でゴルフ始めても子供向け特撮の変身ベルト装備してても咎めるものはありません。・・・これ結構うるさいから囮に便利かもしれない、なんてベルトを弄くるるーちゃんでした。囮が必要になる場面があるかどうかはわかりませんが、備えあれば何とやらです。

その後も買い物を続けるるーちゃん。その辺の消火器を持ち出したり、マネキンの胴体を振り回したりとやりたい放題を続けます。そういえばみくちゃんとゆきがなんか野菜だか果物だか何だか必要って言ってた気がするので適当に探してみます。途中で何故か気に入ったらしい鉢植えの小さなサボテンがるーちゃんの頭上に鎮座していますがそれをツッコむほど勇気のあるあいつらはいないようですし、くるみさんも不在です。上機嫌でサボテン載せながらるーちゃんの徘徊は続きます。

 

そうこうしながら進んでいくと、下のほうからラ・ネージュの声が聞こえたのでそちらへ向かって突撃してみるるーちゃん。どうやら買い物に夢中になって奇行に励んでいるうちに入れ違いになっていたようです。ラ・ネージュのちょっと前方には生存者の姿も見えます、どうやら鳥が見つけて合流していたようですが、よほど急いで脱出しようとしていたのか、突出しすぎてエスカレーターで囲まれてしまっています。

どうやらさっそく囮用ベルトの出番のようです。目玉を放り込めば早速流れる「アーイ!」という合図。続けて「コッチヲミロー!コッチヲミロー!」と変身待機音が大音量で流れればもうあいつらの注意はるーちゃんに釘付けです。生存者さんもこちらをガン見です、観客やってないではやく逃げなさい。一拍置いてレバーをがしゃりと弄くればこれまたうるさい変身音声が流れます。もはや関係ないとこにいたあいつらまで呼び寄せるレベルのやかましさですが、囮という役割は完全に果たせているからオッケーなのです。細かいところに拘るるーちゃんは変身音声と同時に着替え255の早業であらかじめ(モールに転がってたもので)用意しておいたスーツやパーカーを着用して変身完了です(なおサボテンは頭とパーカーのフードに挟まれていた)。凝り性のるーちゃんは音声だけで妥協しません、るーちゃんは何事も形から入るタイプなのです。何故か生存者さんが「す、すごい・・・変身した!」と目を輝かせてますが、るーちゃん的にはこいつの注意を引いてどーすんだ状態です。

とはいえ観客がいるということになるわけですし、あまりいつもみたいに変なことはできません。るーちゃんは意図的には子供の夢は壊しません、たまにやらかすのはあくまで事故です。というわけでゴルフクラブやマネキンで殴打して回ったり、チェーンソーやドリルでスプラッターするのは絵面的に論外です。必然的に素手で立ち回ることになるわけで、それも一発で隣町まで吹っ飛ばすような威力ではなく、丁度こいつらを撃破できるレベルまで手加減する必要があります、繊細な作業です。

とはいえ演劇の派生で殺陣255のるーちゃん、うまいこと立ち回りながらあいつらを壊滅させることなど造作もありません。見事な動きであいつらを叩きのめしていきます。流れるような連撃であっという間に上側のあいつらを蹴散らしエスカレーター上の生存者さんのところまで到達すると、背に庇いながら再びアクションシーンを再会です。今度はあいつらを次々下に蹴り落としていきます。

トドメには纏めたあいつらを真上に蹴り飛ばした上で爆殺することも忘れません。火薬は地下で撃ちまくった連装砲の残りから調達しました。あくまで演出の都合であり火遊びではなかったというのがるーちゃんの主張、どうか反省文は勘弁していただきたいとのこと。

一通りあいつらが片付いたので「オヤスミー」の音声と共に再び早着替えを行うるーちゃん。生存者さんにるーちゃんですよーといつも通りのご挨拶です。

「・・・・・・これ、どういうギミックで変身してるの?」

ごり押し。

 

 

一方の車内ではみんなのんびりと休憩中です。まだ本調子でないらしいりーさんがゆっくり水を飲んでいます。

「水うまそうだなっ!」

「? ・・・ゆきちゃんも飲む?」

「いや、なんかよくわからないけど言わないといけないような気がして・・・ごみん」

そもそも何の野次なんだ?と首をかしげる太郎丸でした。

 

 

下で部員がふざけている間にるーちゃんもやりたい放題次への手を進めます。まずはいつまでたってもやってこない遠征班の様子を確かめるためにモールの外壁をぶち破るとラ・ネージュをつかんで放り出します。投擲された鳥は弾丸のように駅のほうへと飛んでいきました。これで向こうはOKのはずです。生存者さんが「鳥さーん!!?」と叫んでますがたぶん無事なので大丈夫ですよとるーちゃんは楽観視です。正直外壁ぶち破ってるほうが問題のような気がしないでもないのですが、生存者さんは鳥さんのあまりの扱いにそこまで気が回らなかったようなのでるーちゃん一安心です。

続けて全員分の衣服を買い溜めしておくことにしたるーちゃん。とりあえずサイズが合うものを次々に持ち出していきます。るーちゃんにとって全員の身長やスリーサイズを把握しておくことなど造作もないことです。リーダーさん用の衣服まで女性用になってること意外は完璧でした。まあ、誰が見ているわけでもないしたぶん問題ないでしょう。

いつぞや使った防犯ブザーなんかもりーねーとかに持たせておけば有効活用してくれるだろうとまた回収します。どんどん荷物が増えていってるはずなのですが、るーちゃんを見ていても鞄が一つある以外に特に荷物は見当たりません。不思議でしょうがないといった顔をしている生存者さんがるーちゃんに「荷物どこやったの?」と聞いてますが、るーちゃんは青狸とだけ答えるととことこ先へ進んでいってしまいました。謎はまったく解けません。

そんなこんなで買い物を続けるうちにどんどん上のほうに上ってきてしまったるーちゃんたち。生存者さんが住んでいた部屋まで戻ってきてしまったようなので、ついでに食料などを回収しておきます。たぶんもう戻ってこないと思われるので容赦なく全回収です。生存者さんには元々仲間がいたらしく、もし戻ってきたときのために、ともうこの部屋には何も無いよとメモを書いて扉にくっつけていました。るーちゃんもるーちゃんですよーとメモを残しておきます。無論何も伝わりません。

 

はやく太郎丸と合流したいんだけど・・・と言ってる生存者さんの意見を全く聞かずに映画館へとやってきたるーちゃん。居残っていた何体かのあいつらと仲良く映画鑑賞です。厳密にはるーちゃんに気付いたやつから消されているので気付いてないやつらと映画見てるだけなのですが、結果的には変わらないのでるーちゃんはあくまで仲良くやっていると言い張ります。

しかし島がドンパチ、賑やかになったころ、偵察に出していたラ・ネージュが戻ってきました。どうやら遠征班はモヒカン共に追い回されているようで、急いで助けにいかないとまずそうです。映画鑑賞を邪魔されて機嫌最悪なるーちゃんは、右手にラ・ネージュ、左手に生存者さんを引っ掴んで映画館を飛び出すと、そのまま外壁を蹴り破って外に飛び出しました。そのままビルやら電柱やらに次々飛び移り、猛スピードで駅に向かっていきます。後には振り回されながらぶっ飛んでいく生存者さんの悲鳴と、下方の車から遠ざかっていくるーちゃんを呆然と眺めるきーさんだけが残されたのでした。

「・・・え?私の出番はこれだけか?」

「きーちゃん、何言ってるの?」

 

 

駅前は異様な空気に包まれていた。ぴりぴりとした肌を刺すような空気。物理的な息苦しさすら感じるような重圧。容易く可視化できるのではないかと思わせるほどの濃密な殺気。散々追いかけてきたモヒカン達の騒々しさとは違う、静的な狂気。

この場の空気を一変させたのは、たった今駅の中から飛び出して、あたし達の眼前に着地したこの黒いレインコート。ぶっ倒れたみくに駆け寄ろうとしたあたしを遮るように現れたそいつを認識した瞬間、あたし達はその動きを止めさせられていた。一目でわかったんだ、バケモノだって・・・。

「おい、お前―」

「生存者諸君、健闘ご苦労 さようなら」

みく、すまん。とりあえず倒れたお前を回収してからみんなで逃げようって思ってたんだが、あたし達はここで死ぬかもしれん・・・・・・




この鳥何言ってるかわかり辛くて(鳥なんだから当たり前といえばそうなんですが)あんまり喋らせられませんね。ポニテみたいにちゃっかり日本語化しないと佐々木君コース、安易に総カタナカとかよくないですよ、ほんと。

とうとう王様が遠征班の前に立ちはだかりました。戦力的には作業ゲーにすらならないレベルで遠征班を上回っている王様ですが、早くしないとるーちゃんが来てしまいます。ここから先は時間との戦いですね。


そのころのがっこう、校庭にて
「中々見事ナホームラン・・・死ンダカト思ッタゼ」
(むしろどうやって戻ってきたのか・・・)

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