るーちゃん無双   作:るーちゃんLv255

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別次元注意。今回は冒頭以外がっこうぐらし全く関係ないです。本編向けの内容は特に入ってないはずなので飛ばしても問題ないはず。
第28話の鍋被り2号と12.7cm連装砲の出所のあたりのお話です。時系列的には21話『かいぎ』より前くらい。

何これとは言いませんが改が出たとかなんとか。暇を持て余せばるーちゃんだって飛びつきますとも。
こんなことやってる暇があったら本編書けって話なんですが、思いついてしまったものは致し方無しということで・・・・・・駄目?


番外編 るーちゃん 海へ行く ※別次元注意

今日も今日とてゆきを授業に送り出し、くるみさんと一緒に見回りを終えるとすることがなくなったるーちゃん。暇を持て余したのでちょっといつもと違うことをやろうと思いつきました。他のみんなに見つからないようにこそこそと校長室へと入っていきます。

誰も入ってこないことを確認したるーちゃん、軽く深呼吸すると、開け放たれた窓から全速力で飛び出していきます。全力で行われた高速移動は次元さえも歪ませ、いつの間にやらるーちゃんの姿はどこにもありませんでした。

 

次元航行255のるーちゃんには全く関係ない次元まで徒歩でいくなど造作もないことです。気がつけばるーちゃんは太平洋上を飛行していました。昼間に出発したはずなのに視界には星空が広がっていますが、たぶん時差みたいなものでしょう。るーちゃんは一々気にしません。景色を楽しみながら少しずつ高度を落としていきます。

 

 

「夜戦だ夜戦だーっ!夜戦夜戦夜戦夜戦夜戦夜戦夜戦夜戦」

一方、割と真っ暗な夜の海上をわけのわからないことを叫びながら進んでいく人影がありました。

「・・・・・・で、どうして私まで付き合わされているのかな?」

どうやら流石に単独行動しているわけではないようで、少し遅れて見るからにやる気のなさそうな白っぽいのが追従していました。

「私とは去年の忘年会で漫才コンビを組んだ仲じゃないか!」

「全くうけなかった挙句、電と神通さんに放り出されたけどね」

適当にあしらっていますが、それでもついていくあたり仲は悪くないのでしょう。ぶつくさと垂れ流され続ける悪態を夜戦夜戦と騒いでかき消しながら二人の航行は続きます。

と、不意に夜戦コールと悪態が示し合わせたかのようにピタリと止まります。どうやら電探に反応があったようです。いよいよ待ちに待った夜戦だと騒がしいほうの人物は勝手に意気高揚です。

夜襲など考えていなかったらしい鯨のような奇妙な物体による艦隊の背後から、二つの人影は奇襲をかけていくのでした。

 

 

一方着水していたるーちゃん、突如として前方で発生した戦火に興味津々です。現地目指して海上を疾走していきます。走破性255のるーちゃんにとっては海の上を走り回ることなど造作もありません。るーちゃんは水陸両用なのです。途中で意味不明な物体部隊が数隻襲い掛かってきましたが、たまたま現場に居合わせた鮫の尾びれを掴んで振り回したら全員四散してしまったようでした。るーちゃんの手にかかれば魚も立派な武器なのです。

とはいえ魚を振り回すのも可哀想だと考え直したるーちゃん。撃破した連中を使って手早く装備を整えていきます。サバイバル255のるーちゃんはいつも装備は現地調達です。

5インチ砲やら残骸製簡易ハンマーやらを即席で装備したるーちゃん。再び前方のドンパチ目掛けて突撃していきます。まともな人間なら近づこうとは思わないのでしょうが、るーちゃんの目的はあくまで暇つぶしです。こういうときのるーちゃんは特にリスクの管理はせずにいろんなことにどんどん首を突っこんでいきます。好奇心255が大暴走です。

こうして前方の艦隊へ接近したるーちゃん。既に後方から散々に夜襲を受けていて気が立っていたためか、こいつらはるーちゃんを視界に入れるが早いか猛烈な勢いで砲撃を敢行してきます。こいつらからみれば後方の二隻を相手にするより前方の一隻(るーちゃんは一応分類上は人なので一人という表現が適切なのだが彼らにそれを判断する術はない。単装砲を振り回しながら海上を走り回ってる人間など常識で考えているわけないのだから)を沈めて離脱するほうがまだ勝ち目がありそうに思えるようで、るーちゃん相手にその火力を集中していくことにしたようです。言うまでもありませんが、最悪の選択でした。

一斉に放たれた鯨モドキからの砲撃は、しかしただの一発もるーちゃんに当たることはありませんでした。ちょこまかと動き回る艦娘はこれまでにも相手にしてきていたこいつらでしたが、るーちゃんはそれらとはレベルが違います。複雑怪奇な回避パターンと異様な速度で全く攻撃を寄せ付けません。挙句の果てに反撃として放たれる攻撃はたかが5インチ砲のはずなのに誰に着弾しても一撃で爆発四散、沈んでいく残骸に原型をとどめたものなど一つもないという有様です。無論るーちゃんの砲撃にはずれなどあるはずもなく、撃てば撃っただけ彼らは沈んでいきます。最初ちょっと離れた位置の群れまで含めれば18隻(3マス分ほど)もいた彼らですが、後ろの夜戦狂たちに始めの奇襲で2隻、その後の交戦でもう2隻沈められ、乱入したるーちゃんに11隻を瞬殺されてあっという間に残るは3隻という有様です。

「おぉ~、なんだか随分とんでもない夜戦好きの同士が現れたみたいだよ!これは私も負けてられないね!」

「・・・・・・いや、誰だいあの子は?」

勝手に同好の士扱いされてますがるーちゃん別に夜戦好きではありません。夜に出てきたのも偶然です。ついでを言うならば白いのも別に夜戦好きではありません。そんなのは一隻で十分です。

るーちゃんもいきなり「さあ、私と夜戦しよ!」なんて言いいながら突撃してこられてもなんだこいつとしか言いようがありません。とりあえず夜戦がしたいようなので敵(だと思われる変なの)目掛けて投擲してやります。しかしるーちゃん的にはいとやかまし、だまれというニュアンスの行動だったのに投げ飛ばされた状態から魚雷叩き込んで敵を沈め、「ナイスアシスト!」とか言ってくるあたりまともなやつではなさそうです。とりあえず残る2隻を宇宙空間まで蹴り出したるーちゃんは、怪しい夜戦さんの相手をすべく身構えるのでした。

 

「いやー同じ夜戦好きがドロップしたことを嬉しく思うよ。私は川内、君と同じ夜戦愛好家だよ、よろしく!」

るーちゃん2秒で理解しました。この人話通じない。適当に聞き流せ系の人に違いありません。

「そもそもドロップ艦じゃないと思うんだ・・・普通に暴れてたし・・・」

この白いのの方が話が通じそうです。これでこいつまで夜戦夜戦言い出したら海を叩き割って海底に沈めるしかなさそうです。

「白いのじゃないよ、私は響。別に夜戦好きでもないから沈めないで欲しいな」

違ったようです。後ろで川内がぶつくさ言ってますが、スルーする方針でいくようです。対応が手馴れています。

「まぁ、この夜戦は放っておくとして、君の名前はなんていうのかな?」

るーちゃんですよー。

 

「ひびきー、わかったー?」

「全然、るーちゃんて名乗られても艦種すらわからないし」

二人に連れられて陸に上がったるーちゃん。どこかの建物で調べ物の真っ最中です。もっともるーちゃんは関係ない本読み漁ってますが。

「提督に聞いたほうが早いかぁ。そろそろ起きてるかなぁ・・・」

「川内が寝たら起きてくるんじゃないかな、習慣的に」

「いーや、起きているぞ・・・」

二人の背後からかけられた声に振り向いてみると、なんだか偉そうな(その割に不思議と威厳は薄めなのだから面白いものだ)男性が立っていました。その額には青筋が浮かんでおり、読心255のるーちゃんでなくても怒っていることは一目でわかります。

「さて、無断で夜戦に出るなんて暴挙に及んだ言い訳を聞かせてもらおうか?」

白いのが「は?え・・・無断だったの!?」と川内に詰め寄っているのでやらかしたのは奴なのでしょう。いずれにしてもるーちゃんには関係のないお話で

「お前も来い、提督がお呼びだ」

逃げられませんでした。

 

執務室(たぶん)に押し込められたるーちゃん達。川内と白いのが提督(たぶん)とその部下(これまたたぶん)の女性から猛烈なお説教を喰らっていますが、るーちゃん全く関係ないのでだいたい聞き流します。暇つぶし用の本はしっかり持ち出しています。こういう細かい時間でちゃっかりと知識を蓄えていくのが好成績の秘訣です。話の内容も(細かいところを抜きにすれば)しっかりわかってます。マルチタスクを255個同時処理可能なるーちゃんにとっては容易いことです。要するに軍属が無断で出撃して勝手に暴れていた(当然それに伴う資材は提督持ちである)というぶっ殺されても文句言えない所業を行った川内のせいで監督責任を問われた提督やその秘書を務めているらしいナガト、リュウジョウ両名(どちらがどちらかはるーちゃんにはわからなかった。名乗られていないわけだし)の立場が危うくなりそうだから厳罰ですと、まぁたぶんだいたいこんな感じです。もしかしたらところどころ間違ってるかもしれませんが、夜戦をそのうちそのうちと引き伸ばした提督に焦れて無断で飛び出したのは間違いなさそうなので大筋は合ってるはずです。ちなみにるーちゃんなら即銃殺してます。厳罰の話をしてるだけまだ温情があります。

「んで、その交戦時にドロップしたのがその子か」

るーちゃんの話になったようです。一応提督達にもるーちゃんですよーといつものご挨拶です。最早いうまでもありませんが必要な情報は何も伝わりません。

「るーちゃんって・・・・・・なんだ?」

「おそらく新手の駆逐だろう。例外を除けば背格好でだいたいはわかるというものだ。」

「ちょい待ち、いま何でウチ見て言うた?ウチにわかるように説明してくれんか?」

案の定提督たちも混乱しているようです。ちなみにるーちゃん駆逐ではありません。というかこいつら何か勘違いしてないだろうかと考え始めるるーちゃんです。

「えーと、るーちゃん。一つ確認していいだろうか?」

提督からの質問です。さて何でしょうか。

「るーちゃんの正式名称はオゴボォ!!?」

るーちゃんの名前を聞いたものは大いなる意思によって成敗されます。別に他に名乗りようがないとかそういう話ではありません、断じて。ただぶちのめしておしまいにするのも可哀想なので、るーちゃんは苗字だけ教えてあげました。

「若狭・・・わかさ・・・そうか、海自の観測艦か!」

るーちゃんは観測艦ではありませんし、そもそも海上自衛隊とは縁もゆかりもございません。事実をいってるだけで誤解が深まっていくこの状況。どちらかといえば寡黙なほうである、というか行動で示すタイプであるるーちゃんにとってこの状況はあまり好ましくないのですが、ぶっちゃけその誤解で何か困るかというとそうでもないのでスルーします。所詮は暇つぶしの一環です。

るーちゃんの確認が終わるとまた川内たちのお説教(+処分)へと話は戻ります。どうやらここの提督ではもうこの夜戦バカ(提督がそう言った)の面倒は見切れないので島流しだと、なんかまあそういう方向で話が進むようです。左遷というやつです。

「・・・他人事のような顔してるけど、響とわかさもそっちに配属になるんだからな。連帯責任だぞ」

「なん・・・だと・・・」

ふざけている白いのはともかく、るーちゃんまで島流しは理不尽な気もしないでもないですが、せめて同じ野戦バカ仲間をつけてやろうという提督なりの川内への優しさなのでしょう。根本的なところから誤解が混ざっています。るーちゃんは夜戦バカじゃありません、根も葉もない出鱈目です。

そんなこんなで左遷艦隊に配備されてしまったるーちゃん。行き先だけ指示された3隻(二隻と一人である。るーちゃんは船ではない)はあわただしく出発準備です。

いい加減眠い(と言っているのが川内なのが腹立たしいところだが、既に朝なので仕方ないのだろう)とのことで急いで準備を済ませた一行(なお準備時間の大半は出て行くものかと寮にしがみついていた白いのを引き剥がすのに費やした)は、島流し輸送船に乗って運ばれていきます。寝ている二人を放置して景色を楽しむるーちゃんは、そろそろゆきの授業が終わるかな、などと自分の世界の状況を考えていました。体内時計精度255のるーちゃんには時差など関係ありません。夕飯までに学校に帰れるのかどうかを心配しながら運ばれていくるーちゃんなのでした。

 

「ここが、私達の新たな拠点というわけだね!」

輸送船を降りてみると、島流し先も基地か何か、それっぽい施設のようでした。異様にボロボロの上に人の気配もありませんが、川内がそういうからにはここが彼女の新天地なのでしょう。道連れとなった白いのがあまりのボロさにますます白くなっていきます、哀れなものです。

「・・・まあ、燃え尽きている場合じゃないか。とりあえず、ここの司令官に着任の挨拶でもしてこようか」

るーちゃんの手を引き建物の中へと向かおうとする白いの。川内のハイテンションは相手にしないことにしたようです。人っ子一人いない廊下を進み、ここの提督の執務室(だと思われる、ルームプレートは朽ちていた)までたどり着いた一行。着任の挨拶をするため中に入ります。

ところが、執務室は全くの無人でした。明らかにさっさと新調したくなる薄汚れた壁紙や、何の変哲も無い床が見えているだけの、とても艦隊の指揮など行えなさそうなおんぼろルームです。引越し直後を思わせるダンボールたちが無造作に積み上げられているのがなおさらおんぼろ感を増しています。

「ふっふ~ん。いかにも新天地って感じだね」

「こんな生々しい引越し感はいらないよ。司令官も不在なようだし」

るーちゃんもこう汚い部屋を見ていると掃除したくなるのでそわそわしています。その気になればあっという間に新築同然にしてみせます。めざせ部室状態です。

「いーや、司令官はちゃんとここにいるよ!」

「・・・いや、どこにいるのさ。このダンボールに入ってるわけじゃあるまいし」

るーちゃんの探査に引っかからない以上ダンボールは無人です。生体反応はありません。そしてるーちゃんの索敵を掻い潜れる存在などこの世にいない以上確かにこの部屋は無人のはずです。

ふっふっふと、なにやら不適な笑みを浮かべた川内が部屋の奥へと歩いていき、ダンボールを背にるーちゃん達へと向き直りました。

「まだわからないかなぁ」

にやにやと笑みを浮かべてるーちゃん達を見つめる川内。るーちゃん猛烈に嫌な予感がしています。これはりーねーのお説教手前に匹敵する感じです。碌なもんじゃありません。

「ようこそ、夜戦好きの夜戦好きによる夜戦好きのための鎮守府へ!私が艦隊旗艦兼等鎮守府の司令官を務めることになった川内だよ!改めてよろしく!」

沈黙。ああ、また滑ったね、という白いのの呟きだけが無言の空間に染み入りました。

るーちゃんは無言で校長室に繋がるポータルを設置すると、そのまま迷わず飛び込みました。一拍遅れて白いのもるーちゃんに続いてポータルに入り、後にはドヤ顔で固まった川内とダンボールの山だけが残されたのでした。




続くかは知らない。次からはまた遠足編です、そろそろみーくんに出番をあげたい。

というわけで、艦これ改を川内でスタートして、開幕で響を建造すればあなたもるーちゃん風鎮守府ライフをエンジョイできるかもしれませんよ(マ)


誰がどれだかわからないあなたへ

海洋観測艦『わかさ』(偽)
いつもの人。熊ではない。
何の脈絡も無く出現した大戦期以外の時間軸の艦娘、海上自衛隊所属のふたみ型2番艦「わかさ」・・・などということは全くなく、その正体は艦娘でもなんでもなく、普通にるーちゃんである。相変わらずの全ステータスカンスト+スロット数255の圧倒的物量によってこちらの世界においても無双するものと思われる。ただしバランス調整のためかあくまで暇つぶしだからか、基本的に鎮守府には不在。ちなみに別に夜戦好きではない、時差の問題である。

軽巡洋艦『川内』
夜戦の人。
夜戦好きも度が過ぎた結果「じゃあ自分で好きなだけ夜戦ができる鎮守府でも作ってこい」と言われて提督に放り出された。左遷なのか栄転なのかは誰にも判断不能。本人は喜んでいるが、配属先は廃墟である。親友(とある夜戦で勝手に認定した)の響と、夜戦好き仲間(勘違い)のるーちゃんと共に今日も今日とて夜戦の準備を進めている夜戦狂。なお艦隊運営に必要な資材は古巣からがめている模様。

駆逐艦『響』
白いの。
鎮守府の自由人枠・・・だったのだが気紛れで川内の夜戦に付き合ったのが運の尽き。以降気に入られたようで毎晩散々に振り回され、最終的には仲良く左遷させられていた苦労人。ただし川内が絡まない場面では自ら奇行を繰り返し周囲に苦労をかける側の存在である。川内から逃げるのに便利という理由でがっこう次元にも出入りしている。ちなみに別に親友ではない、気紛れである。

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