るーちゃん無双   作:るーちゃんLv255

35 / 46
モール清掃中。遠征班の出番は次回か。


第28話 えんそく おそうじ編

とりあえず犬猫を一瞬にしてひっ捕らえたゆきとるーちゃん。りーねーやきーさんが止める間もなくモフモフタイムを開始です。

「もふもふもふもふ♪」

もふもふもふもふ。

「るーちゃん、ゆきちゃん。ちょっと待って。危ないから!」

(多摩が見切れなかった・・・にゃと・・・!?)

そのままるーちゃん達がモフり続けて離さないため、りーねーは仕方ないとそのまま噛まれていないかの確認を始めます。捕まえているので安全といえば安全です。

「大丈夫そうね・・・見た感じ噛まれてはいないわ」

「むしろゆき達が噛み付きそうな勢いなんだが・・・」

噛みませんし噛まれません。まったくもって問題なしです。いきなりひっ捕らえられてモフられる動物達にとっては大問題なのでしょうが、それを気にしてくれる生物は今の遠足班にはいないようでした。

一通りモフり続けて犬猫を堪能したるーちゃん。そろそろよかろうと放してやるとみんな一目散にモールの外へと逃げていってしまいました。よほど恐ろしかったのでしょう。後に残されたのはゆきが放してくれなかったためか置き去りにされた小型犬一匹のみです。どうやらゆきはその犬を連れていくつもりのようで、りーねーと交渉の真っ最中のようでした。

「犬を買いにきたんじゃないだろうに・・・いや、非常食にはなるのか?」

きーさんがさらっととんでもないことを言い出しました。犬の今にも「は?」とか言い出しそうな表情にりーねーが爆笑している間に調理255のるーちゃんはさっそく犬肉を使った料理を考え始めます。少し経つと鍋だな・・・と調理器具売り場へ消えていきましたがさてどうなることやら。

 

 

るーちゃんが戻ってくると犬(太郎丸というらしい。首輪に書いてあった)は学園生活部の所属ということになっており、一応非常食扱いは返上になったようでした。るーちゃんは使い道のなくなった鍋を被り一人鍋冠祭りを開始します。そのうちフリーダム鍋被りな不死鳥が加わって二人鍋冠祭りになっている気もしますが、まさか何の脈絡も無く鍋被りが増殖するはずもないのでりーねーもきーさんも気のせいだろうと軽く流します。明らかに鍋二号がるーちゃんに弾薬とか銃とか渡して去っていっても気にしません。До свидания.

「さて、犬で時間をくったがそろそろ本来の目的を果たそうじゃないか」

「・・・地下の食料、ね」

明らかに真っ暗っぽい地下の食料品売り場。上るのが苦手なあいつらのことだから降りるだけ降りて下に溜まっている可能性も高そうです。中々の危険地帯であることが予想されます。

「よし、私とるーちゃんで行くか。残りはその辺で隠れててくれ」

きーさんの提案にるーちゃんも探索モードです。暗視255のるーちゃんに明度によるペナルティはありません。というか心眼255のるーちゃんは無理に視覚情報に頼りきって行動する必要すらありません。相変わらず理不尽に無敵です。

「いってらっしゃーい」とりーねーに送り出されたるーちゃん達、物音を立てないように慎重に地下へと降りていきます。

食料品売り場では案の定あいつらが徘徊しているようで、複数ののろのろと這うように歩き回る足音やら、あーだのうーだの呻いている声があちこちから聞こえています。普通の人間が長居したい場所でないことは間違いありません。危険地帯です。

「・・・とはいえ明かりの一つもないと何も見えないな。あいつら寄ってくるだろうけど逃げ回りながら見ていくしかないか」

照明が必要と言われたるーちゃん、松明を取り出し、謎の仮面を装備し、屈んで壁に張り付き奇妙な動きを始めます。「何してんだお前は」と言われても気にしません。様式美です。

当然松明の明かりに釣られたあいつらがやってきます。きーさんは移動しようとしますが、るーちゃんの考えは彼女とはちょっと違います。先に邪魔者を片付けてしまえば後は探索し放題、これがるーちゃんのやり方です。るーちゃんは夏休みの宿題は初日で終わらせるタイプなのです。優等生っぷりが光ります。まずは松明をきーさんに押し付け、ついでに囮と書いた(相変わらず無駄に達筆である)紙をお腹のあたりに貼り付けます。これでるーちゃんは両手フリー、何でもありの自然体です。順調に群がってくるあいつらを見てにへっと口角を吊り上げます。

 

 

現在、私は地下の探索をたかえ達に任せて待機中だ。ゆきちゃんが太郎丸と遊んでいるからあまり静かにできてはいないけど、今のところこちらに近づいてくるやつはラ・ネージュが全て撃退しているようなので安全は確保できている。できた鳥である。

今のところ遠足班は順調に動いている。遠征班が追いついてこないことを除けば現時点では何の問題も無い。地下に食料が一切無いとかいうことにならなければ大丈夫のはずだ。

待機している店内でケミカルライトを見つけた。これならあいつらの気を引いてうまく逃げたりできるんじゃないかと考え、いくつか鞄やポケットに入れておく。自衛手段は大事なのだ。

ふと、外で唸り声。またあいつらが来ているのだろうか?一応外を確認してみる。

ひたり、ひたりと進んでくるその影の姿勢は低く、一瞬どこにいるのかわからなかった。影が二つになった。いや、3つ・・・?迫ってくるにつれてその正体がわかった。犬だ。無傷で確保した太郎丸と違い、彼らは既に成り果てている。わざわざ調べるまでもない全身の傷が彼らの最期が凄惨なものであったことを明示している。

唸り声が一際大きくなって気がついた。彼らはまっすぐこちらに向かってきている。・・・既に見つかっている?というか、ラ・ネージュはどこに・・・?

そこまで考えたところで今までゆっくりと歩を進めていた彼らが駆け出した。彼らの濁り腐った目と視線が交差する。狙いは私だ!

 

 

さあ、るーちゃんは撃ちだした。12.7cmの連装砲だ。相手は象ではないので弾が通らないなんて事態が起こるはずもなく、あいつらごと店内をめちゃくちゃに破壊していきます。きーさんなどはこう言った。「なかなかこいつはうるさいねえ、ぱちぱち棚に当たるんだ・・・・・・っておい!食料まで吹っ飛んだらどうするつもりだ!」

オツベルごっこはきーさんに取り押さえられて終了です。ごたごたの過程で地下にたむろしていたあいつらも連装砲も囮の張り紙ももうくしゃくしゃに潰れています。

とりあえず地下を制圧しきったるーちゃん。缶詰の確保をきーさんに任せ、回収できる限りのお菓子を持ち出していきます。るーちゃんは甘いものは大好きです。

食料品売り場を出る頃には荷物の量はとんでもないことになってしまっていましたが、るーちゃんが棚ごと持ち出すことで解決しました。積載量255のるーちゃんは缶詰ごときでは止まりません。

のこのこ上へと上ってくると、腐ったお犬がまさにりーねーに飛びかかろうとしていました。るーちゃんは咄嗟に持っていた棚を投擲、腐れドッグの突撃軌道からりーねーを弾き出します。缶詰満載の棚と壁に潰されたりーねーが「ぐぎゅっ!?」とか言ってますが噛まれるよりマシなはずです。

唐突に飛来した棚の出所に犬共が振り向いたときには既にるーちゃんは突撃しています。その気になればライダーなキックも放てるキック力255なるーちゃんの容赦のないローキックでお犬二匹は瞬時に壁の染みです。残る一匹も瞬時に飛び上がって頭上を取ったるーちゃんに真上から強襲されて無残な末路を遂げました。見事に野犬の群れからりーねーを守りきったるーちゃん、きーさんへと向き直り褒めろ褒めろと飛び跳ねます。

「りーさん、りーさん!しっかりして!」

「わんっ!わんっ!」

「ぜんぜん守れてねー!!!」

・・・りーねーの耐久性なら大丈夫のはずです、たぶん。

 

 

 

「なんだか今日は外が騒がしいな・・・。太郎丸が外にいるからかな・・・。」

やっぱり閉じこもっていてもどうにもならない。探しにいかないと。

私は軽く荷物を纏めると、積みあがっている段ボールをどかし始めた。

 




不死鳥さんはるーちゃんの武器扱い。なお出所が異界故るーちゃんが暇を持て余して次元航行255で遠出しない限り今後の出没予定はありません。

いつになるかわかりませんが次回は遠征班。難易度を考えるとるーちゃんがモール側に行ったのは大失敗かもしれません。


とんずらしたチーム犬
「・・・いかん、太郎丸を置いてきてしまった」
「尊い犠牲にゃ。諦めるにゃ」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。