るーちゃん無双   作:るーちゃんLv255

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りーさんてわりと人生勝ち組だと思うんですよ。美人で、料理できて、頭良くて、かわいい妹がいて、何かあってもすぐ復活して・・・。



第27話 えんそく ごたごた編

「みく、逃げろっ!」

くるみさんの叫びを合図に植木鉢を投擲。当たったかどうかなんて確認している暇は無い。全速力で車まで駆け戻る。背後で植木鉢が割れる音。

「全員乗れ!」

車酔い達も慌てて戻ってくる。背後から連中が投げてきたらしい斧が車の後部に突き刺さった。

「ああっ!?車に傷がっ・・・」

「そんなこと言ってる場合じゃないだろっ!出すぞ!!」

めぐみさんが嘆いているが、後でどうにかするしかない。今はとにかくあいつらを振り切らないと。向こうも車で追ってくるし。

こんな特大級の厄介ごとを呼び寄せているなんて・・・これは次にあったら覚悟しておいてほしいな、るーちゃん・・・。

 

 

遠足班は(るーちゃん的には)とくに何の問題も無くモールまでやってきていました。死にかけの姉たち(りーねーもきーさんも、途中から悲鳴すらあげなかった)は少し休ませておく必要がありそうですが、遠征班やラ・ネージュを待たなければいけないのでちょうどいいでしょう。

時間が余って暇になったるーちゃん。ダウン組の様子見をゆきに任せてちょっとその辺をうろうろすることにしました。まだまだ遊びたい盛りのるーちゃんはじっとしているのは不得手です。

窓を板などで塞いだ建物と、その中にいるたくさんのあいつらを気配から発見したるーちゃん、何かを思いついたようで近くの道路標識を引っこ抜くと中にいる連中にるーちゃんですよー、とご挨拶です。

当然気付いた中の人たちは板やら窓やらぶち破ってるーちゃん目掛けて飛び出してきます。しかしそこは反射255のるーちゃん。生物の限界を遥かに超えた反射速度で対応し飛び出したそばから標識で叩いて中に押し戻します。押し戻されたやつらも死んではいないので体勢を立て直すと再び飛び出してきます。そして再び叩き戻されます。その様はまるでもぐら叩きやワニ叩きです。どうやらるーちゃんの目的は巨大もぐら叩きをエンジョイすることだったようです。明らかに表情が活き活きとしています。満面の笑みを浮かべるるーちゃんの可愛らしさは中々に形容しがたい素晴らしさですが、猛スピードでターゲットをぶっ叩き続けているこの状況は傍目には恐怖以外の何ものでもありません。ときおり物音を聞きつけてきたその辺の元通行人が哀れにもるーちゃんに近づいていきますが、即座に建物の中へ叩き込まれてもぐらの仲間入りです。もう助かりません、このままるーちゃんのおもちゃです。

結局巨大もぐら叩きは復活したきーさんが鳥を抱えて呼びに来るまで続いたのだとか。かなり激しい運動だったはずですが、体力255のるーちゃんは汗一つかいていなかったそうです。

 

 

絶賛逃走中の遠征班はゲーマー恵飛須沢とモヒカンズによる激しいカーチェイスの真っ最中でした。どんどん増えていくモヒカン達による割と容赦ない攻撃にさらされてめぐねえの愛車は傷だらけです。絶賛号泣中です。

 

「そもそもなんなんだこいつら!?何が『打倒幼女』だ! ・・・みく、お前何かした?」

「いいえ、たぶんるーちゃんです」

というか間違いなくるーちゃんだと思う。この状況でこんな危なそうな連中と喧嘩する幼女が他にいたら見てみたい。

「ならいけるか・・・おーい、お前ら。人違いだから攻撃をやめろー!」

くるみさんに何か考えがあるらしい。どうなることやら。

「ヒャハー!人違いィ?んなわけねーだろうが!!ギャハハハ!!」

「特徴が一致してんだよォ!」

特徴?私とるーちゃんの共通点なんてそれこそ小学生の女子ってことくらいだと思うけど。

「ゾンビの女を連れてるだろうが、そいつが動かぬ証拠ってやつだ!!」

ゾン子のほうを見る。ゑ?私?みたいな顔してるけど、言われてみればこんなやつが2体も3体もいるわけがない。ましてそれを引き連れたまだ無事に生きている幼女なんて・・・。

「くるみさん、無理だ。逃げよう」

「ああ、流石にこれは誤魔化せない・・・だから今更ホッケーマスクを被るな」

むしろ全員ホッケーマスクを装備していればこのカーチェイス防げたんじゃなかろうか。そんなアホな考えが出てくるくらいには現状はピンチだと思う。相手はこっちを殺す気満々。それだけならいつも通りだけど、生きた人間が敵というのはこちらにとってはかなりきつい。相手を躊躇無く攻撃する覚悟が決まっているのはゾン子ただ一人のみってことだし。

逃げるにしても運転手はおそらくまともな運転は始めてと思われるくるみさんだし、そのうちどこかで事故るのはわかりきってる。

「となればここは、めぐみ先生!」

「私の車~っ!!」

・・・この人は非日常では一緒にいちゃダメな類の生き物かもしれない。

 

 

「くるみちゃん達、来ないね・・・」

遠足班は待ちくたびれていました。最初こそ曲芸255のるーちゃんによる自動車ジャグリングだの第2回るーちゃん即席ライブ、バックダンサーもいるよ、だので暇を潰していた遠足班でしたが、遠征班は中々追いついてきません。流石にみんな待つことに飽きてきていました。たまに湧いてくるエネミー集団も出て来るたびに刃物装備ラ・ネージュに瞬殺されるため自衛や警戒の必要すらありません。暇です。

「仕方ないわね、先に入りましょう」

りーねーが痺れを切らしたようです。確かにこのまま待っていても無駄足になるので、先に物資を回収するというのはいい考えです。

「えー、まだみんな来てないよ?」

「先にあちこち見ていたほうがめぐねえ達を案内できるだろ」

「・・・・・・それもそっか」

ゆきも納得したのでいざ入店です。そういえば車(初代るーちゃんカー)で道を塞いでいたんだったかなんて考えたるーちゃんは車を吹き飛ばす準備をしながら進んでいきます。るーちゃんメイスだのドリルだの取り出してますが、どこに収納されていたのかは不明です。るーちゃんの容量は255、大抵のものは格納できるとのことですがいったいどこに隠し持っているのでしょうか・・・謎です。

「なんでドリル・・・?」

くるま。

「くま?」

誰が熊だ。

しかしいざそのあたりまで行ってみると車は見るも無残にぶった切られ、普通に通行可能になっていました。デフォルメりーねーも真っ二つです。これにはりーねーも大きなショックを受けたようで、しばらくの間物凄い顔をして座り込んでいました。ゆきが慰めてもすぐには復活してこないあたり重傷です。

どのみち進むのに邪魔だからドリルやチェーンソーでバラバラにする気だったるーちゃん、自分のことは棚に上げてなんてひどいことしやがると憤ってます。多分内心では自分でぶっ壊してりーねーを不機嫌にさせなくて済んだためむしろ喜んでいるのでしょうが、ポーカーフェイス255のるーちゃんはそんなもの顔に出しません。

いつまでもここにいるわけにもいかないのでりーねーを引き摺り先へ進みます。かつて老婆をぶっ飛ばした地点目指して進行です。。ここにきてようやくえくすかりばーをここに残したままだと気付いたるーちゃん、回収した方がいいだろうかなんて考えはじめます。

老婆の残骸までやってきたるーちゃん、残念ながらえくすかりばーはどっかに行ったようで見当たりませんが、代わりに面白いものを見つけました。犬と猫が何匹もたむろしていたのです。これはもう突撃してモフるしかありません。りーねー達が止める間もなくゆきと一緒に突っ込んでいくのでした。




りーねーは顔芸55、るーちゃんはポーカーフェイス255、対照的な姉妹ですね。

受験生の忙しいシーズンには動きが鈍りますね、また不定期化してしまう・・・。


そのころの王さま
「ご報告申し上げます。幼女打倒し隊がターゲットを見つけたそうです。アスタコの使用を申請してきていますが・・・」
「好きにさせてやれ」
双腕重機は用途も多い私の切り札の一つだが、出し惜しむほどではない。好きにすればいいと思う。自分の目的が果たされれば、私の目的を果たすときにもしっかり手伝うだろう。
早く仕留めてしまえばいい。それを合図に私は動く。
もう少しだ。装備も人員も整えた。あとは戻って助けるだけだ。
「もう少しだけ待っててね・・・」

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