るーちゃん無双   作:るーちゃんLv255

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がっこうぐらし7巻の店舗特典を見ていたらるーちゃんの姿が。
あれさえあればりーさんは瞬殺できるに違いない。


第24話 はんぎめ

今日は早朝から出先で入手してきたタクシーや職員達の車を弄繰り回しているるーちゃん。前回の教訓を活かして側面の装甲も強化しようとしているようです。改造に時間を割きたいからか前面装甲のデフォルメりーねーが以前よりだいぶ雑になってますがどうせぐちゃぐちゃになるだろうと判断したため気にしません。るーちゃんは自分の趣味以外では極めて合理主義です。

まだまだ朝も早いからか、外にもかかわらずあいつらの姿はほとんどなく、るーちゃんは快適に作業を進めていきます。まともに動いているあいつらは、運動部のごく一部(所謂強個体の諸君であるようで、生前のノリで平然と走っていた)と雨でダウンしてその辺に転がってるやつを引き摺って片付けている謎のポニーテールさんくらいのものでした。今日も学校は平和です、・・・少なくともるーちゃんにとっては。

しばらく作業を続けていると校舎の方からるーちゃんを呼ぶ声が聞こえてきました。りーねーが朝ごはんを用意してるーちゃんを呼んでいるようです。るーちゃんはとりあえず作業を止めると、三階目掛けてぽーんと飛び上がりました。

 

「るーちゃん、るーちゃん、明日は遠足だよっ!」

びしっとポーズを決めて宣言するゆき。今日も朝から元気そうでなによりです、めぐみに寝癖を直されながらでなければもっとよかったのですが。

何言ってんだコイツと傾聴の姿勢に入ったるーちゃん。色々聞き出してみるとどうやら先日遠征の計画を練っていたら授業を終えて戻ってきたゆきが遠足に行くぞー!とか言い出したのだとか。

どーすんのこいつという疑問を込めてくるみさんの方を向くと、「遠足でも遠征でも変わらないだろー」という返事が返ってきました。なんか楽しそうにしてるので遠足の語感が気に入ったのでしょう、変なとこで子供っぽい人です。

きーさんはきーさんで、「いや、やっぱり遠征でいいだろ。遠足って響きがなんか気が抜けるというか、なんというか・・・」とかぶつぶつ言ってるようでした。

こんなことでも意見が割れるあたり実はこいつらあんまり深刻に考えてないのでは・・・とかみくちゃんが言ってましたが、るーちゃんもぶっちゃけあんまり深刻に考えていません。物資がないならそのへんで買ってくればいいじゃない程度の認識です。正直るーちゃんが全部調達してくるのが一番安全なのですが、流石にるーちゃん一人放り出すのはりーねー達にはできない選択のようなので仕方ありません。リーダーさんなら遠慮なくるーちゃんに買出し頼むのでしょうが、彼は合理主義者るーちゃんをずっと見てきたため思考がるーちゃんに染まってるので致し方ありません。

るーちゃんの直感ではめぐみも単騎で買出しいけるっぽい感じなのですが、流石のるーちゃんもあれを一人でいかせるのはいかがなものかと思うので実行はさせません。迷子になられても困ります。

なんにせよやる気になってるゆきたちは行くなと言ってもそのうち出発すると思われるので、るーちゃんはりーねーに遠足組と遠征組で二つの班をつくるように提案するのでした。

 

「えんそくー、えんそくー♪ ・・・けっきょくどこ行くんだっけ?」

「ショッピングモール、リーダー達がいたとこだとさ」

遠足班はるーちゃん、ゆき、りーねー、きーさん、ラ・ネージュです。行き先は以前行った事のあるモールなのですが、案内要員にするつもりだったリーダーさんが車酔いで死にかねないということでこちらはるーちゃん任せで行ってみることになったようです。「めぐねえと一緒じゃないとやだーっ!」とだだをこねる自称高校三年生の幼女がいた気がしますが、りーねーが現地で合流するから大丈夫よ、と言ったら黙りました。ちょろいです。

「こっちボケしかいないじゃんか、人選おかしいだろ」

とかなんとかきーさんがぼやいてます。こっちはるーちゃんがいるから特に戦力は必要ないのでこんなメンバーになってしまいました。

「遠征班の責任者は私・・・、頑張らないと、はぅ」

遠征班はめぐみ、くるみさん、リーダーさん、ゾン子さん、みくちゃんです。こちらは駅周辺にモヒカンがいるというるーちゃんの情報を受けて生存者の様子を見てくるつもりのようです。るーちゃん的にはモヒカンなんか見ててもいいことないからやめとけと思わないでもないのですが、今までヒャッハーな連中の被害は受けてこなかった学園生活部メンバーの中では生存者=味方という式ができているようで、一応様子を見てこようというめぐみとくるみさんの意見が通った形でした。リーダーさんは当初留守番を主張していましたが、ゾン子さんが制御不能になっても困るということで結局くるみさんに引っ張り出されてしまったようです。これで後からモールの遠足班に合流するときも道に迷う心配はありません。・・・リーダーさんさえ無事ならですが。

 

班分けも決まったので、みんなは各自で準備を済ませることにしたようです。るーちゃんはさっさと車の改造を終えて、みんながあれこれやってる中を適当にうろちょろしていました。

まずは「・・・車に乗りたくない」とかなんとかいろいろぶつくさ言ってるリーダーさんに目を付けたるーちゃん。乗り物酔いに効くツボを教えてあげることにしたようです。しかしあちこちぶすぶすと押していくとリーダーさんは「うぐっ!!ぐああ!!」とか言ってひっくり返り、そのまま動かなくなってしまいました。アミバごっこを楽しむるーちゃんは『ん!?まちがったかな・・・』もしっかり完備しています。危険人物です。

 

流石に哀れに思えてきたので外から酔い止めの薬を持ってきたるーちゃんは、続いてめぐみのところへ行ってみることにしました。めぐみはくるみさんやきーさんとどうやって車を持ってくるのか相談しているようです。

「とりあえず、車は私が持ってくるから、みんなは昇降口で待ってて・・・ね」

「いや、めぐねえのスピードだと素直に昇降口から出て行っても囲まれてやられるだけだと思うんだけど・・・」

「でも、私達が行ったって運転できないだろ」

「あたしは運転できるぞ?久しぶりだけどなー」

どうやらくるみさんは運転ができるようです。しかし直感255が冴え渡っているるーちゃん、くるみさんの車には乗りたくない感じです。班が別で助かりました。

結局誰が車を取りにいくのか気になるるーちゃん、るーちゃんカー二号がるーちゃん仕様である都合上一緒に取りに行くことになるからです。

「運転できるならくるみでいいだろ、めぐねえより速いし」

「どうせるーちゃんいるしな」

「私の車・・・ぶつけないでね・・・」

ちょっぴり心配だわ・・・、と呟くめぐみを半ばスルーしてどこから降りれば近いかやら陽動は必要かやら話していた二人でしたが、背後にいたるーちゃんが凄い勢いでシャドーボクシング始めたあたりでコイツにごり押しさせればいいやと思考を放棄したようでした。るーちゃんのあまりの万能さがあだとなって脳筋に磨きがかかってきているようです。

 

「りーさん、バナナはおやつに入るかなぁ?」

「そうねぇ・・・めぐねえに聞いてみないと・・・」

「そもそもバナナがどこにあるのさ」

りーねーと幼女組(るーちゃんとめぐみ除く)はお弁当とおやつの準備をしているようです。正確にはみくちゃんはツッコミ入れてるだけですが。

このグループにはりーねーがいるため、るーちゃんこっそり様子を見ます。認識されたらりーねーが仕事を放り出すのですることが増えて面倒です。

とりあえずバナナがあればいいことはわかったるーちゃん、バナナを調達しに学校を飛び出すと、尋常ならざるスピードで南へ向けてぶっ飛んでいきます。スピード255の本気を見せるようです。

あっという間に海を越え、フィリピンへ到着したるーちゃん。バナナをたくさん買い込むと、再び国境を越えて巡ヶ丘までひとっ跳び、とんでもない速度でぶっ飛んでいきます。

何事も無かったかのようにバナナを確保して帰還したるーちゃんはゆきやみくちゃんにバナナを渡しにいきます。

「わぁ、バナナあったんだ、るーちゃんありがとー」

「ゑ、これどっから・・・ゑ?」

両極端な反応を見せる二人を見て楽しんだるーちゃんは、謎の達成感を味わいながら海外で捕まえたよくわからないトカゲの丸焼きをゾン子さんと二人で食べつつ明日の遠足に向けて英気を養うのでした。




班決めって言ってるのに準備が残りすぎてそっちばかりになってしまった。
リーダーさんは無事にぼっちルートを回避しましたが、はたして学校でぼっちと車酔いでモヒカンとどちらが幸せだったのでしょうか・・・。

そのころのモール
「・・・・・・・・・・・・・・・あ、流れ星。まだ夜じゃないのに」
「くぅん(あれ人に見えたんだけど、気のせいか・・・?)」

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