るーちゃん無双   作:るーちゃんLv255

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初日です。るーちゃん以外の原作キャラは出番無し。


第1話 はじまり

 

ある日の朝、るーちゃんは起床とほぼ同時になんとも形容しがたい不安をおぼえました。

るーちゃんの勘はよくあたります。なにせ常人の直感力を7とするとるーちゃんの直観力は255、貫禄のカンストなのです。

経験からこれは何かとんでもないことが起こるな、と判断したるーちゃんは、学校へ向かう前に鞄に非常食と飲み物を詰め込み、家族の荷物にもこっそりと水とチョコレートを忍ばせておきました。

非常時に水があるのとないのとでは大違いです。

これで多分みんな大丈夫だろうとるーちゃんは一安心、学校へ向かうことにしました。

一応道中で頑丈そうな建物や、使えそうな場所を確認しておくことも忘れません。

 

学校に到着しクラスへ入っていくと、いつも通りクラスメイトのみんなは元気に騒いでいました。

これから何かが起ころうなどとは予想もしていないのでしょう。

るーちゃんはとりあえず座席に荷物を置くと、友達の荷物にも予備の水を放り込み始めました。

無論全員分はないので、仲のいいみくちゃん、ゆーたくん、なおきくんが最優先です。

「なんで水?」といわれても気にしません。備えは大事です。

ぶつくさ言ってくるなおきくん達に水を押し付けていきます。

一応渡す際に備えあれば憂い無し、とだけは伝えておきます。

るーちゃんが突拍子もないことを始めるのは今に始まったことではないため、みんなはああ、いつものなのね、と納得してくれます。

 

とりあえず授業が始まるまでに水を押し付け終わったるーちゃんは、まだ何事も起きていないことを確認すると今のうちに寝溜めしておこうと考えました。

どんな事態が起こるかわからないので今晩は眠れるとは限りませんし、学力255のるーちゃんにとって授業を受ける意味は全くありません。

となると授業に出ているより寝ているほうが有意義です。そして、どうせ寝るのであれば机に伏せているより保健室のベッドを使ったほうが快適です。

というわけでるーちゃんは役者60前後に対して255という脅威の数値をたたき出す演技スキルをフル活用し、仮病で先生を欺いて保健室へ移動します。

さっさと保健室へとやってくると保険医の先生も完璧に誤魔化し、見事ベッドを確保しました。流石の早業です。

後はベッドで事が起こるまで眠るだけです。人が多い学校であれば、何か起こればすぐ誰かが騒いで起きれるはず、と判断したるーちゃんはさっさとすやすや寝てしまいました。

 

随分寝ていたるーちゃんですが、ベッドに近づく足音で目を覚ましました。

保険医の先生が歩き回ってる分には気にもしませんが、どうにも歩き方がふらついてる気がしたのです。るーちゃんは違いのわかる女なのです。

るーちゃんが身体を起こして足音へ目を向けると、血まみれの保険医がふらふらと近づいてきていました。

その様はまさにホラー映画で見たゾンビそのもの、どうみても異常事態です。

るーちゃんはこれが不安の元凶だと確信し、この場を逃げ去ることにしました。

とりあえず保険医には布団を被せて視界を塞ぎ、じたばたもがいているのを尻目に救急箱とモップを拝借します。

 

行き先をちょっと考えたるーちゃんですが、記憶の中に自分の姉が通う高校の学校案内を見つけました。

確かあの高校には発電、浄水といった設備がやたら整っていたはずです。

ホラー映画だろうが地震だろうが、とにかくあそこに避難していれば楽だろうなぁ、と思いながら読んでいた記憶があります。

となるとあの高校を目指すのがよさそうです。運がよければ姉と合流することもできるでしょう。

きっとあの姉のことだから今頃立てこもり先の扉でも押さえながら先生あたりに「これからどうすれば・・・・・・!?」って感じで泣きついているに違いありません。

昔からあの人は理解や想定を超えてくる状況にはめっぽう弱いのです。メンタルが豆腐でできてるに違いないとるーちゃんは常々思っているのです。

さっさと合流してあげないと存在を忘却されたり、同級生を妹の代わりにしていたり、縁もゆかりもないものをるーちゃんだと思い込んでたりしかねません。

るーちゃんは進路を決定すると、ようやく布団から解放された保険医に足払いをかまして転倒させて保健室を出ていきました。

 

保健室を出た廊下には既に三体のあいつらが存在していました。

その中にはゆーたくんの姿もあります。どうやら彼はすでに手遅れのようです。

ゆーたくん達はるーちゃんに気付くとゆっくりと、しかし確実に迫ってきます。

るーちゃんはモップを握り締めました。

ちなみに成人男性がゾンビに物理攻撃を行った場合の攻撃力を10とした場合、るーちゃんの物理攻撃力は255になります。

某ゾンビゲーの暴君シリーズを束にして挽肉にできる威力です。

覚悟をきめたるーちゃんはゆーたくんに飛び掛りモップを一閃。

直撃を受けたゆーたくんは物理演算の狂ったゲームのように吹き飛ばされ、残る二体を巻き込み窓を枠ごと粉砕しながら校舎の外へと消えていきました。

窓の外にいた生存者が理解を超えた光景に呆然自失状態でしたが、彼の近辺にいたあいつらも吹き飛んでいった同胞を呆然と眺めていたため致命的な隙にはならなかったようです。他人に迷惑をかけない、流石るーちゃんです。

るーちゃんはしばし友との別れの感傷に浸ると、破壊音を聞きつけて集まってきた元学友の皆さんを振り切り校舎から走り去っていくのでした。

 




本日のるーちゃん
直感力255
学力255
演技255
物理攻撃力255

本日のりーねー(推測)
園芸45
面倒見75
ロッカー6

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