※2019年工事内容※
途中…………
本日は晴天。太陽は頂点に達していてるが 暑さはさほどでもなくなっていて、空も高くなってきているような気がする。
先日の、僕とリオネラさんとの「自身のこと告白合戦」は無事に終わり、互いにこれまで通りに接するようになった。変わった事といえば……少しだけ『シアレンス』のことを話題に話すようになったくらいだろうか
と、まあ それだけだったので特に気にして無かったんだけど
「…………ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」
……よくわからないんだけど、今、何故かリオネラさんに平謝りされている
――――――――――――
とりあえずは落ち着いたリオネラさんに ソファーに座ってもらい、香茶をついでいる
「それで、いきなりどうしたの?」
「あの……そのね…」
オドオドと言うリオネラ。それに対し、その両隣にいるホロホロとアラーニャが代弁するかのように前に出る
「単刀直入に言っちまうけどよ、実はだな……」
「リオネラがポロッと喋っちゃったのよ…フィリーに、あなたのこと」
「ん……て、えっ?」
一瞬遅れて驚いた。それって……そういうことだよね?えっ、どうしてそんなことになったんだろう?
「そ、そのね…今日の朝にフィリーちゃんのお家に行って 話したの、私の『力』のこと。……マイスくんも言ってたとおり、「全然怖くないよ」って言ってくれたの」
「リオネラさんの事を知ってれば、きっとそう言うと思うよ!…あれ?でも」
そこからどう繋がって……
「それでだな、ロロナとマイスにも受け入れてもらえたーって話から」
「その時の話の流れを軽く説明してたときにポロッと「マイスくんと それぞれの秘密を分かち合って」って言ちゃって」
ホロホロとアラーニャにそこまで説明してもらえば、あとはもう想像がついてしまった
「それで、フィリーさんに押し負けて話しちゃったんだね…」
「うぅ……その…マイスくんにも、フィリーちゃんにも受け入れてもらえて 嬉しくて、私、舞い上がっちゃって!それで……!」
「ううん、いいんだ……驚いたけど、どのみちフィリーさんには話さなきゃって思ってたから。それがちょっと早くなっただけだよ」
リオネラさんに話した時には決めていたことだ。一番騙してしまっているわけで、ちゃんと言わないといけないと常々思っていたのは事実だ
でも、今、ここにいないってことは……
「……僕、嫌われちゃったのかな」
「そっ!そんなことないよ!!」
僕の呟きに、食ってかかるように リオネラさんが否定してきた
「あっ…でも……その…」
しかし、リオネラさんの声はすぐに小さくなり、さっきの勢いが嘘だったかのように勢いが無く ボソボソとしたものになってしまった
そして、そんな時にまた出てくるのがホロホロとアラーニャ。こういうところを何度も見ていると、やっぱり良いトリオなんだなーっと感じる
「嫌いになった、ってわけじゃないんだけど……ね?」
「もういっそのこと、会わせちまったほうがいいんじゃねぇかな」
「え、でも……」
ホロホロの提案に、少し不安そうな顔で渋るリオネラさん。そして、僕としての考えは…
「うん、会いに行くよ。やっぱり キチンと自分で伝えたいからね」
――――――――――――――――――
エアハルト家にたどり着き、フィリーさんの部屋の前まで来た
コンコンッ
「フィリーちゃん、私だけど……」
リオネラさんがドアをノックし、声をかける。すると、ドアの向こう側から 何かが動いたような音が わずかに聞こえた
「…リオネラちゃん」
そしてドア越しに聞こえてきた声は 当然ながらフィリーさんの声だった
「あのね、実は―――」
「私、もう マイス君に会えないよぅ…!」
リオネラさんが何かを言おうとしたところを、意図的にでは無さそうだけどフィリーさんがさえぎった。その声は少なからず震えていた
やっぱり、嫌われてしまったのだろう。でも、それも当然のことだろう、ずっと騙してきていたんだから……
「だって!マイス君の 全身をくまなくモフモフしたりっ、ギューって抱き締めてたなんて……私っ!恥ずかしくて!絶対顔も見れないよぅ!!」
「えっ」
「だ、大丈夫だよっ、フィリーちゃん!私なんて、マイスくんだってわかる前にも後にも抱き締めちゃったんだから!!」
「え、いや、ちょ…」
「それじゃ なおさらだよっ!きっとマイス君に「リオネラさんと比べてフィリーさんは堅いなー」なんて思われてたんだぁー!!」
「どうして、こんなことに……」
2人とも何だか普段と様子が違うよ……。嫌われていたわけでは無さそうだったから安心……しようと思ったけど、これは…どうしたら……
「フィリーもリオネラも、一回 落ち着きなさい」
「そうだぜ、これ以上は 放置されてるマイスがかわいそうだぜ…色んな意味で」
「あっ」
「えっ!?」
アラーニャとホロホロの言葉に、リオネラさんとフィリーさんがそれぞれ反応する
リオネラさんは僕を振り返りながら「そういえば、いたんだった!」と言った表情で驚き、耳まで真っ赤にしたその顔を両手で隠した
フィリーさんは…一旦静かになったかと思えば ドア越しにドタバタと大変そうな音と、バタンっという音と同時に「ふぎゅ!?」という声が聞こえてきて……大丈夫だろうか?
「リオネラもマイスも顔が真っ赤ね。……たぶんフィリーもでしょうね」
「青春ってヤツかねぇ……お熱い事で」
アラーニャもホロホロも、そんなことを言わないでほしい。ひとから言われてしまうと、ますます顔が熱くなってしまうのが、嫌でも自分で すぐにわかってしまう
結局、それから小一時間ほど誰も動けなくて 状況が止まったままだった。
そしてリオネラさんが「と、とりあえず、今日はみんなお家に帰って、ひとりひとりで考えようっ!」という提案をして幕を閉じた。「何を?」とも思ったけれど……まあ、仕方ない…のかな?
諸事情により今回はかなり短くなってしまいました
シリアスなんてなかった