……最近のアトリエではいつものことなきもしますね。個人的には発売されるものが良くなるのであれば、延期なんてなんのそのですし、いくらでも待ちます。
それとは別に、『ルルアのアトリエ』ですよ!
ピアニャに、新キャラのオーレルの情報初公開! ここでは書きつくせないくらいいろいろありまくりで困ってしまいます!
何はともあれ、最新話でございます
***街道のはずれ***
大きなヒレのドラゴンによる
偶然なのか間を測ってなのか――あの怒ってる感じからしたら、我慢した上で飛び出してきたようには思えないけど――ドラゴンが消えてから『
クーデリアさんは『
ミミちゃんの流れるような一連の動きも目をみはるものがあるけど、それ以上にクーデリアさんが予想以上に身軽で凄い動きをしてて……前に一緒に冒険に出る機会はあって銃を使うってことも聞いてたけど、あの時はマイスさんとステルクさんだけで蹴散らせてから戦う姿を見るのは初めてだったりする。
『――――。』
「ロロナたちが手こずってるから並の奴じゃないとは思ったけど、ずいぶんと丈夫……というより、コイツ本当にモンスターどころか生き物なの?」
「当ってるはずなのに、硬い柔いじゃないこの変な感覚……塔の『
はたから見て強烈に見えた二人の攻撃を受けて、そう大きくのけぞったりはしなかったものの動きを止めた『
けど、それよりも……
「くーちゃんに、ミミちゃんまで! どーしてココに!?」
私よりも先に先生が二人に問いかけた。
二人とも『
「どーしてもこーしても、これだけドンパチやってたら嫌でも『
「私は指令で、みんなが集めてた『属性結晶』を一旦まとめて、ロロナさんとトトリの所に持って行く途中で……そしたら、『青の農村』の近くで黒い霧があって、その中から爆弾や雷の音と変な気配がしたから「絶対何かあったんだ」って思って……」
クーデリアさんに続いて言ったミミちゃんの腰には、何やらゴツゴツしたものが入ってそうな袋が。きっとあの中に『属性結晶』が入ってるんだろう。
「戦うにはちょっと邪魔ね」と言いながら取り外し、私へとさし出してきた。……うーん。ここまででアイテムは結構使ったからポーチに入るかな?
「ロロナ。とりあえずの状況はおおよそ理解できてるし長々話してる暇はないから、手短に「今からどうするか」くらい説明してくれるかしら?」
「あっ、うん。『
「……とりあえず、何か手はあるのね。まっ、アッチも動くみたいだし、とりあえずあたし達でスキを作るからトトリと二人でやっちゃいなさい」
先生が属性の事とか詳しいことを軽く省いたせいか、解ったのかどうかいまいちな反応を見せるクーデリアさん。でも、『
「
そうクーデリアさんは付け足すように言って――――って、誰にいってるんだろう?
チラッとこっちのほうを向いたクーデリアさんの視線は、気のせいか私や先生の肩越しの……その先へと向かっているような気が……。
その視線に釣られるように後ろへと目を向け――る途中で、その声は私の耳に入って来た。
「しょ、そそ、そんなぁ!? せんぱい、わたし、ムリですよ~!?」
「うぇっ!? ふぃ、フィリーさん!?」
後方支援をしてくれているホムちゃん……そのクーデリアさんよりちょっと大きいくらいの、比較的小さな体の背後にに必死に隠れようとするかのように中腰気味で震えている女の人。その姿は、見間違えるはずもない、私がそこそこ見知っている人……クーデリアさんと一緒で『冒険者ギルド』で受付のお仕事をしているフィリーさんだった。
でも、クーデリアさんと違って、「冒険に行ってた」とか「下手な冒険者よりも強い」とか言う話はこれまで聞いたことは無かったんだけど……? 本人も「無理」って言ってるし、大丈夫なのかな?
涙目でプルプル震えているフィリーさんが必死に訴えかけるけど、クーデリアさんはもはや振り向くこともしないで言葉だけであしらいはじめちゃう。
「別にあんただけで倒せなんてことは言わないし、そんな期待も全くしてないんだから。あんた、『魔法』が使えるってだけで下手な冒険者よりも役に立つんだから、今はとにかく自分と周りを回復させることだけ考えて逃げ回っときなさい」
「そんなこと言ったって~! 戦うなんて聞いてないですしっ、それに、なんだかもの凄く怖そうな相手で……わ私っ、初戦闘がこんな相手って死んじゃいま――――」
「可能性は十分にあったけど、言ったらあんた絶対来ないじゃない。まあ、とにかくあたし達も――あのリオネラだって頑張ってるんだから、ちょっとは手伝いなさい。
クーデリアさんの言葉に、フィリーさんだけでなく私も……ううん、私以外の人たちも少なからずビクリッと反応してしまう。
でも、確かにその通りなんだ。
『ゲート』が消えてから現れたとはいえ、『
「ほらっ、来るわよ!!」
クーデリアさんが注意喚起を飛ばすのとほぼ同時に、『
―――――――――
これまでのリオネラさんによる囮役とホムちゃんのサポートに、新たにミミちゃんとクーデリアさんの揺動・遊撃、フィリーさんの回復役が加わった新たな戦線。特にフィリーさんの回復『魔法』の存在は大きくって、その分手の空いたホムちゃんは私たち皆への強化や異常状態・弱体化の解除、さらに『
結果、私と先生にもかなりの余裕ができて、逆に『
「トトリちゃん!」
「はい! 先生!」
「「『
『――――――』
みんなが作ったスキを突いて確実に当てにいった『地球儀』は狙いに狂いも無く『
けど…………
「ッハ~、トコトン丈夫だなー」
「ホントウにね。一応全く効いてないわけじゃなさそうだけど……」
ホロホロとアラーニャがそう言うように、やっぱりと言うべきか『地球儀』が『
これで『
「属性攻撃用アイテム、4種類ともダメですか……いえ、ホムが用意した
「ううん、そんなことないよっほむちゃん! 属性ごとにダメージに差はほとんどなかったから、結局はどの属性も弱点じゃなかったわけで……だから、ええっと……」
ほんの少しの変化でわかり辛いけど、
そんなホムちゃんに先生がフォローを入れている――――けど、いまいちとりとめの無い感じになってしまっている――――最中、私の中で、一旦頭の隅へと追いやっていたとある疑問が再び浮き上がってきてた。
……どうして、あの時の『N/A』はまるで効果が無かったんだろう?
属性で言えば、『N/A』はさっき試した『フラム』と同じ「炎」属性。『フラム』は多少ではあってもダメージを与えることは一応できてたわけで……それなら、単純な火力で言えば数段上な『N/A』の爆発だって『
もしかして、何かしらの条件で今よりももっと堅くなって――それで、『N/A』は効いてなかったとか? ……って、もしそうだったら、かなり不味いよね……。
「私の
「まっ、今の戦闘でわかったけど、数の優位を上手く活かせば持久戦もなんとかやっていけそうじゃない。属性の弱点関係無しの根性比べでも、何とかなるんじゃないかしら?」
「ふぇっ?」
ミミちゃんに続いて、不敵な笑みを浮かべつつ見解を述べたクーデリアさん。
……なんだけど、何故かフィリーさんがその言葉に少し気の抜けてしまいそうなマヌケな声を漏らして、クーデリアさんを含めたほぼ皆の視線を集めた。もちろん、私もそっちへと目を向けてしまって……。
「……いやまあ、半分くらい騙して連れて来といたのは確かだけど、あんた、今このタイミングで帰れるって思ってたりしたの?」
「うぇええぅ!? 別にっ、そんなことじゃ……あっ、でも、確かに帰りたい……って、ちち違いますぅ! クーデリア先輩っ、今のはその、言葉のアヤで~!!」
「だ・か・ら! それでなんだっていうのよっ?」
ワタワタ慌てたりして結果何を言いたいのかハッキリしないフィリーさんに、イラッとしたご様子のクーデリアさんが強く問い詰めて……そこで、私は強いプレッシャーを感じた!
この戦いで何度も体感してきたこの類のプレッシャー。だけど、今回はこれまでとは
「っ! また別のドラゴンが……!」
――そう。現れたのは、羽毛を持ったドラゴンや炎のような体をしたドラゴンと同じ、二足歩行で腕が翼になっている
が特徴的だった。
雄たけびを上げるように、その一本角で空を刺すように大きく首をもたげたドラゴン。
すると、薄くではあるけど黒い靄に包まれていて少し暗くなっていた私たちの周辺が
というより、段々暗くなっていってる……ん? でも、まだ明るめな
ほんの一瞬でたどり着いた「なんで」という思考。それと同時に――ううん、反射的にだったし、もしかしたらそれよりも早かったかもしれない。
そう、バッと空を見上げた。
人の大きさなんか悠々越えているまんまるな巨岩が、空高くから降り注いてきてた。それも、1個2個じゃなくて――10個以上。
「『メテオール』使われたモンスターって、こんな気持ちだったのかな?」
「んなこと言ってる場合かぁっ! 早く離れるわよ!!」
空から『☆を模したもの』や『うに』、果てには『ぷに』を降らせる
ああっ、でも、ミミちゃんの判断が正しいみたいで、巨岩が降り注ぎそうな範囲は一本角のドラゴンの周囲十数メートルだけで、走って離れれば避けるのはそう難しくはなかったみたい。
と、その場から逃げる最中の私たちの耳に、クーデリアさんと、それとフィリーさんのちょっと荒い息遣いと共にその声がするりと入って来た。
「で、なんだったのよ、さっきの話は」
「ひぃ、ふぅ……! だ、だからぁ、まだ試してない属性が2つあるんじゃって思ってぇ~……だから、ですね――ケホッケホッ……ううっ、明日、絶対筋肉痛だよぉ」
普段、受付のお仕事であんまり運動をしてい無さそうだけど、やっぱりここまで走りまわってきただけですいぶんと大変そうなフィリーさん。……
「ちょっ、フィリーさんっ! 属性って、
「えぅ、トトリちゃん? で、でも、属性攻撃って
フィリーさんの言葉に「えっ?」って声が複数被って聞こえた。もちろん、私の口からも出てたけど……。
「
「ち、違った?」と周りの皆の様子を代わる代わる必死に見るように視線ををせわしなく動かくフィリーさんは……って、あれ? 「火」? 「炎」じゃなくて? 「土」だって……それに、「氷」や「雷」は? あと、なんだか知らないのも……。
「あっ!」
「思い出した」と言わんばかりに声を零したのはリオネラさん。巨岩があと少しでドラゴンの周りの地面と激突するというころ、範囲から退避し終えてた私たちの視線は自然とリオネラさんの方へと向いた。
「マイス君が昔言ってたんだけど……『
「それってつまり、『
私がそう問いかけ終えたのとほぼ同時に、降り注ぐ巨岩が大地を揺らし轟音を立てて砕け散る。
リオネラさんの答えはその轟音でかき消されちゃったけど……少し迷うような表情をしつつも確かに頷いた様子からして、私の考えはとりあえず間違って無さそう。でも、まだ推測の域を抜けないけど……。
でも、言われてみれば、マイスさんの使ってた『魔法』って私が錬金術で作ったことのない「風」や「光」、「闇」といった属性の『魔法』だったように思える。それに……今戦っている相手やドラゴンがやってくることも、『
そんなことも考えていると、岩が落ち終えてからリオネラさんのそばに居るホロホロとアラーニャが喋ったことは、また私を悩ませることに……。
「しっかしだな。これまで
「けど、思い返してみても、全く効かなかったことは無かったけど、特別ダメージ負ったりしてる様子も無かった気がするのよ。もちろん、『錬金術』で作った道具であればもっと効果があるかもって可能性は無きにしも非ずなんだけど……」
……そうアラーニャは言うけど、つまりはそれってどっちにしろ難しいというかありえないくらいなんじゃぁ……?
『――――』
「っ! といった所で相手が大人しく待ってくれるわけじゃないし……来るわよ!」
ミミちゃんがそう言った通り、いつの間にかその姿を消した一本角のドラゴンに代わり、『
特に合図も無しに私たちは自然と解散して、それぞれが『
滑るように勢い良く突っ込んで来た『
「えっ!?」と驚きの声を上げるよりも先に、視界の端に黒い
私のそばではなく、少し離れた場所――もっと正確に言えば、
いつの間に……!? いや、さっきの光ったので『瞬間移動』!? もしかして、『N/A』が効果が無かったのも、属性の耐性とかじゃなくてそもそも当たって無かった……!?
それにもしあんな至近距離で攻撃を受けたら、下手したら一撃でなんてことも……!?
そんな考えが私の頭の中をグルグルと行き交いながらも、視線の先のスローモーションで見える光景は、何か『魔法』を撃ち出そうとするかのように先生へと向かって手のひらを突き出す体勢に入る『
「あっ」
ど、どうしたんだろう? なんだか少し嫌な予感が……
「もう
先生っ!?
あれだけあったはずなのに、私とホムちゃんとの時、あの序盤でどれだけ浪費したんですか!?
そんなツッコミをしそうになっちゃうけど、そんな余裕はない。クーデリアさんや他の人も間に入ろうと動き出してはいたけど、なにせ完全に不意打ちとなった『瞬間移動』の直後。とても間に合いそうには……!!
「ロロナ先生っ!!」
その声が先生に届くどうか、そんな一瞬……淡いピンクの光が先生と『
『――――――ォ!!』
「「「「「「えっ?」」」」」」
『
って、先生は!?
尻餅をついてポケーッとしている先生に急いで駆け寄って肩をゆすってみることに。
「ロロナ先生っ、大丈夫ですかっ!?」
「え、あ、うん。大丈夫だよ? それで、今、何があったの?」
「なにがって、私にもさっぱりで……先生が何かしたんじゃ……?」
そう聞いてみると、先生はコテンと首をかしげてしまう。
「爆弾が無くって、もうヤケクソだ~!って『エンゼルフルハート』をドッカーッンと……」
確か、杖にちからを集めてから撃ち出し拡散させて広範囲を攻撃する技で……あのピンクの光は『
「無事でよかったけど、どうしてロロナの『
「たしかに、マスターの『エンゼルフルハート』は物理的なダメージのみだったはず。……仮に、見た目的にあちらの世界の『属性』の「光」として敵側に認識されていたとしても、そもそも「光」は『
私に続いて駆け寄ってきたクーデリアさんとホムちゃんが、私もうっすらと感じていた疑問を口にした。
その通りなんだよね、一体何でなんだろう……?
「「あっ」」
揃って声を上げたフィリーさんとリオネラさん。「まさか、また何か忘れてたことが……?」と二人の声がした方へ眼を向けるのとほぼ同時に、その信じがたい言葉は聞こえた…………
「「
あい……「愛」?
「愛って何さ?」
遂に、ようやく、終局。
次回、『ロロナ【✳︎12✳︎】』