『ルルアのアトリエ』というそうで、主人公のルルアこと『エルメルリア・フリクセル』は「ロロナの娘」だそうで、巷ではいろんな意味で大騒ぎです。
色々と言いたい事やらは活動報告や瀕死状態のTwitterでもちょっとずつ描いている通りなんですが、
――――この
なお、大真面目にシリアスにしようとすればするほど
作中のマイス君を取り巻く環境だけでも気が滅入る軟弱さなのに……とはいえ、物語を考えたのは自分ですし自業自得と言えば自業自得なのですが。
それはそれとして、『ネルケと伝説の錬金術士たち』も登場キャラやシステム等、情報が増えてきました。
なんというか、『メルルのアトリエ』の国の開発を本格的にゲームに落し込んだ感じと言いますか、わかってはいたつもりですが従来のアトリエシリーズとはかなーリ変わってる感じですね。個人的にはすっごく楽しみです(不安が無いとは言ってない)
さて、今作の本編はあいかわらずの『VS 終わりのもの』。知ってる人的には正体バレバレな『終わりのもの』さん。一部ハメ殺し的な攻撃 を持つこの強敵……その一つである大爆発にさらされるロロナたちの運命は……!?
っと、その前に別の場所でのお話が入っております。
***冒険者ギルド***
「変な音と破裂音? それに黒い霧ですって?」
『冒険者ギルド』に駆け込んできた街の門番が報告してきた内容に
なんで
「ありえない」とは言い切れない。
マイス関連の私的な理由はないわけじゃないけれど、それ以外にも立場的には街やその周辺への安全を確保・維持する必要があるわけで……はいそうですか、と報告を聞くだけ聞いて放置っていうわけにもいかない。
となると、あたしがとるべき行動はほぼ決まってしまってる。とにかくまずは現場調査、そして出来るのであれば素早く解決。
そうなると腕の立つ冒険者にでも早急に依頼でも出して言って貰うのが一番……なんだけど、ここでちょっとした問題があった。
そう。今現在、腕の立つ冒険者はあたしといくらか面識がある面々はもちろんのこと、そこそこ腕の立つ冒険者も大概が出払っている。それには色々と理由があるんだけど……とにかく、今『冒険者ギルド』からすぐに出れる冒険者はいないというわけだ。
あと、残っているのって言ったら……
「ロロナたちなら……いや、でもあの子たちもあの子たちで重要なことをやってるわけだし、それを邪魔するのは……」
「あの~、そのことなんですが」
カウンター越しにオズオズとかけられた声に、あたしは逸れていた意識を改めて
「実は『
「張り紙? ロロナたち、アレの研究のために依頼は受けないってことでも書いておいたのかしら?」
「それもあったのですが、『実証実験のために街の外に行ってます』とも……その、もしかすると……」
……言わんとすることはわかった。わかってしまった。むしろ、ロロナたちが何を
最悪の場合、ロロナやトトリが実験に巻き込まれて行方不明に……ってことになりかねかいんじゃないかしら。そうじゃなくても、道具そのものが爆発して壊れたり、発生させた『ゲート』からモンスターが大量に湧き出してきたり……悪い意味で何でも有り得てしまいそうね。
そう考えると、色々と納得できる――けど、それはそれでやっぱり人の派遣は必要なことには変わりない。
『ゲート』からモンスターが出てきたってだけなら、よっぽどの準備不足でもない限りロロナたちだけでなんとかなるだろう。けれど、もし
だからって今何もしないわけにもいかないことだって重々承知してる。それに……
「なんとなくだけど、嫌な予感がするのよね……」
かといって『冒険者ギルド』の前身とも言える『王宮受付』、それがあった王国時代の王宮のように、皆ある程度は訓練を受けた騎士たちが職員にもいたころと比べ、今の『
となると、やっぱりあたしが行くべきなんだろう。個人的にもロロナたちのことが心配なのもあるけど、戦闘も調査も、どっちも有り得るって考えたら自分で言うのもなんだけどあたしが適任なのは間違い無い。
……ただ、変に嫌な予感がしてしまってるからか「本当にあたしだけで大丈夫かしら?」っていう一抹の不安はぬぐいきれそうにない。だからといって、連れて行けばある程度でも使えそうな人も他にいないからどうしようもないんだけど……
「誰でもいいから、ちょうどよく冒険者が帰ってきたりしてないかしら?」と思い、辺りを見渡し……ふと、あたしから見て右手の方にいる
「…………ん、ふきゃっ!? く、クーデリア先輩……? 私、何かしちゃってましたか?」
カウンターにいつもの依頼書ではない紙束を積んでそれらに目を通していた
この子は、ちょっと前から「『ゲート』の調査書」の端書にあった『ゼークス帝国』の『シフト』とかいう装置について、詳しい記述がないかを探してるって言ってたかしら?
けど、これはいいかもしれないわね。
「ねぇ、あんたって確か――」
――――――――――――
***街道のはずれ***
「…………ぁ」
『
その爆発に私や先生、ホムちゃんは呑まれそうになり――――寸前に、私たちの前に小さな影が現れた。
背丈は1mにも満たない本当に小さなその姿は……
「オイオイ。騒がしいと思って来てみたら……どーなってんだ、こりゃぁ?」
「えっ、ほろくん……!?」
先生の口から出てきた……黒猫の人形・ホロホロ。そのホロホロが私たちと爆発との間に
「ロロナちゃん! トトリちゃん! 大丈夫!?」
「って、まあ見たとおりかしら?」
そんな声が聞こえて振り返ったら見えたのは、コッチに駆け寄ってくるリオネラさんとそのそばに浮いてついてきているアラーニャ。そして、リオネラさんの手元には両腕で抱き抱えられている ちみゅみみゅちゃんが。
「りおちゃん!? らにゃちゃんも!」
「あのっ、どうしてここに……?」
私の問いかけに、リオネラさんが小さく頷きながら応えてくれた。
「えっと、その、マイスくんの家で調べ物をしてたら変な音が聞こえてきて……外に出てみたんだけど村の人たちも聞いたらしくってあたりを見渡したら黒い霧みたいなのが漂ってる場所が見えたの。マイスくんのこともあったし村の人には残ってもらって……」
「それで、ロロナたちと採取地に行ったり旅したりしてきて有事の経験が一番あるから、ってことでワタシたちが立候補して様子を見に行くことにしたの。――その途中、空からこの子が降ってきて、事情を聞けて急いで来たってわけ」
「ちむっ!」
アラーニャの言葉に反応して、ちみゅみみゅちゃんが「わたしのことです!」といった様子で片手を上げ、それを見たホムちゃんが「納得しました」と呟き頷く。
今回の実験は、もしもの事態を考えて
音も大きければ聞こえてもおかしくは無いし、『青の農村』から見えたっていう「黒い霧」というのも……きっと『
ちみゅみみゅちゃんは……竜巻で大空高くまで巻き上げられ、その後は風に運ばれてリオネラさんたちが移動していたところまで飛んでいっちゃってたんだろうなぁ。
「いや、情報交換はいいんだけどよ? せめて、避けるか退くかしてくれねぇか? 防いでるコッチの身にもなってほしいぜ」
「「「あっ」」」
私の口からこぼれた声と、先生とホムちゃんの声とが重なる。
……うん、ホロホロの言う通りだとは思う。未だに続いていた大爆発とその余波は本当なら私たちを飲み込んでいる距離ではある。けど、中心からは離れた場所で数歩で何とか範囲外に出ることはできる位置なんだから、前の攻撃のすぐ後だった最初はどうしようもなくても、ホロホロが防いでくれた後はいくらでも逃げられたのは事実。爆発を防いでるホロホロからしてみれば、一刻も早く抜け出しといてほしかったんだろう。きっとそれが正しかっただろうし。
というか、なんで防げてるのかな? 飛んでまわってることといい、ホロホロって実は錬金術の技術が詰め込まれた超高性能な……!?
「……おい、気のせいかもしれねえけど、そこの
「はて? ホムにはそのようには見えないのですが?」
「とにかく、ごめんねほろくんっ、気付いてあげられなくて……!」
「あーもう、いいから早く。そういうこと言ってる間に動けっての。リオネラも、ボーっとしてねぇで、ソイツラ早く連れてけ! …………ん?」
「ひぃ……ふぅ…………正直、防ぐのでイッパイ、いっぱいで……っ!」
「……ホントね。ワタシのほうにチカラがあんまりこなくって、今にも落ちてしまいそうなくらいよ」
「オイッ!? リオネラ、お前さっき普通に駆け寄ってきてただろ!?」
「そそれは……ロロナちゃんが、心配で、が頑張って……けど、もう、限界……!」
「諦めんなよっ!? 今、チカラが抜けでもしたら
「ひぅ!? そ……それはやだ~!」って言って、涙目になりなるリオネラさんの腕の中では、まるで応援するかのようにちみゅみみゅちゃんが「ちーむ! ちーむ!」と掛け声を出してる。見れば、先生やホムちゃんもいつの間にやら顔色を変えて応援を……って、そこは言われてたように早く逃げたほうがいいんじゃ? 私も
うーん……何がどうなってるのか――特にリオネラさんやアラーニャの言っていることが――今一つ分からない状況。
でも、そんな色々と不安だった状況も、そう長くは続かなかった。
「おお?……ようやくかぁ~」
さっきまで断続的に発生し続けていた爆発が、これまでのがウソのようにスッと引いたのだ。
時間にして数十秒くらいかな? これまで爆発とその余波を防いでいたホロホロは安心したようにどこか気の抜けた声を漏らしてる。同じくして、リオネラさんもゆっくりと肩の力を抜き大きく息を吐いて胸をなでおろしている。
「って、ダメダメっ!」
私も、さっきまで大きな爆発で気圧させていた感覚が薄まって、ホッと息をつきそうになる――――――けど、そうはしない。私もさすがに学習するんだ。
調合が出来た達成感か、無事に『ゲート』の発生&反転が一応は出来たからか、それらをひっくるめた「もう少しでマイスさんを助け出せる」っていう高揚感か……とにかく、私は……私たちは少し浮かれてしまってたんだろう。まだまだこれからだって言うのに。
「気を引き締めろ、私っ!」そう、心の中で自分に言い聞かせる。
この『
あのナニカからずっと感じている悪寒が走り怖くなるほどの敵意に始まり…………見た目からは想像できないほどの速さ。人の意識の隙を突くようないやらしい攻撃。どこまでも相手を追い詰める技の規模の大きさ。何がくるのかわからなくその上「まだ何かあるんじゃないだろうか?」と警戒せざるを得ないほどの多彩な技の数々。そして……突如現れ消えた竜など、まだまだ底が見えてこない謎。
だからって、恐れているわけにもいかない。そもそも『ゲート』が直前まであった場所から無理矢理出てくるような
今、相対している渡したちが
そう自分自身を奮い立たせて、『
――そんな私の耳に入って来た
『――――――!』
聞こえないけど聞こえてくる
声だけでは収まりきらない笑いを表すかのように揺れる肩。そんな笑いを抑え込むかのように胸元へ……かと思えば大表な仕草で肩幅少しくらいまで開いたりと、せわしなく動く腕。さらにその眼は笑みで歪みながらもギラつき、揺れる肩に合わせて頭が上下し、『
その姿に重なるのは――――やっぱりと言うべきか、『最果ての村』から見えるとうにいたあの『
『
この『
薄れた黒い靄から見える『
けど、それよりも……
「なんでしょう、この無性にモヤモヤ……イガイガする感覚は? ホムにはよくわかりません」
「まぁそうよね。
「とは言っても、オレなんかも防ぐので手一杯だったし、何とも言えねぇんだけどな」
眉間にシワを寄せながらも首をかしげるホムちゃん。それに同意を示すアラーニャとホロホロ。
うん、私もきっとホムちゃんと同じ気持ちなんだと思う。それはまあ、ロロナ先生やホムちゃん、ホロホロに守ってもらえてなかったら、私なんて今頃そこらへんに倒れてしまってただろうけど……だからって、あんなに大笑いされて何とも思わないわけじゃない。具体的にはあの長い髭と髪がクルクルに
「先生!」
「うんっ、わたしもいけるよ!」
私の意図が伝わっていたのか……先生も『
取り出した爆弾は、これまた偶然にも同じ種類――『N/A』。あのお母さんを探して出た航海で遭遇した『フラウシュトラウト』を退ける決定打になったあの爆弾だ。当然、素材の厳選や私自身の錬金術の腕の向上で、当時よりもより強力な性能になってる。私なんかよりも凄い先生の『N/A』だって、もっと凄いに決まってる。
さっきの一声で呼吸を合わせることが出来た私たちは、揃って振りかぶり――――
「「そ~れっ!!」」
――――投げた。
飛んでく『N/A』の先には当然『
先生のか、私のか……どちらか片方からか、同時にか「カチリッ」という音が聞こえたような気がしてすぐに、轟音が響き爆風の余波があたりに吹き荒れた。さらに、さらにと続くように連鎖に連鎖を繰り返して炸裂する『N/A』の
立ち上る火柱と巻き上げられた土埃に、『
やったか!?(フラグ)
引き伸ばしに伸ばされるこのお話。……色々と変更したことによる弊害もあるんですが、書きたい場面のことを考えるとこうなってしまうという側面もあっての結果です。