理由は完全に執筆時間を『フィリスのアトリエ』に持っていかれているからです
それでも、そんなにプレイできていません。時間がほしい……
***ロロナのアトリエ***
ある日の昼過ぎのこと
私はちむちゃん
「ふう…、これで最後っと!」
錬金釜の中からポンッ!と音が聞こえたから、わたしは釜の中を覗きこんで 調合が完了したことを確認する
「うん!いい出来!これなら依頼者にも喜んでもらえるはず。 お疲れ様、ちむちゃん!ちむおとこくん!」
「ち~む」
「ちちむ!」
わたしの言葉に 元気よく手を挙げて応える二人のちむちゃんたち
最近、新しくちむちゃんの材料を手に入れたから、先生作の「ほむちゃんホイホイ」を使って二人目のちむちゃんを作った。二人目は男の子だったんだけど、一人目の女の子と同じ「ちむちゃん」って呼ぶのも少し変だから 二人目のちむちゃんには「ちむおとこくん」って名前を付けてあげた
ちむおとこくんは泣いて喜んでたよ!……そんなに嬉しかったのかな?
「頑張ってくれた二人には……はい!とってもおいしい『パイ』だよ!」
一人分ずつに切り分けておいた『パイ』を ちむちゃんたちの前に出す
「ちむ!!」
「ちむー!」
「そんなに慌てなくても大丈夫だよー。はい、どーぞ」
『パイ』を受け取ったちむちゃんたちは、かわいらしくペタンと座って『パイ』を食べはじめた
「『パイ』を食べてる姿も可愛いなぁ~。……あっ、でも依頼品を届けにギルドに行かないと! わたし、少し出かけてくるからね?二人はゆっくり『パイ』を食べてていいよ」
「ちむむ~」
「ちーむー」
一旦 食べるのを中断して、お返事と「バイバイ」をするちむちゃんたちに見送られて、わたしはアトリエから出発した
それにしても、やっぱり可愛いなぁ……ちむおとこくんなんて、本人は気づいてないみたいだったけど、ホッペに『パイ』のかけら付けちゃってたし……
――――――――――――
***職人通り***
『冒険者ギルド』の受付にいたフィリーさんに依頼品を渡して お仕事を完了したわたしは、アトリエに帰るために通りを歩いてた
クゥ~
無意志に鳴った自分のお腹に驚きつつ、周りに誰かいて 聞かれたりしてなかったかを確認した。…運良く、周りには誰もいなかったんだけど……
「そういえば、調合が忙しくてお昼抜いちゃってたんだ…。…でも、夜ご飯までは時間はまだあるし……どうしようかな?」
今 食べ過ぎるのも悪いけど、何も食べないとそれはそれできつい
アトリエに帰ってから わたしも『パイ』をちょっとだけ食べちゃおうかな…?
そんなことを考えている時、ふとあるお店の看板が目に入った
『サンライズ食堂』。先生の幼馴染のイクセルさんが働いているお店だ。わたしも何かとお世話になっていたりする
「何か軽い食べ物とかもあった気が…………いいよね?わたし、いっぱいお仕事頑張ったんだし!」
そう自分自身に言い聞かせ、「ちょっと贅沢かな?」なんて気持ちを押し込めて、わたしはお店の扉を開けた
――――――――――――
***サンライズ食堂***
「こんにちはー」
時間が中途半端な事もあってか、お店の中はひとつのテーブルを除いてガランとしていた……というか、あのテーブルにいるのって…
「あれ?先生?ステルクさんにクーデリアさんも」
「あっ、トトリちゃんだ!トトリちゃんもこっちおいでよ」
わたしに気づいたロロナ先生がイスから立ち上がって、わたしのそばまで来たかと思えば、わたしの手を引っ張って テーブルまで案内(?)してくれた。そして、さっきまで先生が座っていた席に、わたしを半ば無理矢理座らせてきた
「…あの、みなさんでパーティでもしてたんですか?」
「いや、偶然居合わせただけだ」
「んで、延々と昔話してんだよ。まったく、いい営業妨害だぜ」
「あんただって一緒にくっちゃべってたでしょうが」
いつも通り、簡潔に答えるステルクさん
そして、他にお客さんがいないから暇があるのか テーブルのすぐそばにいたイクセルさん
そんなイクセルさんにツッコミを入れるクーデリアさん
言葉だけだと少し刺々しくも感じられるけど、実際はそんなこと無かった。皆さん、とても楽しそうで、あのステルクさんでさえ薄く笑みを浮かべていた
「それでねそれでね!わたしこの間、りおちゃんに会ったの?」
先生がそう言うと、皆さん一様に「へぇ…!」っと言った感じに反応した
その中で、イクセルさんが真っ先に口を出した
「おっ、懐かしいな。元気でやってんのか?あいつ」
「えっとね……ラニャちゃんとホロくんに怒られてた。劇で大失敗したらしくて…」
その時のことを思い出したのかな…? 先生は苦笑いをしながらも 楽しそうに言った。…先生って顔に出やすいみたい
「相変わらずみたいね。…つーか、いつまで他所をほっつき歩いてるのよ。いい加減アーランドに帰ってくればいいのに」
「わたしもそう言ったんだけど……ほら、
「…それを聞いて、どういう反応をすればいいんだ、私は」
「あ、や、別にステルクさんが悪いってわけじゃ…」
そんな話を聞きながら わたしは「お話、楽しそうだなぁ…」と思いながら、イクセルさんが運んできた軽食をちょっとずつ つまませてもらっていた
「……んん? あれ?」
「どうしたの?トトリちゃん。……って、ああ!そっか!トトリちゃん、りおちゃんとラニャちゃんとホロくんのこと話したことあったよね?」
「あっ、いえ……リオネラさんたちのことは知ってるんですけど…」
わたしがそう言うと「そうなの?」と先生は首をかしげていた。クーデリアさんも「あら?」と少し驚いている…というよりも、意外そうにしている
「リオネラさんと…人形の子たちは、昔 『アランヤ村』に来てくれたことがあったらしくて…」
「ん?らしくてってどういうことだよ?」
イクセルさんの問いかけに、わたしは頷いてから答える
「えっと、ちょっと前に会って「あった事あるんだよ」って教えてもらったんです」
「ああ、そういえばあの子、フィリーとマイスと一緒に『アランヤ村』に行ったことがあるんだったかしら?」
クーデリアさんが思い出したように そう呟いていた。
…それで、何が問題かと言うと……
「あれ?トトリちゃん、りおちゃんに最近 会ったの?」
「はい。そんな最近でもないんですけど、マイスさんのお家にお邪魔した時に ちょうど遊びに来てたみたいで……あっ!その時、噂に聞いたことがあった「幸せを呼ぶ金色のモンスター」を抱っこしてたんです!」
「「「「えっ」」」」
皆さんの反応は、わたしの予想以上に大きく……そして、反応は一人一人違ってた
「へぇ!
「……そこまで、私の顔がトラウマになっているのか」
「ステルクさん!?そうじゃなくて、りおちゃんとマイスくんが…!」
中でも反応が凄かったのは……
「へぇー、ふぅーん…ほぉー……そんなことがねぇ…」
「く、くーちゃん?」
あのロロナ先生が一歩引いてオロオロしまうくらい、さっきまでよりも凄く機嫌が悪くなってた。…なんだか、すっごい暗いモヤモヤーってした何かが見えるような……
「…ねぇ、トトリ?」
「はい!?」
「その「金色のモンスター」っていうのは、どんな風に抱かれてたのかしらぁ?」
てっきり、マイスさんのことを聞かれると思っていたから、わたしはクーデリアさんの質問に拍子抜けしてしまう。…あの時、マイスさんは出かけてたらしくて 結局会えてなかったから聞かれたら返答に困るから、とりあえず一安心した
「ええっと、それなら。こう…両腕で
「……淫獣が(ボソ」
「いん…?えっと、クーデリアさん。今 何か?」
「何でもないわよ?」
ニコニコして言うクーデリアさんに何故か寒気を感じつつも、わたしは何とか「そ…そうですか」と言葉を返した
よくわからないけど機嫌が極限に悪くなったクーデリアさん
でも、相変わらず先生はオロオロしているし、自分の顔の事から一旦離れられたステルクさんは イクセルさんと何か耳打ちし合ってる……
どうしたらいいのかわからず、わたしは固まったまま頭を悩ませていたんだけど……
その何ともいえない静かな空気の中で、お店の扉が開かれる音が聞こえてきた
他のお客さんでも、何でも……何か変化のきっかけになれば!
そう思って扉のほうを見たけれど……
「こんにちは!イクセルさん、