……駄目だ、全然思いつかない。
まあ、おしゃべりはこのくらいで終わります。
今回は、刑事さんと男の子への事情説明会です。
まあ、二人がこれからどうなるのかは[必]のところで分かるとは思いますが。
今回も説明です。……おもに“ハーツシステム”について。
それではお楽しみいただければ幸いです。
三坂貴大side 鈴原町 高畑緑宅
どうしてこうなったんだろう。なんかよく分かんない男の子に怒られるし、警察に見つかって話をさせられるし、いきなり変身できるようになるし、今日は絶対厄日だろう。今度神社か寺に行こう、そして悪い憑きものを祓ってもらうんだ。そんな事を考えてたら、俺が聞いた所まで話が終わったみたいだ。あ、刑事さんすごい表情だし、男の子は今にも泣きそう。
「……あ、あの。それって本当ですか? あまりにもびっくりするような内容でしたから信じられなくて」
「そうよね。でも事実なの。これから“使心獣”の動きも活発になってくるらしいし、刑事さんの力も借りれたらいいのだけれど」
「……ねぇ、お姉さん」
「何かしら?」
「あいつら倒せるの? 父さんや母さん、兄さんの仇をとりたいんだ」
「今は貴大君しか使えないけど、きっと倒せるわ。大丈夫、きっとあなたの家族の仇もとるわ」
「ありがとう、お姉さん」
うんうん、お話が終わったみたい。それにしてもこの四人で“使心獣”と戦うんだよな。戦闘要員が俺一人(刑事さんは“使心獣”と戦えるほど強さがない。まあ、軍がいるんだしな)でサポーターが三人。うん、もっと戦う人がほしいな。言っても来ないけど。あ、そういえばずっと気になってたことがあるんだった。
「緑さん、あのずっと気になってたんですけど、どうして俺はいきなり使えるようになったんですか?」
「それは、貴大君の“ココロ”があの時に増えて、そのままになったからよ。どうして見つからないかと思っていたけど、ものすごい感情の高ぶりが必要なのね。それにあんなに感情的になることなんてなかったから見つからなかったのね。それじゃあ、新しい人は、あんなに感情的になるようにしないといけないのね、なかなか難しい問題ね。あ、それで他に質問は?」
なるほど。そうだったんだ。確かにあの時ほど感情が揺さぶられたことなんてなかったな。それで他の質問は……あ、あれ訊いてみるか。
「それじゃあ、もうひとつ。確か変身する前に色付きだって驚いてましたけどあれってどういうことですか?」
「ああ、あれね。貴大君が白くした“
ふうん。そうか、俺って結構すごいことをしたんだな。
「あ、貴大君。私から聞きたかったんだけど、ドライバー起動時の“変身”とかって言っていたけど、どうやって決めたの?」
あ、みどりさんに聞かれた。俺が緑さんの立場なら確かに気になるかもしれない。
「緑さん、仮面ライダーって都市伝説知ってますか? 基本的にはあれからとってるんですよ」
「あ、仮面ライダーか。頭と胴と足が三色バラバラで、変な歌を流しながら戦うってやつだろ?」
「え、刑事さん、そんなのいるんですか? 俺が知っているのは、この間まで住んでいた町にいた左右が違う色で、スカーフたなびかせながら街を泣かせる奴らを倒すのですよ」
「お兄ちゃんたち。仮面ライダーって白い色しておにぎりか烏賊みたいな頭のなんでしょう?」
あれ? 刑事さんと少年の知ってる仮面ライダーが俺のと違う。もしかしていろんなのがいるのか?
「ふ~ん、結構いろんなのがいるのね。それで貴大君はその仮面ライダーに仲間入りってわけね」
まあ、そうなんだろうな……。ああ、それにしても他のチップはどうなってたんだろうな。気になるな、今までにないくらいものすごく気になる。今すぐ一つでいいから何か見てみたいぜ!!
キィィン
「な、なに。どうしたんだ!?」
「貴大君、何考えてたの? 新しいチップが使えるようになったみたいだけど」
「え、ちょっと他のチップの効果が気になっただけなんですけど。確かに自分でもおかしなくらい気になりましたけど、あんなので変わるんですか?」
「たぶん貴大君の“ココロ”が増えたから、反応が良くなったのよ。それで、なんだったの?」
「えっと、どこだ。……あった、これだ。それで、何々“
「“
そんな簡単に作るの決めてもいいのか? ……まあ、それにしても“好奇心”か。確かに面白いな。この調子でいけばきっともっとチップが増えていい感じに戦えるんじゃないか? よし、どんどん増やすぜ!!
「緑さん、これ増やすように頑張っていきましょうよ!!」
「貴大君、すごい興奮してるわね。でも、それには私も賛成だからドンドンしていきましょう。そこの二人もいいかしら?」
「はい。今は彼に頼むしかないようですけど、僕にできることなら何でもしますよ」
「僕もいいと思う。お兄ちゃん、お願い。みんなの仇を取って」
「ああ、もちろん。俺の初めてのチップである“決意”の“
戦うのは俺だけだけど、なんかどうでもよくなった。みんないい人たちだし、きっとこのことを調べていけば、父さんと母さんのいってたこともわかるだろうしな。
男の子side 鈴原町 高畑緑宅
「ああ、もちろん。俺の初めてのチップである“決意”の“
お兄ちゃんは力強く言ってくれた。お兄ちゃんならきっとあいつらもみんな倒してくれると思う。まだ会ったばかりなのに、その決意はとても説得力があってすぐに信じられた。これがきっとハーツっていうのの力なんだなと思う。僕にできることっていうのはほとんどない。きっと後ろで応援することぐらいしかできないんだろうと思う。でも、お兄ちゃんやお姉さんの手伝いを頑張って、必ず仇をとってみるから、だから待ってて兄さん。
神田勇介side 鈴原町 高原緑宅
「ああ、もちろん。俺の初めてのチップである“決意”の“
悔しい。今の自分の気持ちを表すのにはこの言葉がぴったりだ。市民を守るために警官になったのに、自分は何もできずに年下の男の子に頼むことになるんだから。表面は、普通にできているだろうが、何かの拍子でどうにかなってしまいそうだ。おそらく家族を失ったこの子だって、自分であいつらをなんとかしたいと思っているのだろう。あれ、そういえばこの子の名前聞いてないな。
「ねえ、そういえば、君、名前って何かな?」
「僕の名前? 僕は、中森翔逸」
「そうか、翔逸君だね。これから頑張っていこうよ」
「うん。頑張ろうね、お兄さん」
貴大君に緑さんに翔逸君ね。いざというときは、男のなかで一番年上で警官の俺がどうにかしないといけないだろう。でも、何もできない。やっぱりみんなを守るための力がほしい。……無理か。これはどうしようもない。さっき調べてもらったけど、俺には全然使えないらしいし。ああ、落ち込んでる場合か俺。俺は、俺にできることをするんだ。
三坂貴大side 鈴原町 高原緑宅
「ねえ、そういえば、君、名前って何かな?」
「僕の名前? 僕は、中森翔逸」
「そうか、翔逸君だね。これから頑張っていこうよ」
「うん。頑張ろうね、お兄さん」
あ、そういえば名前聞いてなかったな。刑事さんナイスだよ。……ああ、そうだ。まだ考えることが残ってる。
「なあ、そういえば、翔逸の住むところはどうするんだよ」
「あ、確かに。そうだ、貴大君。あなたの所に置いてあげてよ。どうせ、一人暮らしだから部屋も余るでしょう?」
確かに俺だけですべても部屋は使わない。片づけを手伝ってくれる人が増える事にもなるしいいな、じゃあそれでいいな。
「俺はいいですよ。翔逸はどうだ?」
「お兄ちゃんの家にいていいの?」
「ああ、もちろん。まあ、手伝いとかはしてもらうけど」
「ありがとう、手伝いなら大丈夫だよ。それじゃあ、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしく」
今日は、仲間が増えた。これからは、この仲間たちと共に戦っていくんだ。
……あ、学校に行かないといけないんだった。
どうでしたか? ……って、これも定番ですね。
“ハーツシステム”はいろんな仮面ライダーの作品を参考に作成されています。
多分何処かで「これ○○に似てるな…」ということもあるでしょう。
男性キャラ(主人公・敵以外)は歴代の平成ライダーから音をもらっています。勇介とか翔逸とか。さあ、この名前は「はると」までいくでしょうか? 少なくとも「わたる」までは行ってほしい。
……長々と話したかもしれませんので、このくらいにしておきます。
次回は学校です。学生の本分は勉強ですから。ここでヒロイン(?)や委員長さんが出てきます。そして、あの貴大君が鈍感系主人公に!?
ということで次回[恰]の回も見ていただければ幸いです。