リリカルに立ったカメの話   作:朽葉周

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35 決戦

 

「それじゃ、結局あれは救助しなくてもいいのか?」

『いや、救助は出来そうならやってくれ。その後拘束して、後の交渉材料にする』

「あいあいさー」

 

また面倒な事を、なんて思いながら、取り敢えずの作戦を考える。

 

「最優先目標はイリス殲滅、だよな」

『副目標が管理局艦生存者救出、かな。でも、生存者って居るのかな?』

 

既にあのイリスの触手でバックリ逝っちゃってる気がする。

 

「キャロ、イリスの装甲――次元航行艦の部分をスキャンできるか?」

『はい、えっと――ダメです、イリスの生命反応が強すぎて、それに阻害されちゃってます』

『ま、そりゃそうよね。救助は無理って思っておいたほうが良さそうね』

『神ならざる我等です。すべてを救える訳ではないのです……』

 

ちょっと残念そうなイクス。でも彼女こそが、戦場における無常さをこの中で一番知っているのだろう。何せ、人外だなんだと言って、一番長生きしているのはイクスだし。

 

俺なんて製造年月日こそ最古だが、稼働時間はイクスよりも下なのだ。それで御父様って如何よ? なんていう突っ込みは有るかもしれないが、いいのだ、イクスは可愛いし。

 

「よし、それじゃ全機、先ずイリスを囲って、遠距離から徹底的に叩くぞ!」

『うわ、卑怯臭い』

「生き残る為なんだ。先ずは勝つ事優先!!」

 

スパロボで例えるなら、周囲を囲っての援護攻撃ハメ。SR機の王道といえば接近戦なのだが、態々危険を冒してまで接近戦をするメリットというのは、実は現時点ではなかったり。

 

接近戦と言うのは、あくまで長期間戦い続ける為の高等スキルで、普通遠距離戦で片を付けられるなら其方のほうが楽だし、生存確率も高いのだ。

ユニコーン、ストレイド、ジェネシックガオガイガー、グレートゼオライマーによる遠距離攻撃が開始された。

 

先ず最初に放たれたのは、ストレイドの対霊狙撃砲。パイロットが俺からティアナに変更されるに辺り、銃系武装を大量に追加したとは聞いていたのだが、いきなり大技を放ったものだ。

 

放たれた灼熱の炎のは、イリスへと直進。その炎の弾丸を、俺のプラズマ火球の同類とでも思ったのか。イリスが触手で不用意にソレに触れた途端、轟音と共に一帯が灼熱の炎に包まれた。ソレこそティアナの得意技能、炎熱結界弾だ。

 

『いきなり派手にやるわねティアナ。まぁ、此処って元々度重なる戦火で元から灰しかないし、別に良いんだけど』

『手加減なんてしませんよ。……そんな事したら、また地獄のもう特訓ですし(ガクガクブルブル)』

『あー、ゴメン、私が悪かった』

 

ティアナとアリサは中が良いなぁ、流石ツンデレ同士、なんて考えつつ、センサーを光学カメラから量子カメラに変更し、イリスの位置情報を確認。

……矢張りと言うべきか、イリスは若干のダメージこそ受けているものの、未だその場に確りと留まっていて。

 

多少熱で軌道がぶれるのを覚悟しつつ、マナ・ビームマグナムを連射。流石マナ高圧縮システムを搭載した新型ビームライフルは違う。炎を突き抜けて、ブスブスとイリスに穴を開けていく。

 

――キュギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!

 

全身を焼かれ、チクチクとビームマグナムで穴をあけられ。そんな状況に耐えられなかったのか、イリスは悲鳴を上げてその灼熱の爆心地から逃げ出そうと飛び上がり――

 

――チカッ、チカッ!!

――グギョオオオオオオオオオオオオオ!!!!

 

『うふふ、にがさないよっ!』

『見ようによっては、結構エグイわよね、すずか』

『うん? アリサちゃん何か言った?』

『ひっ、なっ、何も言って無いわよ?』

 

両手を翳すグレート・ゼオライマー。その拳に備え付けられた次元連結システムの干渉装置がチカリと光る度、イリスはまるで何かに殴られたかのようにバランスを崩す。

グレートゼオライマーの手が光る度、飛び立とうとしてはドン、ドンと殴られるように姿勢を崩し続けるイリス。勿論俺はマナ・ビームマグナムで狙撃を続けている為、殴られ焼かれ貫かれ続けるイリス。

 

『……如何考えても過剰戦力よね、コレ。若干あの怪獣が哀れに思えてきたわ』

「元々怪獣軍団を相手取る為の戦力だからな。とはいえ、それでも油断できる相手じゃ無いんだが……」

 

何せ、此方は単騎で地球を砕ける戦力が複数。それを個体に向けて延々攻撃しているのだ。

ジェネシックガオガイガーは当然、グレートゼオライマーも、熟練度によってはデモンベイン・ストレイドも。どれもこれも惑星粉砕レベルの禁忌指定戦力だ。

下手をすれば地球ごと砕きかねない過剰戦力。それがこのホロウには集められている。それだけヤバい山にかかわることが多かったという事でもあるし、それが許されるだけの功績を積んでいると言う事でも有るのだが。

 

「まぁ、確かに哀れなんだけど」

 

前回、完熟訓練も済んでいない不慣れなストレイドと一対一で戦っていた状況とは全然違う。

其々が慣れ親しみ、または完熟訓練を終えた、禁忌指定のSRが三機とSR相当の俺専用機が一機。もうこれだけで管理局世界を滅ぼせるほどの戦力なのだ。

それが延々、博打な接近戦をせず、チクチクチクチクと遠距離から削り続ける。これならいっそ接近戦で大技を狙ってくれたほうがいい。おれがイリスの立場ならそう思うだろう。

 

『やっぱり、私の出番は無さそうね』

「まぁ、ガオガイガーの出番は最後のトリだよ」

 

なにせガオガイガーは基本的に殴る蹴るの近接決戦機だ。正直地球上でこの機体を使うのもできれば控えたい。

まぁその分近接戦では無敵なのだが、その反面、遠距離攻撃の手段がブロウクン・マグナムくらいしかないのだ。そのブロウクン・マグナムの威力と言えば、対レギオン軍団戦を想定されている為、ギーオス数匹を纏めて血風に変えるトンでも威力なのだ。

 

グレートゼオライマーやストレイドとて、簡単に地球を焼き払える程度の攻撃能力は持っているし、このユニコーンとて、ただでさえ無限に近い俺のマナと、サイコフレームっぽい技術を試してみたら変に成功したマナの増幅装置、面倒なのでサイコフレームと呼んでいるソレがあれば、惑星を砕くくらいは軽い。

まぁ、惑星と人類の守護者である俺が地球を砕くのは、まずありえないのだけれども。

 

『あ、魔力反応。魔力共振メス、来ます』

「Mフィールドバリア」

 

盾がガシャンと駆動し、白銀色のバリアを生み出す。途端魔力を収束・発射し、ソレを媒介し超振動を加えることで物質を切断する魔力共振メスは、高濃度マナ障壁に遮られ、あえなくその光はプツリと途切れてしまった。

 

……なんだろうこれ。備えて戦えば、イリスってこんなものか? ストレイドで苦戦した俺が馬鹿みたいに思えてきた。

いや、ミッドチルダなんて異邦の土地で、グレートゼオライマーの火力をぶっ放すのは絶対拙いし、あの時はアレがベターな選択であったと思う。

でも、なんだろう。目から汗が零れだしてるきがする。

 

「……お?」

 

と、そんな最中だった。

ティアナの対霊狙撃砲から放たれる熱量に、ジワジワと融解していくイリスの姿が、不意に甲高い声をあげ、その触手を大きく広げたのだ。

大きく広げられた触手。それに誘発されるように、ボロボロと崩れだしていくイリスの纏っていた時空航行艦の装甲。

 

熱とビームライフル、更に次元連続システムのちょっとした応用でボコボコにされ剥がれ落ちた装甲。その下から現れたのは、大きく傷ついてはいる物の、それでも何処か洗礼された鋭角なフォルムの装甲で。

 

俺の、所謂原作知識にある成体イリスよりも、全体的に甲殻――いや、鱗のような物に覆われ、全体的に強度が増していそうな感じに見えた。まぁ、そもそもこのイリスは人型をしていないのだけれども。

 

「おぉっ!!」

『何喜んでるのよ馬鹿っ!!』

「だって第二形態だぞっ!? 正直このまま嬲り殺しとか、合理的では逢っても萎えるとか思ってたんだよ!!」

『馬鹿正直にそんな事言うんじゃないわよっ!!      ……まぁ、私だってそう思うけど』

 

ボソッと本音を漏らしたアリサ。やっぱり活躍の場は欲しいですよねー分ります。

 

『メラさんもアリサさんも!! 喜んでないでさっさと倒しますよ、アレ!!』

「『は、はいっ!!」』

不意にポップアップした通信スクリーン。映し出されたのは、何処か血走った目のティアナの顔で。……きっと1000人抜きで高ぶってるところに、レギオンと戦う為宇宙に行ったり、かと思えば地球に折り返したりでストレス溜まってるんだろうなぁ。

『――ってマズっ、炎熱結界破られます!!』

『あ、コッチの攻撃にも慣れちゃったみたい』

 

ティアナの声に続き、すずかののほほんとした声。見れば、無数の触手が炎を切り払い、その中から虹を纏った巨大な怪物が此方へ向かって進みだしていた。

 

「…………」

『ちょっと、何感動してるのよ』

「いや……これでこそボス戦というか、なんというか」

『だからそういう事で感動するなっつってるでしょ!!』

まぁ、不謹慎と言うのは十分に理解できているのだが。だが、ボス戦と思っていたら嬲り殺しでした、なんて展開よりは十分に燃える展開だろう。

 

「よし、第二ラウンドだ。各員、気を『メラさん!! 大変です!!』 ……如何したキャロ」

『次元航行艦の、管理局の次元航行艦の大群が、イリスの空けた穴から地球に!!』

「な、にぃ!?」

 

その言葉と共に、此方の舞台とイリスを挟んだ三角線上に、ぐにゃりと空間を歪めて現れる巨大な多数の人工物。

油断していたと言うか、なんというか。やっぱり俺には、燃える展開なんて無理なのだ。

 

「……各員、戦闘継続。イリスにも、管理局に対しても、気を抜くなよ!!」

やっぱり我々には、燃える戦場ではなく、何時も通りの混沌とした戦場というのがお似合いなのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side Nanoha

 

 

「つ、疲れた……」

「あ、あはは、お疲れ様はやてちゃん」

 

アースラの乗員が集められたその一室。会議室のようなつくりになった、けれどもそれは如何見ても管理局の技術と同等かそれ以上といったような技術の使われたその一室。

幸いと言うべきか、大破したアースラに比較し、負傷者こそ多数出たものの、死傷者に至ってはゼロという不幸中の幸いであったその後。全員が意識を取り戻したという事で、その部屋へ集められたのだけれども。

まず最初に行なわれたのは、地球連邦政府から派遣されてきたという“外交官”さんであった。

 

「まさか、自分が働くことがあるとは思っていませんでしたが」

なんて苦笑しながら言うその男性。どうも嘗てあの黒い人――メラさんだっけ? から貰ったデータ……地球統一政府、地球連邦と言うのは本当のことらしい。そりゃ、地球に国家が一つしかなければ『外交』の相手なんて想定しても居ないか。なんて思っていたのだけれども。

 

「いえ、正確には『私の代で』外交官に仕事が来るとは思ってなかった、なんですけどね」

 

納得した私に、少しだけ注釈を付け加えてくれたその男性。何でもこの外交官というのは“対人”外交官ではなく、“対異星人”外交官なのだとか。『来るべき対話に備える』とか『イオリア博士の計画』だとか、なんだか難しい話もあったのだけれど、正直良く分らなかったので殆ど聞き流しちゃっていたり。要するに、私たち宇宙人扱い?

 

で、結局その外交官さんにより、最初に説明を受けたのが、私たちが如何いう経緯でこの月面基地へ収容されたのかという経緯。

まず最初、地球の現在の状況から。

 

 

 

 

6~7年程前から騒がれだした怪鳥の事件、後にギーオスと呼称されるようになったその怪物。コレがそもそものすべての始まりなのだそうだ。

人を喰い、最大で100メートル近くまで成長する怪物。地球人類は急遽この怪物に対抗する必要に迫られた。

 

とはいえ基本、幼生体のギーオスには従来兵器が通用していた為、人類は何処か油断してしまっていたのだ。

そうして起こったのが大異変と呼ばれる変異。宇宙から飛来した謎の草体と、蟲の様な姿をした怪物――レギオン。ただでさえ疲弊していた地球に現れたこの怪物により、地球は更に甚大な被害を受けた。

 

この被害――環境破壊により、更にギーオスの大量発生が誘発されるという悪循環が発生し、地球人類はその総数を全盛期の半数近くまで減らしてしまう。

此処で目覚しい活躍を見せたのが、B&Tの戦術歩行戦闘機――TSFであった。航空戦闘能力では従来の戦闘機にこそ劣るものの、陸戦を含め、限定的な立体軌道で言えば戦闘機のそれを上回る能力を持つTSFの台頭により、ギーオスとレギオンを一時的に押し返すことに成功。

 

そうしてなんとか定格戦力の維持に成功した人類は、続き成体ギーオスに対抗する為開発された規格――SR機の開発に着手した。

このSR機の登場により、地球上からのギーオス及びレギオンの掃討に成功。更なるレギオンの襲来に備え、大量の無人機を生産し、ソレを用いての宇宙開発を急速に発展させたのだそうだ。

 

これ――地球のL点に設置された“地球件絶対防衛網”の建設が開始されたのだが、この最中に再び地球圏にギーオスが現れたのだ。

地球上のギーオスは掃討したはずであるというのに、何故ギーオスが現れたのか。少なくとも幼生であれば未確認の巣の存在が疑われたのだが、現れたのは成体のギーオスであった。流石にあの巨体では成長過程で発見できる筈であった。

 

だと言うのに現れたギーオス。解析の結果、ギーオスの発する特殊な生体エネルギー反応。発見者の『豊穣魔実博士』の名前から、冗談であったのがいつの間にか定着した『魔力』と呼ばれるその素粒子による時空間干渉技術により、何処かの異世界からやってきたのではないか、という仮説が提唱された。

 

これに対処するべく、かねてより研究されていた技術、『マナ』と呼ばれる生体エネルギー反応と、それを用いる術式、『魔術』なんて呼ばれるその技術により、幾つかの対抗策が講じられた。

 

一つは侵攻、一つは防衛。つまり、異世界から攻められているのであれば、異世界に攻め込んでしまえと言う考え方と、異世界に対して壁を作り、その往来を封じ込めてしまおうというモノであったのだそうだ。

結局、どの程度の規模が存在しているのかも想定できない異世界へ侵攻するよりも、素直に異世界の往来を防ぎ、地球で力を蓄えなおすほうが現実的であると判断され、マ時空間の往来を禁ずる次元断層フィールドが地球圏に展開。これにより地球連邦はその敵を火星のレギオンにのみ絞る事に成功したのだとか。

そうして敵を火星に絞った地球連邦は、地球、月、各L点の宇宙基地で無人機により、大異変前から考えても如何考えてもおかしい速度での宇宙開発が侵攻。そうして一定戦力を整え、地球圏の防衛能力に余裕が出てきたところで、火星側に動きがあったのだとか。

 

月面の光学望遠鏡“シャロン”が捉えた、火星から飛来する多数の斑点。これを地球人類は火星からのレギオンの侵攻と判断。すべての防衛戦力を持って、月の外延部での迎撃作戦を開始。

多数の無人機と有人艦により、なんとか戦線を維持していた戦場。そのど真ん中に、不意に異次元からこの世界に侵入してきたのが、アースラ及び時空管理局の機動六課。

 

これが運悪くレギオンと地球連邦軍の戦火の狭間、それもレギオンの射線上のド真前に出現。マザー・レギオンのマイクロ波シェルによりその艦の中央を貫かれ、大破炎上。

 

なんとかレギオンを撃退しつつ、ソレを観測した前線部隊が、何処の所属かは知らないが見捨てるのも拙いと判断。ガイア式を用いた緊急保護装備を用い、アースラを艦毎封印保護。そのまま月面基地へと搬送されたのだとか。

 

「……これがホンマの出オチってか」

「文字通り、ですよね。笑う以前に唖然としちゃいましたけど」

 

はやてちゃんのコメントに対する外交官さんのコメント。如何でもいいんだけど、外交官ってもっとカッチリした人だと思ってたんだけど、この外交さんは随分フランクな人なの。

 

「にしても、うち等の知ってる状況とは若干違うみたいやけど?」

「と言いますと?」

「あのアルハザードの遺産とかゆー奴のことが一切書かれとらんやないか」

「はて、アルハザードの遺産とは?」

 

はやてちゃんの指摘に首を傾げる外交官さん。そう、彼の話には、事前情報として得ていた彼、メラさんのことが一切話に出てきていないのだ。

 

「良く分りませんが、アルハザードの遺産というのは? 確かに、遺跡発掘などで得られた先史文明の超技術を利用している、と言うものは有りますが」

「あの真っ黒姿のスカしたにーちゃんや! アレの技術供与があったからこそ、地球が爆発的にその技術力を高めたんと違うんか」

「はて、私はそんな存在は知りませんが?」

 

そう言う外交官さん。思わずといった様子でヒートアップしそうなはやてちゃんをフェイトちゃんが後から抱きかかえるようにして抑えさせた。

「えと、メラさんのことなんですけど、あの人は地球連邦軍に属しているんですよね?」

「さて、軍属に関する情報は重要機密扱いですので、軍属に関する一切の質問には答えられません」

 

その答えに、もしかしたらあのメラさんって言う人は、存在が秘匿されているのかな? なんて思って。

まぁ冷静に考えてみれば、対外的な話に、そんな内輪の重要機密まで漏らすわけないか、と改めて納得して。あれ? でもすずかちゃんとメラさん、普通に色々喋っちゃってたような???

 

で、そんな事を考えつつ始まったのが、はやてちゃんと外交官さんの間での、六課に対する待遇での交渉。

コレがまた面倒で、事務仕事がメインのはやてちゃんに対し、相手は話術巧な外交官さん。

 

交渉する以上自らに有利な条件を『勝ち取らなければならない』『八神はやて二等陸佐』ではあるのだけれども、そもそもアースラは相手方に曳航、職員は全員保護されてしまっている状況。すべてが相手の手の平の上の出来事なのだ。

そんな状況で此方を対等に扱ってくれているのだが、寧ろいっその事高圧的に対応してくれたほうがやりやすいのでは、なんて、端から聞いていて思うほど外交官さんの話術は凄まじくて。

 

気付いたときには、アースラのデータを根こそぎ回収されることを『承諾してしまった』はやてちゃんが、机に顔を伏せてぐったりとしてしまっていた。

 

「なんやねんあれ。あんなん反則やん。出来る上司になる方法なんて気になってまうやん」

「主はやて……」「はやて……」「気にしてたんだな……(哀れみの視線)」

 

シグナムさんやまもる君、朱雀君が頭を抱えるはやてちゃんをみてそんな事を呟いて。

 

「元気出せよはやて!!」

「まもるくん……」

「確かにアースラのデータは拙いけど、そもそも管理局に帰れるかも分んないんだし」

「あああああああああああ……………」

 

あ、護くんがトドメさした。

真っ白に燃え尽きているはやてちゃんを皆が宥めているのを眺めていたのだけれども、あれは一種のコミュニケーション、もしくはいつもの茶番劇と言うやつだ。

仲いいな、何て思いつつ、折角なので預かっている端末を使って情報をチェックする。所詮はゲストIDだから、そんな対した情報は閲覧できないけど、簡単なニュースくらいはチェック出来る筈、なんて思って。

 

「……え゛っ」

 

そうして視界に入ってきたその映像に、思わずそんな声を上げてしまって。

 

「如何したんですかなのはさん?」

 

と、はやてちゃんの茶番劇を遠目に眺めていたスバルが私の声に気付いて此方に近寄ってきた。

一瞬隠そうかとも思ったのだけれども、かくしてどうなる訳でもないかと思い直して、端末をスバルに示す。

 

「……こ、これ!? 如何いうことですか?!」

「さぁ。でも、艦種は間違いなくウチのXV級みたいだし……」

 

其処に映し出されているのは、暴れまくるギーオス変異体『イリス』と、その傍で周囲へ向けて脅迫染みた内容を無差別に放送している管理局のXV級次元航行艦の姿で。

可能性としては……なんだろう。こんな馬鹿なことをしてるってことは、よっぽど追い詰められてる……管理局で追い詰められてるって、今はギーオスの話で結構慌しいけど……。

 

「あ、もしかして、最高評議会派っていうのじゃ……」

「おぉなるほど。エリオ賢いじゃん!」

 

と、そんな最中不意に、いつの間にかこちらに来ていたエリオがそんな事を言った。

確かに最高評議会派……JS事件の後、管理局の闇を担っていた最高評議会と、その最高評議会に付き従っていたとされる管理局上層部の一部分。

確かにあそこは後ろ暗い事――管理局の理念から大分遠い事をやっていたとかで、査察の手が伸びている……っていう話を、はやてちゃん経由のアコース査察官から聞いた覚えはあるけど。

 

「あぁっ、フネが……」

 

と、不意にスバルが声を上げた。何事かと見れば、その次元航行艦がイリスの触手に絡みつかれていて。

あぁ、あれはダメだ。あの時みたいにこのまま動力の魔力をまるごとごそっと持っていかれちゃうんだろう。

……なんて思ってたら、魔力どころか艦そのままを鎧のように着込んでしまったイリス。

 

「次元航行艦の強度ってどれくらいでしたっけ?」

「私の全力全壊なら穴を開けるくらいは出来るけど……場合によっては質量兵器を使う紛争地帯とか、危険な暴走ロストロギアを相手取る場合も想定して、結構強靭な装甲だったはずだよ」

「それを装備して……ボクじゃアレを相手取るのは無理ですね」

「魔導師じゃ無理だよ。私だってあの装甲を抜いたところで、肝心の砲撃は減衰してるだろうし、それもあの怪獣は吸収しちゃうんだし」

「あ、そっか」

 

仮にあのイリスと相対するとして、その場合火力の中心となるのは間違いなくスバルだ。

確かに魔導師ではあのイリスに打撃を与える事は出来ないが、スバルなら、戦闘機人モードのスバルであれば、少なくとも魔力に頼らない攻撃を行なう事ができる。とはいえ相手は怪獣。大軍装備ならまだしも、対人兵器である振動破砕では今一つ心許ない。

 

いつぞやのヘリを砲撃した攻撃。アレなんかはこの状況に丁度いいんだけど。

そんな事を考えながら動画を見ていると、イリスと戦っていたロボット――えっと、確かTSFだっけ? それが徐々に圧され始めた。

 

さっきまでは大分拮抗していたのだけれども、やはり基本的な性能が違う。イリスの圧倒的能力に対して数で抵抗していたTSF部隊だけれども、その数が減ってきた事で、加速度的に損害が拡大しているのだろう。

 

「あの、なのはさん?」

「うん、どうしたのかな」

「えっと、コレ……このデータ、八神部隊長に報告しなくていいんですか?」

「………あっ」

 

忘れてた。そうだよこれ、リアルタイムの映像データならはやてちゃんにも見せておいたほうが良いに決まってる!!

 

「はやてちゃんコレ!!」

「なんやなのはちゃん……こんなダメ上官にまだ何かあるんか?」

「ド底辺ならこれ以上下がることは無いでしょ!! それよりもこれ!!」

 

何かはやてちゃんが「グハァッ!!」って悶えてるけど、知った事じゃないの。

未だに悶絶しているはやてちゃんの首を掴んで画像に向けて、と。

 

「(さすがなのは、容赦が無い。其処に痺れる憧れない)」

「何か言ったフェイトちゃん」

「ううん何も(キリッ」

「あ、あーっ!! これ、ギーオス変異体!?」

「そう、このデータを信じるなら、どうも次元断層フィールドを無理矢理突破してきたみたいで」

 

漸く正気に戻ったはやてちゃん。大声を上げたはやてちゃんの声に釣られて、周囲の皆の意識もこちらに引っ張られてしまった。

 

「しかもイリスの後を追って、管理局のXV級次元航行艦が此処にきてたんだけど……」

「……ウチの見間違いとちごたら、なんかこの怪獣、鎧着てへん? しかもなんかこの鎧、見覚えあんねんけど」

「うん、間違ってないよ。しかもこのフネの人達、何でかしら無いけど盛大に地球に喧嘩売ってたし」

 

いいながら、少し前の動画を再生する。内容は、イリスに取り込まれた次元航行艦の艦長さんが撒き散らしていた暴言の部分だ。

「……あー、なんやこれ。何をトチ狂って……」

「さっきエリオとスバルで、もしかして最高評議会派の人たちかな、って」

「……あー……えー……でもこの声、聞き覚えあんねんけど……この連中って、此処に来るときのうち等機動六課の後詰めの連中やなかったっけ?」

「え、そうなの?」

 

後詰めといえば、いざと言うときには私たちの救助部隊なんかを努めてもらう必要のある、重要な部隊だ。

今回みたいな、難易度の高い、何があるか分らない任務なんかには、必ず後詰め、バックアップが求められるのだけれども。

 

「……まさに、頼みの綱が切れた、やな」

「なんだろう、急におとーさんとおかーさん、おにーちゃんとおねーちゃんにあいたくなってきたなー」

「なのはちゃんしっかりしぃ!! いやまぁ一応此処地球圏やし、今やったら会えるかもしれんけど!!」

 

と、そんな事を話していると、また映像の中で戦況が動いた。

ボロボロに為っていたTSFの部隊。それが全滅する、という寸前のところで、上空から入った援護。

 

純白の角の生えたロボット。TSFとはちょっと違って、貰ったデータの中には無かった型式のロボットだ。ということは、SR機になるのかな?

そのロボットのあと、更に舞い降りたのは三機のSR機。

 

「なっ、ジェネシックガオガイガーにグレートゼオライマーやとぉっ!?」

「し、知ってるのはやて?」

「知らんわけあるかいなっ!! あらゲームとかアニメで有名な……ってそれをホンマに作ったんかい!!」

 

フェイトちゃんの問い掛けに、一人ノリツッコミを放つはやてちゃん。

 

「ってあぁ、イリスが一方的にボコボコに……」

「当然や! あれがマジモンのゼオライマーとガオガイガーやったら、下手すりゃ一瞬で地上が焦土になるんやで!!」

「……アレって対霊狙撃砲か? あれはアイオーンの装備じゃ……いや、ネクロノミコンの魔術礼装だから……でもネクロノミコン積んでるのか? ――ハッ、アブドゥル・アルハ……ッ!?」

 

なんだか色々混沌としてきたの。

とりあえず手元の映像を見る為に、アースラの乗員全員が近寄ってきて暑苦しかったから、会議室に備え付けられていた端末からディスプレイに現状のライブニュースを投影するように設定して、と。

 

元々会議室として作られていたらしいこの部屋。部屋の広さは勿論、こういう情報出力用の設備も当然備え付けられていたみたい。

そんな事を考えていたら、急に会議室のスクリーンが白い光を放ちだした。見ればソレは、あのロボットの内の一機が、鎧を着込んだイリスを炎の結界で圧し包んでいた。

 

「「「「「う、うえっ……」」」」」

「ぐ、グロっ」

 

その光景に、思わずスクリーンを見ていた局員の何人かがそんな声を上げた。まぁ、ソレも仕方ないか。スクリーンに映るのは、金属と一緒にその触手や身体の一部をドロドロと溶かしていくイリスの姿。

 

前線職の私たちでも若干気分が悪いのだ。バックヤードの事務員な子達には辛い光景だとおもう。……まぁ、何時ぞやの『赤い森』に比べれば大したことはないのだけれど。うぅ、あれはトラウマなの……。

 

「(私はピンクの光の壁がトラウマなんだよ……)」

「何か言ったフェイトちゃん?」

「うん、このチョコレート美味しいねって(キリッ」

 

会議室の所々に用意された小さな籠の中に入っていたチョコレートをモッキュモキュとつまんでいるフェイトちゃん。……なんでアレでお肉が全部胸に行くんだろう……。とりあえず口元のチョコレートを拭くべきなの。

と、そんな事を思っていたら、ギーオスが鎧を脱ぎ捨て、さっきまでとは違った、目を見張るほどの素早い動きで空を飛び始めたの。

 

「まぁ、イリス……っちゅうか、ギーオス種の最大の利点は高い攻撃力と機動力でのヒットアンドアウェイやからなぁ」

「如何いうことだ?」「要するに、戦闘スタイルがスーパーよりもリアルに近いという事だ」

 

何かまもるくんと朱雀君がわけのわからない話をしてる。けど、やっぱりあの二人、普段喧嘩してるけど時々凄く仲良くなるよね。

と、そんな事を考えていると、会議室に誰かの悲鳴が響いた。

何事かと視線をモニターに向けなおすと、其処には先程の次元航行艦をまといゴツゴツとしていた姿のイリスと変わり、今度は曲線を描く細身の姿になったイリスが映し出されていて。

 

「……イリスが……フェイトちゃんみたいに脱ぎおった……」

「ホント……ってちょっとまってはやて。私みたいにって何!?」

「「「「「……えっ?」」」」」

「なんでみんな不思議そうな顔するのー!?」

 

良い年齢して加速するごとに脱ぐ子の悲鳴はともかく、その姿形を変えたイリスの様子は、まず間違いなく本来のヒットアンドアウェイで戦うための物で。

それも、あの灰色の装甲。外骨格の類だと思うのだけれども、あの次元航行艦の装甲ですら融解するほどの熱量の中でも形を残していることを考えると、相当な代物である事は間違いないだろう。

……私の砲撃で抜けるかな?

 

――ビーーーーーーーーーー!!!! 

 

「ま、また……今度は何だってんだよ……」

 

疲れたように呟くまもるくん。その言葉に、声にこそ出さないが周りの皆は殆ど同じことを考えてるようで。

そんな皆の視線の集まる先、部屋に設置されたスクリーン。其処に映し出されたものを見て、再び皆は絶句した。

 

「じ、次元航行艦隊……」

「アホな!? 外交関係も結んどらん、こんだけの技術力持った世界に艦隊派遣するやて!?」

「これは……下手をすれば戦争になるぞ……」

 

顔色を真っ青に染めたのは、フェイトちゃん、はやてちゃん、朱雀くんの三人。それ以外の皆は、何処か安心したような、戸惑ったような、そんな雰囲気で。

ことの重要性を理解しているのは、執務官権限で法的知識を持ったフェイトちゃん。部隊運営なんかで同じくそうした知識を持つはやてちゃん。企業云々で社会経験のある朱雀君。

 

「なのはさん、顔色悪いですよ。大丈夫ですか?」

「……そういうスバルも顔色悪いよ」

 

……あ、スバルも理解してるみたい。これはアレかな? ティアナの仕込みなのかな。どちらかと言うと肉体派に見えるスバルだけど、実は陸士訓練校では成績一位だし、勉強は好きじゃないけど頭はいいのだ。

 

たとえ話をすると、『いきなり見知らぬ沢山の赤の他人達が、いきなり家の中に入り込んできました』というのが今の地球連邦軍の状況だろう。

普通管理局が未接触文明とコンタクトを取るときは、よっぽどの事がない限り最低限の人数で行なう物なのだ。それが、大艦隊を引き連れて。

 

……これはもう、家にトラックの群が突っ込んできたとか評しても違和感無いの。

 

「(さすがなのは、たとえ話が私達の常識を飛び越えてる。其処に痺れる憧れるぅっ!!)」

「何か言ったフェイトちゃん」

「うん、アレは多分、エルラン中将の所の第一駐留艦隊じゃないかな?」

「エルラン中将っちゅうと、あの?」

「知ってるのかはやて」

「ん、我々が良く知るのは、海で大きな権力を持つ『波羅王雲』派だが、海にはソレを超える巨大な一派が存在している。ソレがかのエルラン中将率いる『得屡蘭派』っちゅう一派や。

エルラン中将本人は実力もたいしたことない……ッちゅうたら失礼やけど、あくどいっちゅう噂がそこら彼処に溢れる、フツーの官僚型のお人や。

けど、その政治力は中々凄まじいらしいて、犯罪結社やらにも伝手があるとかゆう噂もあるし、……最高評議会直属戦力やっちゅう噂もある

 By民明書房『管理局、海の漢達』 著:燐出異 派羅王雲     ――って何いわせんねん!!」

 

「……」

「せめてツッコミくらい入れて!?」

 

最高評議会直属。それは、つい先日漸く解決したJS事件。その裏で……いや、管理局と言う組織そのものの裏で暗躍していた組織の名前。もしくは管理局の闇そのもの。

JS事件の折、主犯、ジェイル・スカリエッティーの刺客により暗殺されたのだが、その影響で管理局は彼らの管理していた暗部情報により天地がひっくり返るほどの大混乱に見舞われているのだ。

……はやてちゃんに対するツッコミ? 民明書房って何かな?(←数少ないネタを理解し得る地球人)

 

「……さっきの次元航行艦、リーデーレ……アレが最高評議会派だったら……」

「仲間をよんどった……ちゅうことかいな……」

「なるほど、連中の主張――地球勢力を、悪質なテロ組織とするならば、イリスと敵勢力、両方を叩くことが出来れば、本局に胸を張って凱旋できるだろうな」

「テロリスト……地球連邦軍は『地球連邦政府』の『軍隊』なんだろ!?」

「勝てば官軍、実績を残せば結果なんて好きに書き換えられる――連中はそう考えているんだろうな」

「そんな……」

 

もしそれが事実だとすれば、なんだかとてもやりきれない気分になる。理想を持って戦ってきた私たち。その私たちと同じ組織の人間が、そうした行動を起す。

うん、やっぱりなんだかやりきれない。

 

「しかも……最悪の展開に入ったみたいや」

 

そうして表示されるディスプレイの中には、地上上空でアルカンシェルをチャージする次元航行艦隊と、その触手に溢れんばかりの稲光を滾らせるイリス、そして恐ろしいまでの規模のオーラを放つ四機のロボットの姿があって。

私たちは、画面の中に映る、これから始まるであろう三つ巴の戦いを予期して、思わず固唾を呑むのだった。

 




■シャロン月面望遠鏡
元ネタ:宇宙兄弟。
元ネタ書こうとしたら宇宙兄妹って変換してしまった。これはコレでアリじゃないだろうか。
■対霊狙撃砲
魔術師の杖。焼き祓う時にはコレ、というような物。
但し杖という特性を備えた砲であるため、マナの増幅率が半端無く、同時に制御が困難になる為、ガイア式適性の高い者ほど扱いが難しくなる。
■惑星を砕く戦力
・ジェネシックガオガイガーのヘルアンドヘヴン・アンリミテッドやゴルディオン・クラッシャー
・グレートゼオライマーの“天”メイオウやら“烈”メイオウ
・デモンベイン・ストレイドの“焼滅呪法”“凍滅呪法”“昇華呪法”その他諸々
・ユニコーンのオーバーロード
・無人ロボっ娘軍団の師団長クラスの火器(7号のビームスラッシュ、)
などなど。
■月面電波望遠鏡“シャロン”
月面望遠鏡建設計画主任、金子シャロンの名前に因んで名付けられた、月の望遠鏡。
この月面望遠鏡の技術から、各L点における光学監視装置の開発が行なわれた。
本編中においても、宇宙観測における重要拠点として存在する。
■普通に色々喋っちゃってたような?
レイジングハート等デバイスのレコード、ティアナから提供された情報などからは、メラやその周辺の機密情報は削除されている。
要は記録に残らなければ、証拠が無ければ嘘を嘘と証明できない。
“外交官”の彼の話は結構矛盾もある。
■エルラン中将
ミッドチルダの『海』に所属する中将。魔法ではなく政治力でのし上がった人。
割とゲスい人で、最高評議会どころか次元世界各部の裏組織とつながりがあった。そのつながりを利用し、裏に最高評議会の意志を流す役割なども請け負っていた。
最高評議会が崩壊した事で一気に悪事が露見し、その名誉挽回の為にトチ狂い地球に侵攻してきた。
■しっているのかはやて!
元ネタは「知っているのか雷電」から始まる『男塾』の民明書房ネタ。
因みに民明書房は架空の出版社。
■家の三人娘
・なのはさん――天然ボケ気味の鬼教導官。教導の効果は管理局基準で微妙ながら、その圧倒的迫力から、彼女の砲撃を体験したものが戦場でビビる事は無い。
・はやてさん――豆狸。リーンフォースⅡの製作助力だったり闇の諸云々だったりの始末をやってくれた管理局万歳! ただし義務教育が足りていない。
・フェイトさん――とある自己啓発セミナーに参加したことから、圧倒的自立心を確立。なのはさん万歳じゃなく、多々毒を吐くように。どうしてこうなった。
■戦闘スタイルがスーパーよりもリアル
とても簡単に言うと、
・スーパー――トンデモ装甲と馬鹿げた火力で受けとめて叩き潰す
・リアル――蝶の様に舞い、蜂の様に刺す。装甲はぼちぼち。
■うちのスバル
ティアナのスパルタ訓練によりティアさんの海兵隊式罵り手帳新兵訓練編をクリアし立派なソルジャーに! ただしその後再洗脳により人格は元に戻されたとか。
■民明書房
皆大好き民明書房! じつはクラナガンにも何故か存在している民明書房! 民明書房は次元を超えるのさっ! きっと次元を超える武術とかの使い手が居るんだねっ!

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