クロスオーバー! REBORN!×名探偵コナン 作:cibetkato
スレツナっぷりも堂に入ってます。
「久々の日本だぁ~」
感嘆の声をあげたのは、ツナ。これでもイタリアの最大勢力を誇る、ボンゴレ・ファミリーの10代目ボスである。
「10代目は、ここ数年ずっとイタリアでしたからね」
苦笑をうかべるのは、名実ともにツナの右腕となった獄寺。
「オメェら、観光に来てんじゃねぇぞ・・・と、言いたいところだが・・・まぁ、ちったぁ、ゆっくりしていくのも悪くねェな」
ニヤリと笑った元家庭教師、現御意見番のリボーンを“見上げ”て、ツナは苦笑をうかべた。
「なんか、お前、呪いが解けた途端に、優しくなった気がする」
「フン、俺様はいつだって優しいだろうが?」
「・・・はぁ・・・どこが優しいんだか・・・」
胸を張るリボーンを見やり、ランボが溜息をつく。
「・・・何か言ったか、アホ牛」
「ヒィィイッ!?」
ギロリとリボーンに睨まれ、ランボは情けない声をあげて、獄寺の後ろに隠れた。
「あ、こら、オイ、ランボ、しがみつくな。スーツが皺になるだろうが。」
不機嫌そうに言うものの、獄寺はランボを無理矢理引き剥がしたりはしない。その辺り、丸くなったと言えるだろう。
「ハハ・・・やっぱ、母国は良いな。俺も、任務以外では来てねェし・・・なぁ、リボーン、しばらくは滞在するんだろ?」
鋭さが増し、爽やかさよりも、精悍さが際立つようになった山本が問えば、リボーンはわずかに口を曲げた。
「さぁな。どれくらいになるか、見当もつかねェしな・・・まぁ、本部は家光と9代目が見てくれるってんだ、じっくりと腰を据えていこうじゃねェか」
「そうだな」
頷く山本。
「・・・じゃ、基地の建設状況も見ておきたいし、並盛に直行だね」
ツナが言えば、皆も頷く。
「先行したクロームと笹川兄は大丈夫でしょうか?」
獄寺が口にすると、ツナは微笑む。
「クロームは黒曜に寄ってるだろうし、了平さんは実家か風紀財団でしょ?連絡さえつけられれば、大丈夫。皆、子どもじゃないんだから・・・」
ツナの言う通り、いちいち干渉しなくても“報告(ほう)・連絡(れん)・相談(そう)”は守られている。ツナはただ、守護者を信じるだけで良いのだ。
それは、ボンゴレを継いで、学んだことの1つだ。何でもかんでも、自分1人で片付けられるわけではないのだから、うまく守護者を使え、そう、リボーンに言われて以来、ツナはそれを実行している。
「しかし、通称・黒の組織、ですか・・・」
「なかなかナメたマネしてくれたのなー」
そう。イタリアでの仕事も忙しい中、守護者も勢揃いで日本に帰国したのには理由があった。
「ボンゴレにケンカ売るなんて、どんな命知らずだって思ったら・・・アメリカの組織だってねぇ?」
ツナが確認すると、獄寺は手に持った端末で黒の組織の情報を眺めて頷いた。
「霧の部隊が調べた限りじゃ、日本にもあちこちにアジトらしきものがあるそうです。あと、妙な実験もしているとか」
「ほうほう・・・ま、とりあえず、黒の組織とやらにはたっぷりお仕置きをしてあげるとしようか」
ニヤリと笑ったツナの顔を見て、思わず黒の組織とやらに同情しそうになったのは、その場にいた守護者とリボーンだけの秘密である。