一色いろはと家庭教師 作:煌弥
こんなことしてるから書き溜めができないんだよなぁ...w
久々の本編です!!
「一色さん!! 俺と付き合ってください!!」
「ごめんなさい」
先輩にドリアをご馳走してから三日たった月曜日の昼休み、私は一人の男子に呼び出されて告白されていた。
週があければおさまると思っていたけど、そんなことはなかった。
「理由を...理由を教えてもらえませんか!! もし俺に気に入らないところがあるなら直すし、あと...」
「いや、そもそもあなたのことよく知らないので。しかも今は受験で忙しいから誰とも付き合う気はありませんので。」
その男子は普段の私と違う淡々とした口調にたじたじになっている。
私も最初の頃はちゃんと「ごめんねー、今受験で忙しいからー、誰とも付き合うつもりはないんだー。」みたいな感じで断ってたんだけどね?
こうも続くと断り方も雑になってくる。
何も言えなくなっている男子に「じゃ、私はこれで」と声をかけてその場を立ち去る。
「はぁ...」
ため息をつきながらこのごろお昼食べている場所に向かう。
最近は教室教室だといろいろとうるさいからね。
その場所につくと、綾音と遥が私を待っていた。
「いろはお疲れー。本当に一人で大丈夫だった?」
「そうだよいろは!! 何か変なことされなかった!?」
二人は最初、私についてこようとしたのだが、さすがに何度も来てもらうのは悪いし、今回の相手は大人しそうな感じだったから断って一人で行った。
「まあ、今回の相手は一人だけだったしねー。あと遥は心配しすぎだって。」
遥は、あの女子の一件から私を守るという謎の正義感に燃えている。
「何もなかったならよかった。....じゃあいろはも来たことだし、いつものやりますか?」
綾音はそう言って遥とアイコンタクトをとると、
「「お楽しみタイムだっ!!」」
.....それ気に入ったのね。
二人の言う「お楽しみタイム」とは、私から前回の家庭教師の話を聞く時間のことだ。
家庭教師があった次の昼休みに、毎回この「お楽しみタイム」が開かれるようになった。
最初は抵抗してた私も、この二人なら言ってもいいやと諦めた。
この二人なら他の人に言うなんてことはしないしね。
「で、で!! 金曜日は何があったのっ!!」
さっきまで私を守ると意気込んでいた遥はいったいどこへ....
「えっと...私が夕飯を作って、先輩にごちそうしま...し....た.....」
私の言葉の途中から二人の目がとても輝き出していた。
「「....おぉ!!」」
「まずは胃袋をつかむとか、さすがいろは!!」
「で!! 先輩のは反応は!! 反応はどうだったの!!!」
遥が興奮して身を乗りだしてきた。
「ちょっ、遥近いって!! ...先輩は...まあ、うん.....美味しいってほ誉めてくれたよ?.......えへへ」
今思い出しても嬉しくて頬がゆるんでくる。
「.....ねぇ、遥さん?」
「.....なんでしょう、綾音さん?」
二人が何やらうつむいてプルプル震えている。
え、どうしたの?
すごく怖いんだけど.....
「ちょっとこの子可愛すぎませんかねぇ!?!?」
「だよね!? 比企谷先輩には悪いけどもう私がもらいます!!」
「え、え? ちょっ、二人ともどうしt....って遥は飛び付かないで!!」
~数分後~
「「ごめんなさい調子にのりすぎました。」」
二人は私の前で正座をしている。
「まったく...綾音はもういいとして、遥はどさくさに紛れて変なところを触ろうとしてきたよね?」
「いや、それはですね...着々と大人の階段を登りだした友人の成長を確かめようとしてですね....」
「いろはさん、こいつ反省してませんよ。やっちゃいましょう。」
「綾音!?」
綾音はいつのまにか立ち上がって、私の横で遥を見下ろしている。
「はぁ...もういいよ。今度から気を付けてね?」
「「はーい」」
綾音は普段落ち着いていて、どこかの令嬢のような雰囲気なのだが、私たちと遊ぶときは感情を素直に表に出してくる。
たまたまその姿を目にして、そのギャップにやられた男子も少なくないだろう。
遥は....いつもこんな感じかな。
この二人といると、気を張らなくていいからとても心が休まる。
さっきのだって私は怒った表情をしたけど、実際は全く怒ってない。
二人もそれが分かっているからのってくる。
本当に、いい友達をもったなぁ....
そろそろ昼休みも終わりだから、三人で教室に戻る。
うーん、何かを忘れてるような.....
「あ、そういえば先輩の家に行くことになったんだった。」
「「ちょっとその話詳しく。」」
「.....もう授業が始まるから急ごう!!」
「あ、いろはが逃げた!!」
「後で絶対に話してもらうからねー!!」
私達は笑いながら走って教室に戻る。
こういう友人同士のバカみたいなやり取りが本当に楽しい。
今は先輩がいるから勉強を頑張れるけど、家庭教師を始める前はこの二人がいてくれたから頑張れていた。
恥ずかしくて口には出せないけど、二人ともありがとね!!
「こら!! 廊下を走るんじゃない!!」
「やばっ、平塚先生だ!!」
「平塚先生ならいろはを差し出せばきっと大丈夫!!」
.......あれ?
※ ※ ※
「いやだー!! 塾なんか行きたくないー!! さっきのいろはの話を聞くんだー!!」
「そんなこと行ってないで早く行きなさい。遅刻するよ?」
遥の塾は校門をでて私達の駅と反対にあるから、校門でお別れだ。
「うぅ....綾音、後は任せた...」
「任されました」
「いや、任せないでいいから」
「後でちゃんとメールで詳しく教えてね!! それじゃ、ばいばい!! 」
そう言うと、遥は塾に走っていった。
そんなに急ぐならさっさと行けばよかったのに...
「さて、私達も帰りますか。いろはの話を聞きながら。」
「やっぱりそうなるよね....」
「当たり前でしょ。友達が大人の階段を少しずつ登りだしたかと思えば、本当に大人になっちゃいそうなイベントなんですもの。」
「え!? そ、そんなことしないよ!!」
「あっれぇー? 私は別に具体的に何をするとかは言ってないんだけどなー? いろはは何を考えたのかなー?」
「え? あっ...ちがっ....」
「あははは、ごめんごめん。最近のいろはは the 恋する乙女って感じでとっても可愛らしいから、ついからかいたくなっちゃうんだよね。」
「もう!!」
こんな感じでからかわれながら、私は綾音に先輩の家に行くことになった経緯を話した。
「い、いろはやるね...。というか、そこまでされて比企谷先輩は何も思ってわないのかな?」
「うーん、どうだろう....先輩は言葉にできないくらいの鈍感さんだからなぁ...」
「そこまでいくと、呆れるを通り越して感心するよ.....いろはに好かれたい男子なんて山ほどいるのに、いろは本人は想い人に好かれようと努力するって.....比企谷先輩、刺されなきゃいいけど...」
それから数分後、駅について綾音と別れた。
私は先輩の家に行ったら何をしようかと考えながら、電車の中で一人微笑んだ。
その笑顔を見た一人の男子が恋に落ちるのだが、それはまた別の話
最後の意味深な一文.....
いかがでしたか?
感想をお待ちしてます!!
二日目、三日目の八幡視点ですが、やるとしても全て完結してからになりそうです!!
理由としては、八幡の心情がわからないからこそ、いろはのもやもやが読者の皆さんにも伝わると思う、という意見をいただいたからです!!
それを聞いてめちゃくちゃ納得しましたw
なので、今後番外編は八幡でもいろはでもない別の人の視点で書きます!!
次回の投稿は、今度こそ二日後ですw
そして次回はいよいよお待ちかね八幡の家の話!!
ついに、ママはす&パパはすの名前が決まりました!!
たくさんの方から案をいただいて本当に最後まで迷ったのですが、最後は自分の好みで選ばせてもらいましたm(__)m
Twitterでは、少し早めの19時頃に発表させてもらいました(´∀`)
採用させていただいた方にも、先にメッセージで知らせてあります!!
それでは発表します!!
【パパはす】
名前→蓮司
由来
①いろは唄は真言宗(仏教の宗派)で学問的に使われていたものであり、仏教と言えば釈迦が蓮華(蓮の花)に座していることから
②一色蓮司→色蓮→いろはす
実は、蓮司という案を二人の方からいただいてました!!
しかし、どちらの方も理由は書いてなかったのですが、ママはすの名前で「蓮」の漢字を使った名前をくれた方がいて、その方の由来がとてもよかったので由来はそこからです(´∀`)
続いてはママはすです!!
【ママはす】
名前→楓
由来
①カエデとは紅葉のことであり、紅葉には「イロハモミジ」という種類がある。
②楓の花言葉「大切な思い出」「美しい変化」が俺ガイルという作品にぴったり!!
②の理由でびびっときましたw
しかし、楓という名前にした一番の理由は「響きが自分の中のママはすのイメージにぴったり」だからですw
つまりは好みですねw
あと楓にはもう一つ、「遠慮」という花言葉があるのですが、ママはすは遠慮....しませんねw
そこはもうあれです、細かいことは気にすんな☆
他にも素敵な名前はたくさんあったのですが、この二つにさせてもらいました!!
これからも「一色いろはと家庭教師」をよろしくお願いします!!