VR 艦隊これくしょん   作:ちーまる

7 / 10
明けまして(ry

いや、これには訳があるんですよ!
実は【エロは】艦これでエロゲっぽいシナリオ【ないよ】というのをこっそり書いてましてね……鳳翔お義母さん&空母組とのドロドロ話とか、駆逐艦義妹との学園ラブコメとか、ネタが暴走してしまって……


うん、ごめんなさい。あ、活動報告にリクエスト募集的なものがあるので、宜しければそちらもお願いします。


7 始動→初仕事

蒼龍は海面を緩やかに滑りながら、眩しい陽の光を遮るように手を掲げた。

 

いくら見渡せど空には雲一つ見当たらない。海は蒼く澄み渡り、時折吹く風が静かに水面を揺らしている。天候が荒れる気配が全くないというのも、空母である自分からすればポイントが高いといって良い。雷雨が酷すぎると艦載機の発艦にどうしても支障が出てしまうからだ。それに、見通しが悪ければその分敵の発見にも時間がかかる。その二点から言っても天候は意外と重要だ。

 

「あー、眠いなあ……」

 

本当に今日は天気が良い。蒼龍が空を見上げながら思わず大きな欠伸がもらすと、横にいた飛龍から咎めるような視線が飛んでくる。いくら作戦も無事に終了して鎮守府に帰投するところとはいえ、戦場で気が抜けていると言われても仕方がない。しかし、敵の深海棲艦も確認できたものは全て倒しきっているし、後方を走っている主力艦隊も今は穏やかに談笑しているようなのだから欠伸の一つくらい許される。加えて、万が一の事態に備えて偵察機を飛ばしているから大丈夫と蒼龍は思っていたのだが、相棒は違うらしい。とはいえ、飛龍の機嫌を損ねると面倒なことになりかねないので、一応手を合わせておいた。

 

今回出撃していたのは鎮守府正面海域、通称1-1と呼ばれている海域である。その名の通り鎮守府から出てすぐの海域で、だいたい南西諸島沖までの航路を確保するのが主な目的だろうか。つまり、どこの鎮守府も一番最初に攻略することになる場所ゆえに、出現する深海棲艦もはっきり言って雑魚が多い。鎮守府にいる艦娘全員が「あちらの世界」で両手じゃ数えきれないほどお世話になった海域なのだ。

 

だが、「こちらの世界」の敵が同じ強さだとは限らない。

 

現状こちらに来てから日が浅くまだ十分な情報収集が出来ていないので、深海棲艦の強さ及びその出現パターン、現在人類が置かれている状況等々自分達が知らなければいけないことがたくさんあるのだ。ということで、本格的な海域解放に乗り出す前にこうしてデータ収集を兼ねた偵察を行うことになったのである。

 

 

作戦における空母の仕事は敵の索敵と観察。

敵との交戦は主力艦隊のお仕事である。練度が低い艦の攻撃でも通るかどうか、「あちら」での出現パターンとの違いは無いか、そういった見極めやデータ収集が求められていた。飛龍も常々言っているようだが、慢心はダメ絶対。万が一敵にエリートやフラグシップ級がいたら練度が下がってしまっている今、こちらも相応の被害が出ることは避けられない。そのため編成も、駆逐二、軽巡一、重巡一、戦艦二隻から成る主力艦隊と空母四隻に軽空母二隻の支援艦隊という大所帯である。緊急事態に備えて主力は足の速い艦で編成されているから、いざとなったら艦載機で足止めしている間に離脱することも可能だ。

 

が、そんな心配とは裏腹に「こちら」の深海棲艦もどうやら向こうと同じくらいの強さだったらしく、呆気なく撃破に成功。その後もほぼ被害ゼロで順調に海域の調査と戦闘を終え、そして鎮守府正面海域を突破していた。

 

練度低い自分たちがいくら鎮守府正面海域といっても何の問題もなく突破できたこの結果を、蒼龍は当然と言えば当然なのかもしれないと思っている。

何せ、いくら自分たちの練度が1に戻ってしまっていても「あちら」の世界での経験は体に染み込まれていた。もっと不利な状況での戦いだって数えきれないほどあった中で、こんな雑魚しかいないようなところで提督の艦娘である自分たちが負けるなどということは万が一にもあり得ない。加えて、エリートやフラグシップがいない鎮守府近海の戦いならこちらの数さえいれば後は何とかなる事が多かった。よって世界は変わってしまったものの、作戦は今回も当たり前のように「完全勝利」である。

 

 

結果として無駄になってしまったが、一応今回の作戦では念には念を入れて全員が轟沈を防ぐために普段からよく使われている修理要員ではなく、そこそこ高価な応急修理女神も積むように提督から直々に指示されていた。

 

色々とまだ不安定な状況で資源確保の見通しもまだついていないのに、こうして消費の激しい空母や女神を惜しみなく投入してくれる提督には感謝しきれない。それだけ提督が自分たちの事を考えていてくれると思うと、何となくこそばゆい思いもする。その提督の慎重な性格に幾度となく救われてきた身としては、感謝こそすれ文句などあるはずが無い。自分たちが多くの戦場を経てきてなお、ここまで戦場で誰一人として沈まずにこれたのは提督のお蔭なのだ。

 

 

――でも、本当に提督ってば心配性なんだから

 

胸元で揺れる御守りに自然と笑みが漏れる。御守り型の応急修理の装備は艤装に括りつけたり、服に仕舞ったりと出撃する時に持ち歩く以外は、扱いをどうするかは艦娘たちに委ねられていた。何せ応急修理系の装備は「装備」というくくりではあるものの、身に付けていても装備としてはカウントされない特殊なものだ。

 

そんな中で、蒼龍は御守りを首元から下げるのが好きだった。戦闘中でも邪魔になる事もないし、何より提督の温もりを直接感じられるのが嬉しい。そんなことを以前空母同士の酒の席でふとした拍子に龍驤に洩らしたら、「意外と乙女なんやな」と爆笑された覚えがある。しかし「意外と乙女」というなら、例えば同じ空母でも、飛龍や瑞鶴、そして加賀さんなんかの方が自分なんかよりもっと意外だと思う。

 

先ず飛龍。普段から多聞丸、多聞丸とうるさいため一見すると提督には興味が無いように見えるが全く以てそれは違う。同部屋の蒼龍は飛龍が枕の下にこっそり提督の写真を忍ばせているのを知っていた。本人はばれていないと思っているらしいが、それは見通しが甘いと言わざるを得ない。そして自分と同じく御守りは首元から下げる派。

 

次に五航戦の瑞鶴だ。もう彼女は典型的なツンデレといって良いだろう。但しツンの部分は提督に対してほぼ無いに等しい。何かと張り合っている加賀さんに対しては素直になれていないが、提督や姉の翔鶴の前では今までの威勢の良さが嘘みたいに大人しくなる。まさに借りてきた猫状態だ。ちなみに彼女は御守りは服に仕舞う派である。何でも提督から貰ったものを、万が一にも汚したり傷つけたりしたくないということらしい。というより彼女の場合その持ち前の幸運から、そもそも要員が必要になることの方が少ないと思う。

 

そして最後に大本命の我等が一航戦の青い方こと、加賀さんだ。クールビューティーという言葉がぴったりな彼女は、本人曰く「感情表現が苦手」ということだが、そんなことはないと蒼龍は声を大にして言いたかった。加賀さんは内に激情を秘めているだけで、提督絡みならなおさら声色や表情はとても分かり易くなる。それは付き合いが長ければ長いほどはっきりと感じる。多分瑞鶴と同じく不器用なのだろう、色々と。こんなこと本人に聞かれた日には大変なことになるから、無論言ったことはないが。そして彼女も瑞鶴と同じく、御守りは服に仕舞う派である。

 

 

そんなことを考えながら海を進むこと幾許か、蒼龍の視界にようやく鎮守府が見えてくる。

 

「ちょっと、加賀さん!さっきの戦闘で瑞鶴の艦載機、わざと邪魔したでしょ!」

「はっ。何を言うのかしら五航戦。あなたの偵察機が勝手に突っ込んできただけじゃない」

「はあ?!今回ばかりは逆でしょ、逆!加賀さんの失敗を私がサポートしたのよ!」

「……あれはわざと見逃して様子を見ていたのよ。そんなことも分からないのかしら、五航戦は」

 

「ふんっ!今朝、提督さんに秘書艦外されたからって瑞鶴に当たらないで欲しいわね。前秘書艦のせ・ん・ぱ・い?」

「少し……頭にきました」

 

「ちょっと、蒼龍ってば!そろそろあの二人どうにかしてよー。蒼龍、旗艦でしょ?」

「……分かってるよ。でも、ねぇ」

 

自分の斜め後ろを移動していた飛龍から苦情が飛んできた。ちらりと視線を向けた先でいがみ合う二人を見て、思わず大きなため息がもれる。二人のストッパーともいえる赤城と翔鶴がいないこともあってか、最後の戦闘からずっとあの調子で喧嘩しているのだ。そろそろうんざりしてきたとは言え、秘書艦を外されたばかりでご機嫌斜めの加賀を諌めれば、自分にも飛び火するのは確実。かと言って自分が瑞鶴の方を注意すれば、ここぞとばかりに加賀が煽り余計に手が付けられなくなるだろう。

 

――本当にどーして、こういう時に限ってお目付け役がいないのかなぁ……

 

 

見上げた空は、憎らしいほど青く澄みわたっていた。

 

◇◇◇

 

「そうか。一応この辺りの敵は「あちら」との差異が無いようで安心したよ。蒼龍も飛龍もご苦労様」

「いやー、えへへ。敵も弱かったし、全然疲れてなんかないですから!ねっ、飛龍」

「そうそう、結果として敵を倒したのは主力艦隊の方ですから」

 

日がゆっくりと沈んでいく中、男は蒼龍と飛龍の二航戦コンビから今回の作戦に関する報告書を受け取っていた。今回の任務である「鎮守府正面海域を偵察せよ」と「鎮守府正面海域を突破せよ」が無事に達成されたことは任務一覧の戦闘ログで確認していたので事前に知っていたものの、こうして作戦の詳細を書面で見るのは初めての事である。ぱらぱらとめくる報告書には艦隊がどのようなルートを取って進んでいったか、具体的な戦闘結果、今回の作戦で消費した資材などが数ページに亘ってまとめられており、最後には全体の評価として「完全勝利」の四文字がでかでかと書かれていた。

 

報告書には誰の砲撃がどの深海棲艦に何ダメージを与えたなどという戦闘中のリアルタイムな遣り取りや、どの戦闘でどのくらい艦娘の練度が上がったかなども書かれている。男の場合はメニュー画面という反則技があるが、本来ならあり得ないはずのこういったゲーム的な要素が艦娘たちも把握できているのにはきちんとした理由があった。

 

机の上に置かれている小型カメラのような装置。

妖精さんの謎の技術で作られたらしいこれは見た目通りカメラとして艦娘の艤装に付けられ、戦闘中の様子を記録している。その映像はまたまた謎の妖精さんネットワークで作戦司令室にいる画像記録妖精さんのところに逐一送られ、そして男がメニュー画面で確認できる戦闘ログとほぼ変わらないものが書類としてまとめられているのであった。

 

何せこのカメラ超がつくほど高性能である。高画質に高音質ときて、おまけに深海棲艦の練度も測ることも出来る。工廠内にもある練度を測れる妖精さん技術パワーで作られた装置の小型版が組み込まれているためらしい。大規模作戦など提督が直接指揮を執る時は、このカメラの映像を使って作戦司令室に備え付けられている馬鹿でかいモニターでゲームと遜色ない、もしくはそれ以上の戦闘画面が確認しながら作戦を進めていくのが一般的なのだそうだ。

 

 

「艦隊これくしょん」というゲームの中においてもあまり設定を明らかにされていない不可思議な存在である妖精さん。

 

深海棲艦という未知の脅威に晒されている現状、鎮守府だけでなく日本という国が彼女たちのまるでご都合主義と言わんばかりの謎の超技術のお蔭で成り立っていると言わざる得ない。国防の要となった艦娘を生み出すことができる唯一の存在。しかし、それだけではなく庶民の生活の中にも妖精さんの技術が元となって発明されたものの多い。万が一にも彼女たちが人間を見限って深海棲艦側に行くようなことがあれば、冗談抜きで人類滅亡まで待ったなしだ。

 

男は妖精さんの超技術を目の当たりにして、艦娘という存在だけでなく妖精の機嫌も損ねることは出来ないことに戦慄した。いや、艦娘という男にとっての脅威にばかり目が行ってしまって忘れていたと言うべきか。今更ながらに妖精さんの恐ろしさを思い出したのである。基本的に男、というより人間に対して好意的な態度の妖精さんではあるが、いつどんなことで見限られるか分からない。目の前が真っ暗になったというのはこういうことを言うのだろう。じんわりと額ににじむ汗を拭いながら戦闘結果を読み進めていく。

 

――後で絶対にお菓子を貢ぎに行こう

 

課金アイテムの購入でも分かっていることだが、妖精さんは何故か基本的に菓子類に目が無い。先ほど装備開発をする前にご機嫌取り用の高級菓子をプレゼントしてからやってみたところ、失敗無しでレア度の高い流星改と烈風を作り出していた。今までの苦労が無駄になったような複雑な気分だったが、資材補給の目処が立っていない現状では喜ぶべきなのだろう。

 

今回知りたかったことは深海棲艦の強さがゲームの時と変わりないかということである。ゲームの「艦隊これくしょん」を元の世界とするならば、今いるこの異世界でも取り敢えず1-1では出現する敵のパターンもその強さも特に変わりない。敵が強くなっているのではないかとかこちらの持っている情報と違うのではないかと気が気でなかったが、これで少しは安心することができた。この分なら予定通り明日から順次、低燃費の艦娘からレべリングを行うことができるだろう。

 

「これならレべリングの方は大丈夫そうだな」

「ええ。今ある資材の備蓄が無くなる前に何とかできそうです」

「問題は……」

「間違いなく食料の方でしょうね」

 

男の呟きに対して同じように報告書をめくっていた大淀がため息とともに答える。

 

表向き男の鎮守府に所属しているのは初期艦である吹雪と駆逐艦数隻、軽巡と重巡が一隻ずつ。大本営から配られる資材や予算は鎮守府に所属している艦娘を基準としているので、低燃費な艦ばかりでは配布されるものも微々たる量だった。かといって、着任してから数日しか経っていないようなぺーぺー提督が大和型や長門型といった戦艦を有していると馬鹿正直に言えるはずが無い。

 

ということで、現状男の鎮守府は収入より支出が大幅に上回る大赤字であった。幸い資材に関しては保管庫を課金で上限まで引き上げており、運営がイベントなどの更新を止めた後も無駄に貯蔵していたため今のところ問題はないと言って良い。

 

「艤装の消費も多い戦艦や空母は食事の量も多いですからね。貯蔵していた量から予想するに、もって二月……ってところでしょうか」

 

そして食料に関してもゲームの出来事が現実へと補完されたことで、ゲームには無かった食料庫が知らぬ間にできていた。この食糧庫も例によって例の如く、妖精さんの不思議技術のお蔭で食べ物が腐らないというスーパー冷蔵庫だが、それでも量に限りがある。大淀から手渡された昔―「艦隊これくしょん」というゲームだった頃―の報告書を見ても、このまま何もしないでいたら飢え死にしてしまうのは確実だった。かと言って、大本営から貰える少ない予算だけで到底まかなえる金額ではない。

 

「一応、妖精さんに先ほど何とか鎮守府の敷地内で生産体制が整えられないかは頼んである」

「それなら野菜や米は入手できるはずですから、後は肉や魚などのタンパク源の確保……」

「魚なら何とかなりそうだよね。ほら、よく出撃で艤装に引っかかったりしてたから」

「ああ……それにいざとなったら手の空いている子たちで漁にでも出る?」

 

男は予算の不足分を自分の財布から出すつもりでいた。もし米や野菜が鎮守府内で手に入るなら、肉や魚と言った物を買うくらい今の男の貯金でも足りるのである。何せゲームで無駄に元帥という立場に長くいたせいか、男の貯金額が凄まじい事になっているのに気付いたのは先ほどだったが、これを利用しない手はない。

 

――彼女たちに無理はさせられない

 

何も別に艦娘たちのご機嫌を取ろうとか好感度稼ぎなどいう打算だけで言っているのではない。そもそも提督という存在は艦娘たちのサポートが主な任務であり、食料確保のような裏方の仕事をやらせるわけにはいかないのだ。ただでさえ深海棲艦との戦闘を任せっきりにしているのに加えて、こんな些末なことに巻き込むことはできない。

まあ本音を言えば、こうしたことで溜まった小さな不満が積もり積もって自分の身に戻ってくるのだ。不安の芽は早めに摘むに限る。

 

「いや、せいぜい畑の世話を手伝ってもらうくらいで良い。食材の確保は俺が何とかしよう」

「え……当てはあるんですか提督?」

「取り敢えず予算の事は気にせずに卸業者と掛け合ってみようと思う。だから、気にするな」

「まあ、提督がそう言うなら……でも、無理はしないで下さいね」

 

おしまいとばかりに話を切り上げれば、何処となく不満そうな顔の蒼龍と飛龍。少しほっとした男だが、目の前に座る二人の様子にふと何か違和感を感じた。小さな、というよりどうでも良いようなことなのかもしれないが、何かが喉の奥に引っかかって出てこない。もう少し、もう少しで出てきそうなのに。そんな気持ち悪さを解消するように顔をじっと見つめてみる。何か忘れているような気がしてならないのだ。

 

突き刺さらんばかりに注がれる男の視線に気付いたのか、二人は恐る恐る顔色を窺ってくる。

 

「あ、あの提督。私たちの顔に何か付いてます?」

「それとも何か、やっちゃいましたか?」

「ん、いや……」

 

横に座る大淀からも不思議そうな視線を向けられる中、男はやっと違和感に気が付いた。

 

「鉢巻……」

「えっ鉢巻?」

 

そう鉢巻だ。

蒼龍と飛龍が改二になった時に身に着けていたあの鉢巻が無い。ひらひらとたなびいていたものがないだけで、こうも違うものかと感心してしまう。手に入れたのも早かったこともあって比較的初期の頃に改造していたから、こうして改めて昔の姿を見ていると何となく懐かしい気分になる。と同時に違和感を感じていたのだ。納得がいった様子で一人頷く男におずおずと飛龍は声をかける。

 

「えーと……鉢巻って改二のあれ、ですよね」

「すまん、何となく懐かしくなってしまってな。二人とも改造したのは鎮守府の中でも早かっただろ?」

「ああ、それで」

 

蒼龍と飛龍の二人もようやく合点がいったらしい。ふっと笑みを浮かべると昔の出来事を思い出すように、ゆっくりと口を開く。

 

「色んなことがありましたからね……」

「そういえば、蒼龍が改二に浮かれてあやうく敵にぶつかって大破しそうになったこともあったっけ」

「ちょ、そう言う飛龍だって『これでもっと提督の役に立てる』とか言った傍から潜水艦に直撃喰らってたじゃん!」

「そ、それは提督には言わない約束でしょ!」

 

 

そのまま始まった二航戦コンビの口げんかという名の暴露大会は数分の間続くことになり、気が付いた二人が赤面するまでにはもう少し時間がかかることとなる。

 

 

 

 

 

 

――「あっ、提督!じゃーん!見て下さいよ、これ!」

――「えへへ、どうです?似合います?」

――「この鉢巻はどうしたのかって?」

――「それはですね、提督……」

――「意外と私たちって尽くすタイプなんですよ」

 

 

――「それじゃあ……提督、練度が低くなっちゃったけど、これからも二航戦をよろしくね!」




ぶっちゃけ、蒼龍に「意外と尽くすタイプ」って言わせたかっただけです。
蒼龍は確実に外堀を埋めてくるタイプだと思うんですよ、私。


そして、お気に入りが1000超えました!皆様のお蔭です。これからもどうぞお付き合いいただけたら幸いです。
記念にというわけではないですが、活動報告の方でリクエスト募集しております。これからどういった話を書くか作者も迷っ(ry

次回は畑仕事の話を予定しております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。