転生傍観者~リリカルな人達~【改訂版】   作:マのつくお兄さん

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 というわけで(どういうわけだ)、なろうのほうのオリジナルがお気に入り200突破したのでこちらも更新です。
 亀更新ですいません……ッ!!
 一応、あちらのお気に入りが10増える毎にこっちも1話ずつ更新かなーという予定です。最近予定は未定状態で絶対かどうかはちょっとわからないですが!


30.尋問と奇襲

「ずっと向こうの小さな通りに貧しい家がある。 窓が一つ開いていて、テーブルについたご婦人が君には見えるだろうか。

 

 顔は痩せこけ、如何にも疲れ、彼女の手は荒れ、縫い針で傷ついて赤くなっている。彼女はお針子をしているのだ。

 そのお針子の女性が時計草の花をサテンのガウンに刺繍している。ソレは女王様の寵愛を受ける侍女のためのもので、次の舞踏会に着ることになっているのだ。

 

 けれどその部屋の隅のベッドでは、幼い男の子が病に犯され横になっている。

 酷い熱があって、オレンジが食べたいと言っているけれど、お金の無いあの母親が与えられるものは近くの川で汲んだ水だけなので、その子は泣いているのだ。

 

 ツバメさん、ツバメさん、小さなツバメさん。 私の剣の柄からルビーを取り出して、あのご婦人にあげてくれないか。私の両足はこの台座に固定されているから、行くことが出来ないのだ」

 

 コレは、有名な童話、幸福な王子様の一節だ。

 葦という生物ですら無い存在に恋をして、友人達と共にエジプトへと渡っていくのが遅れたツバメが純金を張り巡らされ、美しい宝石で彩られた幸福の王子と呼ばれる像の元で一晩を明かすためにやってきた時に、王子がツバメに言った台詞である。

 

 これを優しいという人はいるだろう。実際、彼は優しかった。身の破滅をしてまで自身の体を文字通り身包み剥がして恵まれない人々に与えていったのだ。

 

 でも、そのせいでツバメは、親しき友人の目玉をくりぬくことになった。友人の美しい皮を、一枚一枚はがさせられることとなった。

 そして、最後には同族たる友と共に旅へと出ることも出来ず、遂には死んでしまうのだ。

 

 王子は、自分勝手だ。確かに、最後に天使が壊れた王子の鉛で出来た心臓とツバメの死骸を持って帰ったことで、天で永遠の生を得たかもしれない。

 

 けれど、現実はそんなに甘くないのだ。

 

 ツバメは彼のわがままで死んだ。同情すべき隣人は、親愛なる友となり、遂には愛すべき恋人となった彼の身体を壊させられて、散々に苦しい思いをして。。

 

 そして、ツバメが運べる程度の量の純金はともかく、宝石を渡された人々は本当に幸せになれたのか?

 

 かなり貴重な、一千年前の宝石を渡された人々は、それを売ることで本当に幸福になれたのか? 過ぎたる財が、全てを狂わせてはいないか? 盗品であると思われて、罪に問われたりはしていないのか?

 

 王子は世間知らずだった。ツバメは、結局お人よしだった。

 

 そして何より、感謝を捧げるべき人間達が何も知らずに他人の物であった物を売って自身の幸せを享受することに罪悪感を覚えず、自己犠牲の心に溢れていた王子を、小汚い像などと言って、王子を溶かして代わりに自分の像を建てようとする大人たちの姿が、何より嫌だった。

 

 報われない物語は嫌いだ。

 天に昇って幸せに暮らしたなどと、誰が知るのだ。

 

 ――それでも、あの時の私は信じてしまっていた。

 

 信じる者は救われる。愛する者は愛される。努力すれば、報われる。

 

 バカな話だ。今思えば、自分でもどれだけバカなことをしたのだとも思う。

 

 それでも私は、全てを捧げた。信じた。全身全霊を持って愛した。愛される努力をした。

 

 騙されていても良いと、そう口では言っても、本当は愛してくれているのだと信じて、全てを持って、愛した。捧げた。身も心も、何もかも。

 

 

 ――でもソレハ、最悪のカタチで裏切らレた。

 

 

 私にトってのツバメは、ただ私ヲ食い物ニする薄汚イハイエナのようナドブネズミで。バラ撒く財貨をスベテかすめトラレテいタ。

 私ガ幸せヲ願ッタ人は、皆私を裏切っテイッタ。

 

 全てヲ愛シテイタ私が、全テに裏切らレタ。全テを愛スル私は、全テを手に入レタカッタノニ。願イはグニャリトねじまげラレタ。

 

 ダカラ、いっそソンナ汚ラワしイ連中シカいない世界ナんテ、全テガ滅ンデしまえばイいノニト願ッタ。

 

 思い出シタノハ、破壊ノ化身。何時ゾヤに読ンダ、不浄ナル神々。

 いあいあ、くとぅるふ。

 いあいあ、だごん。

 いあいあ、くたぁと。

 いあいあ、あざとーす。

 

 願いハ成就シ、私ハ力ヲ得た。

 

 

 

 

「――なるほど、ね」

 

 ギシリ、と頭の中でまた変な音が聞こえた気がしたけれど、苦痛も眩暈も、すべてが随分楽になっていた。

 僕の右足には今、真っ赤な不思議な触感の布――どこぞの正義の味方が着ていた、或いはどMでどSな可憐なシスターが使っていた赤い布が巻かれている。

 

 ぶっちゃけると、聖骸布だ。

 

 聖遺物じゃないかとか色々言うべきことはあるのだろうが、これが投影品であることは分かっているのでいちいちツッコミを入れるのも野暮というものだろう。目の前で投影したのだし。

 

 そして、その聖骸布を敢えて一部だけ外していた部分に手を当てていた白髪赤目の子――言うまでも無く津軽恵理那さんが閉じていた目を開けてため息を吐きながら呟いた。

 

「なるほど、っていうのは?」

「貴方も聴こえたんじゃない? この右足に寄生してる存在の断片の声」

「――今の、やっぱりそうなんだ?」

「少なくとも私はあんなキショい男の声なんて出せないわね」

「了解ですです」

 

 はぁ……なんだろうね。嫌になるけれども、現状をまぁまとめてみよう。

 

 現在の場所は、例の公園の一角だ。人払いの結界を張った上で、津軽さんが僕の右足に「呪いを無効化できるかは知らないけど、少しは弱めることが出来るはずだから」と言って聖骸布を投影して巻いてくれて、大分楽になっていた。本当にいくら感謝してもしたりない。思考に入るノイズのような暗い思考も発生していないし。やれやれだ。

 

 ちなみに、博士からは「ヨシーク、とりあえずそのままその女から情報を収集するのである。オーバー」と連絡があったので、遠めに観察は続けているのだろう。

 

「それにしても、脅しをした次の日には変な魔力を感じると思ったら、ゴールデンウィークの間にこんな呪いになってるなんてね……全く。あれだけバカみたいに禍々しい魔力発してたら魔術師なら誰でも気付くわよ? だっていうのに、貴方みたいな一般人がどうしてこんな怪異に巻き込まれたのか小一時間は問い詰めたいところだけど――まぁ、どうせあのバカ虎あたりに巻き込まれたんでしょ?」

「あうあ~……えっと、そういうわけではなくてね? え~っと、むしろ虎次郎達には助けられたというか……危ないところを助けてくれたのは天ヶ崎くんと刹那というか……」

「天ヶ崎ぃ? ……あのキショいナンパ男が? それってあの男が貴方の足に何かしたんじゃないの?」

「いや、それはないと思うよ」

 

 なんとなくだけど、悠馬は死に掛けの人間を使って人体実験やっちゃうような奴じゃないと、本当になんとなくだけど思えるのだ。前は僕も結構色々と失礼なこと考えてたけど、あいつ悪い奴じゃないと思うから。

 

「ふぅん……はぁ。まぁ良いわ。それで、貴方結局どうするの? これから。それと、その可愛らしい格好の理由も教えてもらえたら嬉しいわ」

「あうあ~……えっと、えっとね? あの~……」

 

 どうするの、って言われても、どうするの? 僕。そもそもこの格好の理由って、僕が囮になるっていう目的のための格好だし。

 

「え~っと……どうするんだろうね?」

「……呆れた。何も考えてなかったの? じゃあその格好は何?」

「囮捜査のつもりで。ほら、呪ってきた相手が女の子好きらしいっていう情報を手に入れてね?」

「囮捜査ねぇ? 一人で?」

「え、あ~、いや、その、せ、刹那も協力してくれてるよ?」

「刹那……あぁ、あの子ね。男なのに女の子みたいな子。今日は女装してきたわよね。全く……あの子はまともな方だと思ってたのに」

「ごめん。それ絶対本人に言わないでね。その女装云々は僕が目だってさらし者にならないようにっていう気配りの結果だと思うし、刹那はちゃんと女の子だよ」

「――は? あの子が、女の子?」

 

 何を言っているのだこの子は、とでも言いたげに、ポカンとした顔をする津軽さんだったけれど、次の瞬間には爆笑していた。

 

「あははははは!! え、何? 貴方あの子に惚れたの? ぷっ、えぇ、いいんじゃないかしらね? ショタと男の娘でくっつくなんて、中々にくくっ、マニアックな光景だとは思うけど。ぷっ……くふふっ。うん、応援するわよ? あ~、面白い。くふふっ」

「あぁそういうタイプの反応か……」

 

 参ったね。確かに中々見ない組み合わせだとは思うけども。でもくっつくのは僕じゃなくて虎次郎だと思うんだけどもね。

 

「え~っとね、刹那って前世が女の子で、ちょっと神様の嫌がらせで男の子になっちゃったらしくてね?」

「え? なに? あの子性同一性障害? しかも前世系の厨二病持ちなの? ぷふっ――だ、だめっ、まともな子だと思ってただけに、ギャップが。あ~、何それ、本当におかしいわね。くふっ」

 

 ぬ~、僕はともかくあんまり刹那のこと悪く言わないで欲しいもんだよ。

 

「貴方、騙されてるんじゃない? まぁ、確かにあの子見た目は可愛いけど、アレは絶対何かあったら大事な物でも放り投げて逃げ出すタイプ――」

 

 パシン、と我ながら綺麗な音をたてて、平手の音が鳴った。

 何が起きたのか理解できないのか、目を白黒させる津軽さんが復帰しないうちに、僕は畳み掛ける。

 

「刹那は怖がりだし強がりだし若干猟奇的な面もあるけど、すっごく優しくて家事も勉強も運動も出来る凄い子で、誰かを放り出して逃げ出すような子じゃないよ。それと性同一性障害バカにすんな。周囲から見たらバカみたいな話だけど、本人は凄い苦しいんだからね? あんな素敵な女の子なかなかいないんだよ? 助けてくれたのは嬉しいけど、僕の友達をバカに――」

 

 スルナ。

 バカニスルナバカニスルナバカニスルナ。

 ドウシテワタシガムクワレナイ。ドウシテキュウサイサレナイノダ。

 奪エ、殺セ、犯セ、捧ゲロ。

 女ノ味ヲ味アワセロ。

 うるサい黙れ、今大事なトコなんだかラ。

 

 冷たい目をして僕を見下しナガら、話の途中デ僕の足に巻イテいた聖骸布を消しテ嘲るヨウに見てくる津軽さンに、キっと手をアゲルことを期待しているのだろうと思って、手を振り上ゲタりしないで、ただ叫び続ける。

 

「僕ハともかく、僕のトモダチを舐メルなヨ? 君ダッテどうせナニカ辛い事抱えテるんダロウケド、自分が不幸ダカラって、他の不幸ナ人間をせせら笑ウ資格なんて誰にもナイんだかラ!!」

「――言いたい事は、それだけかしら?」

「ウン」

「そう。それとどうでも良いけど私はこっちよ。本当にキツいみたいね。一時的とはいえ方向感覚も視力もなくなるレベルなんて」

 

 声のした方向ヲむクト相変わラズ冷たい目で僕を見下す不定形の――いや、津軽に、僕ハまた始まっタ右足の酷い痛みと、嫌ナ思考にイラつきながラモ頷いタ。

 そら痛イに決まっテルじゃないのサ。ぶっちゃケ今も視界がホワイトアウトしかけテるヨ。

 そうして、暫し私を見定メルカノヨウナ視線を向けてキテイタ恵理那はワアズラワシイ。犯セ。小さクタめ息を吐いて、ニヤリと笑っタ。

 

「貴方、魔術師の素質あるわよ。一般人なんてやめてそっちになれば? 魔力も結構あるみたいだし――常に何かに向けて放出されてるみたいだから、自分が使える魔力は少ないでしょうけど。女装したままでいるなら弟子にしてあげてもいいわ」

「ソレハドウモ。でも結構デス」

「あらそう? 残念ね」

 

 さして残念デモ無さそうニそう言う恵理那の姿は、どこか遠坂さん家の赤い悪魔を想像サセル、獲物を見つケタ猫の目デアル。

 私ヲ嘲笑ウナ。僕を嘲笑ッテるだけだト思うヨ。

 

「で――貴方はちゃんと現状、理解してる?」

「聖骸布がナイだけデ滅茶苦茶辛イね」

「そうね。で、私としてはね、根性見せた子にはご褒美として巻いておいたままでも良かったんだけど、平手打ちくらっちゃったからね。やっぱりそれ相応の態度とってもらいたいと思うんだけど、どう?」

「ナニガ?」

 

 う~、津軽さんの姿ガ不定形なナニカに見えてキタよ。

 

「わからない? 違うでしょ? 貴方、こんなとんでもない呪いを耐えてる時点で、ただの一般人、それも小学生だなんて言い張れると思ってる? 転生者で、何かしら呪いに耐性を持つ能力持ち。そうでしょ?」

「転生者ダケドそんナ物モラッタ覚エハナイよ」

 

 あレ、素直にコタエちゃっタけど、マァいいヤ。ドウセばれテルんだし。

 

「へぇ――それじゃあ耐え切れてる説明にならないんだけど。これ能力系の相当悪質な呪いよ。神格持ちレベルって言っても良い。ギルガメッシュあたりの対呪性能が無いとまず死んでる。或いは身体が乗っ取られて、今頃怪異の仲間入り、ってところかしら。素直に答えなさい。ギルガメッシュあたりの能力持ちなんじゃないの?」

「ギル君ハ悠馬。僕ハ他人ニ幸せヲ与エル能力ダッテ」

「――バカにしてる?」

「冗談抜ギデホンドウギヨ」

「……ちょっと、誰が膝をついていいなんて言ったの? 立ちなさい。まだ質問は終わってないわ」

 

 膝をツイテル? 何ヲイッテルのさ。ちゃんと立っテルヨ。

 

「とりあえず、願望叶えてもらったタイプじゃないのは分かったわ。少しだけ巻いてあげる」

 

 変なカタチをシた何かが僕にチカヅイテ何かを足にマイテいる。

 

 ぐるぐる。ぐるぐる。

 いあいあ。いあいあ。

 てけり・り? てけり・り。

 

「――次、どうせだからアンタのお友達三人の能力、知ってるだけの物は切り札も含めて全部答えな――熾天覆う七つの円環<ローアイアス>ッ!?」

 

 うぅ、少し楽ニなった、と思った次の瞬間、ヨウヤく視界がまともになりかけタ僕の眼に移ったのは、何時ぞやニ見た刹那のローアイアスが、七枚の色とりドリの美しい彩色になって展開され、ソコに何かガ爆発して一枚が破壊された。

 

「アァ~アイアムア、ロッケェェンロオオオオオオッル!!」

 

 喧しいギター音、アァ、博士カ。虎次郎や刹那ノ情報渡さレタラ困るカラ手を出してキタんだね?

 正直助かっタよ。暴力ナラもうこれイジョウのイタみなんてナイだロウカラ我慢スルけど、質問ダト反射的に答えチャうから。

 

「待たせたのであるなショタっ子!!」

「転生者――? 今の爆発系の術式か何か? でも魔力感じないし……科学系のチート? だとするとバズーカみたいな物? アレ、貴方の知り合いかしら?」

「ウン、割ト危ない人ナノデ逃ゲタほうがイイヨ」

 

 チナミニ科学系のチートとイウよりも、空想科学系技術開発及び生産チートダヨ。

 

「ふん、上等じゃないの。魔法も使えないのがたった一人で生身のまま私に刃向かおうなんて。剣群装填――」

「今だ!! 行くのであるエルザ!! 佐々木刹那!!」

「しまった、伏兵!? 」

「合点承知ロボ!! 我、埋葬にあたわず<ディグ・ミー・ノー・グレイブ>!!」

「叫んだら奇襲の意味が……もういいや――剣群装填、全解放<ソードバレル・フルオープン>!!」

「オマケでギタケロケットもう一発なのであぁぁぁっる!!」

「熾天覆う七つの円環<ローアイアス>――ッ!!」

 

 なのはチャンのスターライトブレイカーばりノ火力ガありそうナ(本物ミタこと無いカラ実際の所はワカラナイけど)極太ビームみたいな魔力砲と、刹那が投射した十数本の剣の弾丸、ソシテ博士がオマケで撃っタギターケース型ロケットランチャーが火を噴ク。

 

 全弾、直撃コース。とイうか、解説シテイル間に直撃シテイタ。

 

 再展開されたローアイアスの花弁が全部破壊サレテ、虹色の淡い光がソラにキラキラ舞う姿はトテモ幻想的だっタよ。

 

「やったであるか?」

「博士、それやってないフラグロボ」

「仮にもローアイアス……それも完全系持ちだからね。戦闘不能に陥るほどじゃない筈だよ」

 

 向こウハなんトモ気のヌケル会話をシテイルケレド、僕ガ近くニいるノニ割と情け容赦ノナイ火力ダッタネ。いや、僕がクラッタのは精々爆風と、吹っ飛んデキタ小石とかで額が切れて血が出てるクライナンダケドも。

 

「――危ないわね。レディに対する礼儀がなってないんじゃないかしら?」

「ほら、やっぱり博士がフラグを建てたせいロボ」

「痛ッ!? 腕がふさがっているのは分かるのであるが、ローキックは最近エルザのお気に入りなのであるか!? 毎回弁慶狙って蹴るのは我輩色々と辛いものがあって若干感じちゃうかもしれないであるぞ!?」

「ふざけてないで、次の攻撃用意だよ。投影開始<トレース・オン>」

「野蛮な連中ね。まぁ、かかってくるなら相手になってあげるけど――良いの? 私がいなかったら、この子の呪いの進行、止められないわよ?」

 

 おロ? なんか気付イタラ津軽さんに首根っこ掴まれて掲げられてるンデスが。イツノマニ? ッテイウカ、僕体重軽いトハイエ、よくもマァ片手でモチアゲラレルね。

 

「ふん。人質、という訳かい? 義嗣を避けて君にだけ直撃させるくらいのこと、僕達ができないとでも?」

「刹那、エルザ弾切れロボ」

「そういえば資金が底を尽いてから新しい弾薬を作るの忘れてたのである」

「どうして君達はそう緊張感の欠片もないのかな!? ここは嘘でも良いから余裕綽々な態度でいて脅しに協力してくれると嬉しかったんだけどね!?」

「おぉなるほど。確かにそうであるな。エルザ、次弾装填なのである!!」

「弾薬無いけど了解ロボ!!」

「そういう別の意味で余裕綽々でいられると困るよ僕!?」

 

 イヤァ、緊張感ナイナァ。

 

「……ねぇ、私バカにされてるのかしら……?」

「アレは割ト素でアアイウ人達ダカラ気にシタラ負けダヨ」

「――せめてバトルシーンくらいは、まともにやって欲しいものね……」

「ソレハ博士達にイッテアゲテ?」

 

 刹那は真面目にヤッテタから、イマ。

 




 EX更新は多分あと10分もせずに。

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