転生傍観者~リリカルな人達~【改訂版】   作:マのつくお兄さん

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 注意書き。
※これは、佐藤くんが17話で死んでしまい、TSして逆行をするというお話です。
 本編とは一切関係が無いフリをしていますが、話が進むと本編に関する伏線がちらほら隠されていたりします。
 むしろ、にじファンの時はこっちのほうが熱狂的なファンが多くてファンイラストも圧倒的にこっちが多かったりしたのでこっちが本編という噂もうわなにをするやめ(ry
(後日別作品扱いで、EX編を掲載予定)


18EX1.佐藤さんの転生者傍観記?

 目が覚めると、いつぞや見た覚えのある白い空間にいた。

 

 あれ、僕どうしたんだっけか、と思ってうんうん唸っていると、これまたいつぞやの男女どっちだか分からない人影みたいなのが出てきたところで思い出した。

 ……あ、なんかでっかいうねうね触手のジュエルシードの化物出てきて、大怪我したんだっけ。で、ここにいるってことは死んだのか。

 

 う~ん……なんと呆気ない終わり。流石は僕ってばモブである。

 アイン大丈夫だったかな……頑張ってアインが潰れないように瓦礫支えてたけど、僕死んだってことはアインも道ずれだったかな……かわいそうなことしたなぁ……こんなことならすずかちゃんの家にいたままのほうが良かったな、アイン。ごめんね。

 

「さぁ、選びたまえ」

 

 スッ、と、またあの時と同じように五枚のカードが差し出されたけれど、僕はそれを受け取らないで尋ねる。

 

(あの後、アインって死にました?)

 

 ――無言。やっぱ答えてくれないのか。ケチンボさんめ。

 あ~……生きてるといいんだけどなぁ……。

 

(すいません、あの世界で僕が死んでも、アインが死なずに助かって、誰か優しい人に引き取ってもらえる感じにしてもらえます?)

 

 僕のお願いに、影は一瞬揺らめいた後に、少しだけうろたえたような声が聴こえる。

 

「願いは、それだけか?」

「(え~っと、あ、あと刹那のTSって、アレどうにかしてあげられません? あれ本気で困ってたみたいなんで)」

「無理だ。願いの成就には必ず因果が付きまとう。因果そのものを消すならば、願いもまた消えることとなる」

「(あれま……あ、じゃあ、そのTSの因果とやらだけを、誰かちょっと性質の悪い転生者に押し付けるとかは?)」

「押し付けられる側が望むのであれば可能であるが、了承無しに他者に押し付けることは受け入れられない」

「(あ、それならその因果とやらは僕が引き取ります。どうせ僕は男女どっちでものんびり生きていく自信あるんで)」

「――願いは、それだけか」

「(え~っと、あ、生理は軽めになるようにしておいてください。アレ相当辛いらしいんで。あと、転生後のまた転生って、同じ世界ですか? 出来ればまた同じ世界で。また虎次郎くんや刹那達と友達になりたいんで。え~っと、あとは……前の転生時のカード選んだ奴ってそのまま効果及んでます?)」

 

 ――また、無言。

 なんだよ~。ケチだな。せめて願いを叶えてくれるのか、或いは質問に答えるかくらいしてくれたっていいじゃないか。

 

「時間切れだ」

 

 あれま。え~っと、じゃあ神様? なんというか、次また会うことあったらよろしくです。

 

 

 

 

 やっほー、皆元気? 私超元気。こんにちわんわんお~! とかわんこの手作って元気良く言えちゃうくらい元気。

 

 え? TSした割にあんま変わらないなって? いや、言ったじゃない。私TSしてもあんま気にしないって。もしあの時点で恋愛でもしてたら抵抗あっただろうけど、別にいなかったし。

 友達になるだけなら性別なんて関係ないじゃない?

 

 あ、でもねでもね、心の中の独り言、僕から私に一人称変えました。僕っ娘も需要あるだろうけど、現在私も9歳もとい8歳。小学3年生時点で、佐藤義嗣だった時よりもさらに3センチほど身長低いので、ギャップ萌えを狙うにはあざとすぎるだろうと。

 っていうかね、皆聴いて聴いて!! あのね、僕じゃなかった、私ね、すごいこと気付いたんだよ!!

 女の子だと、小動物もふもふしてキャーキャー言ってても、許されるということだよ!! 割と結構歳がいくまで!!

 コレは、革命だよ!! もふもふ革命だよ!!

 

 しかも、しかもだよ? 女の子になったことで、すずかちゃんやアリサちゃんともなんか気付いたらあっさりお友達になっててね! なんかね、こっちも前世(?)で友達っていう感覚があったし、男の子じゃなくて女の子として生まれたことで、お話するのに抵抗無かったからね!

 そうするとどうなると思う? 分かる? 分かるよね? わんにゃん天国なの!!

 良い? 大事なことだよ? 皆分かってるよね? わんにゃん天国だよ? 文字通りの天国なんだよ? もうね、もうね、毎日のようにどっちかの家に言って、わんこかにゃんこの自慢を聴きながらね、もふもふ、いや、もうね、もふんもふんするの!!

 あ、ごめんね。それ今はどうでもいいよね。えへへ。

 

 え~っと、あ、そうそう。刹那はね、ちゃんと女の子になってたの。ただね、なんか虎次郎くんとくっついたのか、すっごいべったりなの。超甘々なの。両方とも当然お友達になったんだけどね、虎次郎くんが私に声かけてきた時、刹那がむくれてたのが可愛かった。

 あのね、もうね、あとね、聴いて。女の子だからね、スキンシップがね、抱きついたりしても怒られないというかね、あんまり抵抗無いの、こっちも。

 おかげで私はなのはちゃんだろうがアリサちゃんだろうがすずかちゃんだろうが、刹那だろうがべったりです。なんか、撫で撫でされてファーブルスコです。

 

 愛されてるね!! 私!!

 

 あ、あとね、悠馬とね、お友達になりました。

 

 びっくりだよね。なんかね、なのはちゃんを口説いてたからね、「嫌がってるでしょ!」って怒ったら、最初は「あ? なんだモブ……? うん? 女の子か――いや、そうだな。ごめんな」とか言って笑ってあっさり退いていきまして!!

 あ、そういえばこれが今世でなのはちゃん達と友達になる切欠でもあった気がする。何気に悠馬GJだね!! 前世(?)だと虎次郎くん経由で仲良くなっただけなのに!!

 で、その後も事あるごとに悠馬は原作キャラに愛を囁きまくるんだけどね、その度に妨害してたらなんか寂しそうな顔してたから、後ろから抱きついて「なんかわかんないけど元気出せ~!!」って言ってあげたら、なんか泣かれたの。

 いや、泣かすつもりじゃなかったんだよ!? あのね、違うの。なんかね、嬉しかったらしくてね。なんだか色々あってヤケッパチになってたらしいの。

 

 で、正座させてお悩み相談受けてから抱きしめて頭良し良ししてあげたら、なんかそれ以来「俺が、お前を生涯守ってやる」とか目を真っ赤にしながら言い出して、それからはなんかもうね、原作キャラにも普通の人みたいに接するし、他の子にも普通に接し始めたの。

 でもね、なんか悠馬が嫌われてるのが直らなくてね。普通に接してくれてる人もいるんだけど、なんだか一線ひいてるの。虎次郎くんもある程度接触してくるんだけど、なんかね、他の人よりは親しげなんだけど、やっぱりなんか違和感あるの。なんだろうね? 私もなんでなのかわかんない。

 

 でね、まぁそんな次第なんだけど、結局のところ原作イベントはにゃんにゃんパラダイスご招待とお泊り会は行ってきたよ!

 にゃんにゃんパラダイスとお泊り会は、悠馬も誘ったよ! まぁ遠慮して来なかったけど。

 

 あ、あとね、今世でも刹那の投影剣が結構危ない位置に当たったりしたんだけどね、特に巨木の時なんか前世よりも酷くて五本くらい近くに降ってきて、ポニテ好きだったからしたくて伸ばしてた髪の毛の一部斬られちゃって、今世では喧嘩しなかったみたいで無傷で笑いながら帰ってきた悠馬がそれに気付いたみたいだから笑いながら言ったら、憤怒の表情で飛んで行っちゃって、次の日普通に学校来てたけど。

 で、なんと悠馬、フェイト側につかなかったみたい。ビックリだよね。あんなに前世では執着してたイメージあったのに。特にアルフなんか仲良しさんだったのに、牙むき出しにされて唸られてたよ。

 そういう訳で、今お泊り会の二日目なんだけど、どうも大分端折っちゃったよお話を! という感じのご挨拶申し上げ奉っちゃう私こと佐藤嗣深(さとう つぐみ)8歳ですよ!!

 

 あ~、一気に話したから喉渇いちゃったよ。

 なんて、私全部脳内で語ってたんですけどね!!

 

「あう~、ユーノくんもふもふ」

『あわわ……つ、嗣深? あの、僕男の子だって昨日も言った通りで……』

「なにを言ってますかユーノくん。可愛い物に女の子も男の子も関係ないの!! ね~、アイン~?」

「にゃ~」

「ほらほら、アインもこう言ってるでしょ~?」

『いやいや、君動物の言葉が分かるスキルなんて持ってないよね? そもそも魔法自体使えないよね?』

「人間、言葉だけじゃ伝わらない思いも、心で通じ合えることもあるんだよ!」

「にゃ~!」

「ほら~、アインもこう言ってるでしょ~?」

『二回目だよそのやり取り!!』

 

 うるせ~やい! 良いからユーノくんは黙って私にもふんもふんされていれば良いのだ!! アインは温泉入っちゃダメだから、君が犠牲となるのだ~!!

 

『うわっ、ちょ、嗣深!? む、むむむ胸にあた、当たってる!!』

「うふふ~、当ててんのよ~? な~んて、私当てるほど胸無いんですけど!! アハハ、ユーノくんのえっち~」

『ちょ、う、うわ~ん!! 虎次郎~!! 助けてよ~!!』

『あかんのや……ユーノくん、こっちも色々危険な状態なんや……助けてほしいのはこっちのほうや……』

『ユーノくん、私と虎次郎の裸の付き合いを邪魔するとはいい度胸だね?』

「お~、せっちゃんなんて大胆な! 頑張れ~!」

『うん? あ、露天風呂だとかすかにそっちの声も聞こえるね。ありがとう嗣深。嗣深もライバルが現れる前にユーノくんを落としておくといいよ』

「は~い」

『『君達(自分等)お互いに無責任なこと言わないで(んといて)!?』』

 

 うふふのふ。略奪愛は女の子の性なのだ!!

 は~っはっはっは! 永遠のラブリーフェレットボーイは私がいただいた~!!

 

「な~んちゃって。ユーノくんはなのはちゃんとくっつくんだろうし、私は将来アインと結婚するからいいんだもんね~。ね~?」

『ちょ、なんの話!? ぼ、ぼぼぼぼ僕となのはそういう関係じゃなくて!!』

「あらあら、どうせ結婚するなら私としない? 嗣深」

「あれ~、恵理那ちゃんやっほ~。どしたの? 皆と入らなかったの?」

「ふふ、貴女が別で入るって言うから、私も参加しなかったのよ」

 

 クスクスと笑う白髪赤目のこの子は恵理那ちゃん。

 そういえば前世ではあの脅しされてっきりでアレだったけど、今世では割と早い段階でお友達になってました! ごめんね、説明するの忘れてたよ!!

 

 あのね、なんかね、恵理那ちゃんレズなんだって。男の子もいけなくはないんだけど、男はオレンジ色の髪で正義の味方目指してる子か、浅黒い肌で白髪で目が鉛色の人しか認めないって言ってた。

 

 それは士郎くんのことか~! って感じだけど、ふと気付いたので「そういえばなのはちゃんのお父さんも同じ士郎だけどどう?」って訊いたら、「むしろ桃子さんの身体にそそられるわ」とか危ないこと言ってました。こわいにゃ~?

 

 あ、なんか抱きついてきた。

 

「ふふ、相変わらず可愛らしい身体してるわね、嗣深」

「む~、それは私が幼児体系とでも言いたいのですか恵理那ちゃんや。貴女だって大して違いは――ま、まさかこの感触は――ッ!!」

「当 て て る の よ」

「にゃ~! このお年頃でふっくらとは言えあるのはずるいよ恵理那ちゃん!! 私だってそのうち大きくなるから……あ、でもおっぱい大きいと肩こり酷いらしいし、やっぱいらな~い」

「そうね、ちっちゃい身体なのに巨乳だなんて、一部のコアな変態しか喜ばないわ」

 

 それはお父さんのことかーッ!!

 

 あ、そうそう、お父さん、この世界でもロリエロ本持ってました。っていうか、前世と変わらないから説明してなかったけど、幼少時の流れはそのまま前世通りだったよ。

 で、お父さんのことをそれだけで危険人物扱いをしない。それが私クオリティ。むしろちょっとからかってあげるのが私クオリティ。女の子だから許される悪戯ってあるよね!!

 そんな訳で、前世でもお父さんとはそこまで抵抗無くお風呂入ってたので、お父さんが自分との葛藤があるらしくて最近一緒に入ってくれないから、お父さんが入ってるお風呂に突撃してみたり、中々スリリングな体験です。

 

 たまに膝の上に乗ってるとお父さんのアレが微妙に硬くなって、お父さんがかなり挙動不審になったりするけど、生理現象だし仕方にゃ~ですよね。別に襲われたりする訳じゃなかったら、私の裸見て一人でしたりとか、ちょっとキスするくらいなら別に構わないよお父さん?

 おっと、あんまり露骨な下ネタは女の子としてタブーだね!

 まぁ実際は年頃になると男の子より、女の子のほうが下ネタ普通にしてたりするんだけどね!

 

 う~ん。まぁ、そんな感じで女の子ライフを割と満喫している私なのでした。

 

 あ、それと悠馬から「お前は、俺にとってのエルキドゥみたいに大切な存在なんだ」とかちょっと照れた顔をして、天の鎖<エンキドゥ>の使用権限と、聖骸布のオリジナルで私にゴスロリドレス、それと私の緊急時にボタンを押せば悠馬くんが転送されて来るという名前も知らないような宝具をプレゼントされました。なんかとっても良い人です。

 折角真人間になったのに皆からはなんか一線引かれてるちょっと可哀想な子ですけども。

 

 なので、私が前世で死んだと思われる場面になっても、あっさり大丈夫でした。

 

「――嗣深を怖がらせやがって……万死に値するぞこのクソ触手目玉野郎!!」

 

 プッチンしちゃったのか、出るわ出るわ、見渡す限りのまっきんきんな空間の歪みと剣に槍に戟にハンマーに鎌に鍬に鋤に、拳銃、突撃銃、軽機関銃、RPG、SMAW、ジャベリンミサイル、スティンガーといった現代兵器はおろか、何故かF4EJ改ファントム2とかF15イーグルとか、Su27スホーイフランカーとかレオパルド戦車とかパトリオットとか、名前も知らないようなマニアックな第二次大戦とか第一次大戦とかで使われてたような銃や戦車、レシプロ機。

 もうとにかく古代、近代、現代の区別も無く、この世で兵器という名のつく兵器の殆どが結界全域ギリギリまで展開してるんじゃないかという規模で展開して、一斉に射出、及び射撃開始。

 あれはもうね、核以外の全世界に存在していた全ての兵器を持ってきたと言われても信じるよ。汚ねぇ花火だ、とかネタ言う余裕すら無く、アインと一緒にポカーンと見てるだけだったよ。

 もうね~、この上で更に最強の宝具たるエヌマエリシュあるとか、反則すぎるよこの似非王様。

 

 有り得ない規模の破壊を撒き散らす兵器群からの破壊の余波を全部、目に見えない謎の盾で防いで(なんだか、全ての盾の原典だとか言ってたけどよく知らない)、こちらに振り返ってニコリと笑って一言。

 

「嗣深……愛してるぞ」

「お友達で」

 

 笑ったまま静かに泣き始める悠馬だったけど、私の知ったこっちゃありません。エルキドゥさんは親友でしょ? 恋人になったらBLじゃないか。

 

 あ、私今女だったね。テヘペロ☆

 

 そしてついでに言うとエルキドゥって性別無しだったね。どうでも良いね!

 まぁ、20代半ばになっても私の結婚相手がいなくて、悠馬もフリーの状態でもまだ私を好きだって言うなら考えなくも無いんだけどね~。別に嫌いじゃないし。

 

 あ、そうそう。それと虎次郎くんがね、割と普段から私にちょっかい出してくるんだよね。と言っても、前世で男の私がされてたのと同じような会話とかなんだけど、お陰でたまに刹那に涙目で「私達、友達だよね? 恋人奪ったりしないよね?」とか言われて困ります。

 お友達とお話するのがなんでなんでそんな泣かれるようなことなんだろう。虎次郎くんも虎次郎くんで悠馬から睨みつけられて、

 

「ちゃ、ちゃうねん! 別に口説くとかそう言うんやないんて!! ただ話が合うからウマの合う友人として話しとるだけでやな? え? じゃあ女の子としてみてないのか? いや、それとこれとは話が別やけども。可愛いと思うでつぐみんは。嫁に欲しいわ。

 え? 屋上こい? お? なんや、コレはアレやな? 青春にはつき物の、女の子をかけた男の子同士の戦いってやつやな? えぇやろう、乗ったるで!!」

 

 とかやってます。男の子ってアホだね!

 

「嗣深ちゃんモテモテだね~」

「それより何より、あの天ヶ崎の手綱握れてることに私は驚愕するわ」

「あはは……まぁ分からなくはないかも。……刹那ちゃん、あの、えっと……お、おいで? 私が慰めてあげるよ!」

「うぅ…すずかぁ……虎次郎が浮気するんだよぉ……」

「百合の香りに釣られてやってきたわ」

「あ、恵理那ちゃん。百合? お花なんてあったっけ?」

「え? 教室に百合なんて無かったと思うわよ?」

「なのは、アリサ、貴女たちはそのまま純粋でいてね?」

「「??」」

 

 う~ん……女の子として暮らすのも悪くないね!!


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