オーバーロード~狼、ほのぼのファンタジーライフを目指して~   作:ぶーく・ぶくぶく

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第42話:え?黒き豊穣への貢

/*/ 残念!AOGは10以上持ってる!

 

ツァインドルクスは顔を上げた。

 

鎧が破壊された。

アズスも恐らく生きてはいないだろう。

 

ツアーは考える。

 

魔導王は越えなかったので分からないが、あのぷれいやー(人狼)は世界断絶障壁を乗り越えてきた。始原の魔法で中位に位置するあの結界は通常の手段では突破できない隔離された空間を作る。あれに侵入できるのは始原の魔法が使えるか、それとも世界級(ワールド)アイテムを保有するかのどちらかだ。

魔導王と人狼どちらがぷれいやーでえぬぴーしーなのか判別がつかなかったが、世界級(ワールド)アイテムを保有している人狼こそがぷれいやーだろう。自分を第二位の立ち位置において安全を確保するとは、なかなかに狡猾なぷれいやーのようだ。

 

(それとも魔導王も世界級(ワールド)アイテムを持っている?いや、世界断絶障壁を突破しなかったから、その可能性は低い?)

 

2つ持っている集まりもあるという話をリクから聞いた覚えがあった。実際、彼らは2つ持っていた。しかしである。

 

(アズスのおかげで魔導王の強さの底は見られた(モモンガ様は手加減してました)。あれなら次に戦えば、勿論、一騎打ちと言う形であるが……勝利を収める事が出来るだろう)

 

問題は人狼の方である。

 

(消耗していたとは言え、あの鎧を一撃で破壊した。攻撃系の世界級(ワールド)アイテムの力だろうか?それにあの気配……周囲の世界を喰らい混沌を吐き出していた。これまでになく危険なぷれいやーだ)

 

場合によっては本体で戦わなくてはならないだろう。

時間を与えて勢力を拡大されるのは不味いと思っていたが、それ以上に不味い事態になるかもしれない。

 

/*/ 黒き豊穣への貢

 

平野に組まれた簡易的な陣地。アンデッド――おもにゾンビやスケルトンを相手を想定して作られた陣地のあちこちで、大きなかがり火が焚かれていた。

紅蓮の炎は天を焦がすように立ち昇り、生じる無数の火の粉が闇に溶け込むまでの短い時間、大地に落ちた星のように輝く。周囲にわだかまる闇もその明るさの前には近寄ることが出来ない。

そんな揺らめく赤い明かりの中、夜警の順番を待つ者たちがいた。

40万の大軍である。その順番を待つ者たちだけでも万は下らないだろう。ましてや、夜はアンデッドの時間。夜警に立たない者たちも、まんじりともせずにいるに違いなかった。

 

兵士の1人が槍を小脇に抱え、服を直すような姿をとりながら、アンデッドの軍勢を眺めた。

 

「……おい…あれ…なんだ…?」

 

男の指差す先、アンデッドの軍勢の最奥で、星明りを浴びながら青い、白い、狼の姿が大きくなっていく。目の錯覚ではない。アンデッドたちの背丈を越え、かがり火の高さを越え、城壁の、城の、尖塔の高さを越えて、星々に届く勢いで大きくなっていく巨大な狼。夜空に浮かぶ月のような金色の眼が自分達を見下ろしていた。

 

 

「……お、おお」

 

 

それは誰の声だったろうか。見上げる者達は震える声で恐れを零し、竜すら超えるのではないかと思われる重圧に膝をつく。

星明りを浴びて白銀に輝く巨大な狼は、その貌を高く上げ、40万の大軍を見据えると大きく口を開き、吠えた。

 

 

 

 

 

『オオオァァァアアアアアアーーー!!』

 

 

 

 

 

雷鳴のように鳴り響くその咆哮。それはしばらく前にスレイン法国、王国、帝国に響き渡った謎の咆哮だった。

十分に手加減された咆哮は40万の軍勢を気絶させず、浅い眠りから叩き起こす。

 

「な、なんだ!?」「ひぃっ!」

「おい!見ろ!!」「ば、バケモノ…」

 

 

『我が盟主(アインズ・ウール・ゴウン)は寛大だ。過ちも3度までは許して下さる。だが、人類は既に3つの過ちを犯している。盟主をこの世界より放逐した事。人類だけで生きられると思いあがった事。盟主の下で生きようと、帰依したものたちを滅ぼそうとした事――』

 

いつの間にか巨大な狼の頭の上に、豪奢なローブを纏った死の神が立っていた。

それに40万の軍勢のどれほどの数が気づいただろうか?

静かに、優しげに語りかけていた巨大な狼、神獣の声は、そこで一転し、冬の嵐のように厳しく猛る声で怒りを解き放つ。

 

『我が邑を焼き尽くさんとした愚かなる者ども、刮目せよ!これが!我らが盟主(アインズ・ウール・ゴウン)の大いなる死の力!力に頼り民を支配するものは、力によって滅ぼされると知れ!」

 

怒れる神獣の声に続き、静かな抑揚の無い。声無き声。囁くように静かな神の声が、平野全域に響き渡った。

 

 

【――最早、私には誰であろうと関係がない。私には人間であろうとなかろうと関係がない。飢えたゴブリンの子も、お前達も、皆同じだ――】

 

【――我等と共に往くか。彼等と共に死ぬか。達観は無いのだ、人の子よ――】

 

 

神獣と呼ぶしかない巨大な狼。その頭部に立つ死の神が、月明かりのように美しい純白の籠手に包まれた腕を一振りする。

それに合わせるように突如としてその死の神を中心に、10メートルにもなろうかという巨大なドーム状の魔法陣が展開された。

 

神獣の頭部がその範囲に囚われていることからすると、害をなすものではないようだが、そのあまりにも幻想的な光景は驚きの種だった。

魔法陣は蒼白い光を放つ、半透明の文字とも記号ともいえるようなものを浮かべている。それがめまぐるしく姿を変え、一瞬たりとも同じ文字を浮かべていない。

 

そうして、しばしの時を置き、超位魔法〈黒き豊穣への貢(イア・シュブニグラス)〉は解放された。

 

何かが平野を音もなく吹き抜けた。黒い何かが吹き抜けたように感じたものがいたかもしれない。その何かが吹き抜けた平野の軍勢。家族を守ろうと集結した王国の決戦兵力40万。

 

そのうち10万の命が――即座に奪われた。

 

老いも若きも、貴族も平民も一切の区別なく。等しく生命を刈り取られた。万を越える生命を刈り取られた平野へ、死の神の漆黒の籠手に包まれた左手が伸ばされる。

 

【――起きろ、強欲。そしてその身に喰らうがいい――】

 

死の神の行動に応えるように、無数の青い、透けるような光の塊が平野から尾を引きながら飛んで来る。

その小さな――握りこぶしより小さな光の塊は、死の神の黒い左手に吸い込まれるように消えて逝く。

星明りが照らす平野の上、万を超える光の玉が吸い込まれていく様は、まるで幻想の光景にも見えた。

 

ただ、その光景を見ているものからすれば、それはどのような光景に映るのか。

経験値を集めているなど分かりはしない。ならば、死の神が集めるものはただ1つ。

 

それは何か。

 

それは――魂。

 

今、目の前で慈悲も無く死んでいった王国の民たちの魂を、死の神が刈り集めている。生き残った者たちはそう信じてしまった。

星のように、星の川のように、幾千幾万の魂が死の神の下へ旅立っていく。

 

迷信深い……あるいは信心深い平民などは、跪く。跪いて、ただ神への許しを乞うた。

 

自分たちが何かをしたとなど思わない。ただ、また、貴族様が何か神の怒りを買うような事をしたのだろう。

自分たちは家族を守りたかっただけで、神様に逆らおうなど思ってなかった。知らなかった。

 

お許し下さい(知らなかった)お許し下さい(知らなかった)お許し下さい(知らなかった)お許し下さい(知らなかった)お許し下さい(知らなかった)

 

繰り返す都度に五度、ただ満たされるとき(祈り)を破却する。

そう。

祈りなど何処吹く風と、兵士たちの生命を奪った黒い風は天へ昇り、黒い球体となる。

 

慈悲など無く。

黒い仔山羊たちが平野へ現れた。

 

/*/

 

《凄い!5体出てきましたよ!最高記録では?》

《しかし……もっと現れても良いはずだよなぁ……もしかして5体が上限なのか?だとしたら、最大値ということだから、これは凄いじゃないか!?》

 

《最大値おめ!》

《ありがとう!》

 

機嫌よくモモンガは答える。

素直な感動を見せるジョンの声がモモンガの心をくすぐった。

 

(〈星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)〉で失敗した時はどうしようかと思ったが、〈黒き豊穣への貢(イア・シュブニグラス)〉使って良かった。ド派手な魔法。圧倒的な魔法と言うのは使って爽快感がある。ユグドラシルでも上位の人気を誇るだけの事はあったな。アルベドやデミウルゴスたちも喜んでくれると良いが)

 

/*/

 

王国の決戦兵力40万は……その日、たった5体のモンスターに()()()()蹴散らされた。

 

/*/

 

王都の門。長い歴史を見てきたその門の前にザナックは立っていた。

40万の決戦兵力を率いての王国最後の戦いには置いて行かれてしまったのだ。それが良かったのか。悪かったのか。

父である王。ランポッサ三世は戻ってきていない。ボロボロになって戻ってきたガゼフの話では最後に見たのは戦士団が囮となり、その間に供回りの者に守られて、脱出を図る姿だったと言う。

 

結局、恐い妹の言う通りになりそうだった。

 

『人狼の守護神に跪き、許しを乞い、王国を守護神へ捧げ、法国の六大神のように王国の守護神になって頂く事が最善ではないでしょうか』

あの時は、人とはそれほど単純なものではない。面子や感情、既得権益。そう言ったものが邪魔をして最善手は選べないと答えたが、今は…もう、面子も感情も、既得権益も何もかも完膚なきまでに叩き潰された今なら選べそうだ。

 

レエブン侯とクライム、蒼の薔薇を引き連れて、侯の領地エ・レエブルへ地方視察へ向かった妹を思い小さく笑った。

 

あの時点で、妹はこうなる事を予想していたかもしれない。まったく恐ろしい妹だ。

王宮に僅かに残ってくれた騎士たちに儀仗兵をしてもらい。その列の最奥に立ちながらザナックは物思いにふけった。

 

アンデッドの……いや、魔導国の軍勢はもうそこまで来ていた。

 

/*/

 

「リ・エスティーゼ王国王子ザナック・ヴァルレオン・イガナ・ライル・ヴァイセルフである!魔導王陛下!死の神アインズ・ウール・ゴウン様と話がしたい!」

 

「……どうされますか?今更、話を聞く価値もないかと思われますが……」

「いや……聞こう。こちらも儀仗兵を出そうか。そうだな。ナザリック・マスターガーダーが良かろう」

 

金に輝く鎧と赤いマントを身に纏ったナザリック・マスターガーダーが対面に並び、一斉にギルド旗を掲げる姿は壮観だった。

その列の中をモモンガは人狼形態のジョンを引き連れて、ゆっくりと王都の門へ向かう。

 

これまでのアンデッドにはあり得ない威風堂々、豪華絢爛たる儀仗兵の姿に気おされながらも、ザナックは我こそ最後との意地を張って、己につき従ってくれた最後の騎士たちの先頭に立って魔導王の到着を待っていた。

 

モモンガたちを待ち受けていたのは、少し太り気味の男だった。眼の下には化粧でも隠せない濃い隈がある。震える身体、震える拳をぎゅっと握りしめ、背後の儀仗兵たちを庇うように立つ姿が印象に残った。強い意思を感じさせる瞳がモモンガの心の琴線に触れた。

 

「お初にお目にかかる、魔導王陛下。私はザナック・ヴァルレオン・イガナ・ライル・ヴァイセルフと申します」

「こちらこそお初にお目にかかる、殿下。アインズ・ウール・ゴウン魔導王だ。よろしく頼む。さて、立ったまま喋るというのはあれだな……」

 

モモンガが魔法を発動させようとする前に、ザナックはその場に跪いていた。

 

「……ふむ」

 

跪いたザナックは、王冠、王笏、国璽を盆にのせ、モモンガへ恭しく捧げ出した。

 

「王国の全てを陛下へ、死の神アインズ・ウール・ゴウン様へ捧げます。愚かな人の行いの償いに、私の生命も捧げましょう。ですので、王国の守護神となっては頂けないでしょうか」

 

部下の不始末に上の者が責任を取ると言うのは理想だが、なかなか出来るものではない。ブラック企業勤めで何かと切り捨てられる側だったモモンガとジョンにとって、ザナックの理想の上司ぶりは眩しいものだった。

 

「……頭を上げてくれたまえ」

ザナックは頭を上げなかった。

「頭を上げてくれないか?」

 

頭を下げたままのザナックに「ひょっとして、このまま殺せ」って事なのかな?とモモンガが思い始めた頃、ルプスレギナから礼儀作法を聞いたジョンの《伝言》がモモンガへ飛んでくる。

 

「頭を上げてくれるね?」

「魔導王陛下。御尊顔を拝する名誉を賜り、誠にありがとうございます」

 

その瞳はもう直ぐ死を迎えると言うのに、生命ある限り、こう生きてやろうと決意した覚悟に満ちていた。

 

「……その瞳か」

「陛下?」

 

いや、なんでもないとモモンガは改めて魔法を二つ発動させる。少し離れたところに向かい合わせで黒い玉座を二つ作った。魔法で作ったので当たり前だが、両方とも寸分違わず同じ形だ。

 

「金属の硬さを持つが……あれに座って話そうじゃないか。どうだね?」

「喜んで、陛下」

 

二人で椅子に座り、それと同時にモモンガはもう一度魔法を使うと、両者の間に同じような黒い光沢を持つ机を作り出した。さきほどから魔法を使っているが、ザナックに警戒などする様子は見られない。生命を捧げるとの言葉に偽りがないからだろうか。

続いて、インベントリからグラスを二つ。それと水差しを取り出した。

 

「水で構わないかね?酒はよろしくないだろう?オレンジジュースもあるが……?」

「ありがとうございます、陛下。ありがたく水を頂きます」

 

モモンガは飲めないが、一応の礼儀として自分のグラスにも水を注いでおく。

 

「さて、先ほどの君の嘆願だが……答えるには役者が揃っていないな。もうしばらく待ちたまえ」

 

/*/

 

必死に走り、転がるように足元に片膝をつく。ぜいぜい、と切れる息を必死に整えつつ、声を出す。

 

「魔導王陛下、参りました」

 

ほんの少し、魔導王がこちらを観察しているのをレエブン侯は下げた頭の後頭部に感じた。

 

「レエブン、だったな。よく来た。それにしてもその……なんだ、息を整えていいぞ。……汗も流れている」

「み、見苦しいものをお見せしてしまい、申し訳ありません」

 

驚くほど親切な声に、逆に恐れを感じ、震える。罠かもしれないが、見苦しい方が不味いだろうと考え、レエブン侯はハンカチを取り出し、額の汗を拭う。

 

「お前たちの願いを聞く前に、私の客人に尋ねたい。さて……彼らも、王国の民かね」

 

向かい合わせの黒い玉座に座るザナックへ、モモンガは優し気に問いかけた。レエブン侯につき従う幾人もの貴族たちが息を呑んだようだった。

「はっ。彼らも守るべき王国の民であります。私の生命を以って、彼らも陛下の国の末席に加えては頂けないでしょうか」

よどみなく答えるザナックの心に偽り無く。モモンガは上にあるものとしてのザナックの覚悟に、痺れ、憧れた。

モモンガの眼窩の燃える灯火が目を細めるように小さくなり、周囲を見回したあとに、またザナックに戻った。

 

「答えはNoだ。君の生命で助命などしてやらない。ああ、断固として、してやるものか」

「……陛下」

 

レエブン侯につき従ってきた貴族たちが、恐れから息を呑んだ。

 

「……君には妹がいたな?その者で手を打とう。そして、ザナック。君をリ・エスティーゼ王国の国王に叙する。……今後、国王は私が叙する事としよう」

「寛大なご処置を賜り、心よりお礼申し上げます」

 

内心の衝撃を押し殺し、ザナック、レエブン、その場の貴族は一斉に頭を垂れた。

 

「……努々忘れぬ事だ。私は礼には礼で、仇には仇で返す。この光景を忘れるな、人間」

 

王国八十万の民を殺した魔王の言葉を聞き、レエブン侯は強い吐き気を覚える。そして願う。この魔王が勇者によって討ち滅ぼされん事を、と。

 

/*/

 

リ・エスティーゼ王国は新国王ザナックの下、アインズ・ウール・ゴウン魔導国の属国となると周辺国へ通知した。

 

/*/

 

ナザリック地下大墳墓第9層客室。その一つが魔導国へ人質として明け渡されたラナーの居室であった。

アルベドとの対面を終えたラナーはあまりの幸せに頭がおかしくなりそうだった。

悪魔は永遠の生命を持つ。そして、ここに閉じ籠っていれば誰よりも安全だろう。

 

ならば――ラナーは自分が出てきた扉を見る。いや、その先のベッドに寝ている少年を。

 

「クライム。ここで私と永遠に睦み会いましょうね。まずは今日中にお互いの初めてを交換しましょうね」

蕩けるようにラナーは言った。

「それとももっと大切にして――今日はその前段階ぐらいに抑えておいた方が良いからしら?うふふ。こんなに迷うのは初めてかもしれないわね――あぁ、何て私は幸せなのかしら」

 

「……そうだな。今日中に交換しておくのを勧めるぞ」

 

「!?」

振り返ったラナーは先ほどまでアルベドが座っていたソファーに青と白の毛並みの人狼が座ってるのを見て、息を呑んで片膝をついた。

「これはカルバイン様」深々と頭を下げる。「感謝を申し上げるのが遅くなり誠に申し訳ございませんでした。この度の儀、誠にありがとうございました」

「俺に礼は不要だ。それよりもうち(ナザリック)に就職して、引き籠っていられると思うなよ?お前にはエ・ランテルの太守。属国の管理をやってもらう予定だ。これから忙しくなるぞ」

 

「え?」

 

「人の世を裏切り、夜の世界へ脚を踏み入れるも、一人の少年が闇に堕ちる事を引き留める姫君か。ふたつ名に黄昏の姫君(オレンジ・プリンセス)とかどうだ?歌も上手そうだし。……少年の方は黄昏の騎士(アーベントデンメルング・リッター)か。いいんじゃないかな」

 

なんで英語で付けたのに、そっちはドイツ語なんだよ。なんで黄昏なのにオレンジかって?あーもー無茶苦茶だよー。

 

見えない誰かと会話してるのだろうか?音もなくラナーの居室に現れた神獣は、ぶつくさ言いながら、また音もなく消えていった。

ラナーは音もなく消えていったジョンの姿を探すように、しばし、虚空を見つめ……ごくりと唾を飲み込むと、クライムの眠る部屋の扉に手を掛けた。

 

/*/

 

第4部完!第4部完!

 




燃え尽きたぜ!真っ白にな!!

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