san値直葬? 何それ美味しいの?   作:koth3

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あ、あれ? 何でこうなった? じ、次回は最終決戦での戦いです。九頭竜となのはのタッグによる、スカリエッティ陣営の殲滅が行われます。あれ? 本当にどうしてこうなった?


外伝 2 (sts編)

 多くの事務員が働く中、俺は目の前の書類をどんどん終わらせていく。こういう時、正直この体は便利だ。まあ、こんな作業を見せるわけにはいかないから、一人個室で延々と作業をこなしているのだが。

 四十に枝分れした腕を使い、さらに指先に目玉をつけることで同時に書類を処理しているのだ。というより、正直こんなことに邪神の力を使うようになるとは思わなかった。それもこれも、

 

 「次の分持ってきたよ、救人君」

 

 そう言って部屋に入ってきた、高町なのはのお蔭だ。ジュエルシード事件の時に俺は顔を隠していたのだが、何故だかなのはにバレて、強制的に協力させられた。まあ、彼女のお蔭で闇の書の事件は何とかなったのだが。

 闇の書の事件では、中にていろいろと画策していたニャルラトトテプを出さずに済んだ。それも間違いなく彼女のお蔭だ。ただ、俺は彼女に対して一つだけ負い目がある。

 

 「高ま――」

 「なのは」

 

 目が笑っていない。彼女に対して苗字で呼ぼうとするとこうなる。余りにも早く否定されるので、だんだんと恐ろしく感じてきた。

 

 「なのは」

 「うん。如何したの?」

 「いや、何でお前はそんなに俺にかまうんだ?」

 

 俺が居なければ、彼女は絶対にもっと素晴らしい人生を送れただろうに。

 リンカーコアはあの時、リインフォースを治す際に俺とつながってしまったなのはの体から消えてしまった。管理局の医務官曰く、リンカーコアという臓器が跡形もなくなくなっているそうで、今の彼女は到底、昔のようにはなれない。なのに、彼女は常に俺といる。というより、放してくれない。

 家は今二人で強制的に暮らしているし。八神を脅してまで俺と一緒に働けるようにしたようだし(100%に限りなく近いうわさで聞いた話しでは)。

 

 「そ、それは、あの、その」

 

 黙って彼女の顔を見ていると、すごい勢いで真っ赤になって慌て始めた。

 

 「ば、莫迦! そんなこと聞かないの!」

 

 ええ!? な、何で!? 聞いちゃいけない類いの質問だったのか!?

 慌てたまま、たか――

 

 「なのは」

 

 ……邪神よりなのはの方が怖い。何で俺の心が読めるんだよ!?

 

 「だって、私達はつながっているもの」

 

 ほほを赤く染めていうなのはは可愛らしくはあるのだが、それは微妙に違う。確かにつながっているといえなくはないが。一度した契約を、未だになのははし続けている。だから、俺となのはは微妙につながっている。

 実際、リインフォースを助けるためにした契約を、もう何度も破棄しようといっているのに破棄してくれない。別にデメリットがあるわけでもないのに。それを言っても絶対に破棄してくれないし、逆に何か違う契約を持ちかけようとしてきたこともあったし。……あれ? 何で俺の中に詳しい記憶が無いんだ? たか――

 

 「なのは」

 

 なのはに俺は一体何をされたんだ!?

 

 

 

 うふふ。頭を抱えている彼もまた可愛い。

 

 「ほら、救人君。お仕事早く終わらせよう?」

 

 この部屋でもずっと二人っきりだけど(部隊員の侵入が禁止されている為。ちなみに初日にヴァイス君が入ってきて気絶したのを見て、誰も入ってこなくなったよ)、やっぱり用意しておいた家の方が色々としやすいからね(・・・・・・・・・・)

 如何したんだろう。行き成り体をぶるぶる震え始めて。ショゴス状態じゃないんだから、そう震える必要はないのに。

 

 「何だ? すごい寒気が」

 「風邪? でも邪神である救人君に効くような風邪なんて、この世には存在しないしね」

 

 もしそんなものが有ったら、世界は大変なことになっちゃう。バイオ、違う違う。感染爆発(パンデミック)の危機だよ。まあ、もしそんな病原菌が有ったら、どんな手段でも使って滅ぼすんだけどね。私の救人君を傷付ける存在は要らないんだから。いらないものは捨てないとダメだよね。

 

 「ま、まあ良いや。ああ、これが最後の書類か」

 「本当!!」

 

 これで帰れる。もちろん残業なんてしない。業務規定時間内に終わっているんだから、残業なんてする必要はないしね。

 

 「ところで、フォワードたちの様子は如何なんだ?」

 「何でそんな事を?」

 「いや、何となくな」

 

 何でそんなことを聞くの?

 

 「あの、なのはさん?」

 「なに?」

 「その光の入っていない目は止めて下さい。俺の心臓に悪いので」

 「嫌だな、救人君。救人君の心臓は元から動いてないでしょう?」

 

 まったく。フォワードなんて気にしているから、変なことを言うんだよ。救人君は私だけを見ていたら良いの。

 

 

 

 

 何だろう。なのはの怖さがこの部屋に来る前の十倍以上は怖い。あれって、確かレイプ目って言うんじゃなかったけ? 八神が言っていった事が有るな。でも、その時確かなのはが乱入してきて……。八神、人生は楽しいことだってある。強く生きるんだ。

 

 「ま、まあフォワードの事は良いや。今六課はレリックを追っているんだっけ?」

 「そうみたいだね。とはいえ、今は皆のスキルアップや、仕事に慣れさせることが目的のようだけど」

 

 まあ、管理局の仕事はこれで大変だからな。新人はついてくるのにも精一杯だろう。ただ、仕事の事でアドバイスしようにも、俺が近づくとみんな逃げちゃうんだよな。やっぱり俺って恐ろしいのか? でもエルダーサインをきちんとつけているのに。ただ、あの子たちが見ているのは俺より後ろを見ているような気が。

 ……何だろう。邪神の勘と言えば良いのか。それ以上追求したら拙いって感覚が伝えている。

 

 「さあ、帰ろう?」

 

 そう言って腕をからませて、なのはは俺をぐいぐいと引っ張っていく。引っ張る力があまりにも強く、俺は引きずられ始めるが、

 

 「一寸待ってくれ! まだ書類が一枚終わってない! あと、五秒で終わるから」

 「じゃあ、早くね」

 

 ああ、これで以前引きずられた時には書類が終わらなくて、後で八神に怒られたんだよな。八神が震えながら。あれって、やっぱり……。いや、うん、可笑しいよな。何で邪神である俺が、人間であるた――

 

 「なのは」

 

 なのはにsan値を削られかけているんだ? ふつう逆だよな?

 

 「(愛する)女は神話生物なんだよ」

 

 そうだとしたら恐ろしすぎる。この世界の半分は神話生物じゃないか。その場合、なのははアザトースか!?

 誰か、誰か俺を助けてくれぇ~~~~~~!!!




何故だかなのはが大暴走してしまいました。これ以外なぜか思い浮かばなくなったんですよね。本当に。

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