舞踏会が始まる1時間ほど前。そこでは軽い立食パーティが催されていた。
特に知り合いのいない僕の周りには、奇妙な空白が生じている。一度玄界人ということが知られると、奇異と嫌悪の眼差しが向けられるようになった。
大理石の床の上で、僕はぽつんと壁にもたれかかる。その手にはクーちゃんのドローンが抱かれていた。
「クーちゃん、これ結構居心地が悪いね」
「何? 飲み会で大宇宙一人ぼっちしたことを思い出しちゃったの、ご主人? 」
「うーん、そんなこともあったけどね……。まあ、それは置いておくとして。エルはまた会いましょうって言って、どっかに
「うーん、じっとして待ってればいいのかな、ご主人」
ぼんやりしていると、自然と人の声が耳に入ってくる。正装に身を包んだ貴族や王族関係者が近況や情勢などを語り合っていた。導関数がなんちゃらとか、うちの研究室でなんたらとか、群論がどうたらとか、何やら学問っぽい話も聞こえてくる。そういえば、高等教育は貴族の嗜みだ、とサエグサは教えてくれた。高等教育とは言っても、彼らのレベルは精々学部段階と言ったところ。
「そこのご婦人、そのアルゴリズムは n log n で表すことができますよ」
僕はつい口を出していた。
そこからはあれよあれよと、人に囲まれることになった。ペンを走らせて要点をノートにまとめ、千切って渡す。
賞賛の声があがる。
微分と積分が別々に理解されていたようなので、それの関係をノートに書き示す。
再び賞賛の声があがる。新しい発見に目を輝かせるのは人類普遍なのかもしれない。
「ちょ、ちょっと待って、ご主人。なんで異世界系の主人公みたいなことしてんのさ」
「いや、だってさ、知識に重みは無いんだから、伝えられるものは伝えてもいいかなって」
「まあ、一理ある気もするかな。でもさ、気を付けた方がいいよ。あまり、ご主人のことを快く思っていない人も多そうだからね」
「うん、たしかにね」
数分前から、僕に向けられる視線は二つに大別できるようになっていた。知識欲に駆られた純粋なもの、それに対して、批判とやっかみを内包した異物を
どちらが人間の本性だろうか。おそらく、アリストテレス曰く人間とは政治的な生き物なのだろう。コホン、と乾いた咳払いが一つ鳴る。すると、僕の周りから人が離れていった。これが何よりの証拠だ。
隅っこが僕の定位置だと思ったので、壁へ寄りかかるべくゆっくりと歩く。
ドン! と肩に衝撃を覚えた。手からドローンが滑り落ちた。反射的に謝罪の声を出す。
「あ、ごめんなさい。よそ見し――――」
機械が
クアッドコプターの上には、黒い革靴が乗っかっていた。
「ああ、これはすまない。玄界人なぞ、目に入らなかったからな」
言葉尻に合わせて、黒い革靴はもう一度振り下ろされていた。器官が悲鳴を上げた。
ドローンに向けていた視線をその男に向ける。向けるなんてもんじゃない、睨んでいた。
その男は黒いタキシードに身を包んでおり、キザなスポーツマン風の黒髪。歳は青年と言った具合で、表情は侮蔑の眼差しを湛えていた。
「おお怖い、これだから、玄界人の猿は」
目の前の男はそう吐き捨ててから、
どっと周りからも嗤い声が上がる。澱んだ視線がこちらに向けられていた。
「足をどけろ……。それは、クーちゃんの躰だから」
「ん? 聞こえんなあ、玄界の
「ご主人、いいから、今は事を収めた方がいいって」
「足をどけてとお願いしてるんです」
「ああ、足をね。ほら――――」
革靴の底がずるずるとドローンの残骸を引きずって、ローターとカメラのレンズをすり潰した。粉々にされたものは機械の血潮である。
「汚物が靴底に着いてしまったか……」
そう言い捨てて、男は靴底をハンカチで払った。ネジやフレームの残骸が飛散。
忍耐の糸が、脳内で音を立てて切れた。
僕の拳は固く握られ小刻みに震えている。
感情の奴隷になっている手が動こうかというまさにその時、
ヘッドセットからクーちゃんの叫び声がした。もう何度も呼んでいたのだろう、かなりの大音量になっている。
「ご主人! 落ち着いて、悔しいのは分かるから」
「いや、ここは引いちゃダメなときでしょ、クーちゃん」
「そんなことないって、暴れるのは凪の無事が確認できてからだよ、ご主人。ね、そうだ、円周率を数えてみてよ」
「3, 14159265358979323846264338……」
言われるがままに、僕は矢継ぎ早に数字を並べ立てていた。激情に駆られながらも暗唱ができるなんて、人間というのは存外複雑に作られている。
「ほら、ご主人、落ち着いてきたでしょ。こういうときは理屈っぽいことは考えようよ」
宥めるような安らぎを含んだ声音だった。2,3度深呼吸をする。ようやく、感情ではなく理性の方に酸素が行き届いた。
「えっと、≪キオン≫には捕虜や移民、あるいは奴隷の子がいると思うんだけどさ、彼らも蔑まれているのかな」
「うーん、スノリア村を見た限りでは、そんなことなかったと思うけどね、ご主人」
「まあ、王家とか貴族は格式とか伝統を大事にするんだろうね、クーちゃん」
僕は肩を
膝をついて、ふうと息を吐く。ドローンの残骸から埃が取れたので、その欠片を大切にハンカチの中へ包んだ。そのまま壁の方へ歩く。
立食パーティであろうが、彼らと同じものを口に入れたくはなかった。早く時間が過ぎないかと、壁際で夢想する。壁のひんやりとした感触が心の清涼剤。
途中、紙とペンを持った子供がこちらへ走ってくることもあった。その目に浮かぶのは知的好奇心を宿した澄んだ光。だが、貴族の大人がそれを
それから程なくして、弦楽器の音色が流れ始めた。楽隊が奏でる緩やかなリズムに同調し、両開きの重厚な扉が鈍い音を立てて開く。
その中から、長いドレスに身を包んだ貴族や王族の令嬢が淑やかな足取りで現れた。15名ほどが列を連ね、色鮮やかなドレスが空間に華を添えていく。
一人ずつ一礼をしてホールへ入っていった、その度に拍手が鳴る。
僕は冷めた目で、そんな光景を眺めていた。ドラマや映画みたいで、臨場感はあっても現実味が無い。
一際大きい拍手の喝采が起こり、少しの歓声が沸いた。僕は声につられて、そちらを見やった。
エルが白いドレスの両端をつまんで、礼をしていた。それが歓声の原因。ヒロシゲが自慢するだけあって、彼女はお姫様の気品を纏っていた。薄化粧が施されているためか、清楚で慎ましい美姫の顔つきをしている。ドアを蹴破るほどの常識踏破なお転婆姫の影はなりを潜めていた。どちらが彼女の素なのだろうか。付き合いの浅い僕には、判別できなかった。
一礼という通過儀礼を済ませると、エルは淑やかに優美に歩みを進める。
「エルフェール殿下、今夜、私と一緒に踊っていただけませんか」
さっきの黒タキシードの男が片膝をついて、エルに向かって手を差しのばしていた。
だが、エルはそれに目もくれず、歩みを続行する。
―――――嫌な予感が過った。
案の定、エルは僕の目の前に現れた。僕は教則本通りに彼女の手を取って、弦楽器が奏でる音色に合わせてくるくると踊る。
四方八方から、嫉妬と憎悪の視線が矢となって僕に刺さった。特に
よくある話だ。高貴な身分の人と偶然知り合う。再開する。親しく話す。親しく振舞う。そして……周囲の嫉妬、怒りを買う。
エルは僕の事情を
常識や扉を蹴倒していく、好奇心旺盛な笑顔が彼女の素なのだろう。無邪気なその笑みを見て、自分の顔が綻んでいくのが分かった。
「お母様、この方がそうです! 私の婿になる殿方です! 」
突然、エルはそう言ってのけた。楽隊の奏でる優雅な曲がピタリと停止する。およそ、全員の視線が一斉にこちらへ向けられた。一拍おいて、ざわざわと口々が開かれ、喧騒が辺りに満ちる。
いつの間にか、僕達2人はひな壇の前にいたらしい。慣れないダンスと緊張で僕は周囲に目がいってなかったのだ。背を冷や汗が伝う。軋む音が聞えそうなぎこちない動作で、僕は首を動かし、ひな壇の方を見た。
一段高い所に座しているお方は紛れもなく、≪キオン≫の女王様だ。厳しい威光を放っているが、同時に淑女の品位も漂わせている女性。幾度となく肖像画を拝見してきたが、生で見ると、なんというかオーラを纏っている気さえする。
女王はエルと同じ蒼い瞳で凛然と僕を見据えていた。
「なっ、エルフェール殿下それは話が違います! 」
さっきの黒タキシードが声を荒げた。続けざまに、革靴を鳴らしてカツカツとこちらへ歩み寄る。
「あれは大臣やそこらの役人が勝手に決めたことです」
エルは外交用の声と表情で言い捨てる。それを聞いた黒タキシードの男は小さく舌打ちを漏らしていた。そして、その敵意に満ちた視線を僕に向けてから、顔を
「女王陛下、こいつは殿下を
彼はそう言い終わる前に、トリオン体へ換装していた。
奴が身に纏うは洋式の黒い軍服。
その胸に躍るは戦功を示す十字の勲章。
「キャー、リオン様の剣が見られるわ!! 」
「英雄、剣聖のリオンが見られるぞ。アフトの大規模侵攻以来だ! 」
周囲は溢れんばかりの歓声と嬌声で沸き立った。ホールに設けられた誰もいない空間は、おそらくここで戦えというものだろう。数分と経たずに、観衆の全ては隣り合わせのテラスへ移っていた。
さっきまでみんなが踊り合っていたホールには、今2人しかいない。
僕と目の前の敵だけだ。
相対距離は目算20m。
奴はまだ得物を手にしていない。
よくよく見れば、スポーツマンの風の黒髪、凛々しい顔立ちはかなりのイケメンである。
イケメンのくせに強いなんて正直いってずるっこだ。何かが間違っている。
「クーちゃん、僕には2つ選択肢がある気がする」
「わざと負ければ、エルフェールに振ってもらえるかもよ、ご主人」
「いや、奴をぎったんぎったんにしてから、振られてくるよ、クーちゃん」
「まあ、ご主人はこういう時に、絶対引かないからね」
意気込んだ僕の右手にはハンカチが握りこまれていた。
ドローンの欠片を手に食い込ませるほど、ぎゅっと握る。
機械の血潮と僕の血が混ざった。
痛みを噛みしめながら、トリガー起動。
「ほう、ようやく換装したか。キリン家の長子、リオンが相手をしてやろう。玄界人のゴミめ」
「クーちゃん、キリン家ってさあ……」
「スノリア村だよね、ご主人」
「ごちゃごちゃと
そう言い放って、奴は剣と楯を生成した。
右手の剣は一切の無駄を廃した細く直線的なフォルム。柄には雪の結晶を
左手に握られるは白銀の輝きを放つ十字楯。
楯をこちらに向けて半身になったその姿勢は自然体で、無理な力はどこにもかかっていない。
直剣の
全身の血流が加速する。
戦闘において無駄な一切を捨象。
周りはどよめいたが、あまり耳には届かない。
「馬鹿め! そのトリガーは先の戦いで錆にしたばかりだ! 」
「クーちゃん、金属片の操作と2本目の電極をお願いね」
「了解、ご主人」
三者三様の言葉を発し、相対距離が0へと寄る。
僕は沈み込んだ体勢から一気に飛び出し、地面をギリギリ滑空するように突き進んだ。
直前でくるりと躰を
十字楯に迎撃され、激しい火花が散った。
火花の間を
金属片に組成された小楯がそれを弾く。
3,4度剣戟を重ね、
リオンの直剣の突きは速く、そして何より精確であった。金属楯の間、ほんの些細な隙間から決壊を狙い、穿ってくる。僕は弧月とシールドのオンオフを繰り返して、危うい防御を
「疾ッ」
鋭い気迫と共に、奴の直剣が疾る。軍服が翻るほど、敏速な踏み込みだった。
痛みが右耳をつんざいた。血の代わりに、黒い霧が吹きでる。剣速では敵わない。
おそらく、耳以上の部分が
相手の剣筋を見極めろ。手首の返しを見定めろ。踏込を判断しろ。重心の移動を把握しろ。
集中しろ、負けるなんて微塵も考えるな。
自分の鼓動、自分の血流を意識して、
速く、速く、速く、と押し上げる。
判断よりも速く舵を切る。
考えるよりも速く振り下ろす。
見るよりも速く予想する。
流れるように、崩れるように、相手の意識の隙間を狙って、
地を蹴って、踏み込む。
右足を軸に、遠心力を利用して横ざまに薙ぎ払った。
磁力の斥力を加えた斬撃。
激烈な金属音が鳴り響いた。手には痺れが残る。十字楯に防がれていた。
薙ぎ払いの余勢を利用して、距離を置く。
「
裂帛の気合いを纏い、十字楯を構えたリオンが突撃してきた。
巨大な楯の影に隠れて、奴の右手がよく見えない。普段ならドローンの航空観測で立体把握ができるのだが、こいつがクーちゃんの躰を壊したのでそうもいかない。
バックステップで距離を取る。
瞬間、眼前のリオンの姿が消えた。
「跳んで!! ご主人」
弧月をオフにすると同時に、テレポータを起動。
座標指定は目視。
躰の再構成が終わる否や、振り返る。
瞬刻まで僕が立っていた場所には、直剣の鋭い突きが放たれていた。
「ふんっ、お前も使えるのか」
リオンは直剣を振るい、そう言い捨てた。僕はそれを無視して、クーちゃんに言葉を向ける。
「クーちゃん、瞬間移動者に対しての蝶の楯の負けパターンってさあ、やっぱり」
「金属の楯の内側に入られての斬撃だろうね、ご主人」
弧月をオフにしたまま、トリオンスフィアの無限複製を実行。
弾道方程式を入力し、躰の周囲を衛星軌道させる。
僕が動けば周回軌道する
でも、そんなことは些細な問題に思えた。
雪みたい、綺麗、そんな言葉がギャラリーから漏れていたが、僕の思考にまでは届かない。
数字の海を漂い、方程式へ解を与えていく。
次第に、誘導弾は土星の円環のように密度を増大させ、周回半径を拡げた。
吹雪の如く空間を覆い尽くす誘導弾を身に纏い、じりじりと距離を詰める。
奴の顔に
カツカツと大理石を踏み鳴らし、僕は歩みを進める。ペットのように、誘導弾も着いて廻った。
カッと奴の目が見開かれる。
一瞬間で、リオンの姿が消失。
真上に出ることは知っていた。
蝶の楯は投影迷彩で
ギュルギュルと音が鳴る。歯車の間に挟まった四肢は千切れて、抉れて、
細切れになったトリオン体が黒い霧を吹きだして、飛散。
ざまあみろというのが、正直な感想である。
少しの間が合ってから、どさりと生身の躰が落ちてきた。
10秒たたずして、射程限界を迎えた誘導弾が泡となって消える。
僕はキンと鞘を鳴らして、弧月を抜いた。黒タキシードの首に突きつける。その顔に怯えが疾った。僕は刃の裏でそいつの顎を持ち上げる。
「思うに、ほとんど理性を持たず、悲しむべき習慣をもった脂ぎった人間は、思想豊かな素晴らしい理論を有する人間と同じ美しい
そう言い終えて、僕は刃の向きを逆転させる。刃先に顎を乗せた青年は怯えた目をしていたが、こいつは何を言っているんだ、という色も含んでいた。
「謝れ、詫びろ、知っている謝意が含まれた言葉の全てで詫びろ」黒タキシードを見下ろして僕は言った。
自分はどんな表情でこんなことを吐き捨てたのだろうか。肉袋でない人間と言うのは存外不便にできている。ただ、こいつが謝罪するまで刃を納めるつもりは無かった。
静寂。
リオンは這い
静寂。
パンパンと
「ご主人、何でレオナルド・ダヴィンチだったの」
「この場の全てに言ってやりたかったから」
「ご主人、もういいんじゃない」
「いや、だめでしょ、クーちゃん。頭一つ下げられない肉袋に、エルをやるのは勿体ない」
「だってさ、泣きそうじゃんこの人、僕はもう十分だからさ」
「いいや、押すね。――――リオンとか言ったな、どうやら死人に口無しは本当らしい」
「ご主人、意味が若干違っているような気がするけど……」
「いいんだ、これから本当になるからね! 」
「あ、謝る、謝るから」
顎に血を付けた青年が懇願してきた。エンジニア特権で安全装置など、とっくに解除済みであった。
一つため息をついて、トリオン体を解除する。
ポケットから赤混じりのハンカチを取り出して、彼の前に置いた。
「謝れ、詫びろ」
冷たい声が自分の口から発散した。観衆の視線はここ一点に凝縮。
彼は靴で踏むことで答えた。
ハンカチには足型が残る。
ぱん。
と静寂の中に乾いた音が
リオンの頬に紅葉柄の手形がついた。やったのは僕の右手ではない。
エルがそれを放っていたのだ。
僕とクーちゃんとリオンは言葉を失っていた。いや、おそらく観衆の全てが唖然としていただろう。女王を含めての絶句。
一拍おいて、記者会見後の報道陣を思い出させるような人々のざわめきが、だだっ広いホールを埋め尽くした。
これを持って、舞踏会はお開き。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
第二部はかなり楽しんで書いています。
文章は読みやすいでしょうか。
戦闘描写はくどくないでしょうか。
批判をどしどし募集中です。
感想、お気に入り、とても嬉しいです。
第二部は個人的に読みやすく書いているつもりなのですが、書いたものは我が子のようなものなので、客観的な判断ができません。
※以下はチラシの裏
「ご主人、蝶の楯に組み込んだ投影迷彩って何さ? 」
「ただ、蝶の楯の歯車に、衛星軌道する誘導弾を投影しただけ」
「ああ、なるほど、古典的な欺瞞技術だね」
「まあね、昆虫でも、動物でもやっている方法だって」
「ご主人は集中して聞こえなかったと思うけど、あのリオンって人、蝶の楯使いを2人も葬ったって、ギャラリーが言っていたよ」
「げっ、本気だされたら普通に負けてそうだね、クーちゃん」
「いやあ、そうかもね。エルフェールの前だから剣術で格好つけたかったのかもね。……まあ、それ言ったら、ご主人も最初から無限複製使えばよかったのに」
「まあ、リオンが剣を抜け! って言うから、仕方なく。でも、あのまま剣だけでやってたら、惨敗だろうね」
「そうだよね、蝶の楯って中・遠距離は無類の強さだけど、近距離は比較的苦手だもんね」
「木崎さんの拳で割れるくらいの防御力だからね」
「それよりもさ、キリン家だって、大丈夫なの? 」
「スノリア村でしょ。凪が妹ってばれたら、復讐されそうでやばい気がする」