スノーフレーク   作:テオ_ドラ

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最近割と手抜き気味の更新が続いてますが、
というわけで遺跡編は次回で終わり、
大きい人が復活します。
なんだかんだでスノーフレークも色々な惑星巡りましたが、
やっとEP1最終章が始まります。
そう、全アークスが力をあわせて戦う緊急クエスト、
それがEP1の最後を飾る物語。
おまけで後書きに
とあるレンジャーの武器解説入れておきました


【挿絵表示】


表紙を描いてくれたRimiQwiさんのページはこちら
http://www.pixiv.net/member.php?id=10995711

登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html

ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
気軽に感想を書いてくれると作者喜びます。
要望などは個別にメッセージ機能なり
ツィッター(@neko_neko_xojya)でお寄せ下さい。
※感想欄に書くと規約に引っかかるため
※要望は全てに対応できるわけではないのはで予めご了承ください。


083.「だから僕たちは調べているのさ」

タイムリミットにギリギリで

テレパイプのある帰還ポイントに辿り着き、

キャンプシップへと退避できた。

乗っていた戦闘機は乗り捨ててしまったが、

それは後で請求されるんだろうなと

ちらっと頭の片隅で思ったが……

命あってのこそだと割り切る。

 

「すまない、助けられた」

 

ウェズは救援に来てくれた

二人のアークスに頭を下げる。

 

「全然いいですよ!!

 私もモノのついででしたから!!」

 

マフラーとコート、

長い前髪で目が隠したのが特徴的なアークス、

リコットが気にしないでと手をふる。

傍らには巨大なガトリング銃。

以前にメディリスが

射撃場で会ったというレンジャーだろう。

彼は所属するマスターに呼ばれたとのことで、

慌ただしく自分のキャンプシップへと戻っていた。

 

「僕のことも気にしなくていいさ。

 あのアークスを追いかけていたところだからね」

 

もう一人、赤のマシンガンを腰に下げた青年が笑う。

 

「僕は衛宮影人。

 FOX HOUNDのチームマスターをさせてもらっているよ」

 

「ああ、俺たちはスノーフレーク。

 それにしても追いかけていたって……?」

 

彼が言っているアークスというのは間違いなく、

あの遺跡ですれ違った者のことだろう。

 

「チーム『パティエンティア』と、

 うち『FOX HOUND』はずっと追いかけていてね」

 

端末を開き、何かのデータを投げてくる。

 

「これは……あのアークスの個人情報ですか?」

 

レシアがそれを受け取り情報を表示させる。

 

「……なんか、真っ黒」

 

アンジュがポツリと呟く。

黒いというのは、そう、

情報のほとんどの部分が権限がなく、

閲覧禁止となってしまっていて表示されないのだ。

 

「なにこれ?

 まだアークスになって数か月の新人でしょ?」

 

ケーラが不審そうな顔をするのも無理はない。

六芒均衡と言えども

ここまで情報が隠されることはないだろう。

 

「不思議だろう?

 だから僕たちは調べているのさ」

 

「危険ではないか?

 これは……アークス本部が間違いなく関わっているだろう」

 

誰に聞かれているわけでもないのに、

ライガンは知らず知らずのうちに小声になっていた。

 

「これでも情報通を自認していてね。

 その勘が告げているのさ、

 これは『見過ごしてはならない』ってな」

 

彼は黙っているようにというジェスチャーと共に、

 

「……悪いけど、キミたちスノーフレークのことも

 いくつか調べさせてもらった。

 その上で問う、

 アークス本部を全面的に信用はできないだろう?」

 

「……」

 

その問いに、誰も言葉を返さない。

特に今回のクエストで薄々は感じていたが、

それを口に出すことが憚られたのだ。

 

「かつて僕はアークスとして誇りを持っていた。

 けれど……僕たちは裏切られたんだ。

 今でもその時、僕を庇って

 重症を負った相棒は目を覚ましていない」

 

衛宮影人の過去に何があったのか……

詳しくはわからないが辛い事件だったのだろう。

 

「だからこそ、真実を追い求めている。

 その過程で、あのアークスに注目にしているのさ。

 まあパティエンティアの二人は

 アイドルの追っかけみたいな感じで

 楽しんでいるらしいけれど」

 

肩を竦めて言葉を続ける。

 

「とても、重要な立ち位置らしく、

 不可解な点も多い。

 そう、時々『知らないはずのこと』を

 知っているかのような行動を見せる」

 

噂に聞いていただけだが、

ウェズもあのアークスを実際に見て感じた。

 

――アレは明らかに普通ではない。

 

「なるほどな。

 まあ結果としてアンタ、

 追いかけていた衛宮に俺たちは助けてもらった。

 ……今はそれでいいさ」

 

気になるとはいえ、深入りは危険だ。

中途半端な覚悟では関われない。

仲間を危険に晒すことになるのであれば、

ウェズは積極的に踏み込もうとは思わなかった。

 

ピピピッ!

 

その時、衛宮の通信機がなる。

彼は取り出して発信者の名前を見て

「ん?」と首を傾げた。

耳に備え付けられた通信機から

なにやら姦しい声が聞こえてくる。

何を話しているかはわからないが、

相当に焦ったような口調だった。

 

「もしもし、こちら衛宮影人。

 そんなに慌ててどうしたんだ、パティ?

 ……え、外を見ろ?」

 

……外?

惑星ナベリウスから脱出して、

今は惑星上空……宇宙空間だ。

外を見て何があるというのか。

 

「ウェズさん!

 大変……!」

 

その時、キャンプシップを操作していた

メディリスの叫び声が聞こえてくる。

 

「惑星……ナベリウスから!」

 

モニターに映し出される。

そこにあったのは……

 

「……なんだ!?」

 

先ほどまでウェズたちがいた

遺跡のエリアから溢れだす、

巨大な存在だった……




【ヴェンデッタ】
アヴェンジャーを4丁組み合わせた
拠点防衛用に特化したアサルトライフル。
あるアークスが所属するチームマスターの
無理なオーダーに対応するために
組み上げたオンリーワン品である。
見た目はアヴェンジャーを
4つただ組み合わせただけの
無骨なデザインではあるが、
フォトン制御性能を高めるカスタマイズを施され
非常にデリケートなバランスの上に成り立つ。

アサルトライフルというカテゴライズではあるが、
移動しながら射撃することは勿論、
装備しているとマトモに動けないことから、
どちらかというとランチャー……
いや固定砲台としての扱いをされる。
また特殊な仕様であるがために機能を限定しており、
使用できるフォトンアーツはワンポイントのみ。
個人で持つには最大サイズの武装であることは間違いない。

見て目通り無茶苦茶な武器のため、
安定性も非常に低く、
並のアークスでは反動に耐えられない。
高いレンジャー資質を必要とする。

ダークファルス【巨躯】の戦いで活躍をしたが、
惑星リリーパの第一基地防衛線の際に
ダークヒプラスに踏みつぶされて破壊された。
特注品であり元々総合評価の低い武器であったため、
以後、二度と作られることはなかった。

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