スノーフレーク   作:テオ_ドラ

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EP1.5用の新表紙をタキオンさんに書いてもらいました!

【挿絵表示】

そしてちょうどタイミング良く、
タキオンの登場シーンです。
イラストの右のキャストはタキオンで、
ウェズ、レシア、メディリス、クーナ、アザナミですね。
メディリスは初のビジュアル化で、
これできっとメディリスもファンが増えるはず……!
タキオンさん、素敵なイラストありがとうございました!


106.「……ちょっと、気になることが」

「……」

 

「……」

 

「……」

 

惑星ナベリウスの凍土エリア。

そこの片隅に着陸した

キャンプシップ内は静まり返っていた。

ショップエリアのグッズショップで買ってきた

小さな暖房器具を囲むように三人は無言で座っている。

赤いマフラーを巻いたウェズと、

フードを被るレシア。

そして新しい服に新調したばかりのメディリス。

アークスの服にはフォトンに感応して

過酷な環境下でも活動できる機能は

標準搭載されているのだが……

それも気の持ちようである。

フォトンを利用した武具の弱点は、

使用者のメンタルに左右されてしまうことである。

外は雪で覆われた一面の銀世界。

「視覚で寒いと思い込む」ことで

機能が低下して余計な寒くなるという負のスパイラルなのだ。

 

ちなみにウェズとレシアはただ単に寒がりなだけだが、

メディリスの新調したばかりのハートブレイカー、

悲しいことに通気性に重きを置いた服なので

彼女が寒さで震えるのは仕方ないかもしれない。

 

「寒い寒いって思うから、寒いんだけどね」

 

呆れたようにそんな三人を見ているのはケーラ。

タイミング悪くキャンプシップの空調の調子が悪く、

「若干」ではあるが船内の気温は低い。

だがそんなに震えるようなほどではないし、

実際ケーラはハマノイクサのゆるりとした衣装にも関わらず、

寒そうな様子はまるでなかった。

 

「ライガンに代わってもらえば良かったな……」

 

「何言ってるんですか……ヒューナルとの戦いで

 オーバーホールに入ってるんですよ。

 ただのアンジュの里帰りに

 引っ張り出すわけにはいかないでしょぅ」

 

アンジュを送り出して数時間、

他にクエストなどもないスノーフレークの一行は

キャンプシップの中で彼女の帰りを待っている。

わざわざこんな大人数でくる必要もなかったのだが、

【巨躯】復活後、ナベリウスは散発的に

水棲のダーカーが発生するので

念のためにメンバー揃ってきていたのだ。

 

「はあ……」

 

せっかくお洒落して張り切ってきたのに

よもやこんなことになるとは思ってなかったメディリスは

深々と溜息をついていた。

 

(どうして私は、こんなに間が悪いんだろう……)

 

彼女がしょぼんとしている理由を

察しているケーラは苦笑しながら見ていた。

鈍感なウェズは彼女がどうして着替えたかなど

まるで見当もついていないだろう。

とはいえケーラもそこまで本気ではなくても

若きマスターのことは「気になる」存在ではあるので、

助け舟を出したりはしないのだけれども。

 

『……ケーラ』

 

そこでトゥリアから通信が入る。

こっちの状況を知っているはずなのに、

なんだか湯気の上がっている

暖かそうなココアを飲んでいる姿。

ウェズたちの恨めしそうな視線もなんのそのだ。

 

「ん? どうしたの」

 

『……ちょっと、気になることが』

 

そう言って転送されてきたのは、

キャンプシップから少し離れた場所にある場所。

一瞬、ダーカーでもいるのかと思ったが、

動いているモノは見当たらない。

けれど点々と黒いモノが転がっているのが見える。

 

「……ダーカーの死骸?

 それにしてもこれは」

 

無残にも上半身だけになり転がり、

少しずつダーカー因子に霧散していってるガウォンダ。

甲羅ごとくだかれたミクダ。

ダーカーに内臓などはないが、

それでも中身が飛び出している姿は

見ていて気持ちよくはない。

 

「……喰われた、とでも言えばいいでしょうか?」

 

後ろからレシアが覗きこむ。

メディリスもうーんと首を傾げる。

 

「でも、ダーカーを食べるなんて……

 そんな生き物いるかな?」

 

そこでウェズは違和感に気付いた。

 

「おい、これは……なんだ?」

 

指差した画像に移ってるのは凍りついた壁。

そこに深々と刻まれれた爪痕だった。

 

「スノウバンサー……よりデカいんじゃない?」

 

ケーラがナックルの爪をカチカチさせる。

大型の原生種ですらありえない大きさ。

恐らく、ダーカーを喰らったのと同じ存在だろう。

 

「「「……」」」

 

全員が、無言で顔を見合わせた。

嫌な汗が流れる。

最近ではダークファルスヒューナルも確かに強敵だった。

だが理性……とまでは言わないが、

まだ人型で多少の言葉も通じる相手。

しかし巨大な爪を持ちダーカーを喰らう大型の「何か」。

ヒューナルとは違うベクトルで

「戦いたくない相手」だった。

どんなバケモノが出てくるのか想像もつかない……。

 

『……ん、アークスの反応。

 誰かキャンプシップに来るみたい』

 

実に嫌なタイミングである。

トゥリアの言い方からしてアンジュではないのだろう。

恐る恐ると識別反応を見ると……

 

「……タキオン?」

 

それは何度か一緒にクエストにいった

顔見知りのキャストのものだった。




そして新表紙になったのに、
今回は眠くてあまり見直さずに更新しました。
ちょっと手抜きですし誤字脱字とかあるかも……

EP1.5表紙(作:タキオンさん)

【挿絵表示】

EP1表紙

【挿絵表示】
(作:リミさん)
RimiQwiさんのページはこちら
http://www.pixiv.net/member.php?id=10995711

登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html

ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
EP1が終わり、EP1.5は EP2との間の時間軸となります。

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