スノーフレーク   作:テオ_ドラ

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ついに99話。
激闘のシーンになるはすが、
物凄く眠気眼で今書いてるので、
ちょっと今回は中身が微妙かも……


【挿絵表示】



099.「今のうちに下がろう!」

バシュンッ!

 

壊れた瓦礫の上にうつ伏せになり、

アインは狙撃を行う。

距離が遠く、

ターゲットの姿は視認できないが……

 

「ウェズ……

 どうやらビンゴらしいね。

 これは【巨躯】と似た感じ……」

 

突如として出現した、

濃密なダーカー反応。

あのみなで戦った【巨躯】のように

大きくはないが、

しかし恐ろしいまでの強い反応。

まだ距離があるというのに、

レンジャーであるアインであるならば

ここからでも十分に感じられるほどだ。

 

「スニークショット!」

 

バシュンッ!

バシュンッ!

 

こちらに向かってくるアークス反応を

支援するように長距離射撃を行っていた。

距離があるので威力も減退するが

せめて足止めになればと連射し続ける。

直撃はしているはずだか……

 

「……これが、ダークファルスの反応ですか」

 

前回の緊急クエストに参加していない

ナイトメアが息を飲んでいた。

ウェズは頷く。

 

「間違いない。

 この心臓を鷲掴みにされるような感覚……、

 ダークファルス級だと思うぜ」

 

二手に分かれたウェズたちは

アークスのSOS要請に

気付き駆けつけていた。

こちらにいるのはウェズとアイン、ナイトメア。

他のメンバーにも連絡しているから

しばらくすれば駆けつけてくれるはずだ。

 

「アイン、後退しながら狙撃を頼む。

 俺とナイトメアはアークスを先に行かせてから下がる」

 

「わかった。

 ただ向かってくるアークスは

 怪我をしているのかもしれない」

 

遠くから響いてくる破壊音。

それが徐々に近づいてくる。

ウェズとナイトメアは走り出した。

 

「……!」

 

街灯の上を器用に跳び移ってくる人影。

途中途中、空中で宙返りしながら

両手に持ったマシンガンで

背後に向かって攻撃していた。

しかしアインの狙撃も直撃しているはずだろうに、

迫ってくる敵性反応の勢いは弱まる気配は全くない。

 

「アンタ!

 俺たちに任せてこのまま下がってくれ!」

 

「……すまない」

 

すれ違い様に声をかけあう。

彼女、ガンナーは苦しそうな表情を浮かべていた。

脇腹を押さえており、

そこから血がにじみ出ている。

よくあんな怪我をしながらも

ここまで走ってこれたものだ。

 

「これを!」

 

ナイトメアはトリメイトの瓶を投げる同時に、

こちらが仕掛ける「作戦」の概要を転送する。

端末を一瞬で確認したガンナーは

 

「……了解」

 

そう言って速度を落とさずに

ウェズたちが駆けつけた方向へ走って行った。

 

「来ますよ!」

 

眼前を睨んでいたナイトメアが叫ぶ。

もうすぐそばまで来ていた

強大なダーカー反応。

 

「……!」

 

圧倒的な気配と共に

紫色の人影が車を吹き飛ばしながら現れた。

 

「ふんっ!」

 

走ってきた勢いのまま、

ヒューナルは拳を叩きつけてくる。

 

「速い!?」

 

ナイトメアが手に持っていたソード、

無骨なフォルムを持つ規格外の巨大な武器

『タルナーダ』でその拳を防ぐ。

キャストであり、

かつ屈強なハンターであるナイトメアのソード。

例えウォルガータの

強烈な張り手であっても

防ぐことができると自負をしている。。

 

だというのに――

 

「ぐわぁっ!」

 

ガードしたソードごとナイトメアが

殴打の衝撃に

耐えきれずに後方へ弾き飛ばされる!

 

「ナイトメア!」

 

接近戦は危険だと判断し、

ウェズは少し距離を空けたまま居合いを放つ。

 

「ハトウリンドウ!」

 

抜剣と同時放たれた衝撃波が

地面を削りながら襲い掛かるが、

 

「むんっ!」

 

ヒューナルは腕を一振りして生み出した

赤い濃密なダーカー因子で

生み出した衝撃波で相殺する。

 

「……馬鹿な!?」

 

驚愕するウェズ。

ダークファルス相手を

倒せるほどとは思っていなかったが、

まるで通用しないとは考えもしなかった。

スサノグレンを振り抜いて

動きが止まってしまったウェズに

ヒューナルは回し蹴りを放つ。

 

「っ!」

 

ウェズは鞘で防ぎつつ、

勢いに乗ってそのまま後ろに跳んだ。

遠くまで蹴飛ばされ

ごろごろと地面を転がり……

 

「くそっ!」

 

体をバネのように弾き起こして、

思い切り後ろに跳ぶ。

 

ドカンッ!

 

すると先ほどまでウェズがいた場所に、

跳び蹴りをしたヒューナルの足が

深く突き刺さった。

 

「ウェズさん!」

 

追撃しようとするヒューナルに対して

ナイトメアは思い切りタルナーダを振り回し

 

「スタンコンサイド!」

 

顔面に叩きつける!

一瞬、首が後ろに曲がるが

すぐになんでもないように戻り、

ギロリと赤い瞳で睨みつける。

岩をも砕く質量の一撃だというのに、

ほとんどダメージを与えれていない。

ナイトメアはダークファルスという存在が、

自分が想像していたモノとは

まるで別次元の敵であると今更ながらに理解する。

 

ドオンッ!

 

まるで隕石にぶつかったかのような衝撃。

攻撃した後で無防備なナイトメアの胴体を

ヒューナルの無慈悲なボディブローが直撃する。

ナイトメアは成す術もなく

後方に吹き飛ばされた。

 

「ナイトメア!」

 

後方にいたウェズは

飛んできた重たいキャストの体を、

なんとか受け止める。

 

「グレネードシェル!」

 

二人に迫ろうとしていたヒューナル。

それに対して物陰から飛び出したアインが、

バイオトライナーのモードを切り替え、

爆発性の弾丸を放つ。

 

ドオンッドオンッ!

 

自分のアサルトライフルでは

ダメージを与えられないのはわかっている。

だが何発も放たれたグレネード弾の

爆発は周囲に視界を遮るほどの煙を発生させた。

 

「ピアッシングシェル!」

 

あわせて周囲に止まっていた車を撃ち抜き、

次々と爆破してヒューナルに爆風を浴びせる。

 

「ウェズ!

 今のうちに下がろう!」

 

アインの叫びに

ウェズは頷いてナイトメアも

なんとか立ち上がり必死にその場を離れた。

 




ヒューナルつおい!
次回はここにいないケーラ、アンジュ、ライガンと
後方に下がったアリスも加えて決戦です

表紙を描いてくれたRimiQwiさんのページはこちら
http://www.pixiv.net/member.php?id=10995711

登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html

ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
EP1が終わり、EP1.5は EP2との間の時間軸となります。

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