スノーフレーク   作:テオ_ドラ

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PSO2、祝アニメ化! スノーフレーク、祝100回目の更新。
2次創作の作品数と、ついでにスノーフレークのアクセス数よ増えよ!
あ、ついでに最近ハーメルンで、
イラスト描いてる人とコラボでショートストーリー書いてたりします。
良かったこっちも読んでやってくれると作者喜びます。
Fairy tale for illustrations
http://novel.syosetu.org/72496/


【挿絵表示】


表紙を描いてくれたRimiQwiさんのページはこちら
http://www.pixiv.net/member.php?id=10995711

登場人物紹介はこちら
http://novel.syosetu.org/61702/1.html

ファンタシースターオンライン2、通称「PSO2」を舞台にしたオリジナルの話です。
本来のストーリーモードの主人公とは違った視点で、
PSO2の世界を冒険していくという内容となります。
EP1が終わり、EP1.5は EP2との間の時間軸となります。


097.「良い腕ですね」

「……随分と、派手にやられたものだな」

 

周囲を見回してライガンが唸る。

022番艦は数日前に

突如襲来したダーカーの大群に襲撃された船だ。

なんとか撃退には成功したものの被害も大きく、

船の半分、その実際の状況が未だに把握できていない。

 

「ああ、要救助者はもういないはず。

 私たちが前に探した時にそれは確認済みだから」

 

アインとスノーフレークは、

特に被害の激しい場所へと来ていた。

今いるのはアイン、ウェズ、

ライガン、トゥリア、ケーラ。

そして……

 

「このあたり一帯は

 残留しているダーカー因子が随分と濃いですね……

 これはまだダーカーが隠れていそうです」

 

パーツのデザインは

攻撃的なネメジストシリーズではあるが、

その見た目とは裏腹に丁寧な口調の青いキャスト。

そう巣窟で一緒に戦ったナイトメアだ。

 

「で、なんでアンタがいるんだ?」

 

ウェズの問いかけに、

彼は少し気まずそうに頬に当たる部分を掻きながら、

 

「お恥ずかしい話ですが、

 先のダークファルスとの戦いの時……

 私は間が悪くパーツを整備していたのですよ。

 みなが必死に戦っている中、実に申し訳なくて……

 なので今は積極的に

 人手の必要そうなクエストに参加しているのです」

 

どこで聞きつけたかは結局答えていないが、

まあ人手があるに越したことがないので

もうそれ以上は詮索をしないことにした。

 

「……なんだか、嫌な感じがする」

 

アンジュがポツリと呟く。

今いる深部は非常に気味の悪い場所だった。

周囲は完全に廃墟であり、照明も死んでいるために

非常に薄暗くゆらゆらとダーカー因子の残滓が

飛び交っているのがとても不気味である。

 

「それは多分、

 大物がいるかもしれないってことだよ」

 

先ほどからどこかと通信をしていたケーラが、

何かのデータをみんなに転送してくる。

 

「ん……衛宮影人からのデータ?」

 

「私もちょっと今回の話、気になってて

 見せてもらったデータの解析を頼んでいたってわけ。

 情報に関してはあいつの方が詳しいだろうしさ」

 

ウェズもなるほどと思う。

思えば彼は何かと探っていた。

自分たちよりは何かと知っているかもしれない。

 

「これは……」

 

データを見てアインが呻く。

そこに記されていたのは

 

「ダークファルスヒューナル?」

 

その可能性を指摘していた。

あくまで可能性、と注釈がついているが……

 

「まさか、あの【巨躯】のコアの名前のことなのか?」

 

あのダークファルス騒動、

実は正確な情報は本部から通達されていない。

その少ない情報の中に

ダークファルスヒューナルについて

ほんの少しだけ記載があったのを思いだし、

ライガンがそう答えていた。

 

「まあ、実際見て見ないとわからないじゃん?

 私たちにはそもそも何故

 【巨躯】が復活したかも聞かされていないんだから。

 何が起きたって不思議じゃないさ」

 

「……でももしそうなら、

 私のチームメンバーが

 あれだけボロボロにされたのもわかる」

 

アインは唇を噛む。

ヒューナルがどれほどの戦闘力を持っているかは不明だ。

けれど……自分たちはあの【巨躯】を見てしまっている。

そのダーカー因子の密度は桁違い、

危険すぎる相手なのは間違いないだろう。

 

「……ん」

 

その時、アンジュがガンスラを抜いた。

非常に気配を読むことに長けた

彼女が何かに気付いたということ……

 

「やれやれ、ダーカーのお出ましか!」

 

バンッ!

 

近くの崩れかかったビル、

その入り口から紫色の魚が数匹飛び出してきた。

ダーカッシュ、非常に強烈な牙を持ち、

空中を泳いでピラニアのごとく襲い掛かってくるダーカーだ。

 

「……そこ!」

 

一番早く攻撃を仕掛けたのはアインだった。

腰につけた手の平より少し大きいケース、

それを軽く叩くと格納されていた武器が飛び出す。

槍の矛先のような長く鋭いフォルムに、

青白い牙にも見える装飾が施されている。

どこか生き物を思わす生々しさと同時に、

淡く美しい光を放つアサルトライフル。

それは最先端の生体工学を応用して作られた

「バイオトライナー」という名前を持つ強力な長銃だ。

 

「デュフューズシェル!」

 

凄い勢いで飛んでくるダーカッシュに対して

彼女は落ちついて狙いを定め、

ショットガンモードで撃ち落とす。

至近距離で噛みつこうとしていた魚は

放たれ強烈なフォトンの散弾をくらい爆散。

彼女はすぐに次弾を装填し、

 

「ピアッシングシェル!」

 

ビルから続いて出てこようとしていた魚たちを、

貫通弾でまとめて撃ち抜いた。

 

「……」

 

他に敵がいないかしばらく警戒していたが、

 

「うん」

 

アンジュがガンスラを下ろしたのを見て、

全員が警戒を解いた。

 

「良い腕ですね。

 惚れ惚れしてしまいます」

 

ナイトメアの賞賛、

けれどアインは首を振る。

 

「レンジャーとしては、

 そこの彼女より先に敵に気付きたかったんだけれどね……」

 

そう言ってバイオトライナーを

元の小さいケースに収納して戻した。

 

「ウェズ、ここをポイントにしないか?」

 

アインの提案にウェズは頷き、

全員を見回した。

 

「みんな、作戦は事前に伝えていた通りだ。

 ここを『終着駅』にするぞ」

 

立ち止ったのは交差点の真ん中。

見晴らしがよく遠くまで見通せる場所だ。

今回、もしかしたら手におえない敵と

遭遇する可能性を考えて、

作戦を事前に決めていたのだった。

 

「では、二手に分かれて対象を探す」

 

ウェズの言葉に、みなが頷いた。

 




ちなみにレシアとメディリスが
いないのは忘れているわけではないです、はい。

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なおイラストとか挿絵書いてくれる人は万年募集中です。

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