マイ「艦これ」「みほ2ん」(第2部)   作:しろっこ

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路地で深海棲艦と拳銃で対決する司令。しかし寛代が、二人の間に割って入った。


第18話<犠牲>(改2.1)

「血モ涙モナイ軍人ダナ」

 

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 マイ「艦これ」「みほ2ん」

 第18話 <犠牲>(改2)

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 深海棲艦(大井・仮)は少し険しい表情に変わった。

 

その時、何処からともなく地響きが聞こえ振動が伝わってきた。

 

「え? まさか、この音は……」

私は驚いた。そう、主に海上での活動が主だと思われていた彼らに、その『まさか』である。

 

 ほどなくして彼女の後ろの広い路地には、その車両がやって来た。

 

「重戦車か?」

実際に、それがそうなのか? まだ、この路地からは分からない。深海棲艦は無表情のままだ。

 

 やがて、その兵器の銃口が、ちょうどこの路地……私たちを狙える位置に来た。さすがに万事休すか? 私は覚悟を決めた。

 

 だが深海棲艦は意外なことを言う。

 

「セメテ美シク殺シテヤル。機銃デハナク、コレデ」

彼女は懐から拳銃のような武器を取り出した。

 

「拳銃?」

そうだ思い出した。

 

 私も祥高さんから渡された拳銃を持っていたのだ。すかさず私も拳銃を取り出して深海棲艦を狙った。

路地で、お互いに銃口を向け合う二人。

 

 ほんの一瞬だが深海棲艦は怯(ひる)んだようにも見えた。しかし直ぐに元の冷静な表情に戻った。

「撃テルカナ? ソレデ、ワタシヲ」

 

なんだこいつ、生意気に度胸を試してくる気か?

「私だって軍人だぞ、舐めるな」

 

私は改めて狙いを定めた。しかし表情を変えずに彼女は続けた。

「ヤッパリ、オ前ハ血モ涙モナイ軍人ダナ。ソウヤッテ、アノ時ノヨウニ私ヲ殺スガイイ」

 

「な、何を言い出すんだ」

さすがに私は動揺した。こいつは何か知っているのか……。

 

「いや」

私は慌てて否定した。

 

「脅しには乗らないぞ」

 

彼女の表情が緩む。

「ソウ思ウカ? ……私ハ、オ前ノコトヲ、イロイロ知ッテイル」

 

そうか、やっぱり私の知っている艦娘なのか? あせりに似た緊張が出てくる。

 

 すると躊躇(ちゅうちょ)する私の前に寛代が走り込んで来た。そして二人の間に両手を広げて立ち塞がった。

「やめろ、寛代っ、危ない!」

 

私が止めても彼女は首を振って退こうとしなかった。深海棲艦は目を細めた。

「ホホウ、美シイナ小娘……ドコデソンナコトヲ覚エタ? 海軍デハ、教エマイ」

 

「止めろ寛代、こいつは本気だぞ!」

私は銃を構えたまま叫んだが寛代は敵を睨んだまま動かない。

 

「無駄ダ。哀レナ艦娘ヨ。マッタク無意味ダ」

深海棲艦は、そう言いながら寛代に銃口を向ける。

 

「止めろ!」

だが彼女は躊躇(ためら)わずに引き金を引いた。

 

『まさか』……だった。

乾いた銃声が路地に響く。寛代は弾かれるように仰向けに倒れた。

 

「寛代!」

私は銃口を下げて叫んだ。

 

異質な敵……深海棲艦に人間的な常識は、まったく通用しない。それは過去の戦いからも分かっている。

対話して油断したか……冷酷な相手であることを改めて悟ったが、もう遅かった。

 

 私は直ぐ寛代に駆け寄ると、彼女を抱き起こした。だが寛代は無言だ。赤いセーラー服の胸の辺りに小さな弾痕が残っている。そしてピクリとも動かなかった。

 

「寛代……」

 どこか抜けた、おバカな駆逐艦だと思っていたけど……自分の身近に、まだ立派な兵士がいたのだ。誤解していた……。

 

「クッ……済まない」

何かが込み上げて来るが必死に堪えた。

 

 ふとあの海戦……『白い海』を思い出す。結局、バカなのは私……そんな指揮官の下で犠牲になるのは一途な兵士ばかりだ。今更、悔いても遅いが。

 

 そんな私の心情を見透かすように深海棲艦は冷静な口調で続けた。

「バカナ艦娘ダ。海軍ニ、コキ使ワレ最期ハ、コノザマダ」

 

その言葉に私は無性に腹が立ってきた。

「違う!」

 

深海棲艦は銃口を下げて目を細めた。

「ナニガチガウ?」

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ2ん」とは
「美保鎮守府:第二部」の略称です。

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