クラス代表マッチの翌日
本来なら事件のことが頭から離れないはずなのだがスパイダーマンのいる一組では、ビッグニュースがあった。それは朝の教室での山田の一言から始まる。
「今日は転校生を紹介します。なんと今回は二人です!!」
「ええええええええええ!!」
「なんだって!?」
山田の笑顔あふれる一言にスパイダーマンも含め全員が驚きの声を上げる。無論、スパイダーマンのリアクションが一番目立っている。
「皆さん静かに!スパイダーマン君も席に座り直して!それでは教室に入ってきてください。」
山田が言うと教室のドアが開く。
「失礼します。」
「・・・・・・」
転校生が入ってきた瞬間、教室は静まり返った。原因は転校生二人の内の一人が原因だ。何故なら「男」だったからだ。
「それでは自己紹介をどうぞ。」
「フランスから転入して来たシャルル・デュノアです。ここで僕と同じ境遇の方がいると聞いてやってきました。よろしくお願いします。」
一瞬クラスは沈黙したがそれを打ち破ったのはスパイダーマンであった。彼は突然シャルルの目の前に現れ右手を出した。
「シャルル・デュノアか。俺はスパイダーマン、この通り結構変わっているがお互い男同士仲良くやっていこうじゃないか。」
この手は握手を求めていた物だった。
「「「「きゃーーーーーーー!」」」」
「男、二人目来たーーーーー!」
「覆面の次は金髪王子か!」
「スパイダーマン君とは別のオーラを感じる~~~~~~!!!」
「覆面ヒーローと金髪王子の奇妙な組み合わせ、気分はエクスタシーーーーーーー!」
女子の感想はシャルルについての物なのだが何故かスパイダーマンも褒められていた。そんな中でセシリアだけ何故か複雑な表情だった。しかし、スパイダーマンには感知されていた。シャルルの秘密を。
「皆さん、落ち着いてください!まだ一人残っているんですから!」
「お前たち静かにしろ!」
千冬と山田の注意でクラス一同は静まる(スパイダーマンも席に戻る)。
「次はお前の番だ。」
「はい!教官!」
少女は千冬に敬礼する。
「ここでは教官と呼ぶな。それに私はもうお前の教官ではない、お前の担任だ。織斑先生と呼べ。」
「わ、わかりました・・・。」
少女は返事をすると教壇の前で自己紹介をした。
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」
不愛想な態度で簡単にそれだけを言う。その後がないことを全員が唖然としていたスパイダーマンがそれを打ち破る。
「それで終わりか?」
「何?」
ラウラはスパイダーマンを睨み付ける。
「それで終わりなのかと聞いている!」
「お前は何者だ?」
ラウラが聞くとスパイダーマンはポーズをとり
「地獄から来た男、スパイダーマン!!」
ジャンジャジャーン!ジャ、ジャジャン!デケデンデンデンデン!ジャンジャ、ジャンジャージャン!
いつもならクラスは賑やかな空気に包まれるがラウラには理解できないようだった。
転校生の紹介を終えた後はすぐに授業に取り掛かる。
「本日はニ組との合同でIS訓練を行う!すぐに着替えて第二グランドに集合しろ!遅れた者は鉄拳制裁と言う罰だ。わかったか?わかったらさっさと準備を始めろ!」
千冬に言われた瞬間、クラスの生徒は全員蜘蛛の子を散らすかのように急いで準備を始める。スパイダーマンは制服を脱げばすぐに行けるのでさっさと移動をしようとしたが千冬に呼び止められる。
「ま、待て!スパイダーマン。」
「急げと言ったのはあなただぞ!織斑教論。」
スパイダーマンは構えをとりながら文句を言う。
「すまないがデュノアの面倒を見てやってくれ。」
「同じ『男』ということでか。」
「そう理解してくれると助かる。」
「わかった。」
その一言を聞くと千冬は安心した顔でその場を後にする。すぐにスパイダーマンはシャルルの元に来る。
「き、君がスパイダーマン君だね。さっきはびっくりして返事できなかったけど・・・・・」
「スパイダーストリングス!」
「えっ!?いったい何を!?」
シャルルの返事にお構いなくスパイダーマンは糸で拘束した後、荷物を運ぶのかの如くシャルルを担いでターザンのように移動する。それの光景に移動中の女子は思わず足を止めてしまう。
「転校生発見!」
「スパイダーマン君が担いでいるわ!」
「者共、後に続け~~!」
女子の猛攻が開始されるがスパイダーマンには届かず、二人はあっという間に更衣室に着いた(途中から歩きました)。
「ここが更衣室だ。」
「あ、ありがとう・・・・。ところでスパイダーマン君は着替えないの?」
「その必要はない!」
そう言いながらスパイダーマンはシャルルを更衣室にぶち込み、自分はさっさとグランドに向かった。
グランド
「今回からは格闘及び射撃を含める実戦訓練を開始する!」
千冬は自己流だが授業の内容を説明する。そんな中
「よっ!蜘蛛男!」
ニ組代表の鈴が話しかけてきた。
「凰鈴音か。相変わらず元気そうだな。」
「当たり前よ!今度の学年別タッグマッチの時は相手してもらうから覚悟しなさいよ!アンタにいいとこばかり持っていかれたらたまらないからね!いい相手と組むのよ!」
「ああ!そのときは俺のレオパルドンが相手になってやる!」
何故か授業が始まる前にもかかわらず意気投合する二人であった。
「今日は専用機持ちに実演をしてもらう。オルコット、凰!前に出ろ!」
「「はい!」」
セシリアと鈴は前に出てISを展開する。
「二人ってことはオルコットさんの相手って二組の凰さんになるよね・・・・」
見学側にいる生徒が言うと
「いや・・・・何かが来る。」
スパイダーマンが言うと同時に上空から降下音が聞こえてくる。
「きゃああああああああああああ!ど、どいてくださいいいいいいい!」
山田がIS「ラファール・リヴァイヴ」を装着した状態で降下、と言うよりは落下してきた。しかも最悪なことに落下地点はスパイダーマンの真上だ。周りにいる生徒は慌てて離れるがスパイダーマンはスパイダーネットを飛ばし、山田を受け止める。
「あ、ありがとうございます!(は、恥ずかしいいいいいい!(>_<))」
「教師の墜落を阻止する男、スパイダーマン!!」
ジャンジャジャーン!ジャジャン!デケデンデンデンデン!ジャンジャン!ジャンジャンジャージャン!
「こ、コホン。そ、それではこれより、山田先生と候補生二人の模擬戦を実演してもらう。山田先生はこんな感じだがこれでも元日本代表候補生でもある優秀な人だ。油断は禁物だぞ。」
スパイダーマンの決め台詞に釣られそうになりながらも千冬は言う。
「「はい!」」
二人は気合が入った返事を返し、模擬戦を始める。
(スパイダーマンさんに稽古を付けてもらったんですから、そうそうやられるわけにはいきませんわ!)
セシリアはそう思いさらに気合を入れる。
模擬戦の間、千冬はシャルルに山田が使用しているIS「ラファール・リヴァイヴ」について説明するように命じ、シャルルは分かりやすいように丁寧に説明をした。
結果は山田の勝利に終わり、ほとんど歯が立たなかったと落ち込んでいるセシリアをスパイダーマンは昼食の間、慰めてあげるのであった。
この時点でほぼセシリアのヒロイン化が決まってきました。さあて、次回はまたレオパルドン再登場予定。ソードビッカーの乱用、危ないよな・・・。(´・ω・`)