オーバーロード ~王と共に最後まで~ 〈凍結〉   作:能都

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皆さんありがとうございます!

二人目?のNPCの登場です。


第4話

 モモンガがギルド武器、スタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンの試運転兼、自らの魔法使用に問題が無いかを確認していた6階層の円形闘技場には、各階層の守護者達が集まって来ていた。

 

第1~3階層「墳墓」の守護を任された、シャルティア・ブラッドフォールン。

 

第5階層「氷河」の守護を任された、コキュートス。

 

第6階層「ジャングル」の守護を任された、アウラ・ベラ・フィオーラとマーレ・ベロ・フィオーレ。

 

第7階層「溶岩」の守護を任された、デミウルゴス。

 

そして、守護者統括のアルベドだ。

 

「では皆、至高の御方に忠誠の儀を。」

 

 アルベドの言葉に一斉に守護者各員が頷き、またたく間に隊列を整えだす。統括であるアルベドを前に立て、他の者は少し下がった辺りで一列に並ぶ。守護者達の顔は真剣なもので、おどけた雰囲気は皆無だ。何をするかは分からないが、何かをしようとしているのを感じ取ったモモンガはそれを止めるべく声を上げる。

 

「待て、まだ一人来ていない。」

 

『…?』

 

 第4階層守護者ガルガンチュア。第8階層ヴィクティムを除き全員揃っているのに、今だ来ていない者とは誰か、とモモンガと一名を除いて守護者達が疑問に思っていると円形闘技場に馬の啼き声が響き渡る。

 

「あれ?これって…」

 

 声の正体をいち早く理解するアウラ。もう一度響き渡る啼き声と共に徐々に大きくなる蹄が地を叩く音。

 

 皆がモモンガの後ろ、至高の御方のみが座ることの出来るVIP席の入口に目をやる。

薄暗い闇の中に二つの白い煙の様なものが浮かび上がる。それは次第に大きくなり、声の正体が姿を現す。一言で言うなら、肉の無い全身白骨の双頭の馬である。人の3倍はあろう体はボロボロの布で覆われており、頭は二つ。4つの目は赤く、妖しい光を放っている。

 

 その名はチャリオット。6階層に棲んでいるレベル70のスケルトン・ホースである。

 

 チャリオットは大きく跳躍すると、VIP席を飛び越える。何故こんな所に、そんな守護者各員の疑問はその背に乗る人物を目にした瞬間消え去る事になる。

 

 大きな地響きを起こしながら着地し、たたらを踏みながら小さく啼く。その背に乗る人物はそのまま地に降り立つと、従者を引き連れこちらに向かってくる。

 

「全く、遅刻だぞ。」

 

「申し訳ない、王よ。お前達も待たせてしまい悪かったな。」

 

 

 

 

 

 

 私は走っていた。何故かと言えば簡単だ、リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンをモモさんに返してしまっているからだ。1時間後に6階層に集まるようにという、モモさんの言葉を完全に忘れて、闇潜みと手合わせしていたのだ。

 

「アァロン様!6層ヘノゲートデス!」

 

「見えている!急ぐぞ!」

 

 そのままゲートに飛びこむと、目の前はの風景は一気に変わりそこは夜の大森林だった。

 

「アンフィテアトルムって、どっちだ!?」

 

 今まではリングを使って転移していた為、あまり訪れたことの無い場所の所為もあって自分が今どこにいるのか分からなかった。あれこれ不味いんじゃ…

 

「申シ訳ゴザイマセン 私ハ9階層カラ出ル事ガ殆ド無イノデ」

 

「どうしたものか…うん?この音はなんだ…」

 

 大地を踏みならしながら一つの影がこちらに向かってきていた。その影は徐々に大きくなり、月明かりが双頭の馬の姿を映し出す。

 

「チャリオットかっ!?っておい!止まれ!」

 

 チャリオットはそのまま速度を緩める事無く、私に突っ込んできた。そういえばこいつ走る事に関しては騎手がいないとポンコツだったね、忘れてた。速度の乗った体当たりを食らい勢いよく吹っ飛ぶ。その反動でチャリオットの足は止まる。

 

「チャリオット止マルノダ! アァロン様ニナンテ事ヲ!」

 

 闇潜みがそう叱るも、チャリオットはどこ吹く風で私に歩み寄る。そうして、起き上がろうとする私を頭で小突いてくる。それはまるで、今までどこに行っていた。何故返ってこなかった、と問いかけている様だった。

 

「すまないなチャリオット。遅くなった。」

 

 それぞれの手で二つの頭を撫でてやると、嬉しそうに白い息を吐く。すると、チャリオットはアーロンに背を向ける様にして膝をつく。

 

「なんだ、乗せてってくれるのか?なら、アンフィテアトルムまで頼むぞ!」

 

 勢いよくチャリオットの背に跨りと、立ちあがり前足を大きく上げながら声を上げる。走り出したチャリオットは木々をかき分け一気に加速していく。

 

 そうして瞬く間に円形闘技場に到着した私の前にはスタッフを持ったモモさんと、アルベドを前にし整列する階層守護者たちだった。

 

「全く、遅刻だぞ。」

 

「申し訳ない、王よ。お前達も待たせてしまい悪かったな。」

 

「「「「「アーロン様!」」」」」

 

 この場に遅れて来てしまった事。そして、このナザリックに帰るのが遅くなった事。両方の意味で謝罪する。すると守護者達は感極まるといった表情で私の名を呼ぶ。

 

「謝罪などおやめ下さい。至高の御方の帰還を待つのは至極当然の事にございます。」

 

 アルベドがそういうと、守護者達も同様だと首を縦にする。

 

「さて、これで全員だな。」

 

 モモさんがそう言うと、皆の顔は真剣な物に一瞬で変わり私の後ろに控えていた闇潜みとチャリオットも列に加わる。

 

「それでは皆、至高の至高の御方々に忠誠の義を。」

 

 一番端に立っていたシャルティアが一歩前に出る。

 

「第1、第2、第3階層守護者、シャルティアブラッドフォールン。御身の前に。」

 

 見た目は美しい美少女だが、真祖としての「吸血鬼」であり、冷然とした超越者としての雰囲気を纏う少女は、その場に跪く。

 

「第5階層守護者、コキュートス。御身ノ前ニ。」

 

2.5メートルほどの巨大な二足歩行の昆虫を思わせるその身体はライトブルーで、武人然とした態度で跪く。

 

「第6階層守護者、アウラ・ベラ・フィオーラ。御身の前に。」

 

「お、同じく、第6階層守護者、マーレ・ベロ・フィオーレ。お、御身の前に。」

 

 薄黒い肌と長く尖った耳を持つダークエルフの双子は、姉は元気に、弟は気弱に一歩前に出る。だが、姉は男子の格好、弟は女子の格好をしている。

 

「第7階層守護者、デミウルゴス、御身の前に。」

 

 スーツにネクタイ、さらには丸メガネとインテリめいた格好をしているが、人間を陥れ破滅に追いやることを悦びとする悪魔である。その頭脳はナザリック内でも最高峰である。

 

「第9階層領域守護者 闇潜ミ チャリオット 御身ノ前ニ」

 

 闇潜みも他の皆にならって一歩前に出て跪く。チャリオットも膝をつき頭を下げる。

 

「守護者統括、アルベド、御身の前に。」

 

 …なんだろう今一瞬こっちに向かってほほ笑んだような気がしたんだけど気の所為だよね?流石にこんな真剣な所で…大丈夫だよね?

 

「第4階守護者ガルガンチュア及び第8階層ヴィクティムを除き、各階層守護者、御方々の前に平伏し奉る。…ご命令を、至高の御方々よ。我らの忠義全てを捧げます。」

 

 アルベドの微笑はともかく、私は心の底から感動していた。アインズ・ウール・ゴウンの皆が作り残して行ったNPC達に命が宿った今、これ程まで素晴らしい者達に変わるなんて。それぞれがそれぞれの創造者の意思を継いでいるかの様だ。となりをそっと窺うと、それはモモさんも同じだった様だ。

 

「素晴らしいぞ、守護者達よ!お前達の忠義、しかと受け止めた。これよりはお前達の力を必要とする事が幾度も訪れるやもしれん。だが、お前達であれば必ずや成し遂げるであろうと確信した!」

 

 モモさんは大きくを手を広げながら、言葉を紡いでいく。何故か発動している絶望のオーラの所為もあり、それはまさに魔王そのものだった。うんうんかっこいいね!仕えがいがあるってもんだよ。

 

「さて、皆面を上げよ。お前たちを呼んだ理由を説明する前に、やはりしっかりと報告しておくべきだな…アーロン。」

 

 こちらを向きながらそう言い放つモモさん。え、何?何しゃべればいいの?ひとまず守護者達の目線はこちらに集まっており、何もしない訳にもいかず前に歩み出る。う~ん取り敢えず。

 

「皆の者、まずはただいまと言っておこう。そして、私が居ない間ここを守っていてくれた事を感謝しよう。そして、長い間ここを留守にしてしまった事を詫びよう。」

 

 頭は下げないが、しっかりと誠意を込め言葉にしていく。すると、デミウルゴスが声を上げる。

 

「感謝など勿体無き御言葉。ですがその御言葉一つで報われます。」

 

「さて、皆私が何をしていたのか気になるだろう。だから、お前たちを信用して全てを話そう。この度私がここを離れてのは…私の創造主たる方の一人が亡くなられてしまったのだ。」

 

 その瞬間守護者達の顔が一気に厳しいものに変わる。あれ、なんかおかしい事言ったかな?人間って事は言えないからこの世界っぽく言ったんだけど。

 

「そ、それでだな、残されたもう一人の方もかなり不安定な状態にあり私が助けにいかねば不味い状態であったのだ。だがこれからは居なくなる事はない。この身果てるまで王と共にある事をここで誓おう!」

 

 妖刀を掲げ、声高らかに宣言する。守護者達の様子が気になって視線だけ動かすと、そこには神々しいものを見る目をした守護者達の姿があった。あれ?そんなに凄いかな?掲げた刀を戻し、もとの場所に戻る。正直ちょっと恥ずかしいんだけど…

 

「さて、アーロンがここ出ていった理由、ここに戻る事について異論のある者は居るか?」

 

 モモンガの言う事に異を唱える者は居るはずも無かった。

 

「宜しい。では本題に入ろう。」

 

 それからモモさんは現在ナザリックが不測の事態に巻き込まれている事。ナザリック地下大墳墓がかつての沼地から見知らぬ草原へと転移している事。この異常事態の前兆などが無かったか、それ以外にも各階層に異常は発生していないか守護者達に問いかけていく。

 

 全員に聞き終えた辺りで、セバスが小走りでこちらに向かって来た。

 

「モモンガ様、遅くなり申し訳ありません。」

 

「いや、構わん。それより周辺の状況を聞かせてくれないか?」

 

 そうして、セバスから得た情報からすれば恐らくここがユグドラシルで無い事が分かった。見知らぬ地でどんな力を持つ者がいるのか分からない以上、警戒するに越した事は無い。そう判断したであろうモモさんはナザリックの警戒レベルの引き上げ。ナザリックの視覚的な隠ぺいなどを的確に指示する。この辺りは流石モモさんだな~と思う。自分ではただの連絡係なんて言っていたけど、ギルマスとしての能力は決して低くないと思うのだが。

 

 一通り指示した後、こちらに目配せを送ってくる。多分抜けた所がないのか心配なのだろう。だが、モモさんに思いつかない事を私が思いつく筈も無く、問題無いという意味を込めて小さくうなずく。

 

「最後に、各階層守護者に聞きたい事がある。まずはシャルティア…お前にとって私とアーロンとは一体どの様な人物だ?」

 

「モモンガ様は美の結晶。まさに世界で最も美しい御方でありんす。その白き御身体と比べては世にある全ての宝石も色褪せて見える事でしょう。アーロン様はまさにモモンガ様をお守りする麗しの騎士。その雄姿の前では例えどんな華でも恥じらう事でしょう。」

 

 あぁ…成程、これからどういうモモンガ、アーロンを演じれば良いのか折角だから聞こうって魂胆か。流石モモさん!けど麗しの騎士ってなんだか照れるね…

 

「コキュートス。」

 

「モモンガ様ハ守護者各員ヨリモ強者デアリ、コノナザリック地下大墳墓ノ支配者ニ相応シキ御方。アーロン様ハ正ニモモンガ様ノ矛デアリ盾。同ジ武人トシテ目指スベキ高ミデ御座イマス。」

 

「アウラ。」

 

「モモンガ様は慈悲深く、深い配慮に優れたお方です。アーロン様はあのチャリオットすらも懐いてしまう程強く、そしてお優しい方です。」

 

「マーレ。」

 

「モモンガ様は、す、凄く優しい方だと思います。アーロン様はとてもかっこいい方だと思います。」

 

「デミウルゴス。」

 

「モモンガ様は賢明な判断力と、瞬時に実行される行動力も有されたお方。まさに端倪すべからざる、という言葉が相応しいお方です。アーロン様はその絶対無比の強さで数多の敵を切り捨て、モモンガ様をお守りする存在。まさに天下無双とはアーロン様の為の言葉でしょう。」

 

「セバス。」

 

「モモンガ様は至高の方々の総括であられ、最後まで我々を見放さず残っていただけた慈悲深き方です。アーロン様はどんな時でも我々の様な者にまでお声を掛けてくださり、そしてここに戻って来て下さった慈悲深きお方です。」

 

 あ~確かにinする度にセバスやメイドに話しかけてたね私。メイドとか執事っていうキャラが好きなものだからついつい気になっちゃって。

 

「闇潜み。」

 

「モモンガ様ハ至高ノ方々ノ頂点ニ君臨シ アァロン様ノ仕エル絶対ノ王デアラレマス アァロン様ハ私ヲ生ミ出シテ下サッタオ方デ 私ガオ仕エスル絶対の主デス」

 

「最後になったが、アルベド。」

 

「モモンガ様は至高の方々の最高責任者であり、私どもの最高の主人で御座います。アーロン様はその剣術と折れぬ心で至高の方々の中でも随一の強者であり、守護者としての憧れであります。そして私の愛しいお方です。」

 

「……各員の考えは充分に理解した。今後とも忠義に励め。アーロン、一度レメゲントンに向かう。お前も来るのだ。」

 

「……了解した王よ。なら指輪を返してはくれないか?ここを離れる時に王に預けたままだったのをすっかり忘れていた。」

 

 そう言われたモモさんは、空中に手を突っ込むとリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを取りだし渡してくる。今のどうやったんだろう…後で聞いてみよう。そうして指輪を使い二人でレメゲトンに転移する。

 

「「疲れた…」」

 

 肉体的な疲労は大したことは無いが、精神的な疲労が肩にのしかかった。

 

「…あいつら…え、何あの高評価…」

 

「玉座の間でのアルベドやセバスの反応からして予想はしていたけど、予想以上だったね…私天下無双だって。」

 

「あいつら…マジだ…」

 

 あの場での発言はすべて本気だろう。理由は?と聞かれればちゃんとしたものはないが、本気と思わせるだけの雰囲気があった。

 

「ま、まぁこれでいきなり敵対とかはなくなった訳ですし。」

 

「でも私達、あれを演じないといけないんだよ?」

 

「「……」」

 

 モモさんは絶対の支配者。私は王を守る天下無双の騎士。どちらもやれと言われてすぐに出来るようなものではない。

 

「「はぁ…」」

 

 身の安全は訪れたが、心の安寧はまだ訪れなさそうだ…

 

 

 

 

 

 

 頭を地に着けんとする重圧が消える。それからしばらくしてアルベドが立ちあがる。それに続くように他の守護者達も立ち上がる。

 

「す、凄く怖かったね、お姉ちゃん。」

 

「ほんと。あたし押しつぶされちゃうかと思った。」

 

「流石はモモンガ様。私達守護者にすらそのお力が効果を発揮するなんて…」

 

「至高ノ御方デアル以上、我々ヨリ強イ事は知ッテイタガ、コレホドトハ…」

 

 口ぐちにモモンガの印象を言いあう守護者達。だが、それはすぐに帰って来たもう一人の主の話題に切り替わる。

 

「それにしても、アーロン様をお創りになられた方を倒すなんて…一体何者なの?」

 

 アウラが疑問を口にする。

 

「アーロン様は至高の方々の中でも最強と言っても過言ではない。なんと言ってもあのたっち・みー様に勝った唯一の御方なのだから。」

 

「ソノアァロン様ヲオ創リにナラレタ御方ハサラニ強イ筈 マサカソンナ強者トノ戦イニ挑ンデイヨウトハ 配下トシテツイテ行ケナカッタ事ガ悔ヤマレマス 」

 

 守護者一同は口を閉ざす。その戦いにシモベとして付いて行く事が出来なかった事。そんな戦いに赴いていたアーロンを、私達を見捨てたなんて思ってしまっていた事に深い罪悪感を感じていた。

 

「…悔やんでも仕方がありません。アーロン様でも打ち果たすのに長い年月が掛かった相手。我々程度の助力では足手まといになっただけでしょう。ならば、これからの働きでアーロン様のお力になるのが、我々の使命でしょう。」

 

 デミウルゴスの言葉に皆が頷く中、今だ一人だけ跪いている者がいた。

 

「ドウシタ、シャルティア…何カアッタノカ?」

 

「あ、あの凄い気配を受けて、ゾクゾクしてしまて…少うし下着がまずいことになってありんすの。」

 

 真剣な雰囲気だったのが一気に壊れる。皆が何を言うべきか迷い。彼女が死体愛好癖である事を思い出し、結局は口を閉じたのだが、一人それでは終わらない者がいた。

アルベドだ。

 

「このビッチ。」

 

「はぁ?至高の方々のお一人であるモモンガ様からあれほどの力の波動、ご褒美を頂けたのよ。それで濡れん方が頭がおかしいわ清純に作られたのではなく、単に不干渉なんではないの?ねぇ大口ゴリラ。」

 

 誰もが喧嘩の勃発を思い浮かんだが、アルベドの対応は予想とは違った。

 

「勘違いしている様だから言っておくけど、私の愛はアーロン様ただ一人に向いているのよ。確かにモモンガ様は最高の主人…けど主従と愛は全くの別物よ。」

 

 その言葉が何か引っかかるデミウルゴス。それを明らかにするためアルベドに質問をする。

 

「ならばアルベド。これはあくまで仮定の話だが、アーロン様がモモンガ様を見限りここを離れて行った場合…君はどうするのだい?」

 

「無論、アーロン様に付いて行くわ。」

 

 刹那の瞬間、その場に殺気が立ち込める。それも当然だ。守護者統括の立場にあるアルベドが、アーロンが裏切り行為を行った場合自分もそれに着いて行くと言っているのだ。

 

「アルベド…その発言の意味を理解しているのかい?返答次第ではいくら君とて…」

 

「分かっているわデミウルゴス。でも、私の中ではそう決まっているわ。例えナザリックと敵対する事になっても私は…アーロン様に付いて行くわ。」

 

 でも…、一触即発の空気の中呟かれた一言。

 

「私の愛するアーロン様が、モモンガ様を裏切るなんて事は絶対にあり得ないわ。」

 

 その瞳は確信に満ちており、その場の殺気は少しずつ小さくなっていく。

 

「デミウルゴス、貴方が言った事よ。仮定の話だと。そもそもアーロン様がモモンガ様を裏切る事が無い以上私がモモンガ様を裏切る事は決してない。そうでしょう?」

 

「いや、失礼。少し冷静さを欠いていたようだ。君の言う通りだ、申し訳ない。」

 

「いいのよ。それでは、これからの計画を。」

 

 

 

 

 




というわけで第4話如何でしたでしょうか?

NPC二人目?はチャリオットです。騎士と言えば馬だろうという安直な考えです。

オーバーロードは面白いキャラが多いのは良いのですが、その分一人一人の出番が少ないのでちょっと残念という感じです。

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