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無印は暗月技量信仰、2はハベルにグレソ2刀流がメインでした。
追記:私の頭の中にはPC版なんてものはありませんでした。申し訳ありません。
その頃今までやっていたオンラインゲームに飽き、なにか新しいゲームはないかと思っていた矢先に目に留まったが当時絶大な人気を誇っていた《YGGDRASIL》
広大なマップ、膨大な職業、自分でいくらでも弄れそうなビジュアル。まだ社会人になりたてだった私のゲーマー魂を刺激するには充分だった。
だが、自由度が高いというのはそのまま選択肢の多さに繋がる。基本優柔不断な私は初期のキャラメイクをこれじゃないこうじゃないと作ってはやり直しを繰り返し、初期で選べる種族や職業を網羅した辺りで容姿を自在に変えられる《ドッペルゲンガー》職業は《ファイター》にする事になった。
そうして始めたはいいものの今度はプレイスタイルで悩む事になった。オンラインゲームをやる際は必ずロールプレイを心がけていた。始めてやったオンラインゲームで仲良くなったギルメンに女性だとバレてinする度にオフ会に誘われたのはあまり思い出したくない思い出である。
何かモデルになるものを探してネットの海を彷徨っていると、とあるゲームタイトルが目に止まった。それが《ダークソウル》だった。
100年近く前に発売されたゲームで、独特の世界感やギミック、キャラクターなどで人気だったゲームらしい。いまだに残るwikiのページを読みプレイしたい衝動に駆られたが、PS3やPS4などもはやアーティファクトとかレリックなんて言われる存在だ。プレイ出来る筈も無く泣く泣く動画投稿サイトに残っていたプレイ動画を見まくる事にした。
動画を見て行くにつれてどんどんプレイしたい気持ちが増していった。上級騎士、リロイ、ソラール、ミルドレッド、アルトリウス達の装備を身につけロードランを旅したい気持ちで溢れていた。気づけばユグドラシルのプレイを忘れ、1,2,3とシリーズすべてのプレイ動画を見る事に没頭していた。
当初の目的を思い出し、自分がロールプレイするためのモデルを選ぶ事にした。四騎士、トゲの騎士カーク、クラーナ師匠、王盾ヴェルスタット、煙の騎士レイム、鋼のエリーなどやりたいものはたくさんいたが、私が選んだのは騎士アーロンだった。
見た目がかっこいいとか元々侍っぽいのが好きとか妖刀かっこいいとか色々あったが、何をおいてもノーダメージ勝利時の腹切りが衝撃的だった。一撃も与えずに貴様に殺されるぐらいならと思い自害したのか、一撃も与えられない自らを罰する為に自害したのかといまだに考える事がある。
そうしていつか自分の腹を切る為、私の騎士アーロンを目指すユグドラシルの旅は始まった。
私はナザリック地下大墳墓第9階層の円卓《ラウンドテーブル》の前で立ち竦んでいた。恐らく、いや確実にこの扉の向こうにはモモさんがいるだろう。私はアーロン装備以外のアイテムと共に《リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン》をモモさんに渡してしまった為自室に出現したが、指輪を持つものは自動的に円卓に出現する様になっていた筈だった。
「はぁ…許して貰えなかったらどうしよう。怒ってるよね、多分…」
意を決して部屋を出てきた筈だが、いざ部屋の前まで来ると決意が鈍る。
そして扉に手を掛けようかと迷っていた時。
「ふざけるな!」
「…っ!」
懐かしい声。だがそれは私の知っている優しい声ではなく、あきらかに憤怒の声であった。
伸ばした手を戻そうとしてしまうのを必死に堪え、妖刀の柄をきつく握り締めながら扉に手を掛ける。
「ここは皆で作り上げたナザリック地下大墳墓だろ!なんで皆そんなに簡単に棄てることが出来る!」
そうここは皆で作り上げたナザリック地下大墳墓。それをモモさんは今の今までたった一人で守って来たのだ。自分も一緒にいると約束したはずなのに。
自分がナザリックを、アインズ・ウール・ゴウンを捨てたのは事実。そしてその事に怒りを覚えるモモさんにするべき事は一つだった。
「ごめんなさい!モモさん許して下さい!」
謝罪の言葉と共に勢いよく扉を開け放ち部屋に入り即座に頭を地面に叩きつけた。その瞬間0という表示が出るがそんな事を気にしてる場合じゃなかった。
「そうだよねふざけんな!って思うよね、いまさらどの面下げて帰って来たんだよって話だよね。でも本当に悪かったって思ってるんだよ?けどこんなんじゃ許してくれないよね。でももうアイテムも金貨も全部モモさんにあげたしもう渡せるものなんてこのアーロン一式ぐらいだけどこれだけは…」
思いのたけを打ち明けながらどうすれば許してくれるか考えていたが、モモさんから何も言ってこない。顔をあげてみるとそこには微動だにしないモモさんの姿があった。
だが次の瞬間椅子が倒れるほどの勢いで立ち上がった。
「えっ!?え~!アーロンさん!まさか来てくれるなんて!前にinされたの1年も前でしたよね、お久しぶりですっ!」
モモさんはすぐに私の所にまで来ると、手を握ってきた。正直怒っているものだと思っていた。いや実際さっきまで怒っていただろう。なのに私にかけた声は優しいものだった。
「…怒って…ないの?」
「怒るも何もこうしてアーロンさんは来てくれたじゃないですか!それだけで十分嬉しいですよ。さぁ立って下さいよ。」
モモさんは私の手を引っ張るようにして私を立たせた。
「でも私はモモさんを一人にしちゃったんだよ?最後まで一緒にいるって言ったのに…」
「それはもういいってあの時何度も何度も言ったじゃないですか。お父さんが亡くなられて、お母さんまで倒れて、介護に下の弟達の面倒。仕方ないですよ。」
私がユグドラシルを引退した理由。それは父の死と母の介護だった。ある日突然父が交通事故で死んでしまった。
そして、そのショックで母が倒れてしまった。母は病院で寝た切りになってしまい、その時25才だった私がまだ学生の三人の弟の面倒をみる事になってしまった。母の治療費に弟達の学費、今まで以上に仕事をする必要が出てきて、母の面倒も見なくてはいけなかった。
彼と最後まで居ようと約束した3日後の出来ごとだった。皆が引退していく中最後まで残った私。だがそんな自分もモモさんを置いてここを去ってしまったんだ。
「そういえばもう家の方は大丈夫なんですか?あれからもう1年も経ちますけど。」
「あ、うん。母も喋れるぐらいには元気になったよ。二人目の弟も来年高校卒業だからね、上二人はバイトして結構助けてくれてるからあの時ほど厳しくはないよ。」
「そうですか。よかったですねアーロンさん。」
モモさんは安堵のエモーションを使ってくる。
「モモさん…でもやっぱりなにかしないと気が済まないよ。あ、そうだwebマネーが最近使ってないから5万ぐらい残金あるからそれをっ!」
「いやいやいやいりませんよ!というか貰う必要がありませんって!怒ってませんから!さっきのはちょっと激情に駆られたってだけで皆苦渋の決断だって分かってますから!」
「でも…」
それでも私の中の罪の意識は消える事はない。理由はどうあれ約束を破ってしまったのだから。
「はぁ…分かりましたよ。じゃあアーロンさんには罰として私とこのままサービス終了まで…ユグドラシルに最後まで残って貰います。いいですね?」
最後まで残る。そうそれはあの時約束した事。
「…任せて!今度こそ絶対必ず最後まで一緒にいるから!」
個人的には1のもっさり感の方が好きです
好きなキャラはアーロン、アルトリウス、上級騎士ですかね。ほぼ横並びでアルトリがちょっと上な感じ
とある部隊に入隊してアルトリウス倒したのはいい思い出です