温かい目で見て貰えると嬉しいです。
追記:後半の話とちょっと食い違った部分を修正しました。
目を覚ますとそこは見慣れた自室では無く、自らを映し出す程綺麗に磨き抜かれた大理石の床と石レンガの壁で包まれた広いだけで何もない部屋だった。窓の外は夕焼けの様に赤くそまり、そこが暗い地下深くだと思わせない景色だった。そこに自分は胡坐をかいて座っていた。
「1年振りか、ここに来るのも…」
そう呟きながら自分の姿を確認する。オリエンタルな雰囲気な鎧を身に纏い、兜の後ろには伸びた辮髪状の飾りが膝の辺りにまで伸びている。そしてもっとも特徴的なのが右手に握る抜き身の長巻だ。長さ120cm程の刃には人を魅するような波紋が浮かんでいる。
「inしたのはいいけど、なんて顔して会えばいいの…」
1年前自分は裏切ってしまった。自分は最後までここに残ると友と約束しておきながら、自分でその約束を破ったのだ。メールが来た時はすごく驚いた。まさかこんな自分をまだここの一員だと思ってくれている彼に。そしてこの、皆で作り上げたアインズ・ウール・ゴウンが今日で無くなってしまう事に。
「23時21分か。後30分もすればここは…あ~もうこんな所で悩んでても仕方ないんだからさっさとモモさんに謝ってただいまして笑ってバイバイすればいいのっ!許してくれなかったら土下座するっ!」
即座に立ちあがり駆け出す。石造りの扉を蹴り開けた先は9階層《ロイヤルスイート》そこは白亜の城を彷彿とさせる、荘厳さと絢爛さを兼ね備えた世界。そこを東洋らしい鎧に身を固めた侍が大股で走り去って行った。
「こちらもお会いできて嬉しかったです。お疲れさまでした。またどこかで会いましょう」
そう言って黒いスライムの姿が掻き消えた。そうして部屋には豪華なガウンを纏った骸骨のみとなった。彼がここナザリック地下大墳墓の主でありアインズ・ウール・ゴウンを率いる死の支配者、モモンガである。
「今日がユグドラシルのサービス終了日ですし、せっかくですから最後まで残っていかれ……ませんか……」
言おうとしたが言えなかった言葉をポツリとこぼす。返ってくる言葉などなく、今まで人がいたとは思えないような静けさが部屋に戻ってくる。
「はぁ」
言える筈も無かった。自分のメールに応えてここに来てくれた事だけでも感謝しなければならないのだ。
円卓を囲う様に置かれた40の席を順に見渡して行く。
「どこかで会いましょう…か」
いつかまた会いましょう またね
何度も聞いた言葉だが、それが実際に起こる事はほとんど無かった。
「ふざけるな!」
怒号と共に両手を叩きつけると、手を叩きつけた辺りに0の数字が浮かび上がる。
「ここは皆で作り上げたナザリック地下大墳墓だろ!なんで皆そんなに簡単に棄てることが出来る!」
激しい怒りにまかせて声を荒げるが、すぐに寂寥感がこみ上げてきた。
その時
「ごめんなさい!モモさん許して下さい!」
聞こえてきたのは懐かしい仲間の声だった。
主人公が誰のコスプレをしてるのかは大体の方が分かったと思います
かっこいいですよね
主人公に関しては次回詳しく書こうと思ってます
ふと思ったんですがニトとモモンガ様どっちが強いんですかね…モモンガ様か…