【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話   作:しゅーがく

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今回はちょっと変化もしれません。


第五十六話  雪風と島風、綾波の願い

 

今日の秘書艦は島風。前日(熊野)は違ったが、何故こうも運動会での赤城チームが連続するのだろうかと考えながら俺は朝食を摂っていた。

 

「提督っ!」

 

そんな俺がどうしてだろうかと考えているのを露知らず、隣に座る島風は執務で何するのかと聞いてきていた。

 

「どうした?」

 

「執務って何するの?」

 

「そうだなー。今日の書類を事務棟に取りに行って、俺が書いて、それを事務棟に届けるって感じだ。大体全部で1時間くらいだ。」

 

そう言うとほぇーと言って、島風はお茶を飲んだ。

 

「それだけなんだ......。知らなかったなぁ.......。」

 

「そうか。」

 

俺は横で朝食を摂り終えた島風を待たせながら残っていた朝食を考え事をしながら頬張っていた。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

執務室に戻る最中に、『事務棟に行って書類貰ってくる。』と言った島風と分かれた。何でもそっちのほうが速いだからだそうだ。

俺は執務室に着いて席に座ると、執務を始める準備をした。と言っても、ペンとハンコを出すだけだが。

そんな事をしていると、書類を受け取って戻ってきた島風が執務室に入ってきた。

 

「提督、貰って来たよ!」

 

そう言って島風が渡してきたのはいつもと同じ枚数の書類だった。内容も同じ。

 

「ありがとうな。」

 

俺は島風に礼を言うと、執務を始めた。

俺が執務を始めると基本的に仕事のない秘書艦はだいたいが戦術指南書を読んだり、掃除をしたり、執務室から離れなくてもできる事をやっていた。島風はどうやら戦術指南書ではなく兵器の有効な運用に関する本を読んでいる様だ。俺も一度夕立が読んでいたのを気になって聞いてみた事があるが、返事は戦術指南書の時と同じだ。戦術指南書にかかれている事、特に兵器に関する事をさらに詳しく書いたものらしい。基本的に駆逐艦が読むときは、護衛艦が使う装備、対空装備、魚雷、ソナー、爆雷に関するところらしい。魚雷に関しては種類が豊富な為、結構読むのに苦労するらしい。それと、同じ単語が何度も出てくるので途中でその単語の意味が判らなくなると言う(ゲシュタルト崩壊)。なので休み休み読むのがいいらしいが、島風は結構長い時間読んでいる。魚雷のところでなければいいが、わざわざ集中しているのを止めてまで訊こうとは思わなかった。

 

「ふんふん......10cm連装高角砲はそういう使い方が......。」

 

なにやら島風はぶつぶつと言った。10cm連装高角砲。それは俺が単純に12.7cm連装砲が嫌いという理由で改装された艦娘が持っている通常装備だ。

 

「でも基本的に水雷戦隊しか組まない私たちには必要なのかな?」

 

島風は一人で自問自答を繰り返していた。10cm連装高角砲でも相手にダメージが与えられている現実、別に12.7cm連装砲じゃなくてもいいんじゃないかとか、物によってはもう少し大きいものも積めるなどと言っている。

 

「そう言えばこの前カレー洋を攻略した雪風ちゃんと時雨ちゃんの艤装には10cm連装高角砲が乗ってなかったって言ってたっけ......。」

 

俺はそれに心の中で『対潜装備していたからな。』と答えた。

 

「......潜水艦が居たって言ってたから対潜装備でもしてたのかな?」

 

どうやら島風はちゃんと答えが導けた様だ。

 

「一度私の艤装にも対潜装備乗せたことあったなぁ......。外見は覚えてるんだけど......ふーん。九四式爆雷投射機と九三式水中聴音機......。一般的な対潜装備なんだ。」

 

ペラペラと装備解説が書いてある本を島風は捲った。

 

「三式爆雷投射機と三式水中聴音機......こっちの方が精度がいいんだ......。ウチにはあったかな?」

 

そう言って島風は立ち上がり、ある装備が書かれているファイルを開いた。

 

「......無いんだ。これあればもっと戦えるのに。」

 

俺はそんな風に独り言を言いながら勉強する島風を見ていた。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

昼が過ぎ、島風と昼食を摂った後、執務室に雪風と綾波が訪れた。

 

「どうした?」

 

そう俺が問うと、雪風が運動会での景品について言い出した。

 

「司令ぇ。景品は何でもいいのでしょうか?」

 

そう俺に訊いてきたのだ。

 

「ん。何でもいいぞ。俺が出来る範囲でなら。」

 

そう言うと、綾波はどもりながら言った。

 

「司令官と......お昼寝っ、したいです。」

 

そうもじもじしながら言う綾波の言った言葉を反芻した。

昼寝がしたい......俺に言わなくても勝手にやれるもんじゃないのか?だが、昼寝の前に何かつけていたな......。

 

「......俺とか?」

 

そう聞くと綾波はこくんと頷いた。

 

「司令ぇにこんなことを頼むのは少しアレかと思ったんですが......どうしても......島風ちゃんもそうなんでしょ?」

 

そう雪風は島風に言った。島風もこの2人が来てからは本を閉じていたので、聴いていたんだろう。首を縦に振った。

 

「本当にそれでいいのか?」

 

そう俺が訪ねると全員が頷いた。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

結局俺は綾波と雪風、島風と一緒にお昼寝タイムに入った。

寝る場所は全員が寝れる大きさの布団がある場所。俺の私室になってしまったわけだが、3人とも思い思いに寝ている。

綾波は俺の脇腹辺り、島風は綾波の反対側。雪風は島風の横で俺の腕を枕にしている。

当の俺はというと案外寝れないもので、ずっと天井を見上げていた。

 

「これ......あれっしょ?『ドモ、テイトク=サン。ケンペイデス。』って奴。」

 

俺はそんなことを呟きながら目を閉じた。

 





何か傍から見たら唯のロ○コン提督な気がしますね。ロ○コンである気はないんですがねぇ......。
島風に提督が説明した執務内容は他に茶汲みと掃除、作戦草案考案、書類代筆なんかがある予定(設定)ですが、初回という事でそれだけとしてます。

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