【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話 作:しゅーがく
資材消滅事件(※前回参照)から翌日。全面的に鎮守府の活動が止まった状態だ。
「執務は無し......。詰まらん。」
俺は背もたれに持たれながら天井を見上げた。今日の秘書艦である摩耶が腕を組みながら声を掛けた。
「そうかよ......。結構楽しみにしてたのにな。」
「そうか。すまなかったな。」
そう言って返したが、俺はある事を腹の内で考えていた。レクリエーションだ。
艦娘同士の交流を深める為に、鎮守府にある運動場を最大限に使って、運動会をすることを考えていた。まだ誰にも話していないが。
「さぁーて、ないなら仕事探してやるか。」
そう言って俺が最初に手に取ったのは掲示板に貼る全体連絡票。ここに書き込んで貼れば連絡が瞬く間に全体に広がっていく。これを利用して運動会をしようというのだ。
ちなみに運営には運動が苦手そうな奴らに声を掛けるつもりだ。
俺が黙々と考えていると、暇そうにしていた摩耶が覗き込んできた。
「運動会って何だ?」
俺はその摩耶の一言で椅子から滑り落ちた。そしてすぐに体勢を元に戻す。
「運動会ってのは身体を動かす競技をチームに分かれて競う会だ。チームには連携や絆が生まれるから丁度いいと思ってな。」
「そうかー。どんなことをやるんだ?」
「リレー、短距離走、長距離走、長縄飛び、障害物競走、綱引き、二人三脚とかがベターだが俺はここに騎馬戦と門兵を巻き込んだリレーと短距離走をやろうかと。」
そう言うと摩耶は目を輝かせた。
「面白そうだな!!」
そう言ってキラキラし始める摩耶に少々引きながらもツラツラと全体連絡票に書いていく。
出来上がった頃には摩耶が相当楽しみなのか少し挙動不審になっていた。何気に怖かったので見なかったことにして貼りに行くとともに長門と赤城を呼びに行った。
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「という事で運動会をやろうと思ってな。」
そう言うと長門も赤城も乗り気なのか一つ返事でやる事になり、詳細は俺が決める事になった。
「運動会ですか!!何だか楽しそうですね!!」
「身体を動かすには丁度いいな!」
そう言ってキラキラになったのは言うまでもない。
結局俺が考えて行くことになった。
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競技は50m走、100m走、200m走、100m×4リレー、200m×4リレー、1000m走、長縄飛び、障害物競走、綱引き、二人三脚、ボール投げ、騎馬戦、門兵vs艦娘三本勝負(200m×10リレー、200m走、綱引き)が上げれた。門兵のやつは武下に訊けばできるだろう。
チーム分けは6チームに分ける。それぞれに均等に艦種が渡るように分ける、これが条件で後ほど艦娘たちに決めさせればいい。
場所は鎮守府の運動場。運営には俺と大淀、武下(出る事が決まれば)、門兵数人。これくらいならできるだろうと俺は書き留めた。
「ふぁー。」
俺が欠伸した頃にはもう昼になっていた。摩耶はというと、酒保で買ったであろう本を読んでいた。
「ん?終わったのか?」
俺が欠伸したので気付いたのか摩耶は本から目線をそらしてこちらを見た。
「決まったさ。あとは武下大尉に協力を要請するだけだ。」
「そうか!楽しみだな!!」
「さっきからそればっかだな。」
そう言って俺は紙を持って執務室を出た。因みに摩耶もついてくると言ってこれから武下のいる警備部棟に向かう。
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「武下大尉。」
俺はそう言って警備部棟の武下の部屋に入った。
「あぁ!提督!どうされたんですか?」
そう言って外を眺めていた武下がこちらに来た。
「今度ウチで運動会を開こうかと思いまして、人員を回してくれませんか?」
「いいですねぇ!新人と古参を均等に回しますよ!」
こちらも一つ返事で協力を取り付けれた。
「ありがとうございます。」
「それで、運営の方ですか?」
「それもそうですが、競技にも出てもらおうと思っています。」
そう言うと武下大尉は驚いた様子を見せた。
「たまげた......。是非参加させてください!」
俺はある程度説明をすると、武下は集めてまた報告に行くとだけ言ったので俺は帰った。
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昼食時、食堂は一つの話題で持ちきりだった。朝に貼られた全体連絡票に運動会をすると言う趣旨の事が書かれていたからだ。
そこには補足説明が入っていて、身体を動かす競技をチームに分かれて競う会と書かれていて、見るからに楽しそうだったのだ。既にチーム分けを始める算段が立ち始めていた。
それぞれ長門、扶桑、伊勢、金剛、赤城、蒼龍というリーダーを元にそれぞれが均等に分かれるという分け方だった。
「美味いな。今日はオムライスか。」
俺はそんな楽しそうな光景を昼食を摂りながら見ていた。そんな俺の横に間宮が座ってきた。
「どうした?」
「私も参加したいです!」
そう言った間宮にどうしようかと悩んでいると、速攻艦娘たちに連れて行かれたのでどこかのチームには入ったのだろう。
「提督ー。私たちは?」
そう言って現れたのは、妖精たち。今日の食堂当番の妖精たちの様だ。
「そうだなー。運営に参加で、開発班の妖精にマイクとスピーカー、テントを用意してほしい。それとそれぞれの艦娘にあった体操服を作ってくれ。」
「了解~。」
そう言ってぱぁーと妖精たちは散っていった。どうやら納得してくれた様だ。
艦娘たちは楽しそうにチーム決めをして、種目に関しても考え始めていた。よく見ると、全艦娘が集まっているようだったのでここで一つ。何かビックイベントをブッコんで見るのもいいと思った。
「みんな聞いてくれー!運動会で優勝したチームは景品をつけるぞー!!」
そう言うとワァーと騒がしくなり、更に種目決めに熱くなっていった。
そんな艦娘たちを見ていると、本当に女の子の様に見えて仕方ない。心から笑っている様に見えるのだ。俺はそれだけでも見れて幸せだった。
今回から新しいのが始まります!
資材が無くなって出撃の出来なくなった鎮守府で提督がはじめたレクリエーションはどう影響を与えて行くのか。
最初の話は移動が多いのと、簡潔に書いてるところが多いので少しつまらないと思います。
ご意見ご感想お待ちしてます。