【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話 作:しゅーがく
今日のはリアルタイムです。
「提督、資材が結構溜まりましたね。」
そう言って俺に今残ってる資材の残量を書き留めた書類を渡してきたのは今日の秘書官、高雄だ。
最近駆逐艦の艦娘を秘書艦にしていたが、その際に巡洋艦の艦娘から『私たちもやりたい!』という声が挙がったので今日は、付き合いの長い(※初期から居た)高雄に頼んだ。
「そうだな。各資材10000超えでボーキサイトは空母全力運用でも耐えれるだけか。」
それくらい溜まっていた。これなら難関海域にピストン出撃を行っても耐えれるくらいだ。バケツも遠征艦隊がよく持って帰ってくるので、かなりの数のバケツがあった。
「そうですね。難関海域に挑んでみるのも良さそうです。」
そう言った高雄はニコッと笑った。
一方、執務室で雪風が俺の指示を待っていた。いつもの建造の指示を貰う為だ。
「司令ぇ!今日はどうしますか?」
「今日はだな......。空母で頼む。」
「分かりました!」
そう言って元気よく雪風は執務室を出て行った。
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「雪風ちゃんはいつも元気ですね。」
「そうだな。最近は結構通常建造でも出せる艦が揃ってきたし、被りも多い。空母はまだ来てないのがいるからな。」
そう言って俺は近くにあった瑞鶴の書類を指差した。
「......瑞鶴さんという事は、翔鶴さんの事ですか?」
「そうだ。翔鶴が来れば艦隊司令部の航空戦力はかなり固められる。」
そう言ってトントンと現在の艦載機の開発数の書かれた紙を指差した。そこには着実に進む艦載機の更新が書かれていた。既に赤城と加賀の艦載機は烈風改、流星改、彗星一二型甲などが揃っており、場合によっては雷電改に載せ換えれる。雷電改は迎撃機としての運用を想定しているので、出撃する際には搭載しない事になっていた。
「最近は蒼龍さんと飛龍さんが戦術構想だとか言って資料室で艦載機の特性とかを勉強してましたよ。赤城さんと加賀さんに追いつきたいって言ってました。」
「そうか。赤城と加賀はウチの艦隊の空をずっと守ってきたからな。」
そう言って窓から空を見上げた。
「そういえば、扶桑さんたちもずっと資料室ですね。」
「何故だ?」
高雄は何故か知らないが俺の知らないところの艦娘の状況を教えてくれている。
こちらとしてはいいことだが、彼女たちは勝手に提督に何やってるかの報告をされるのはどうなんだろうな。
「突撃陣形の考案とか言ってました。あと本を読んでますね。」
突撃陣形に俺は引っかかったが、取りあえず流した。あとで扶桑たちに訊けばいい話だからだ。
「そうか。他も酒保行ったり資料室に居たりトレーニングか?」
「そうですね。皆笑顔も増えましたし、良かったです。」
そう朝の執務後の時間を高雄と話して過ごした。
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昼前になると雪風が報告に帰ってきた。あと何故か雪風と一緒に五月雨も来ていた。
「司令ぇ......。」
そう雪風は今にも泣きだしそうな表情をしている。
「何かあったか?」
そう言うと雪風から出た言葉に俺と高雄は凍り付いた。
「間違えて大型艦建造をしてしまいました......。ですが出たのは比叡さんの艤装です......。」
「「ひえぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」
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事情を聞くと、雪風が工廠に行く途中で五月雨と会い、五月雨が建造しているところを見てみたいと言ったので一緒に行った。工廠で雪風が建造妖精と話している間に五月雨はドッグを見て回っていたがその際に何かのスイッチに触れてしまった。そうすると建造が始まり建造妖精から『五月雨さんが大型艦建造のレバーを引いたのですが良かったのですか?』と言われ大型艦建造が行われている事が発覚。止めれないかと聞いても始めてしまったからどうしようもないと言われたとの事だった。
「「ごめんなさいっ!!」」
そう言って2人は頭を下げた。そしてそのあと、雪風から受け取った資材消費の書留を見て、俺と高雄はまたもや凍り付いた。
資材のほとんどが無くなっていた。海域にはピストン出撃できない程度。ボーキサイトに至っては赤城と加賀で出撃した場合、4回の補給しかできない程度しかなかった。
「提督っ!!ごめんなさいっ!!遠征で元の数、集めてきますから......グスッ......。」
五月雨は到底無理な事を言って泣き出してしまった。単艦での遠征で油と弾薬、鋼材を7000とボーキサイトを2000も集めてくることなんて到底不可能だ。
「そんなことしなくていい。」
俺はそう言って泣いている2人の頭を撫でた。
「やってしまったから仕方ないだろう?それに元々出撃の回数が少ないウチだからあれだけ資材があったんだ。大丈夫だ。」
「ですが......。」
「いいんだ。休暇に入ったと思えばいい。」
そう言って2人を泣き止むまで撫で続けた。
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俺は2人が泣き止んだところで姉妹たちと遊んでくるといいと言って解散させると、真っ白な灰になった。
「あのっ......大丈夫ですか?提督?」
心配して俺に高雄が声を掛けてくれるが、俺が燃え尽きたのには理由があった。
「開発資材が......残ってない......。」
あった開発資材が0になっていたのだ。
「ええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
執務室に木霊する高雄の声を聞いて愛宕と長門が来たが、俺には説明出来なかった。
まさか間違えるとは思わなかった......。お蔭で資材が底をついてますwww
笑えない......。
当分、雪風の開発日記シリーズは出来ないと思います。遠征組にがんばってもらいますよ。
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