【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話   作:しゅーがく

21 / 209
今回は建造で出たばかりの陸奥のレベリングの話です。
色々と考えた結果、艦隊編成を見直し、効率を考えましたのでご了承ください。


第二十一話  レベリング艦が戦艦だとこうなる

「昼も終わったし、出撃させるか。」

 

俺がそう言うと長門は少し困った表情を俺に向けた。

 

「朝言ってた......その......陸奥を本当に出すのか?」

 

「あぁ。進水したばかりとはいえ戦艦だ。デカイ艦で皆を先導できる艦娘になって欲しいからな。」

 

俺がそう答えると長門は表情を曇らせながら俺に出撃編成表を手渡した。

そこにはいつも行う戦艦5随伴の艦隊ではなく、戦艦1重巡2駆逐1空母2の編成が書かれていた。

 

「ん?これはいつもと違うな。」

 

「そうだな。これは私が編成したものだ。今までのレベリング艦隊では油と弾薬を大量に消費してしまう。そこで、最近溜まってきたボーキサイトを使おうとな。」

 

長門はそう言って俺に渡した表の戦艦のところに指を指した。

 

「ここに陸奥を入れるんだ。そうすれば、接敵前の航空戦で敵艦隊が大打撃を与えられなければ陸奥がより多くの事を経験出来る。それにキス島でいつも行く場所には空母が居ない。そう艦載機も落とされないと思うぞ?」

 

そう言って次は空母のところに指を指した。

 

「空母2のところには正規空母1と軽空母1がいいだろう。正規空母には赤城、軽空母には祥鳳を推す。赤城はウチでも高練度の古参だ。祥鳳はウチの軽空母の花形である飛鷹型に次いで輝くのではないかと私は思うんだが。」

 

次に長門は重巡2のところを指差した。

 

「ここには砲撃戦に慣れている重巡を入れるといいと思う。ウチでは高雄と熊野だな。奴らもココの古参だ。それに万一損傷した場合は摩耶と鳥海を交代で出してやって欲しい。奴らは金剛を求めてのキス島への連日出撃でグンと実力を伸ばしている。いい手本になるかも知れん。」

 

そして最後に駆逐1のところに指を指した。

 

「ここには吹雪たちを入れても良いだろうが、まだ経験の浅い駆逐を入れて欲しい。大型艦に囲まれての経験はいつもの戦艦5随伴の時と変わらないだろう?」

 

そう言って長門は満足したのかスッと元の位置に戻った。

 

「長門、お前......。」

 

「む?何だ?」

 

「まさかシスコン?」

 

「??」

 

俺がそう疑って言うと、聞こえなかったのか小首を傾げている。

 

「シスコンとは何だ?」

 

俺はこの長門の回答を聞いて椅子から滑り落ちた。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

「昼終わってすぐに悪い。」

 

俺はそう言って目の前に並ぶ6人に目をやった。

左から陸奥、高雄、熊野、雪風、赤城、飛鷹。俺が滅多に組まない編成だ。それもあってか、陸奥以外は少し戸惑っている。

 

「説明する前に、紹介だ。陸奥。」

 

「はい。私は長門型二番艦 陸奥よ。」

 

そう言うと、5人から歓声が上がった。5人はこの鎮守府では古参だ。艦娘が10や20だけだった時代に活躍した艦娘たちだ。もっとも今でも活躍しているが。

 

「今日の建造で進水したばかりだが、早速レベリングに行ってもらう。」

 

俺がそう言うと赤城が手を挙げた。

 

「レベリング......経験を積ませるという事はキス島ですか?」

 

「あぁ。」

 

そう言うと赤城は執務室をキョロキョロと見渡した。

 

「......金剛型の4人が居ませんが?」

 

「それはだな、編成を変える事にしたんだ。長門の助言でな。」

 

そう言うと納得したのか赤城はあっさりと引き下がった。

 

「じゃあ、行ってきてくれ。油と弾薬がもつまでならいい。それと損傷を受けたら帰って来い。」

 

そう言うと6人は敬礼をして執務室を出て行った。

 

ーーーーー

 

ーーー

 

 

日が傾き、空が赤く染まった頃、キス島に出ていた艦隊が戻ってきた。俺は丁度執務を終わらせて外を眺めていた。海のはるか遠くに黒い影が映ったかと思うと、それは段々大きくなり次第にそれが艦影だと分かる。

 

「帰ってきたみたいだな。」

 

艦影は陸奥を先頭に高雄、熊野、雪風、赤城、飛鷹の順で単横陣で港に入ってきた。

程なくして6人は執務室に足を運び、俺の前で報告をしている。

 

「......結果、高雄と雪風の損傷を鑑みて帰還しました。」

 

そう言った陸奥の顔には少し疲れが見えている。一方他の5人はそうたいして疲れていない様だった。

 

「そうか。初陣お疲れ様。ゆっくり風呂に入ってくるといい。艤装は入渠させておけ。それと今夜は陸奥と伊勢の歓迎会だ。」

 

そう俺が言うと、6人は艤装を入渠させて風呂に入る為に執務室を出て行った。

そんな姿を見ていた俺と長門は陸奥の報告を思い返していた。

 

「陸奥の報告では自分は損傷しなかったと言ってたな。」

 

「みたいだな。初陣で損傷なしとは、あまり聞かないが......。」

 

俺と長門は不思議に思ったが、確かに俺が眺めている時にも艤装には損傷の後は無かった。

俺と長門はそのまま執務室を出て、食堂で陸奥と伊勢の歓迎会の準備を始めるのであった。

因みに今回のレベリングで陸奥は1回の戦闘毎に経験がかなり詰めた様な事を言っていた。

 




本編では濁しましたが、本編で使いました編成にて旗艦が戦艦で重巡2駆逐1正規空母1軽空母1で3-2-1レベリングをすると大体旗艦の戦艦がMVPを取ります(※稀に空母が取ってきます)。その際に貰える経験値は大体1100です。
てっきり350くらいかと思っていましたが、本当に貰えるんですよねw
正規空母にはなるべく艦戦を載せる事をお勧めしますw

ご意見ご感想お待ちしてます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。