【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話 作:しゅーがく
2時間前に投稿したばかりだと言うのに、すぐに投稿します!
今回はリアルタイム投稿です。今日のウチの鎮守府での建造開発の結果があります。
「今日も頼んだぞ、雪風。」
「はいっ!頑張りますっ!!」
そう言って雪風は執務室から飛び出していった。
今日の開発建造はそれぞれ4回づつ。俺が雪風に指示したのは建造は戦艦レシピ2回と、レア駆逐レア軽巡レシピ2回。開発はオール対潜装備レシピだ。
これまで建造は1日1回だったが、開発資材が遠征艦隊の活躍と、最近の不運から溜まっていたので今日は使う事にしたのだ。
長門は俺にもう少し溜めてはどうだろうかと諭したが、俺は無視した。
何故なら、今諭した長門の姉妹艦と日向の姉妹艦を狙っているからだ。まぁ、そう上手くいく訳もないだろうと考えては居たが、違った。
早々に帰ってきた足音に俺と長門はドキリとした。
足音が3人だ。1人は雪風だとして、残りは誰だ?鎮守府に所属していて、報告書を出しに来たとかか?と俺は思った。
「なぁ長門。」
「何だ?」
「昨日までの報告書は受け取ったか?」
「あぁ。もう既に処理も済ましただろう?」
俺は心臓が跳ね上がった。これはもしやとも思ったからだ。
だが、そんな俺に長門は声をかけた。
「足音、3人の様だがもしかしたら提督に逢いに来た艦娘かもしれんぞ?」
俺は長門の言葉に今度は諭された。もしかしたらウチの艦娘が俺に逢いに来たのかもしれない。確かに歓迎会の時に気軽に来てもいいと言ったが、このタイミングか!?そう思った。
「いや、新造艦ってのもあるだろう。」
俺は3人が入ってくるのを待った。
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「司令ぇ!新しい仲間が建造できましたっ!!!」
そう言って元気よく入ってきた雪風の後ろに見慣れない2人の艦娘。これはもう新造艦としか考えられない。
「そうか!」
「「えっ!?ここって提督が居る鎮守府だったの!?」」
俺が喜んでそう言うと、雪風の後ろの2人は驚いた表情をした後、顔を真っ赤にした。
「少しお手洗いに行ってきますっ!!」
「わっ、私もっ!!」
そう言って新造艦の2人は真っ赤になった顔を隠しながら執務室を出て行ってしまった。
俺は2人のシルエットを見て思い出していた。あの2人、どちらも戦艦の艦娘だ。それも俺が狙っていた艦のだ。
「てっ、提督っ!あれはっ、あれはっ!!」
「そうだ!長門の妹だろう!?」
今にも泣きだしそうな長門の問いかけに俺は少し興奮気味に答えると、長門は涙を流した。
「やっと......やっと逢えた。」
そう言った長門の横顔はどこか疲れた様な表情をしていた。
これまで連日演習キス島への出撃を繰り返していた長門は、演習で自分の妹だが妹でない艦娘を何度も見ていた。俺もそれは演習を受けるときに艦隊編成で確認していた。
妹の姿をしているが、妹でない。これほど苦しい事はあるだろうかと俺はいつも考えていた。だから、連日雪風に戦艦レシピを頼んでいたのだ。幸運をもって引けないだろうかと願って。
それが今日、叶ったのだ。
「あぁ。資材にして金剛の進水から数えたら油18000、鋼材36000を溶かしたからな(※本当に使いました)。お蔭でドッグに妙高型と愛宕型の艤装が大量に並んでいるが......。」
「ありがとう、提督......。」
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長門は数分涙を流すと、目を拭き、雪風の前に立った。
「ありがとう、私の姉妹を。」
「いえ!これは雪風が提督に頼んだ私の仕事ですっ!!このために雪風はやってきたんです!」
そう言った雪風に長門はお辞儀をすると、俺の横に戻ってきた。そして雪風は俺に結果の書かれた紙を見せた。
「ふむ......建造では長門型二番艦と伊勢型一番艦が進水。名取の艤装と神通の艤装ね......。開発は、12.7cm連装砲と、開発失敗が3回っ!?」
「えへへ。建造で運を使い果たしてしまった様です!」
そう言った雪風は紙を置き、開発失敗した時の余る開発資材の数を書き込むとソファーに座った。どうやら出て行ってしまった2人を待つ様だ。
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「お騒がせして申し訳ございません。」
そう言って入ってきたのは、さっき顔を真っ赤にして執務室を飛び出していった2人だった。
「大丈夫だ。雪風からの報告を訊く時間があったからな。俺はここの提督を任されている。」
そう言うと2人はパァーと顔が明るくなった。どうやら新造艦にも提督が鎮守府に着任しているところに進水できる事はとても稀な事みたいだ。
「私は長門型戦艦二番艦 陸奥よ。」
「私は伊勢型戦艦一番艦 伊勢。」
「「よろしくお願いしますっ!!」」
そう言った陸奥と伊勢に俺はある紙を渡した。改装指示の書かれたものだ。
「さっそくで悪いんだけど、改装を頼む。それと陸奥は今日から第一艦隊の旗艦を務めてもらう。」
俺はそう言って座った。
「わかったわ。」
そう言うと陸奥は紙に目線を落とした。どうやらなんの改装が行われるのか確認している様だ。
「......九一式徹甲弾っ!?」
「ん?なんかあったか?」
「いっ、いえ。進水したばかりの私に九一式徹甲弾だなんて......。」
そう言った陸奥に長門が近づいて小声で言った。
「それはかなり昔に開発でたまたま手に入れたんだ。貰っておいて損はないだろう?それにここには艦隊司令部レベルに見合わない装備がいくつもあるんだ。」
そう言った長門はすぐに陸奥のところを離れて俺の横に戻ってきた。
「......因みにその装備って?」
そう恐る恐る言った陸奥に、小声で長門が言ったことが聞こえていた俺は口を開いた。
「46cm三連装砲が2基。決戦用だ。何れ長門と陸奥にそれぞれ1基ずつ改装してもらう。」
俺がそう言うと口をポカンと開けていた伊勢が少し興奮気味に言った。
「やっぱり幸運の鎮守府だったんだ!!提督が居る時点でそうだけど......。因みに艦隊司令部レベルっていくつなの?!」
「ざっくり20くらいだ。」
俺がそう言うと陸奥と伊勢の目が点になった。
そうとうの衝撃を受けた様だった。
「おーい、戻ってこーい。」
目が点になった陸奥と伊勢の目の前で手を振ってみせたが全然戻ってくる気配が無かったので、俺は取りあえずそのままにして雪風からもらった紙を書き留めると長門に渡した。
新造艦が来るといつもこうしている。外に出さない進水日の書かれたファイルを長門はいつも纏めていたのだ。
「では、雪風は戻りますね!」
「あぁ、ありがとう。」
その様子をずっと眺めていた雪風は落ち着いたのを見届けるとそう言って執務室を出て行った。
「今日のは特段すごかったわ。」
俺はそう呟いて、執務に戻るのであった。
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「「はっ!?」」
気が付いた陸奥と伊勢は自分の居るところを確認すると、見やすい位置に紙が置かれていた。
『いつまで経っても起きないから俺と長門は昼ごはん食いに行ってくる。食堂だ。』
そう書かれていた紙を2人で読み、すぐに執務室を出て行った。
そのあと、進水したばかりの2人は鎮守府の中を彷徨ったそうな。
一度に陸奥と伊勢が来るとは思ってなかったですよ!うれしいです。
これで大型艦建造でしか建造できない戦艦以外は全て揃いました!大型艦建造にはまだ少し資材の余裕が無いので手が出ませんね。
因みに作中にある資材量。あれは一日にウチの鎮守府が消費する資材の何十倍です。こんなんやってるから万年資材不足なんですよね......。
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