【完結】 艦隊これくしょん 艦娘たちに呼ばれた提督の話 作:しゅーがく
今回から、提督の挨拶回り駆逐艦編で雪風の言っていた事の話がちょくちょく挟まれていきます。
不定期、すごく短いのでまぁ小ネタ的なものですので。
俺は今日の開発建造を任せる秘書艦、出撃させる旗艦、いつもの長門を朝の執務室に呼んでいた。
「雪風。今日の開発建造を任せてもいいか?前に言ってたろ?」
「はいっ!」
元気よく返事をする雪風を微笑ましく眺めると、俺は次の艦娘に指示を出した。
「今日の出撃は敷波、旗艦を頼む。」
「はーい。」
そう答える敷波は、俺のところから編成表を引き抜いた。編成表には敷波以下、長門と金剛型戦艦四姉妹の名前が入っている。
何時も行う練度上げに使う編成だ。
「何時ものメンバーね。制空権はいいの?」
「ボーキサイトをなるべく消費したく無いんだよ。弾着観測射撃は出来ないが、頼んだ。」
そう俺が言うと敷波は長門と共に部屋を出て行ってしまった。
残っているのは雪風と俺だけだ。
「雪風。一週間、建造と開発をやってもらう。」
「はいっ!対潜装備と魚雷ですか?」
「そうなるな。あと高角砲も確保したい。10cmの方だ。」
「了解しました!」
雪風は俺の指示を聞いて、走って執務室を出て行った。俺はまだ開発数とか言ってないんだがなぁ、と思いつつ、海域攻略と次に行う練度上げの対象を考え始めた。
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雪風は程なくして帰ってきた。どうやら終わったみたいだった。
ニコニコした雪風が、結果の書かれた紙を俺のところに持ってくる。
「......おぉ。」
結果に俺は驚いた。
建造開発の回数を言ってなかったのに、言おうと思ってた数をこなしている。建造1回と開発4回。建造は戦艦レシピだった。
肝心の結果はというと、雪風が説明を始めた。
「開発で10cm高角砲と8cm高角砲が出ました!2回は失敗でしたけど......。建造では4時間です!」
雪風の言った結果は、まぁなんと言うか普通だった。
だが、8cm高角砲が出たのは正直嬉しかった。
そして金剛型の艤装が出てくる様なので、俺はそちらには驚かなかった。
「ありがとう。また明日、頼む。」
「了解ですっ!」
そう言うと雪風は俺の横に座った。どうやら何かあるみたいだった。
「どうした?」
そう俺が聞くと、雪風はいつ取り出したのか、艦娘の艤装に与えた装備一覧を俺に開いて見せた。
「司令ぇ。どうして雪風は魚雷発射管が渡されているのでしょうか?」
それは多分、鎮守府にある装備と俺のやり方を知っての疑問なのだ。
「それはだな......。」
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俺がこの世界に呼ばれる前の話。
まだ発展途中で、任務を片っ端にやっていた時期があった。
「次は......『水雷戦隊!バシー島緊急展開』か。水雷戦隊......。」
俺はマウスのカーソルを移動させ、編成の上でクリックした。
保有する艦娘を眺め、水雷戦隊の編成を考える。
当時は水雷戦隊に配属する軽巡洋艦と駆逐艦の育成がほとんど進んでいない状態だった。
「ここは五十鈴を旗艦に、雪風、吹雪、白雪、時雨、夕立かな。」
俺はそう考え、第一艦隊に編成させた。
そして改装を行う。装備の入れ替えだ。
俺は五十鈴には20.3cm連装砲と魚雷、電探を持たせ、駆逐艦には12.7cm連装砲と魚雷を載せ始めていた。
雪風の改装を行う時にあることに気づいた。
12.7cm連装砲が足りてないのだ。
「どうしよ......。余りなんて無いし。」
俺は考えた末、決断したのは、雪風に魚雷発射管を2つ載せる事だった。
もし、夜戦に入った時、カットイン攻撃をしてくれるかもしれない。そんな希望を持っての改装だった。
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「それは、何でだろう。雪風の運を買っての改装だったのかも。」
「そうですか!」
喜ぶ雪風はそのまま廊下に飛び出していってしまった。まぁ仕事は終わったから良かったんだけど。
「そういえば、改装ってどういう事になってるんだ?」
俺の頭に浮かんだのは、そんな疑問だった。
雪風のいなくなった執務室に俺の唸り声がこだまする。
これリアルタイムの方がいいんですが、結構前に書いたのでちょっと古いです。
ご意見ご感想お待ちしてます。