椿の花の色~あなたは私の胸の中で炎のように輝く~   作:桜華惨禍

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更新遅れました
今回の話が圧倒的難産であったことと執筆する時間があんまり無かったのが原因です
文脈がおかしいっぽいかもです
では十四話どうぞ


第十四出撃 お姉さんキャラの包容力は異常

その後、演習を頑張ったり何時も通り妙高さん達の授業を受けたりそれなりに充実した鎮守府での生活をしていた。

 

遠征もそれなりに頑張った。

 

担当の天龍さんがフフ、怖いか?と言っていたが、正直もう一人の担当の龍田さんの方が怖かった……

 

あの人なんで、ニコニコしながらあんな恐ろしいこと言えるのだろうか?

 

笑顔が、本来は、威嚇のための行為だとという話を思い出した。

 

そんな鎮守府では、ある案件が話題になっている。

 

その案件とは……

 

 

 

∽     ∽     ∽

 

 

 

 

「沖ノ島海域攻略……」

 

そう張り紙に書いてある。

 

なんでも後一人沖ノ島海域の攻略に同行させる艦娘を探しているとか

 

志願する者は、執務室にて、ね……

 

そして沖ノ島と言えば……

 

「俺が、発見された所……」

 

全てが始まった場所

 

睦月ちゃんを失った場所……

 

なにより艦娘として倒すべき者が居るところ

 

──どうすかは決まっている

 

 

 

 

∽    ∽     ∽

 

 

 

 

「お願いします! 睦月を沖ノ島海域攻略に同行させてください!」

 

執務室で、土下座をする艦娘が、一人……

 

……俺だが……

 

「えーっと、どうします?」

 

そう提督に聞く秘書艦の翔鶴さん

 

「睦月顔を上げろ」

 

「はい」

 

提督と向き合う俺

 

やばい、緊張で、心臓が、バクバクする

 

俺が、身構えていると提督が、口を開く

 

 

 

……結局提督が、何を言っているか理解できなかった……

 

いや、だからさ駆逐艦相手に難しい言葉を使うのを止めて欲しいのだが……

 

秘書艦の翔鶴さんに、翻訳してもらうと

 

取り合えず土下座を止めなさい

 

君の熱意はわかった

 

本来ならまだまだ練度が低い君を同行させるのは、反対だ

 

だが、そこまでされてしまったからには、同行させないとは、強く言えない

 

一回だ

 

君を同行させるのは一回のみだ

 

その一回だけだ。それ以上は、許可できない

 

その一回でのよい結果を期待している

 

とのことだ

 

……嬉しい

 

本来なら俺みたいな子は、連れていけないが、特別に許可してくれたのは、すごく嬉しい

 

俺は、勢いよく「ありがとうございます!」と言って執務室を後にした

 

さぁ、足を引っ張らないように自分に出来ることを時間一杯使って頑張ろう!

 

……翔鶴さんに、翻訳を求めたとき一瞬悲しそうな目をしていた提督の顔を俺は、忘れない

 

 

 

……ごめんなさい

 

 

 

 

∽     ∽      ∽

 

 

 

 

俺は、強くなる為に、在るところに向かっている

 

「あれ? 睦月ちゃんどうしたんですか?」

 

「こんにちは明石さん夕張さんは、居ますか?」

 

そう、俺は、夕張さんに演習を頼むべく工廠に来ている

 

……夕張さん居るといいんだけど……

 

「あぁ、夕張さんなら奥ですよ」

 

「そうですか、教えて下さりありがとうございます!」

 

「いえいえ、そういえば睦月ちゃん沖ノ島海域攻略に同行するんでしょう? 頑張ってね」

 

「はい!」

 

 

∽    ∽    ∽

 

 

夕張さんとの演習は、一三○○から二二○○まで続いた。

日曜日は、基本的に演習が、休みなので本来は、しなくて良いのに付き合ってくれた夕張さんには、頭が下がる

 

本当にありがたいが……

 

……正直死ぬかと思った。

 

最初から手加減抜きとか本当に死ねる

 

前の演習の時に一撃当てたのが、原因なんだろうなぁ……

 

まぁ、そのお陰で、それなりに戦えると思う

 

ありがとうございます。夕張さん

 

……作戦は、明日……

 

一先ず、演習で、疲れた体を癒そう

 

 

 

∽    ∽    ∽

 

 

 

あ¨~染みるわ~

 

親父臭いことを思いながらお風呂に浸かる。

 

時間が時間だから誰もいない

時間制を守ってないな

あって無いようなものだしね

まぁ、女の子だしね!

 

……流石にこんな時間に入る人は、いないよね?

 

基本的にこの時間帯は、皆寝てるよね?

 

嫌だよもう百合百合な展開は

 

そんな警戒をしていたら入り口から無情にもガララっと音がした

 

……嘘だと言ってよ、バーニィ……

 

「おや? 誰か入ってると思ったら睦月ちゃんだったんですね」

 

「……こんばんは……赤城さん……」

 

まさかの赤城さんだった

 

何故?

 

俺の隣で湯船に浸かる赤城さん

 

「日課の練習をしていたら熱が入ってこんな時間までしてたんですよ」

 

「凄いですよこんな時間まで練習するなんて」

 

「睦月ちゃんは、どうしてこんな時間に?」

 

赤城さんに、沖ノ島海域攻略について話した

 

「睦月ちゃんも沖ノ島海域攻略に……」

 

「はい……どうしても行かないとだめなんです」

 

「それはどうして?」

 

「……それは……」

 

「いえ、無理に答える必要はないんですよ」

 

「……すみません」

 

「いえいえ、答えは人それぞれですから」

 

「赤城さんも攻略に?」

 

「えぇ、今回は、提督が本気みたいなんで」

 

「睦月足を引っ張らないかなぁ……」

 

「大丈夫ですよ私達が、いざとなったら守りますから」

 

守る。赤城さんから心強い言葉なんだが……

 

「……それじゃ駄目なんです……」

 

「睦月ちゃん?」

 

そう、それじゃ駄目なんだ

 

何時までも守られ続けるわけには、いかない

 

「……睦月は皆を守りたいんです……」

 

俺を守ってくれた睦月ちゃん……

 

「……誰も失いたく無いんです……」

 

目の前で消えた少女……

 

己の無力さを痛感した瞬間だった

 

「……だから睦月は……」

 

……誰よりも強くなりたい皆を守りたい

 

……もう、失いたくは無い

 

するとぎゅっと赤城さんに、抱きしめられる

 

「赤城さん?」

 

「睦月ちゃんは無理をしなくていいんですよ?」

 

「けど、睦月は……」

 

「誰だって最初は弱いんです。成長するから強いんですよ。睦月ちゃん無理だけは駄目ですよ」

 

「無理はしてない……です」

 

「些か説得力に欠けますね」

 

「……ならっ! 睦月は、どうすればっ!」

 

赤城さんがより強く抱きしめる

 

「一人で背負うのは止めなさい」

 

「っ!」

 

俺を見透かすような一言に俺は鈍器で殴られたような衝撃を受けていた

 

「睦月ちゃんは独りじゃないんですよ? 皆が要るんですよ?」

 

「睦月ちゃんがときどき罪悪感に押し潰されたような顔をしているんですけど睦月ちゃん自身は気づいていますか?」

 

 

……あぁ……なんども思った……

 

……自分は、本来この場所に居ては為らない

 

ここに居るべきなのは、俺じゃない睦月ちゃんなんだ

 

何故自分はのうのうと存在できるのか?

 

睦月ちゃんが犠牲なったからだ……

 

何故自分は、睦月ちゃんの体に宿ったのか?

 

神様の悪戯だとしたらそれは、笑えない冗談だ

 

「赤城……さ……ん……睦月は……睦月……は……」

 

心が限界だった

 

俺は、目から沢山の涙を流していた

 

勇気を振り絞って続きの言葉を紡ぐ

 

 

 

 

──睦月は本当に此所にいていいんですか?──

 

 

 

 

 

睦月ちゃんの姉妹を騙し

睦月ちゃんの恩人を騙し

今も赤城さんを騙している

 

こんな自分は此所にいていいのか?存在していいのか?

 

 

 

──えぇ、いいですよ──

 

 

 

優しい慈愛に溢れた一言が返ってきた

 

優しく頭を撫でながら赤城さんは言う

 

「何故睦月ちゃんが、そんなことを言うのかは私には解りません」

 

「ですから、私たちをもっと頼って下さい。貴女の味方は沢山いるんですよ?」

 

私もそのうちの一人です。と赤城さんが言う

 

赤城さん……

 

俺はぼろぼろと泣き続けていた

 

そして……

 

「貴女の代わりは居ないんですからずっと此所にいて下さい。仲間が居なくなるのは辛いですからね」

 

「うわぁぁぁーーん!!」

 

赤城さんの胸の中で俺は泣きじゃくる

 

ごめんなさい。騙していて

 

ありがとうございます。仲間といってくれて

 

「私達も支えますから睦月ちゃんが罪悪感に押し潰されたような顔を今後することがなくなるといいですね」

 

「は……い……」

 

泣いたせいか睡魔が襲いかかってくる

 

「睦月ちゃん今はお休みなさい。明日一緒に頑張りましょう」

 

暖かい人の温もりを感じながら俺は赤城さんの胸の中で眠る

 

 

 

 

……薄れ行く意識の中再び決意する

 

睦月ちゃん俺はこの体で頑張るから

 

睦月ちゃんから貰った体で

 

だからさ……

 

 

 

 

 

……見守っていてくれ頑張るからさ

 

 

そう決意するのだった

 

 




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