椿の花の色~あなたは私の胸の中で炎のように輝く~ 作:桜華惨禍
まだまだ、未熟で拙いですが、此れから頑張りたいと思います。
今後とも宜しくお願いします。
第一出撃 人生苦あれば苦あり
───人生とは、困難との戦いの連続である。
かの有名な軍師のありがたいお言葉である。
さて、何故こんなことを考えているのかといえば……
「ここは、一体何処なんだ……」
訳がわからない。回りを見渡すと海、海、海そんな景色が広がっている。
そして、当然の疑問が一つ──自分は、どうやって海の上に浮いているのか? 何故こんなところにいるのか?
そんな、自問自答を繰り返しても、返ってくるのは、答えでは、無くざざーん、ざざーんと無情に繰り返す波の音とみゃあ、みゃあと鳴く海鳥の鳴き声だけだ。
とりあえず落ち着いて考えろ。昨日自分は、何があったのか、この事態に陥るようなことは、あったのか考えろ……
……駄目だ、全然心当たりがない……
第一普通に生活してたらこんな事態に陥る筈が無い。
その前に一つ違和感が、
「俺の声高くね?」
まるで、女の子のような声
気のせいではない。
恐る恐る水面に映る自分の姿を見てみると……
「にゃしぃぃぃーーーーーー!?」
俺は、何故か
いやいや!? おかしいだろ? 昨日までは、普通に男の姿をしていたのに、一体どういう事なんだ?
──ははっ これは、夢なんだもうすぐいつも通りに目を覚ますに決まっている。
お願いだから夢って言って神様ァーーーー!!!
∽ ∽ ∽
……だいぶ落ち着いてきた。
もう一度確認してみる。
やや赤みを帯びた茶髪に髪と同じ色をした瞳。白を基調としたセーラー風の服に緑色のスカート。
そしてなにより目を引くのは、背中に背負った煙突(?)のような物と太股辺りについている謎の武装。
──これは一体何なんだろうか?
新しく出てきた疑問に、ついて考える。
……そもそもこんなことを、考えるよりもっと考えることが、あるだろう?
ひとまずこの疑問は、置いておいて、現状をどうにかするかを考えようと、思っていたら。
???「聞こえてますか?」
うぉっ! 一体何処から声が?
???「ここです。こそ」
声の発信源を、探していると背中の方から聞こえてくる。
???「やっと気づいてくれましたか……」
「えっと? どちら様でしょうか?」
???「初めまして睦月さん。私は、貴女をサポートする妖精です」
妖精と名乗る小人のような物が背中の煙突の様な物からひょっこりと顔を出した。
「えっと?初めまして?」
反射的に挨拶を返す。
「はい! 初めまして睦月さん!」
ややテンション高めに挨拶を返されたこの妖精さん(仮)
彼女? なら自分が陥った理由を知っているのではないだろうか?
一抹の希望を込めて質問する。
「えっと? 俺は、何なの?」
いや 流石に、抽象的過ぎるだろ。
妖精さん(仮)が、困ったように疑問を返してくる
「それは、睦月さん自身のことですか?」
「う、うん」
つい肯定してしまった。
「睦月さんは、艦娘です」
「かんむす?」
知らないワードが、出てきた。
かんむす?天むすの一種みたいな物か?
流石に違うか。だって俺人間だし。
食べ物な訳無いよな。
「はい!深海棲艦と戦う人類最後の希望です!」
「しんかいせいかん?えっとなんですかそれ?」
「ある日、海から現れた、謎の敵対勢力です」
敵対勢力とは、物騒な話だな。
「奴等は、人を襲い船を海に沈めようとします。許しがたい存在です」
「人類は、抵抗しましたが、全くもって歯が立ちませんでした」
「そんな中、突如現れたのが、艦娘です。彼女たちは、深海棲艦隊に唯一対抗できる存在なんです」
「そして睦月さんは、その艦娘の一人なんです」
なるほど、更に訳が分からなくなった。
そもそも、しんかいせいかんやかんむすというワードは、聞いたこともないし、第一そんな危険な物、マスコミやネットで話題になるはずだ。
──これ以上の情報を求めるのは、後にしよう、話を聞いているとどうやら海に長くいるのは、よろしく無いようだ。
ひとまず安全な所に向かう方法を妖精さんに聞くとしよう。
「妖精さん。俺は何処に向かったら良いのかな?」
「そうですねー、鎮守府に向かうのは、どうでしょうか?ただ……」
「ただ?」
「……どこにあるかは、さっぱりわからないんです……」
「なん……だと」
平和への道は、前途多難のようだ(泣)
ここまで読んでいただきありがとうございます。
次回は、戦闘シーンまでもっていきたいです。