魔法少女?リリカルなのはDiabolical Modified 〜魔改造された彼女たちの運命〜   作:アリヤ

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……全然進まない。

本当ならばユーノを見つけるところまで行きたかったのだけど、その手前でこれだけの文量になるとは……

まぁ、あまりにも世界設定まで魔改造しまくっているせいで説明をかなり入れなければならないっていうのも原因なんですけどね。

……どこかで設定をまとめておいた方が良いですかね? ラノベみたいに個人的は書いているから、あまりやりたくはないのですけど。


第七話

「……相変わらず、慣れないわね」

「まぁ、仕方ないよ……私もそうなんだから……」

 

 その日の放課後、すずかとアリサは先ほどあった出来事を思い出しながらため息を吐いていた。

 どうしてため息なんか吐いているのかという理由を聞いてしまえば分かるだろう。誰だってあのような事をされたら一部のお嬢様以外ならば溜息だって吐きたくなるものだろうから――

 

「っていうか、なのはちゃんは良く気にしないで平気でいられるよね。私たちと同じように敬語で言われているのに」

「別に、それで私に対する害はあるわけじゃないし、私にとっては勝手に言わせておけばいいんじゃないかなって。今までの事を考えればどうでもいいって感じだし」

「まぁ、なのはちゃんならそうだよね。今まで置いたことが異常すぎて、自分の身に起こらなければ何と呼んでも構わないって感じだし」

「その通りだね。まぁ、私を嫌っている人もまだいるようだから、そっちの方が私としては気になっているけど」

 

 すべてがなのはを尊敬しているわけではない。過去のなのはの事を知っていた人間の一部は未だになのはの事を嫌っているし、すずかと仲良くなるきっかけになった喧嘩していた男の子たちもまだなのはの事を嫌っている。っていうより、その中に居た一人が去年、一昨年と続けてすずかの次にあたる第四位であるためだ。本来ならば特別クラスに入るはずだろう人間であるために、なおさらなのはに対する恨みが増していたのだ。

 とはいっても、なのはは二位だしその彼は四位である。間には三位のすずかが居るし、その彼はなのはを倒したいというそれ以前にすずかにすら勝てた事がなく、圧倒的な差を付けられて何度も負けている。それによってなおさらなのはに恨みを持っているのだ。

 

「そっちか……っていうか、遥輝(はるき)にはそろそろ諦めてほしいけどね……」

 

 その四位である男の子、遥輝・ミレイアの事をアリサは浮かべ、それから少ししてなのは達三人は溜息を吐いた。最初はなのはだけしか見ていなかったのに、ここ最近はアリサやすずかにも勝ちたいような雰囲気を漂わせており、それを知ることになってしまったアリサとすずかも遥輝に対してさらにイメージが悪くなっていた。

 

「とりあえず、今はその事を忘れよう。余り遥輝については今思い出したくないから――」

「なのはの言う通りね。今はこれからの考えよっか」

「それじゃあ、とりあえず何処へ行こうか?」

 

 歩きながらそのような話をしていたため、現在なのは達は特に行くあてもなかったために公園を歩いていた。

 そしてその公園内を歩いていると、突然三人の脳内に直接声が聞こえてくのだった――

 

《助けて――》

 

 その言葉になのははその場で立ち止まってしまう。いや、なのはだけではなくて、すずかとアリサの二人も立ち止まっていた。どうやら、なのは以外にも先ほどの言葉が聞こえていたようだ。

 

「ねぇ、今何か聞こえなかった?」

「うん、なのはちゃんも聞こえた……なのはちゃん?」

 

 なのはは先ほどの言葉に聞き覚えがあった。

 それは昨日の夢の出来事、ある少年が魔物みたいなものに襲われているような夢を見て、その時の少年の声と全く同じだった。夢だと思っていた事なのであまり気にしていなかったのだけども、聞こえてきたという事はもしかして本当に起こった出来事だったのではないかって思っていた。

 

「あ、ううん。なんでもないよ」

「そっか……あれ、アリサちゃんもどうしたの?」

「いや、さっきの脳内に直接言葉に伝わってくるやつ。もしかしたら、例の異世界で多いと言われている私と同じ(・・・・)魔法関連だと考えられるの」

 

 その一方で、アリサは別の事を考えていた。脳内に直接声が聞こえてくるような感じの原因を、アリサは知っていた。

 異能力が多いこの地球でもし異世界が存在していれば、魔法という別の力を異世界で使っているという事を知らないはずがない。そう――この世界には異能力以外にも別の力が存在し、その力こそ魔法だということだ。この地球では異世界で魔法という力が存在するという事を知っており、お互いに干渉はしていないというのが暗黙のルールになっていた。最初の頃はその異世界で使われている魔法を統治している組織が、この地球に干渉しようと考えていたようなのだが結果的に諦め、現在では干渉すれば保たれているバランスが崩れ去る事をお互いに恐れていた。

 話しを戻すが、アリサがどうして魔法の存在に詳しいのか。それはアリサの異能力に関係している事であった。

 アリサが使う概念魔法――実は、異世界で使われている魔法と仕組みは全く持って同じようなものなのである。過去にアリサは先ほど言った魔法を統治している組織に幼いのに勧誘されたことがあり、その理由がアリサの魔法が異世界で使われている魔法と同じだったからだ。だけどアリサの場合、概念(・・)という部分に関しては異能力とも思われるところがあり、だがその統治している組織から言わせればレアスキルと思われている。生まれが地球だという事でアリサの概念魔法が異能力扱いとなっており、もし異世界で生まれれば魔法を統治している組織で言う魔導師となっていただろう。

 

「っていうことは、これは魔法使いが助けを求めているっていこと?」

「そうだろうね。すずかは分かるけどもまさかなのはまで聞こえるとは思わなかったけど」

 

 先ほどの脳内に直接言葉が伝わる魔法――異世界で魔法を統治している組織から言えば念話というものであるのだが、同じ魔導師ではなければ伝わる事はない。それなのに、なのはにも伝わったのはアリサにとっても不思議だった。その中にどうしてすずかが含まれていないのかというと、すずかの天使召喚には僅かながら魔法を使う必要があるので聞こえたのだろうとアリサは思っていたからだ。だけどなのはの場合は魔法に一切関係ないために、アリサにとってはなのはが聞こえてた事に不思議に思えたていた。

 

「とりあえず、私にとってはあまりいい印象がないから正直なところを言えばこのまま通り過ぎたいのだけど、どうせ二人は助けに行くっていうのでしょ?」

「うん。アリサちゃんには悪いけど、助けを求めているのに何もせずに通り過ぎるのは嫌だから」

「私もすずかちゃんと同じかな? もし助けずにして、死んでしまったり誘拐されて私みたいな事にされるのはこれ以上見たくないから――」

「そっか。それじゃあ行きましょっか。大体の場所は把握してあるから、ついて来て」

 

 アリサは仕方なしと思ったけども、二人が言うのならば仕方ないと思い、念話が聞こえてきた方まで案内するのだった――


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