魔法少女?リリカルなのはDiabolical Modified 〜魔改造された彼女たちの運命〜 作:アリヤ
続けて投稿していますが、今回は入れておきたい内容を忘れないうちに書いておこうと思いまして。
次回こそフェイトちゃん出ます。正直今回はフェイトちゃんを登場させるまでは書きたいつもりでいたんだけどな……
それではどうぞ!!
「ジュエルシードもまだ四つ、まだまだ先が長いわね……」
数日後、なのはとアリサはすずかの家にまたしても呼ばれ、数匹の猫に囲まれながらティータイムをしながら話していた。
話はジュエルシードの事と変わり、現在集めた数と残りの数を比較してまだ先が遠いとアリサは思っていた。
「まぁ、ジュエルシードが発動しないとどこにあるかなんてわかりにくいからね。この前みたいになのはちゃんが未来を読む異能を使えば手っ取り早いかもしれないけど……」
「あれは後々の事が大変だからね。あんなに食っているくせして、どうして太らないのか逆に不思議よ」
前回のジュエルシードの回収の時、なのははすずかの家で料理をごちそうしてもらうことになったが、五人前以上に食べていた。未来を見た後のデメリットとしてはすずかもアリサも何度も見たことがある光景ではあるのだが、やはりあの大食いは何度見ても驚きを隠せないでいる。
ちなみにユーノに至ってはいつもそれほど食べないなのはを見ているため、あんなにも料理を食べたことに唖然としたほどであったりする。
「……で、さっきからなのはの口数が少ないようにも思えるけど、どうしたの?」
「え……あ、うん、ちょっと考え事を……」
「あの街にでかい木が出て以降、ずっと元気なさそうじゃない。隠してないで話しなさい」
「そうだよ、もうなのはちゃんには私やアリサちゃんが付いているんだから――」
ジュエルシードによって、街にかなり大きな木が幾つか現れて以降、なのはは何かを考え事をすることが多くなり、なのはに話を振っても「うん」などの一言で終わってしまっていた。
それを心配してすずかとアリサもなのはに何を気になっているのかを何度か問いだそうとしたが、それでもなのはは答えず、今日まで至っているわけだ。
「もしかして、この前のジュエルシードの事で、気づいていたのに間に合わなかったことを悔やんでいるわけじゃないよね?」
「ちょっとアリサちゃん、怒らなくても……」
何も答えてくれないことにアリサは少し怒ったような口調でなのはに言うが、なのはは首を振って否定した。
「……そうじゃないの。ただ――あの一件のせいで奴らが気づいちゃったんじゃないかなって思って……」
「奴ら……もしかしてなのはちゃん、奴らってあの?」
「うん、すずかちゃんが思っている通り、奴ら――アンブレラハートに気付かれた可能性があるかなと思って……」
なのはの言葉に、すずかとアリサは何も言えなかった。否定できるところが何一つなかったからだ。
アンブレラハート――ショッピングモールの日本発祥の巨大チェーン店であり、日本にある店を除く世界で百を超える店が存在する大企業だ。
ショッピングモールといいながらも、企業内で家電やシステム等を開発し、そのための研究所をいくつか所持している。
しかしこれは表向きの話であり、裏ではとんでもないことをしている。
実は、なのはが過去に捕まえられたというのはこのアンブレラハートであったりする。研究所に捕らえられた時に、地球では絶対に誰か一人が見たことがあるハートの顔をしたキャラクターが傘を持っているロゴマークをなのはは何度か見たことがあり、自分がどこに捕らえられたのかをすぐに理解したほどの有名な会社であった。
もちろんこれは、すずかとアリサ――というより月村家とバニングス家もなのはと友達になった時に知らされた事実だ。しかし、そんなことをしていると警察に言ったとしても信じて貰えないだろうし、信じて貰えたとしてももみ消されてしまう。アンブレラハートの偉い人が国会や世界の議員に精通しているらしく、アンブレラハートの事件になるとすべてをもみ消すというほどであると月村家とバニングス家の両家は元から知っていたために、何も手が出せないでいる。
もし、今回の一件でアンブレラハートが何かに気付いてしまったら、ジュエルシードを悪用されるに違いがないということはすずかとアリサの二人はすぐに理解した。場合によっては、行動を起こされる前にすべて集め終わらないといけないことになると――
そして、なのはがアンブレラハートという名前を出したことによって、なのは、すずか、アリサの三人はそのまま黙り込んでしまった。
「……あの、三人して黙ってどうしたんですか?」
「……そっか。ユーノはなのはの過去の事を聞いていないんだっけ?」
「はい。それに、まさかこんなところでアンブレラハートの
「いま、なんて言った?」
聞き捨てできない言葉を聞いたような気がしたアリサは、すぐにユーノに聞き返す。
聞き間違いだと思いたいアリサにとっては、どうしてもユーノに確認を取りたくなり、それはなのはとすずかも同じことだった。
しかしユーノはなんの悪気もなく、なのは達に話し返した。
「えっとですね、アンブレラハートという会社、実は私たちの世界でも有名な企業なんです」
「あの会社、この世界だけじゃなくて、別の世界にも手を出していたというの!?」
異能の力だけではなく魔法の力にも手を出していたとなれば、かなり危険な会社ということになる。魔法に関する人体実験をしているという可能性が上がるため、企業一つで国一つ滅ぼせるほどの力を持っているのではないかと思うほどに危険だった。
ユーノからのあまりにも衝撃な情報に対して、思った以上にすごいところに自分は誘拐されていたのかと思った。
「……とにかく、なるべく早くジュエルシードを集めて方が良さそうだね。一つでも取られたら取り返すことなんて不可能になるから」
「あの、未だにアンブレラハートが危険だということが分からないのだけど……」
「まぁ、今簡単に言っちゃえば、なのははそのアンブレラハートに誘拐されていたことがあるの。表は大企業として有名だけど、裏は人体実験とか当たり前な企業なのよ」
「え、じゃあ僕たち一般人が思っている会社と全然違うということ?」
「そう――私も初めて聞いたときは驚いたわよ。あの会社は人体実験などを平気でやっている。多分、ユーノ達の世界でも同じことをしているでしょうね」
「そんなことをしたら、管理局に捕まるだけ――」
「捕まるなんて言うことは多分ないでしょうね。例え証拠が出ようと簡単にもみ消してしまうような会社だし、はっきり言えば国一つ――いやそれ以上の戦力を持っている企業でもあるのよ。これはお父様に聞いたのだけど、アンブレラハートに逆らうものは国が滅びるということは暗黙の了解らしいのよ。まぁ、外の世界はどうなっているのかわからないけどね」
異能があるこの世界でも一企業に逆らなえない状態になっていることにもユーノは驚いたが、それ以上に管理局がまともに戦って勝てるのかというのはかなり難しいということにも驚きを隠せなかった。
もう、国ですら手におえない事態にまで企業は強くなっていたのだ。気づいたときにはすでに遅し、実際アンブレラハートという会社は都合よくするために多数の国の政界にも人を送っているので、裏で密かに操っているとも言ってよかった。
と、そんな話をしていると、突如ジュエルシードが発動する気配を感じ取ることができた。なのはとアリサとユーノはすぐにその気配に気づき、椅子から立ち上がっていた。
ジュエルシードの発動に気付いていないすずかは突然なのは達が立ち上がったことにちょっと驚き、何があったのかと聞いていた。
「……どうしたの急に?」
「ジュエルシードの反応よ。しかもこれ、すずかの家の中かもね」
「えぇ!? どうして私の家なんかにあるの!?」
「まぁ、散らばったからありえないことではないでしょ。とにかく封印しに行くわよ」
アリサの後に続くかのように、なのはとすずかもジュエルシードを封印するために移動するのだった――
アンブレラハート……密かに関わってきます。当分は出てこないとは思うけど(行間で書きそうな気もしなくはないがww)