艦隊これくしょん〜ブラック提督(笑)の奮闘 作:SKYアイス
自分はパピポとかクーリッシュとかの吸う系のアイスを好みとしてます、贅沢したい時はダッツ先輩買いますよ、ストロベリーの
呉の提督率いる10強チームは、佐世保の提督が掴んだ大佐が潜伏しているという小さな孤島へと向かっていた。
旗艦を吹雪とした艦隊は、単縦陣形で移動している。彼女達10強ならこの陣形が一番適しているとの判断をした。そして提督は既に三つ作戦を立てていた。
一つは潜水艦である168を主体とした作戦だ。
吹雪達を始めとした10強が敵の目を惹きつけている間に168が敵陣に魚雷を発射し敵の陣形を崩し、その際に一気に制圧する。
だがこの作戦はリスキーな物だ、先ず艦隊に5人しか感娘がいないと知られれば相手は確実に潜水艦の存在を疑うだろう。10強が敵にプレッシャーを与えてくれるとはいえ、相手はそこまで馬鹿ではないとも考える。ならば他の作戦を考えた方が良い
二つ目は相手に裏をかかせ、逆に正攻法で制圧する事だ。
向こうは恐らく此方の手の内を知っている、自分が如何に常識を超えた奇抜な作戦を立てて行動するかを。
今までは深海凄艦に使った戦法…例えば探照灯を目眩しに使ったり装備である魚雷を爆発させて相手の攻撃が当たったと勘違いさせ隙を作り出したり、人間の現代兵器が通用しない事を逆手に取ってそれらを感娘に持たせ、牽制用に使用したりもした。
例えばマシンピストルといった軽く連射できる銃を撃たれると、ダメージは無いが衝撃はある。それを利用して相手の手元を狂わせたりできるので、被弾を減らせる。それの弾丸が無くなれば捨てて従来の砲雷撃戦に切り替えられる。手榴弾等の兵器も水中で爆発させれば水柱を立てる事も可能なので、一瞬の目眩しに使える。
戦場だとこの一瞬が生死を分ける事もあるので、これらの戦法はとても大事…そして相手はこの手札を知っているとなると、当然警戒もする。
だが警戒していればそれだけ動きも制限されてくる。それは従来の砲雷撃戦には無用な警戒な故に。
実際に他の鎮守府との演習ではそれらを警戒しすぎて動きがぎこちなくなる相手もいる、そういった相手には決まって砲雷撃戦に持ち込む。
相手が対応しきる前に落とすのだ、そして相手が対応した瞬間に現代兵器を駆使した撹乱戦法を使ったりもする。どうにも他の提督は感娘が人の形をしているという利点を生かしきれていない節が見える…まぁ仕方のない事だろうかとは思うのだが。
だが二つ目は使えない。現代兵器を駆使する戦法は事前の準備が必要だとうい事が大事だという事、そしてこの鎮守府には驚く程に戦略に必要な物が無かった。現代兵器ならまだしも探照灯等の兵器すら無かった。恐らくそういった物の開発をしていないからだろう、これでは正攻法で相手をするしかない。
そして三つ目の作戦は艦隊を囮にして戦力を集中させる、そして集中させた影響で手薄になった場所を他の艦隊が叩く作戦。シンプルだが効果は絶大、誰でも思い付く単純な作戦。故に相手はこれを警戒するだろう、何故なら此方の戦力は絶大だからだ。
囮だと気付いても戦力を集中せざるを得ない。それが自分達10強の実力なのだから…だから今回はこの三つ目の作戦を使う。それを佐世保の提督と横須賀の提督に伝えた。
「囮か、俺は異論は無いが…横須賀の提督は?」
『私も異論は無い、貴官の作戦には何時も助けられているのでな。今回も信頼しているぞ』
二人の了承を得たので、具体的な手順を二人に伝える。反撃の狼煙は上がった…後は敵をどう料理するかだ、今できるベストの作戦…だと思う。だが提督は二人には伝えていないある事を考えていた、それは…春雨の事だ。
彼女にも強くなる可能性を秘めているだろう事が提督には分かっていた。あの気迫、10強を前にしてもあの気迫を出せる彼女ならば必ず強くなれると。
その可能性を秘めている彼女に、また楽しみが増えたな…と、提督は密かに笑っていた。そしてまた、そんな提督の表情を幸せそうな表情を浮かべて春雨は見ていた。
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「そ、そんな、やつが、奴が、奴が!!………いた、生きていた!生きていたァ!?」
大佐は酷く混乱していた、殺したと思っていた奴が生きていたからだ。
「何で!?何でなんだよ!どうして生きているんだよ!!」
呉の提督の10強はこれ以上に無い程に頼もしく戦力としては最高峰のものだ。だが敵に回るとこれ程恐ろしい存在はいないだろう。
10強の時雨はありとあらゆる装甲を貫き、何者であろうと消し去る、文字通りの暴力…彼女の前では何者であろうと無力と化すだろう。
10強の響は不死身であり、どれだけ傷付けようと無傷で戦場を駆ける、またそれの影響か立体的な動きを可能としてる為に動きが読めない。
10強の瑞鶴は無限の射程と艦載機を持ち姿を見せる事なく、敵対する者を沈める、彼女相対したら最後…一方的に攻撃され沈められる。
10強の大井は誰よりも高威力で数が多い魚雷で数多の敵を骸にする、また仲間を傷付ける分だけ威力が増す。
10強の阿武隈は一度見失うと索敵にも掛からずに敵を沈める生粋の暗殺者、更に戦闘力も10強の中では恐ろしく高い。
10強の漣は対空と装備搭載に優れている、駆逐艦では明らかに詰めない物も重いの一言で済ませてしまい、全ての艦の装備を搭載できるのだ。
10強の日向は瑞雲の搭載数が異常尚且つ航空機じゃありえない軌道を実現させている、またそれらと同時に砲撃もするので手数も豊富すぎて手に負えない。
10強の青葉は戦闘力こそ低いがその情報収集能力の前で並び立つ者はいない、噂によると一度見たものは何であろうと記憶してるとの事だ。
10強の168は潜水艦とは思えない程のスピードを持ち、水中を駆逐艦同様かそれ以上の速さで動く、そしてこれでもかという位に魚雷を放つのだ、大井とはまた違った怖さがある。
10強の霧島も金剛型の霧島とほぼ同じ性能だが、違うのは相手のデータを取りそれを戦術に組み込み相手を意のままに操る事、彼女と青葉が組んだら悪夢そのものだ。
そして雪風、10強ではないが…時雨すら恐れる彼女…
そんな奴等がここへ攻めてくる!!!
「ひ、ヒィィ!!」
怖い怖い怖い!全身に鳥肌が立ちぶわりと汗が噴き出してくる。額から垂れ落ちる汗が目に入り痛む。どうしようもない恐怖が、絶望が、これでもかという程に溢れて止まらない!
だらしなく鼻水を垂らし、涙を垂らし、恐怖で口が閉じず震えて中の涎も溢れてくる。呼吸すら忘れ、酸素不足で頭も痛む。
それ程に怖い、それ程に恐ろしい、それ程に…知っている。奴等の実力、そしてそれらが成した功績を。功績とは実力を知る良い材料だ…ましてやそれが全人類にとって希望なり得る存在なら、この道の者は誰もが知っている。
雪風に関しては知る人ぞ知る存在だが、10強は誰もが知る英雄だ。だが今の自分にとっては自らの命を狩に来る死神以外の何者でもない!!
だからこそ大佐は考える。生き延びる道を…だがどう足掻いても思い付かない。呉の提督だけではなく横須賀と佐世保の提督まで敵に回してしまった。そして大本営が下した死罪という事実。自分は確実に生き残る道を……いや、まだ手があった。その事を大佐は考えた。
一応人質はいる。佐世保と横須賀の提督は止められるかもしれないが、呉の提督はそれでも止まらない。彼は口では黒を名乗っているので、必要な犠牲と割り切る可能性も無いとは言えない。そして佐世保と横須賀の提督も止まらないとは言えない。二人もまた軍人なのだ。最早これまでか…そう思ったら、ある考えが芽生えた。
「そ、そうだ、僕にはいるじゃないか!同士が」
自分と同じ黒の鎮守府。そこへ助けを求めれば良い、そうすれば自分は助かる!その為には時間稼ぎが必要だ。
なに、時間稼ぎなら適役が大量に存在する。そいつらを使えば自分が逃げ出せる時間は充分用意できる!そう考えた大佐は早速行動に移した、全ては自分が生き延びるために。
「さあお前ら…仕事だ!」
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だが大佐は知らなかった。逃走経路にある人物がいる事を…
彼の名は
この清霜は金髪で眼の色が翠色と、普通の清霜とは違う。そしてその能力も他の清霜には無いものを持っていた。そしてもう一つ違うのは普通の清霜よりも胸部装甲が…大きい。
「ねーかずまー、暇だから遊んでよー」
「ちょ!?今見張りの途中って胸!胸当たってるって!!」
そんな彼女は緊張感ゼロで舞鶴の提督にのしかかっている。その柔らかさに顔を赤くするが、直ぐに清霜も引っぺがした。
「ぶぅ〜」
そんな彼に如何にも不満ですと言わんばかりに頬を膨らませる。そんな彼女にぽんぽんと頭を優しく撫でて我慢してくれと言う。
「一真さん、動きがありましたよ」
そんな彼にもう一人の感娘である古鷹が舞鶴の提督に報告をする。どうやら大佐の感娘が出撃したようだ
「よし、このまま見張りを続けるよ。奴が逃走したらちょっと手荒になっちゃうけど拘束するからね」
「そんでそんで何時もの決め台詞言うんだよね?俺はスーパーコマンダー雨宮一真だ!って!あれカッコイイよね!!」
「ま、まあね」
清霜の屈託の無いキラキラとした笑顔に照れつつ答える舞鶴提督。そんな様子を微笑ましく思いながら古鷹は見守っていた。
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そして、舞台は終幕へと続く。
呉の海色海斗
横須賀の柳林鈴音
佐世保の空色陸斗
舞鶴の雨宮一真
彼等は共闘する。ただ一人の男に引導を渡す為に
今回で10強それぞれの能力が明かされました。皆様が思う敵に回したくない子は誰でしょうか?
個人的には青葉ちゃんですね、情報は武器ですので…