とある世界の無限剣製《ブレイドワークス》   作:中田魔窟

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 良く知りもしない相手に部屋を触らせたくなかったのか、単純に一つの部屋全てを片付けさせるのは大変だからか(恐らく後者だと思われるが)、自分達も手伝うといって聞かなかった上条夫婦を、

 

『外に出て気分転換でもしていて下さい。大丈夫です。俺一人でやれますんで』

 

 なんて丸め込みながら、半ば強制的に外へ出て貰った(理由は俺の行う方法を一般人に知られない為だ)。

 刀夜さんから居間で起こった爆風が凄まじいものだったと聞かされていたので、その部屋以外にもガタがきた箇所が他にないか見たいと言って敷地内を歩き回る。

 …最も、それは建前でしかない。

 そもそも二階にいる間に魔術によってこの家の現状は完全に把握済みであり、直接肉眼を用いる必要は皆無だ。

 それでもわざわざ敷地内を歩いているのは本題はコレである。

 

「――隠せ(Opila)

 

 上条家の敷地内に構成した結界を起動するため、最後に配置に使わずに手元に残しておいた石に魔力を通し、最後の一節を告げる。

 家の敷地内に計八箇所に配置した礼装の正体は刻印(ルーン)だ。

 ルーン文字は古代のゲルマン語圏の表記に用いられた文字であり、神話においては北欧神話の最高神オーディンが自らを木に吊るし体に槍を突き立てる苦行の末に会得したと言われる魔術刻印である。

 この魔術系統は文字一つ一つが意味と効果を持っており、バリエーションに富んだ術を使用する事が出来る。

 俺が発動させたルーンは人払い(Opila)。『何故かここに近付こうと思わない』様にするという、一種の簡易結界である。

 

「…相変わらず酷い出来だ」

 

 この礼装の製作者が作れるであろう結界の完成度のおよそ六割程。

 

「いやに調子が良いからもう少しいけると思ったのだが…」

 

 元々得意でもない魔術系統の上、結界作りも不得手であることを差し引いたとしても、だ。

 本体である為か生前死後を含めて最高のコンディションである上に、数多くの魔術師が所属する魔術協会でもその名を轟かす一流の人形師が、魔術協会支部に存在するオリジナルを忠実に模した一級品の礼装を使用してこの有り様だ。自分の不器用さには慣れてはいるが、辟易してくる。

 

 ―――最早言うまでもないだろうが、人払いの為にルーン魔術を施したとはいえ、ルーン魔術は本来苦手とする魔術系統である。

 それなら何故使ったのかというと、そもそも独力で結界を構成出来ないという欠点のせいだ。

 別に鍛錬をサボったわけではない。サボらず鍛錬し続けた上でこれなのである。その鍛錬の末に会得したイロハでこうして礼装頼りではあれど結界を作れる訳だが。

 此処まで俺がへっぽこなのには理由がある。

 一つ目に、俺には魔術師としての才能がない。

 この時点で本来の()()()としては致命的に終わっているのだが、ただ俺には()()使()()としての生き方は残されていた。

 魔術師と魔術使いとの違いは魔術の技量でも才能でもなく、ひとえに魔術に対する向き合い方の違いだ。

 魔術師は魔術を学問とし、探究することで全ての始まり、究極の知識へと至ることを目的としている。

 だが魔術使いは違う。魔術を学問ではなく単なる一つの道具として、己が目的を達成せんが為にのみ学び、高め、扱うのだ。

 そういう意味で俺が扱う魔術は学問としては異端(ゲテモノ)すぎるが、道具としてはそれなりに優れていた。

 『構造把握』が良い例だ。あれは難易度としては初歩の初歩であるが、本質や患部のみを重視する魔術師にとっては目に見える全体の構造を知る魔術など無用の長物でしかない。結果早々に切り捨てられるかそもそも相手にされない魔術だ。

 だが俺はそんな魔術を、魔術師に言わせれば無駄に高い次元で扱える。

 基本となる点と線で描かれた設計図はもとより、構成する材質、作られた理由とその製作工程、誰がどのように使っていたのか、作られてからの年月。これら全てを読み取れるのだ。

 確かに魔術師(がくもん)の側から言わせれば無駄の極みに見えるだろうが、ただの道具として見ればどうだろう。物の価値が一瞬で分かるだろうし、ものが壊れた時どこが壊れたのかもすぐに分かるだろう。道具としては十分活躍するのである。

 (まさ)しく魔術師と俺の関係がこれで、 簡単に説明すると魔術師として扱えるべき魔術はあまり扱えないが、特化した魔術のみ高いレベルで習得しているという言うなれば一点特化型の魔術使いということになる。

 そしてその無才に拍車をかけるのが二つ目の理由、俺の特異な魔術属性だ。

 魔術属性は魔術師が扱う魔術の方向性を決定するモノで、殆どの魔術師が地水火風空、又は木火土金水の五大元素等の世界を構成する一元素のいずれかを背負うことになる。

 中には二重属性や五大元素(アベレージ・ワン)等複数の属性を背負うものもいるが、大概の魔術師は五大元素の範疇から外れることはない。

 しかし、ごく稀に『虚』や『無』等の架空元素、『五大元素』から更に分化した特殊な属性を背負う者も現れる。

 俺はその後者で、魔術属性は“剣”。

 魔術の根本を“剣”と規定された異色の魔術使いなのである。

 魔術師は基礎的に自分の持つ属性の魔術しか扱えない。だから、魔術師達は属性にあったアプローチで、様々な魔術を習得していく。

 だが、エミヤシロウは“剣”という属性を持つ異端である。(おれ)の様に特殊な属性を持つ魔術師はその道のスペシャリストになれる反面、中央(スタンダード)に入れない。長きに渡って蓄積されてきた魔術の英知の恩恵に(あやか)れず、普通の魔術師が扱える魔術の大部分が使えない回路(からだ)になっている。

 実際、俺が礼装の補助無しで使える魔術の中で()の意味でオーソドックスな魔術と言えば、初歩の初歩である『魔力感知(まりょくかんち)』と『魔術抵抗(まじゅつていこう)』くらいのもので、己の方向性が分からなかった頃一通り学んでいた魔術は全く使えなかったか著しく効力が弱いかで、熱心に指導してくれた魔術の師には申し訳なかったことを朧げながら覚えている。

 もう少し詳しく説明するならば、魔術特性に触れて置かなければならない。

 魔術特性というのは、属性に加える事で魔術の効果を決定する要素だ。

 魔術特性の数は膨大であり、『変化』『束縛』『転換』『万能』『虚数』等挙げればキリがない。

 魔術特性は一人に一つという様な原則はないが、優秀な魔術師はより多くの特性を持っているものだ。また、魔術特性は個人というよりは家系が持つものでもある。何故ならそれは一族が長年に渡り研究し続けてきた方向性と同義であるからだ。故に属性が同じでも得意な特性やその逆もあり得る。

 俺にも扱える魔術特性は『強化』や『投影』等他にも幾つかある。しかし、いかなる方向を与えたとしても、元が『剣』なら先も『剣』。総じて剣に関する事柄に特化する。

 …結論として、使える魔術の根本が“剣”なのだから人払いやら結界やらといった“剣”とは方向性を違えた魔術を満足に使える訳もない、ということだ。

 以上、独力では結界一つ張れない三流魔術師止まりである所以である。

 しかし、俺とて使えないから諦める、等と潔い性格はしていない。異端には異端なりの方法があるというもの。

 それを良く表している例がルーンである。

 ルーンは石や紙、時には空中にさえ刻みその文字を魔力で染め上げると効果を発動するのだが、普通に俺がそこらの石にルーンを刻んだとしても俺自身がその魔術式に対応していないため、魔術として扱える代物にはならない。

 しかし、そのルーンを刻んだ者が俺ではなく他の魔術師がやったモノで、尚且つ術者の制御に拠らぬ礼装であれば話は別だ。

 礼装とは魔術礼装(ミスティックコード)の通称だ。礼装には予め高度な術式が刻まれており、術者の魔力を動力源にして定められた能力を発揮する限定機能を備えた限定礼装、魔術師の魔術行使を増幅・補充し、魔術師本人が行う魔術そのものを強化する増幅機能を持つ補助礼装があり、全ての礼装はこの二つ内のどちらかに属している。

 俺の使っているルーンはその中でも限定礼装に属しており、俺がルーン魔術師でなくとも扱える訳だ。今回は同じ文字を沢山用意して効果と範囲を上げるだけで、難易度はそう難しくはない。

 …そんな事を言っていながら腕前は見ての通りなのだが。

 

「ま、一般人相手ならこれで十分だろ。…さて、あの二人もそろそろ出かける頃合いか」

 

 人払いした後は速やかに家へと入る。

 多分、上条夫妻は家に何故か家に入り辛くなった筈である。

 やった結果だけ見れば、『俺が魔術を使って家人を追い出している』というあまり嬉しくない図ではあるがコレは魔術の隠匿の為、仕方ないことだ。

 数瞬の後、玄関先から話し声が聞こえてきた。

 

「よし、士郎君が頑張っている間に差し入れでも買いに行こうか母さん」

「そうですね。一人に任せっきりですからそのくらいはしてあげましょう。アイスクリームで良いかしら」

 

 間もなく、二人の靴音は次第に遠ざかっていく。

 …もう確信しているが、やっぱり一般人だよなーあの二人。

 何故入れなくなったかなんて疑問に思ってもいない様だし。そもそも魔術師なら使い魔の一匹や二匹は監視に残して置いて俺を野放しにする事もないだろうし。

 

「よし…」

 

 ブロロロ、と車のエンジンがかる音まで確認して、素早く召喚の影響で壊れたと思われるリビングへと入る。

 

「……、」

 

 …酷いの一言だった。

 数ある家具は一部を除き、全てどこかしら破損しているし、天井や床、壁、窓ガラスも所々砕けているし、何かが勢い良く飛ばされたのだろうと思われる場所には大小様々なへこみが無数に出来ている。

 儀式中の魔力の暴走が原因なのだろうか。

 想像を絶する量があったと思われる魔力自体は大気へ帰化してしまっていて推測するしかないが。

 

「ふむ…」

 

 …話を聞いた限りでは恐らく、刀夜さんが何も知らずに術式を乱してしまった事によるものだろう。そのせいで引き続き儀式に使われる筈だった魔力が行き場をなくし『儀式場』になっていたリビングを傷つける形でその役目を終えたのだ。

 本来魔術が失敗しただけなら何の効果をもたらさず霧散するものだ。しかし、此処で行われたのは英霊を完全な形で召喚する外法。明らかに正規の魔術の手順など踏んではいないだろう。どの様な事が起きても不思議ではない。そういう意味ではこの結果は幸いなものであったのかもしれない。

 もう一つ幸いだったのは儀式が始まってすぐに儀式場を崩していなかった事か。もしそうしていたら部屋どころか周囲の建物もろとも吹き飛んでいたかもしれない。

 

「にしても、意図的にやった訳ではないけど罪悪感が…」

 

 俺が召喚されなければこんな事にはならなかったというのに。しかし何故召喚者はこの家を選んだのだろうか。変わった点があるとすれば変わった置物やお守りが多いというだけだ。適当見繕ったなどと白状した日には発見次第即刻、罪を償って貰おう。別の理由でも変わらないが。

 

「…時間もない。すぐ修理に取り掛かるか」

 

 部屋の隅にまとめられていた家具の中で、足の折れたテーブルに近付き、下に置かれていていた机の足を拾い上げる。

 

「――同調(トレース)開始(オン)

 

 まずは 『構造把握(こうぞうはあく)』を使い、テーブルの設計図を脳内に再現する。

 

「――構成材質、鑑定。――基本骨子、想定、っと」

 

 記憶を呼び覚ます様に一つ一つの手順をゆっくりとこなしていく。

 本当は人が帰ってくるまでの時間が分からない以上、少々急ぐ必要があるのだが、まだ自身が本調子でないことも考慮し一節一節を確認しながら作業することにしていた。

 

「――想定終了。――破損部位、修復開始」

 

 今使った『修復(しゅうふく)』は『構造把握(こうぞうはあく)』から派生した魔術だ。

 詳しく説明するまでもないとは思うが、一応説明すると、名の通り物体を復元する魔術である。

 修復(コレ)に関して言えば、俺の性に合っている様で、『構造把握(こうぞうはあく)』ともう一つの派生である『開錠(かいじょう)』と合わせて俺の得意な魔術だ。

 大元の『構造把握』からして多くの魔術師にとっては無駄と切り捨てられるマイナーな魔術ではあるが、俺にとっては最も扱いなれた魔術である。初めて才能があると師匠(ひと)に褒められたのが、とても印象に残っている。ただし、“無駄な”が付くが。

 

「――――全工程(トレース)完了(オフ)

 

 イメージの設計図を解体し、集中する為に閉じていた目を開く。視界には傷にまみれた上、足が折れてしまっていて見る影もなかった元の状態まで戻ったテーブルがあった。

 肉眼でも確認してみるが、どこにも違和感はない。

 

「うん、上出来だ」

 

 不出来だったルーンとは大違いである。

 

「この調子で、全部済ませてしまおう」

 

 それから後は迅速且つ的確にことを進めた。

 床は破片を再利用して元に戻し、手が届かない位置にある壁と天井は元々の材質を無理のない程度に引き伸ばし傷を埋め、そこに再度魔力を通し構造を補強した。

 次に壊れた写真立て、傷ついた椅子、割れた窓、穴の開いた棚、砕けた置物などをほぼ同時進行でささっと復元。

 それだけでは物足りなかったので箒を複製して掃き掃除をしたり、雑巾を複製して拭き掃除したり、置物を綺麗に並べたりした。

 この時驚いたのが部屋にある置物の数だ。

 この部屋だけでも千点以上。一番時間をかけたのが置物だったくらいである。思い返せばあの寝室の至る所にあった気がする。

 後、修復には正確な情報が必要なので一つ一つ解析していたのだが、どうもこの中にあるもので日本産のものは少ないようだ。

 中近東のお土産であるファーティマの手、ナザールボンジュウ。

 アメリカのお土産であるココペリのアクセサリー、ドリームキャッチャー。

 アフリカのお土産であるグリグリ。

 その他にも古今東西から集められた多種多様なお守りがあった。

 あくまで商品としてのお守りであって魔術を扱える様な物品ではないが、それでもこの数には圧倒される。

 旅行好きか、はたまた仕事上海外へ行かざるをえないのか。どちらにせよ、お土産を買ってくるのが趣味なのだろう。

 

「こんなもんかな…。―――其等、即無也(クリア・ゼロ)

 

 とりあえず、無駄に思考回路を働かすのはここまで。家の周りに配置していたルーンを消した後、部屋の中心から見回す。

 元の家具の配置は分からないが、出来るだけ自然な感じに配置してみた。置物に関しては全く分からなかったので、後々刀夜さん達に手伝って貰うしかない。

 少し心残りだが、それでもあの惨状からここまで綺麗に直せたのだから彼らからしたら万々歳なのかもしれない。

 いや俺が一番心配すべきなのは幾ら何でも早すぎる復旧に対するお二方への対応か。

 まあ、結論なんて、なんとしてでも誤魔化す。それ以外にないが。

 

「例え、不自然極まりなくとも壊しておいてそのまま放置しておくなど、神と仏と上条夫婦が許そうとも俺自身が許さない。…ん?」

 

 と、久々の掃除の後の余韻に思わず独り言ちてしまっていたが、体に違和感を覚えた。

 

「魔力が全快している…?いや、『全快』どころじゃない、魔力貯蔵量自体が数倍になっている…?」

 

 ――何故今まで気付かなかったのか。

 この部屋の修繕に当てた魔力は元々の総魔力量から見ても微々たるモノだが、この回復スピードは異常だ。だが、それを遥かに凌駕した事態がこの体に起こっている。

 今の自分の状態を思い返す。

 今の身体は『分身』ではなく、偉業を成し遂げた、或いは世界と契約して英霊となった英雄達のいる外界とも時間とも切り離された『英霊の座』から引きずり出されてきた英霊そのものだ。

 『分身』だと自身による魔力生成に不可欠な魔術回路に大きな制限(リミッター)を掛けられる。依り代となるマスターからの魔力供給がなければ、大気からの大源(マナ)を取り入れにくくなり、現界し続けるだけでも魔力を消費する『分身』はあっという間に消滅する。

 しかし『本体』で現界している今はそれがない。

 そして、使い魔(サーヴァント)目的の分身ならともかく、『抑止の守護者(カウンターガーディアン)』に組み込まれた俺自身が『世界(アッチ)』と繋がっていないわけがない。

 良く調べてみると、守護者としての召喚時には及ばないものの現界する分には十分な量が俺の中に流れ込んできている。

 

「だとしても、貯蔵量がこんなに増えるのは流石に異常だ、っと」

 

 貯蔵量(キャパシティ)を超えても依然衰えず魔力が流入し、外界に漏れ出しそうになるのを何とか押し留める。

 これは聖骸布(魔力殺し)を纏わねば周囲にまで影響を及ぼしかねない。先程まで平然としていられたのは、魔力生成に必要不可欠な回路を閉じていたのと、不完全な召喚のおかげで魔力が枯渇していたからか。

 ――しかし釈然としない。

 『世界(ガイア)』は矛盾を嫌い、綺麗なままであろうとする意志を持っている。

 それにも関わらず、不自然な状態で召喚された俺に最低限度の魔力を超える程の魔力を供給する理由が分からない。

 もしかしたら、これも『世界(ガイア)』の意思なのだろうか?

 そうだとしても意志を与えられている時点でおかしい。頑張ってたから休み上げるよー、なんて筈はない。

 それに『世界』から送られてくる魔力とは別の、この世界から直接取り込んでいる大源(マナ)だが、なんだか妙な感触がする。何と言えば良いのだろうか…力強さは普段の魔力の比ではない癖に、魔力としての気配が希薄だ。いや、慣れ親しんだ魔力とは異なる質感に体が順応出来ていないのか?ならば暫く気付けなかったのも納得だが…。

 

「…謎だ」

 

 そこまで考えた時、外からエンジン音が鳴り響いてきて、近くで停車、ドアの開閉の音が聞こえてた。

 数秒後に玄関が開き、ただいまー、という男女一組の声が聞こえてきた。

 どうやら上条夫妻が帰ってきた様だ。

 

「ふん…。まぁ、すぐ現界出来なくなるなんて心配しなくても良いって事か。じゃあ、いつでも考えられる事は後回しにして、とりあえず、」

 

 リビングと廊下を繋げる扉が開くまで、綺麗な部屋(げんじょう)をいかにしてあの人達に納得させるか、全力で思考を働かしておこう。

 …あ、ついでに警察に連絡するのもやめて貰お。




プロフィール更新
〔固有スキル〕
〔陣地作成〕:D-
 魔術師として、自らに有利な陣地を作り上げる。
 “結界”の作成が可能。
 彼は魔術的な陣地作成の他にも物理的な罠構築の技能を備えているため、対人性能を向上させることが出来る。但し、彼が良しとするのは相手を追い返すことを目的とした罠だけである。
〔魔術〕
〔属性〕:剣 〔特性〕:剣 〔系統〕:構造把握系統の各種魔術
〔修復〕
 『構造把握』の派生魔術。
 モノを元の形へ直す。
 時間が経てば経つ程にその形が定着してしまう為、修復が難しくなる。
 人体にも行使可能だが、治癒魔術とは異なり補う事は出来ず、繋ぐことしか出来ない故に元通りには出来ない。
〔開錠〕
 『構造把握』の派生魔術。
 鍵によって閉じられたモノを開く。
 対象への理解、 解析深度の具合によっては電子機器の類にも応用出来る。
〔特性・体質〕
〔魔術属性〕:剣
 得意とする魔術の属性。
 『地水火風空』『木火土金水』の五大元素、『虚』『無』等の架空元素がある。
 属性は一人につき一つが基本で、二重属性は珍しい部類。五大元素を全て扱えるアベレージ・ワンは、架空元素使いと並んで奇跡と呼ばれる存在。
 その中で剣属性は五大元素、架空元素のいずれからも外れた特殊な属性で、五大元素の扱いは不得手。その上、確固とした魔術基盤も築かれておらず、使いこなせる魔術は非常に少ない。ただ、特異な属性を持つものはその分野の高い境地に至ることが出来るとされ、彼も例に漏れず、優れた構造把握など常識はずれの魔術を得意とする。
〔魔術特性〕:強化、投影
 魔術の効果を決定する要素。
 『強化』『投影』『転換』等多種多様なものがあり、自身の属性に特性を与えることで様々な魔術を行える。
 これは属性とは違い、一人に一つではないが得意とする特性があり、優れた魔術師ほど多くの特性を扱える。
 彼は『剣』に特性を与える為、剣やそれに近しい武具の類に対して特に効果を発揮する。
〔魔術礼装〕
ミスティックコード。
魔術の儀礼に際し使用される器具の総称。単に礼装とも呼ばれる。
機能は大きく二系統に分類されている。一つが魔術行使を増幅・補充し、魔術師本人が行う魔術を強化する増幅機能を持つ『補助礼装』、もう一つはそれ自体が高度な魔術理論を帯び、魔力を動力源として起動して決められた神秘を実行する限定機能を持つ『限定礼装』の二つである。
〔Other Weapons〕
〔ルーン石〕
 魔石にルーン文字を刻んだもの。
 元々は、以前魔術協会に所属していた封印指定の人形師謹製。ある機会に彼が目にし、己のモノとした。
 トゥーレ協会に保管されている十八文字の原初(オリジナル)のルーンに加え、太陽のルーンと呼ばれる独自の文字があり、非常に優れた能力を持っている。

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