今、俺と神崎は震えていた。何故なら……
『バァァァァァァァァッ!!』
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
「キャアアアアアアアッ!!」
何でジェットコースターなのにモンスターがいるんだよ!? 何でここの遊園地は恐怖心を煽る乗り物しかないんだ!? 誰か教えてくれ!
『『『ガァァァァァァァァッ!!』』』
「「増えたーーーーー!!??」」
本当に何なんだよ、ここは!?
*
透&実乃里ペアが乗り物に乗って恐怖心を煽られている頃……
「「あ」」
「なんや、小雪と不動院君やないか」
「……偶然」
煉馬&逢歌ペアと、燐&小雪ペアが出会っていた。
*
「ハァッ……つ、疲れた……」
「何て言うか、乗り物に乗るのが怖くなってきた……」
「それについては同感だ……」
確かに今、乗り物に乗るとさっきみたいになると、勝手に脳内変換が行われているんだよな……。
なにか、恐怖心を煽られない乗り物は……あ。
「神崎、あれはどうだ?」
俺が指差したのは、童話のキャラを使っている乗り物だ。
童話なら恐怖心を煽られるようなことはないだろうし。
「まぁ、あれなら大丈夫だろうし……うん、行こっか」
そして俺達は、再び遊園地の乗り物にチャレンジすることにした。
「えーと、パンフレットには『赤ずきん、ハーメルン、ピノキオ、白雪姫を使っています』って書いてあるよ」
「……………は?」
なんだ? そのメンバーは。
特に白雪姫とか、嫌な予感しかしないんだが……。
そしてその予感は、見事に当たってしまった。
~しばらくお待ちください~
「「…………………」」
……え、感想? しいて言うなら『予想通りだった』だな。
だって、子供向けに作られた話じゃなくて、昔の怖い方の話を中心として作られていたんだから。
特にピノキオや白雪姫とかは本当にアウトだ……。
あ、ヤバい。思い出しただけで震えが……。
「……なんか、食べるか……」
「うん、そうだね……。できるだけゆっくり食べようか……」
俺達はふらついた足取りで、遊園地内の店へ向かった。
*
透&実乃里ペアが精神的に死んできた頃、偶然会った煉馬&逢歌ペアと燐&小雪ペアは……
「ここ、すごい楽しい乗り物ばっかりだな!」
「ほんま最高やで!」
「……オススメスポット」
「チケットが手に入ってよかったね♪」
遊園地の乗り物をかなり楽しんでいた。
ちなみにその乗り物は透達が1回乗った、ジェットコースターだったりする…。
*
「はふぅ……」
「生き返った……」
俺達は飲食をして、精神的に完全ではないが、さっきに比べたらかなり回復できた……。
つーか、こんなことをやっているうちに、いつの間にか5時を過ぎていた。
「次で最後にするか。勿論、安全な乗り物で」
「う~ん……あ、あれはどう?」
そう言って神崎が指差した乗り物を見て、俺は硬直した。
その乗り物は、俺が今までの中で1番恐怖したと言っても過言ではない乗り物である……
「……っ!!??」
――――観覧車だった。