君と歩む世界   作:ゆん

11 / 21
デート(恐怖)はまだまだ終わらない

今、俺と神崎は震えていた。何故なら……

『バァァァァァァァァッ!!』

「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「キャアアアアアアアッ!!」

何でジェットコースターなのにモンスターがいるんだよ!? 何でここの遊園地は恐怖心を煽る乗り物しかないんだ!? 誰か教えてくれ!

『『『ガァァァァァァァァッ!!』』』

「「増えたーーーーー!!??」」

本当に何なんだよ、ここは!?

 *

透&実乃里ペアが乗り物に乗って恐怖心を煽られている頃……

 

「「あ」」

「なんや、小雪と不動院君やないか」

「……偶然」

 

煉馬&逢歌ペアと、燐&小雪ペアが出会っていた。

 *

「ハァッ……つ、疲れた……」

「何て言うか、乗り物に乗るのが怖くなってきた……」

「それについては同感だ……」

確かに今、乗り物に乗るとさっきみたいになると、勝手に脳内変換が行われているんだよな……。

なにか、恐怖心を煽られない乗り物は……あ。

「神崎、あれはどうだ?」

俺が指差したのは、童話のキャラを使っている乗り物だ。

童話なら恐怖心を煽られるようなことはないだろうし。

「まぁ、あれなら大丈夫だろうし……うん、行こっか」

そして俺達は、再び遊園地の乗り物にチャレンジすることにした。

「えーと、パンフレットには『赤ずきん、ハーメルン、ピノキオ、白雪姫を使っています』って書いてあるよ」

「……………は?」

なんだ? そのメンバーは。

 

特に白雪姫とか、嫌な予感しかしないんだが……。

 

そしてその予感は、見事に当たってしまった。

 ~しばらくお待ちください~

「「…………………」」

……え、感想? しいて言うなら『予想通りだった』だな。

だって、子供向けに作られた話じゃなくて、昔の怖い方の話を中心として作られていたんだから。

特にピノキオや白雪姫とかは本当にアウトだ……。

 

あ、ヤバい。思い出しただけで震えが……。

「……なんか、食べるか……」

「うん、そうだね……。できるだけゆっくり食べようか……」

俺達はふらついた足取りで、遊園地内の店へ向かった。

 *

透&実乃里ペアが精神的に死んできた頃、偶然会った煉馬&逢歌ペアと燐&小雪ペアは……

 

「ここ、すごい楽しい乗り物ばっかりだな!」

「ほんま最高やで!」

「……オススメスポット」

「チケットが手に入ってよかったね♪」

 

遊園地の乗り物をかなり楽しんでいた。

ちなみにその乗り物は透達が1回乗った、ジェットコースターだったりする…。

 *

「はふぅ……」

「生き返った……」

俺達は飲食をして、精神的に完全ではないが、さっきに比べたらかなり回復できた……。

つーか、こんなことをやっているうちに、いつの間にか5時を過ぎていた。

「次で最後にするか。勿論、安全な乗り物で」

「う~ん……あ、あれはどう?」

そう言って神崎が指差した乗り物を見て、俺は硬直した。

その乗り物は、俺が今までの中で1番恐怖したと言っても過言ではない乗り物である……

 

「……っ!!??」

 

 

 

 

――――観覧車だった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。