ガンダムビルドファイターズ 勝利の栄光をヅダに!   作:MR.ブシドー

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模型部の全員+αカラオケに行き、親睦を深めていた

育まれる絆が、勝利へと繋がると思いながら


私達の切り札は貴方よ

 今現在、亮達蒼城学園模型部は大変盛り上がっていた。

 全員集まってカラオケに行くと順番に歌い出し、得点を競ったりしながら賑やかな時間を過ごしていた。

 

 

「さてと……そろそろ本題に入りましょうか」

 

 

 歌い終え、ジュースを一口飲んだ桜がそう切り出す。

 いきなりのことで首を傾げる亮と志織。晃はわかっていた様子だが、愛は構わず注文した料理をモリモリ食べていた。

 

 

「本題あったんですね、先輩」

「なによ……私が何も考えてないみたいに言わないでよ」

 

 

 桜は亮を睨み付け、「まぁいいわ」っと溜め息をつきながら言うと、真面目な様子で全員を見渡す。

 

 

「本題っていうのは、来月行われる地区大会についてよ。私達、蒼城高校は毎年出場してるけど毎回初戦敗退しているわ」

「だからこの前の廃部騒動な訳ですね……結果が残せていないから」

 

 

 この前の黒星高校との練習試合を思い出しながら、亮はそう呟く。

 学校側も結果が残せない部活動に部費を出すくらいなら、廃部にしてしまえと思っていたのであろう。

 

 

「晃や愛ちゃんはルール知ってるから問題ないと思うけど、新入部員の2人は知らないと思うから説明するわよ?」

 

 

 そう言って桜から説明された大会のルールはこうであった。

 大会はチーム戦であり、各学校で3人1組のチームを組み1対1で戦う。

 勝敗は先に2勝した方の勝利となるなど簡単に教えられた。

 

 

「なら1番手、2番手に強い人を置いて……3番手は予備って感じですかね?」

「だいたいの学校はそうしてくるわね。逆にしてくる所もたまにあるけど」

「なるほど……」

 

 

 納得した様子で亮はあることを考えた。

 それはあの部長に関してである。

 

 

「思ったんですけど、あの変態部長は出ないんですか?」

 

 

 亮の一言に桜と晃は固まってしまう。

 気まずい雰囲気になったことで、これは聞いてはならないことだったようだと亮は悟った。

 

 

「えっと……聞いたら不味いことだったですか……?」

「い、いや……あのね?」

「いずれ言わないといけない事だもんね……ボクから言うよ。部長は……大会には出れないんだ」

 

 

 その一言に、今度は亮と志織が固まってしまった。

 まさか大会に出ないのではなく、出れないとは思わなかったからだ。

 

 

「あ、あの……もしかして……何か身体的な……問題が……?」

 

 

 恐る恐る尋ねる志織の言葉に、晃は首を横に振る。

 

 

「部長が大会に出れない理由は…………留年してるからなんだよ。それも1度や2度じゃなくて……」

「は?」

「え?」

 

 

 あまりにも予想外の言葉に唖然となる2人に、桜と晃は呆れたように溜め息をついた。

 そう、部長である双雲は何度も留年しており、なので高校生の大会などの学生大会に出ることは許されないのだ。

 

 

「まさか留年とか……いいんですか、そんな人が部長で?」

「……仕方ないじゃない」

「なら部長は今何歳なんですか?」

「確か……今年で20歳だよ」

「何回留年してるんだよ……」

 

 

 今度は亮が溜め息をつき、志織は苦笑いを浮かべていた。

 まさか20歳になるまで高校を留年しているとは、誰も思わないだろう。

 

 

「だからといってじゃないけど……私達の切り札は、貴方よ」

「俺が……切り札……?」

 

 

 桜の真面目な様子で言われた一言に亮は驚いた。

 まさか自分が切り札と言われるとは思わなかったのだ。

 

 

「私も……信頼してる」

「ボクもだよ。亮くんは強いしね」

「愛、晃……」

 

 

 愛は料理を食べながらだが静かにそう言い、晃もそれに続く。

 その様子を見ていた美桜は微笑んで、嬉しそうにしていた。

 

 

「流石だね、兄さんは……こんな短期間でこんなに信頼されてるなんて」

 

 

 自分の事のように嬉しそうにする美桜の頭を撫でてから、亮は全員を見渡す。

 

 

「なら、俺はその信頼にキチンと応えてみせるさ」

 

 

 そう言うと握り拳を作り、突き出した。

 愛、晃、桜、志織の全員は頷き、手を合わせる。

 そんな様子を美桜は羨ましそうに眺めていた。

 

 その頃…とある高校でガンプラバトルが行われていた

 

 

「し、信じられない……ボク達があんな子供1人に……」

 

 

 左腕やファングなどを失い、ボロボロな状態のリボーンズガンダムの周囲には仲間であった者達のガンプラが無惨な姿で転がっていた。

 

 

「こんな事が許されていいはずがない……ボク達は……」

 

 

 そう言いかけると、仲間を切り刻んだ小型の(ハサミ)のような物が飛んでくる。

 

 

「この……子供風情がッ!!」

 

 

 GNバスターライフルを向け、引き金を引こうとした瞬間に……腕は切り落とされた。

 

 

「な、に……」

 

 

 彼は驚き、その場から逃げようとするがアチコチを切り刻まれ、トドメと言わんばかりに大きな鋏に挟まれる。

 リボーンズガンダムはゆっくり自らの後ろを振り向き、その悪魔の様なガンダムを至近距離で目撃した。

 

 

「このボクが……敗れるなんて……!」

 

 

 その瞬間鋏は閉じられ、リボーンズガンダムは真っ二つになる。

 

 

「キャハ……キャハハハハハハハハハハハッ!」

 

 

 悪魔のようなガンダムから少女の笑い声が響き渡り、それに呼応するように血のような紅いGN粒子が翼のように広がった。

 亮達が彼女と戦うのは、そう……遠くないのかもしれない。




っと言う訳で最新話です

最後に出てきたのは友人がとあるキャラをモチーフに考えた改造機になります

ちなみにそれぞれキャラが歌った曲は……
亮-SAVIOR OF SONG(feat.MY FIRST STORY)
愛-ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~
晃-夜鷹の夢
桜-LAST IMPRESSION
美桜-海色

です!

次回は新たなるヅダの登場になります!
いや、まぁ……そんなに変わってないんですけどね……

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