ガンダムビルドファイターズ 勝利の栄光をヅダに! 作:MR.ブシドー
中々更新出来ずに申し訳なく思いますが、これには色々と理由がありまして…………
まぁ仕事が忙しすぎて書く暇がなかったりしただけなのですが
久しぶり過ぎて色々と可笑しいと思いますが、続きをどうぞ!
「調整はここまで、かな…………後は頼んだよ亮くん」
「これが新型のヅダ…………」
晃はギリギリまで調整していた黒色の新型のヅダを亮に手渡した。
晃が今できる限りの全てを注ぎ込んだガンプラである。
「機体名はヅダVD。まだ未完成の部分があるけど、機体性能は今までで一番いいよ。ぶっつけ本番になるけど大丈夫かな?」
「ぶっつけ本番には馴れてるから大丈夫だよ」
晃はヅダVDを渡す時に耳打ちをし、亮は頷く。戻って来た愛とハイタッチを交わし、筐体の前に立つと穂香が既に待っていた。
「まさかこの段階で僕まで回ってくるとはね…………君たちを侮っていたよ」
「油断とか、慢心をしてると足下をすくわれるっすよ?」
「ならせいぜいすくってみるんだな」
お互いにガンプラをセットすると再びプラフスキー粒子が月面を形成する。
「矢倉 亮、ヅダVD、出撃する!」
カタパルトから飛び出すと、前方からは緑色の粒子を放出するガンプラが接近してくる。
両肩にはダブルオークアンタのGNソードビットがマウントされている、GNシールドを装備しているダブルオーガンダム。
「クアンタムライザー…………気に食わないが彼が僕のために考えたガンプラだ。徹底的にやらせてもらうぞ」
「やれるもんならやってみろ!」
クアンタムライザーはGNシールドにマウントしたGNソードビット、計12基を射出し左右の腰にマウントしていたGNソードⅤを両手に持つと、ライフルモードでビームを放ってきた。
全方位から襲い掛かるソードビットと放たれるビームを紙一重で避けるもそれらは表面を掠めていく。しかしヅダVDは速度を緩めることなく、一直線にクアンタムライザーに接近していく。
「この距離なら!」
「こちらの距離でもある!」
射程距離まで接近したヅダVDは右手に持ったビーム・マシンガンを発射する。それと同時に左手に持った大型のシールド――六型丙が形を変え、クローになった。
対してクアンタムライザーは右手に持ったGNソードVをソードモードにし、左手に持ったGNソードⅤはライフルモードのままビームを放つ。そしてお互いに近接戦闘の間合いまで近づいていった。
ヅダVDを両断しようと襲い掛かるGNソードⅤを六型丙のクローモードで受け止める。僅かに動きが止まったヅダVDの隙を見逃さず、ソードビットが襲い掛かった。
「やられるかよ!」
背後から迫るソードビットがヅダVDに当たる前にクアンタムライザーの腹部に蹴りをいれ、上方に加速してソードビットを回避する。
クアンタムライザーが体勢を立て直すと同時にソードビットはGNシールドへと戻っていった。
「やはり君はそれなりにやるみたいだな。だから…………少しだが全力を出してあげよう」
再び計12基のソードビットを展開すると、それらはクアンタムライザーの周りを回り始める。
すると徐々に粒子の放出量が増え、穂香が小声で「トランザム」と言うと、クアンタムライザーは赤く発光した。
「そっちがそのつもりなら…………行くぞヅダ!」
クアンタムライザーがトランザムを発動させたのを確認すると、ヅダVDも負けじとブースト解放をして熱気を纏う。
ヅダ改より安定しているのだが、それでも1つのミスでエンジンが暴走して自爆してしまう危険性は高い。
お互い同時に動き出して武器をぶつけ合うが…………ヅダVDの方がクアンタムライザーに押されていた。
計12基のソードビットによる全方位からの攻撃、2本のGNソードⅤによる連撃…………まだ致命傷は受けてはいないのだが、このままでは負けてしまう。
「ほらどうした! 君の実力はその程度なのか!!」
「クソ! まだだ!!」
亮の脳裏には一瞬、相手のトランザムの終了まで耐え切れば…………との考えがよぎったが、この猛攻にヅダVDが耐えきれる確率は低い。今も限界ギリギリの機動をしているのだ。
「…………この程度のようだな。君には期待していたけれど、時間をかけることも無意味のようだ。次の一撃で決めよう」
半分の6基のソードビットがクアンタムライザーの元に戻って行き、右手に持っているGNソードⅤへと集まっていく。
「これで…………終わりだッ!!」
バスターライフルモードのGNソードⅤをヅダVDに向け、そこから極太のビームが放たれた。ビームはそのまま月面に当たり、それを振り回して月を斬り裂いていく。
大量の砂埃が舞い上がり、クアンタムライザーは同時にトランザムを解除して、ソードビットもGNシールドへと戻っていった。
「呆気ないものだな…………」
舞い上がっている砂埃を見つめ、穂香は期待していた分落胆してしまう。
会場中がもう終わったと思っていたが、蒼城学園のメンバーはまだ亮の事を信じていた。
まだ終わっていないと。
その瞬間…………砂埃の中から先ほどより熱い熱気を纏い、あちこちから放電を放つヅダVDが現れた。
そのスピードは先ほどより速く、クアンタムライザーとの間合いを一瞬で詰める。
晃がヅダVDに組み込んだ新機能……ヅダVDの限界を超えて加速するシステム、アンリミテッド・オーバー・ブースト――AOB。
「この瞬間を待ってたんだよ!」
ヅダVDの右手には改良型ヒート・パイル――電が握られており、突撃のスピードを維持したまま電をクアンタムライザーに撃ち込んだ。
「なるほど…………僕も少し油断してたみたいだな」
「チッ…………少しズレたのかよ!」
電の一撃はクアンタムライザーの左肩を奪ったが、向こうはまだ戦える状態なのに対してヅダVDは電を撃ち込んだ状態で止まってしまい、メインカメラからも光は失われていた。
一瞬だが限界を超えた性能を発揮したAOBの代償で、全ての機能が停止してしまったのだ。
「フッ…………今の一撃で全てを使いきったようだな。先ほどの言葉は撤回しよう…………君は僕の予想以上だったよ」
トランザム使用後で性能が極端に落ちているクアンタムライザーはゆっくりとヅダVDに近づき、右手に持ったGNソードⅤを振り上げた。
「頼む…………動いてくれヅダ! こんな所で…………まだ、まだ終われないんだよ!!」
「これで終わりだ!」
その亮の声に応えてか……メインカメラに再び光が灯り、ヅダVDは弾切れの電を投げ捨て降り下ろされようとしていたGNソードⅤを持ったその右腕を掴んでいた。
ヅダVDはクアンタムライザーを蹴飛ばし、何時まで動いてくれるかわからないためとっておきの新兵器である武器を左肩のハンガーユニットから取り出す。
「クッ! ソードビット!!」
「斬り裂けぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!」
左手に持った新兵器を振りながらトリガーを引いた瞬間、高出力のビーム刃がソードビットとクアンタムライザーをまとめて斬り裂いた。
「俺の…………勝ちだ…………」
「ああ…………君の、勝ちだな」
『Battle Ended』
会場からは今まで以上の歓声が上がり、激闘を見せてくれた二人を称える。穂香は負けたはずなのに満足そうにしており、ゆっくりとした足取りで亮に近づき握手を求めてきた。
「見事に足元をすくわれてしまったよ。私たちに勝ったんだから、絶対に優勝するんだぞ?」
「優勝してみせますよ。ヅダの勇姿を世界に届けたいですから」
亮と穂香はしっかりと握手をして、そこで今回のバトルの終了が告げられた。蒼城学園の勝利という結果と共に……。
最新話でした~どうでしたかね?
クアンタムライザーやヅダVD等の詳しい事は後日キャラクターの設定や、機体説明等で書いていこうと思います!
それではまた次話で会いましょう!