ガンダムビルドファイターズ 勝利の栄光をヅダに！

穿つ！

　爆煙が晴れると、ソコには左腕を失ったエクストリームガンダムがいた。

　亮のヅダは伸ばした手を強く握り締め、エクストリームガンダムを睨み付ける。

「あの二人は中々であったな！　さぁ次は貴様の番だぞ！！」

「ふぅ……美桜と霊香は覚悟を見せた。なら次は……俺の番だよな！」

　ヅダ改はブーストを解放し再び熱気を纏う。その熱気は今までよりも激しいように見えた。

　機体の限界、自壊するギリギリの所までヅダ改を動かす。

「ほぅ、覚悟を決めたようだな？　ならば私に見せてみよ！」

　ライフルから放たれたビームをギリギリで避けると、ヅダ改はエクストリームガンダムに突撃した。

　すぐに小型ファンネルを周囲に展開され、一斉に攻撃される。それは装甲を掠めてしまい、装甲の薄いヅダ改はかなりのダメージを負ってしまった。

「ふん！」

「その程度なら！！」

　エクストリームガンダムはライフルをタキオンスライサーに変形させると、それを振るいヅダ改を真っ二つにしようとする。

　ヅダ改は避けたつもりであったが胸部装甲を掠めてしまう。しかし、右手に持っていた対艦ライフルをエクストリームガンダムに向かって投げ付けた。

　想定外の攻撃に対して反射的にタキオンスライサーで対艦ライフルを斬り裂く。すると、弾丸の雨がエクストリームガンダムを襲った。

　霊香のカースロードとの戦いで繰り出した攻撃で、ヅダ改は予備のザク・マシンガンのドラムマガジンを投げ付けそれを撃ち抜いたのだ。

「ハッハッハ！　貴様のその程度のSでは私のエクストリームは動じもしない」

「だろうな。だから…………こうするんだよ！」

　今までの攻撃で少しだけでも注意を逸らせればよかったのだ。

　ヅダ改の最大の一撃を決められる距離にまで接近できれば、後はこの武装を叩き込むだけである。

「穿つ！」

　右腕に装備したヒートパイルが起動し鈍い音を立てたが、エクストリームガンダムの右腕を破壊するだけに終わってしまう。

　だがこれでエクストリームガンダムは両腕を失った。

　ヅダ改は連続してシールド・ピックを展開し、そのままの勢いでエクストリームガンダムの腹部に突き刺す。

「まだだ！」

　ヅダ改の後ろには小型ファンネルが展開されており、シールド・ピックはエクストリームガンダムの腹部に突き刺さっている。

　シールド・ピックのせいで動きが封じられたと双雲は思ったのだろうが、それは間違いであった。

　突如シールドの左右が開き、エクストリームガンダムを挟み込んだのだ。

「な、なんだと！」

「霊香がくれた武装、シールド・シザーだ。これで……終わりなんだよ！」

　双雲は急いで小型ファンネルでヅダ改を撃ち抜こうとするが、先にシールド・シザーがエクストリームガンダムを真っ二つに切り裂き、バトルは亮の勝利で終わった。

「今回は二人にかなり助けられたな。ありがとう美桜、霊香」

　バトルが終了してから、乱入してきた二人の頭を亮は撫でた。

　美桜と霊香は自分のガンプラがボロボロになってしまったが、亮の助けになったということで嬉しそうにしている。

「んじゃ帰るか。助けられたから今日は好きなものを作ってやるよ。勿論、霊香も来るだろ？」

「勿論よ！」

「兄さんの料理、楽しみだ」

　ボロボロになったガンプラを回収し硬直している双雲を一人残して、三人は部室を出ていった。

　そして亮たちがガンプラバトルを丁度終えた頃、ロシアでガンプラバトルが行われていた。

　雪が降る戦場に浮かんでいるのは小柄な機体――ガンダムF91である。

　そして、ガンダムF91に挑んでいるのはデスティニーガンダムであった。

　デスティニーガンダムが降り下ろしたアロンダイトの一撃でバトルは終わったと思われたが、ガンダムF91は分身したかのように別の場所に姿を現す。

　アロンダイトを降り下ろしたばかりのデスティニーガンダムにガンダムF91のヴェスバーが撃ち込まれ、バトルは終了した。

　先ほどのデスティニーガンダムは筐体に保存されている無人機体である。

　だが保存されているのはいずれも優秀なファイターの機体であり、易々と勝てるはずのないモノだ。

「流石お嬢様、百人抜きお疲れ様でございます。社長からも約束通り日本に行く許可が下りました」

　ガンダムF91を操っていた茶色の髪をした少女に、白髪混じりの燕尾服を着た執事が一礼して近づいてきた。

　少女は無言で頷き、ガンダムF91を見つめる。

「詳しい日程は後日お伝えします。それでは失礼します」

　執事が部屋から出ると、少女は棚の上に置いてある写真立てを手に取る。

　彼女にとって大切な相手、とても会いたい男性の写真だ。

「もうすぐ会えるお」

　そう日本語で彼女が写真に話しかけた。

　彼女が日本を訪れるのはそう遠くない事であり、また一つ問題が増えることになる。

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結局かなり急ぎ気味でエクストリームガンダムとのバトル終わらせました
双雲、かなり扱い辛いキャラでして……

そろそろ大会編に突入します！
以前募集していた機体も出していく予定ですのでよろしくお願いします！

それから最後の娘は新キャラになります
正式な出番はまだ先になると思いますが、この娘もよろしくお願いします……でいいのかな？